嫌な気分になった方は、シグマウィルスワクチンを投与してください。
さて、今回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は本編から少し離れ、シグマのセイバートロン星から攻撃を一時的に凌いだ後の話を少しだけしよう。
クリスマス数日前の深夜の霧雨魔法店。
既に誰もが眠りについているというこの時間、この店の一室に明かりが灯っていた。
「・・・・・・・・・・」
そこで何かをしている人影、その正体はこの店の住人の一人であるレプリロイドの少女、アイリスである。こんな時間に一体何をしているというのだろうか?
「・・・・・・」
アイリスは、一時作業を止め、後ろで眠っているゼロをそっと見る。
「・・・・・・間に合うといいけど・・・・・」
彼女はまた作業を再開する。
そして、数日後のクリスマスの夜。
妖怪の山 にとりの家では、サイバトロンとデストロン、河童、そして、今回の戦いで共に戦ったメンバーたちが何かを祝っていた。
「メリークリスマース!!」
にとりたちは、シャンパンを吹かして賑わう。
「いやあ、まさかこんな所でクリスマスを送ることになるなんてな。」
「でもいいんじゃない?外の世界だとこういうふうに賑わう事ができるのサイバトロン基地ぐらいしかないからね。」
「セイバートロン星を取り戻しに早くいきたいという気持ちもあるが焦ってはかえって敵の罠に嵌るのが落ちだからね。」
「よおし~!じゃあ、俺っちがここでクリスマス向けのヒット曲を流すぜ~!!」
ブロードキャストはラジカセに変形し、音楽を掛けようとする。
「オ前ノ曲ハ騒ガシスギル。俺ガクラシックヲ流スカラ引ッ込ンデロ。」
「な、なにぃい~!?サウンドシステムの面汚しに言われたくないぜ!!」
「フン、イカレサウンドガ・・・・・」
「コイツ・・・・・」
せっかく曲を掛けようとした二人は鬼の形相で睨み合う。
「・・・・あ~ぁ、二人はお取り込み中だから代わりに私が流そう。」
マイスターは二人に代わって音楽を流し始める。一同はその音楽のリズムに乗りながら思わず踊り始めた。
「そう言えば魔理沙、ゼロとアイリスはどうしたの?さっきまで一緒にいたのに?」
バンブルはサンタのコスプレをした顔で魔理沙に聞く。
「ん?あぁ・・・・・あれ?一緒にいたはずなのにな。いつの間にいなくなったんだ?」
「あなた、もしかして気が付かなかったの?二人の一番近くにいたのあなたでしょ?」
アリスも驚いた顔で言う。
「わ、私だってあの二人を見ていない時だってあるんだぜ!?そんな責任感じらせるような言われ方をしても・・・・・・・・」
「お~い!バンブル!そろそろ出番だぞ!!」
「えっ!?もう!?じゃあ、オイラは芸やってくるから二人は探してみて。」
バンブルは舞台の方へと上がって行く。
「さあ、次はバンブルがトナカイのコスプレをしたダイノボットたちにそりを引かせてリアルサンタクロースだ!!」
「「「「「イエ~イ!!!」」」」」
妖怪の山 外
「どうしたんだアイリス?急に二人だけになりたいって外に連れ出して。」
ゼロはもじもじしているアイリスを見ながら言う。アイリスは顔を赤くしながらデコレーションした紙袋をゼロに差し出す。
「ん?これは?」
「・・・・私からゼロへのクリスマスプレゼント・・・・・・」
アイリスは恥ずかしそうに言う。ゼロは紙袋を開けてみる。
「これは・・・・・」
「て、手作りでやってみたの・・・・・途中で失敗して何度かやり直ししたけど・・・・・」
それは赤い手作りのマフラーだった。端の方に「Z」とやってはいるが一歩間違えると「X」に見えかけた。
「・・・・・・・・俺のために編んでくれたのか?」
「・・・・・うん。」
アイリスは、ゼロの顔を見ながら言う。
「すまないな。じゃあ、早速巻いてみ・・・・・・・・うん?なんかこのマフラー長すぎないか?」
