ロックマンX ゼロの幻想入り   作:赤バンブル

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ロックマンと言えばロックバスターってイメージが強いけど、一番弱いバスターって多分エグゼのバスターかも。


イレギュラー?

博麗神社近辺

 

「うわあぁ!?」

 

三人は、慌ててレーザー攻撃を避ける。

 

「コンボイ司令官、どうしちゃったんですか!?また、首だけになっちゃって!?」

 

バンブルは、巨大なシグマ(コンボイ)ヘッドに向かって言う。しかし、当然答えるはずなく、マスクの部位が開くと今度は複数の砲台が現れ一斉掃射する。

 

「っつ!バンブル!コイツきっとアンタの知っている司令官様じゃないみたいよ?」

 

霊夢は、シグマの邪悪な気配を感じたのかアーマーを装着している身ながら複数の札を取り出して投げる。

 

「霊符『夢想封印』!!」

 

お札は、シグマ(コンボイ)ヘッドに張り付き大爆発する。しかし、爆煙が晴れると何事もなかったのかのように姿を現す。

 

「その程度かね?」

 

「まだです!ダブルチャージショット!!」

 

早苗はセカンドアーマーを装着し、両腕を変形させてバスターを放つ。光弾はシグマ(コンボイ)ヘッドがマスクを開いた瞬間に命中し砲台をいくつか破壊することに成功する。

 

「ぬうっ!?お、おのれ・・・・・」

 

「オイラ、なんかいい気分しないな。なんか、コンボイ司令官壊しているような気がして・・・・・・」

 

「いい加減に割り切りなさい。あれは、司令官じゃない。敵って。」

 

バンブルは戸惑う中、霊夢はこの機を逃さずにバスターのエネルギーをチャージして発射する。

 

「スピアチャージショット!!」

 

「ぐおぉぉお!?」

 

チャージショットはシグマ(コンボイ)ヘッドの右目を破壊する。

 

「こいつ、見た目より大したことないわ!一気に片を付けるわよ!」

 

「コンボイ司令官、お許しください!」

 

バンブルは、援護射撃で攪乱させる中霊夢と早苗は大技をかける。

 

「奇跡『客星の明るすぎる夜』!!」

 

「神霊『夢想封印・瞬』!!」

 

二人の攻撃は瞬く間に命中し、シグマ(コンボイ)ヘッドは悲惨な叫びをあげる。

 

「ほわああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

シグマ(コンボイ)ヘッドから凄まじい轟音と爆炎が立ち上り、落ちていく。

 

「なんか以外にあっけなかったわね。」

 

「オイラ、なんか複雑・・・・・・・」

 

「で、でも、いいじゃないですか!?倒せたんですし、これで一件落着・・・・・・」

 

早苗が言おうとした矢先、霊夢は、異様な気配を感じて、後ろを振り向いた。

 

爆炎を突き破るように不気味な色をしたガスが発生し、広範囲へと拡散し始めたのだ。

 

「な、なにこのガス?」

 

「なんかすごくやばそうな雰囲気が・・・・・・」

 

結界を張って拡散を防ごうにも既に手遅れ。

 

おそらく幻想郷一帯へ広がってしまっていた・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「滅閃光!!」

 

「プラズマチャージショット!!」

 

ゼロとアイリスの同時攻撃でVAVAのライドアーマーの右腕が吹き飛ぶ。

 

「ちっ!・・・・・・・時間切れか。」

 

VAVAは、上空を見て言う。

 

「何?時間切れだと!?」

 

「あぁ、悪いなゼロ。お前との決着はまた今度だ。」

 

VAVAは、逃げるようにライドアーマーを自爆させてゼロたちが追跡できぬようにする。

 

「逃げる気か!?」

 

「これもシグマの命令なんでな。気に食わねえがお前ならやれると思うぜ?精々これからのことに気を付けるんだな。」

 

ゼロは、VAVAを追跡しようとするが周囲の変化に気づく。

 

「な、なんだ?空が・・・・・・」

 

上空を見ると青かった空がまるで地獄にでも変化するように不気味な紫色へと染まっていた。それどころか周囲も紫色の霧が発生し始めている。

 

「ゼロ・・・・・これは一体・・・・・」

 

アイリスは、不安な表情でゼロの傍に行く。

 

「これは・・・・・まさか・・・・・」

 

「ゼロ――――!!」

 

そこへ車に変形したバンブルが駆けつけて来た。止まると中からアーマーを解除した霊夢と早苗が降りてくる。

 

「霊夢、早苗、一体何が起きたんだ?」

 

「例の隕石から出て来たデカい生首の妖怪を退治したのよ。」

 