ゼロはマフラーを首に巻いてみると異常に長いことに気が付く。自分の首に巻いただけでも端っこが地面についてしまっており、どこかのスカーフを巻いたロボットと比べても異常な長さだ。
「夜遅く編んでいたから長さ把握し忘れてて・・・・・・今日になって気が付いたんだけど・・・・・・」
申し訳なさそうに言うアイリスに対してゼロは黙る。
「ごめんなさい、ゼロ。こんな長いマフラーじゃ邪魔よね。今度はアリスさんや咲夜さんからしっかり教えてもらって・・・・・!?」
謝罪しようとしたアイリスに対してゼロは余ったマフラーを彼女の首に巻く。
「おっ、2人だったら丁度いい長さになったな。」
ゼロは、笑いながら言う。アイリスのただでさえ赤かった顔は、もはやゼロのボディといい勝負・・・・それ以上に赤く見えた。
「だ、大丈夫か?」
そんなアイリスを見てゼロは思わず彼女を抱きかかえる。
「だ・・・・・・・・・・大丈夫・・・・・・・・・・」
「本当にそうか?にとりに見てもらった方が・・・・・」
「うんうん。いいの。」
アイリスは、ゼロに寄り添いながら夜空を見る。夜空には雲一つなく、星がきれいに輝いていた。
「きれいね・・・・・・・」
「俺の方は何もやれなくてすまないな。俺はお前や魔理沙みたいに物を作るのが得意じゃないからな。」
「いいのよ、ゼロが私の傍にいてくれるだけでうれしいから。」
「・・・・・アイリス・・・・・」
「・・・・・・・・」
二人は空を再び眺める。
「・・・・・これから私たち、あの星々のある所へと向かうのね。」
「あぁ。バンブルたちの故郷で今はシグマに支配されてしまったセイバートロン星にだ。おそらく、向こうでの戦いはここでの戦い以上に熾烈なものへとなるだろうな・・・・・・」
ゼロは鋭い眼差しで空を見る。
「ゼロ?」
「奴をこれ以上好き勝手にやらせるわけにはいかない。絶対にセイバートロン星に行ってみせる。」
「・・・うん、そうね。あっ。」
「今度はどうした?」
「その・・・・・・・・・・もう一つ渡したいものがあったんだけど・・・・・・目をつむってて。」
「?」
「お願い。」
ゼロは言われたとおりに目を閉じる。それを見るとアイリスは深呼吸をして自分の顔をゼロの顔に近づける。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「「・・・・・・・」」
「・・・・・・なあ、もう眼を開けていい・・・・」
「!?」
長く待ってなかったのかゼロは目を開ける。
目の前ではアイリスが自分と唇を重ねていた。アイリスは恥ずかしさのあまりに逃げ出したくなったがマフラ―のせいで逃げられない。
「・・・・・・」
しかし、ゼロは拒まず強く彼女を抱きしめた。アイリスの方もこれは予想外のようだったが意のままに受け入れる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
どのくらい同じ態勢でいたのか。
2人が気が付いた時には、目の前で魔理沙とアリスが愕然としていた。
『・・・・・・・誰もわしの格好に気付いてくれん(´;ω;`)』
パーティの中でライト博士は、サンタの格好になっているにもかかわらず寂しそうだった。
「だっ、大丈夫ですよ!?ライト博士のサンタ姿、似合ってますから!!」
フォローするように早苗が言うが、その後彼の服装に突っ込む者は誰もいなかった・・・・・・・・。
アイリスとゼロのハッピーエンド・・・・・・この作品では実現したい!!
「メぇぇぇ~~リぃぃぃぃぃクリっスマぁぁぁ――――――スぅ!!ひゃ――――――――――はっはっはっはっはっはぁ――――――――っ!!」
本作の連載再開について
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再開してほしい
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