「生首?」

 

「コンボイ司令官そっくりな生首が出てきて、霊夢ちゃんと早苗ちゃんがやっつけたんだ。でも、なんかそこから・・・・・」

 

「嵌められた。」

 

「えっ?」

 

ゼロの言葉に一同はきょとんとする。

 

「嵌められたって・・・・誰にですか?」

 

「俺たちはまんまとシグマの罠に嵌められたんだ。奴は・・・奴はわざとお前たちに破壊されてウィルスを幻想郷中にばら撒くことを狙っていたんだ!俺のいた世界でも同じ作戦で多くのレプリロイドをイレギュラー化させて混乱に陥れた!」

 

「で、でも、オイラは何ともないよ!?ゼロの話だったら、効くのはロボットだけなんでしょ?」

 

「普通はな。俺はともかくアイリスやイーグリードたちにはパーセプターが作ったアンチウィルスプログラムを付けているから問題はないが・・・・・・・・」

 

「じゃ、じゃあ・・・・しばらくすれば問題ないんじゃないんですか?」

 

早苗は暗くならないように前向きに言う。

 

「だといいが・・・・・」

 

「ん?通信だ。誰からだろう?」

 

バンブルは通信機を繋げて連絡する。

 

「こちらバンブル。」

 

『バンブルかい?』

 

「あっ、パーセプター。丁度良かった。実は・・・・・」

 

『話は後だ。とにかくすぐに戻ってきてくれ。どうやら緊急事態のようだ。』

 

「了解。」

 

バンブルはすぐに車に変形する。

 

「みんな早く乗って。急いで戻ろう。」

 

全員乗るとバンブルは急いでにとりの家へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にとりの家

 

「では、状況から説明しよう。霊夢君たちが破壊したコンボイ司令官の頭のようなものはどうやら未知のウィルスが大量に入っていたようで現在そのウィルスは幻想郷全体に蔓延してしまった。」

 

パーセプターは、モニターに霊夢たちが撃破したシグマ(コンボイ)ヘッドの推定見取り図を見ながら説明する。

 

「それで・・・・・・ウィルスについては何かわかったか?」

 

「うん・・・・・・幸い人間には害はないみたいだ。無論、妖怪や妖精にもね。」

 

「でも、本当に大丈夫なんですか?」

 

アイリスは不安そうに聞く。

 

「幸い人里はホイルジャックが作ったバリアー装置のおかげでしばらくは問題ないよ。しかし、我々にしか効かないウィルスをばら撒くとは・・・・・・いったい何を考えているんだろうね。」

 

「・・・・・いや、おそらくシグマのことだ。概ね、何か企んでやったに違いない。」

 

「で、あのガスはいつ晴れるのよ?」

 

「うん、コンピュータで計算してみたけど大体一週間ぐらいで・・・・・・・」

 

その直後、コンピュータが警報を鳴らし始める。

 

『緊急警報!幻想郷各地ニ強力ナエネルギー反応!!』

 

「何!?」

 

ゼロたちはモニターで確認し始める。地底を除く幻想郷各地に強力なエネルギー反応が出ていた。

 

「テレトラン2、このエネルギーの正体は?」

 

『オソラクスペースブリッジト酷似シテイルモノト思ワレマス。』

 

「スペースブリッジだって!?ここには転送用の装置はないはずだが・・・・・・」

 

『改良サレタ新型デハナイカト。』

 

ゼロたちは外に出て見る。上空を見ると巨大なワープホールが幻想郷の各地に開いており、そこから要塞のような建造物がゆっくりと着地して行っていた。

 

「・・・・・・シグマめ、この地を根絶やしにするつもりか?」

 

「うひゃ~、目が覚めたらなんか飛んでもねえことになっているな・・・・・。」

 

いまさらと言ってもおかしくない状態で魔理沙が戻ってきていた。

 

「あんた、目を覚ますのが遅すぎるわよ・・・・・・」

 

「悪い悪い。んで、早速あの変な建物ん中でひと暴れか?」

 

「ちょいと待った!」

 

そこへホイルジャックが割り込む。

 

「こういうのは、一つ一つ潰していかんとね!おそらくあの建造物の近くは敵でウジャウジャ・・・・・そこで吾輩が発明した『イモビライザーMark2』の出番と!」

 

ホイルジャックは大量の卵上のカプセルを持ってくる。

 

「これは以前発明した『イモビライザー』の改良型でね、それを大きくコンパクトタイプに小さくしたもんでさ。こいつを作動して敵の方へ投げて作動させればジャ、ジャン!っと敵が凍結状態になって動けなくなるという代物だ。あまりにも数が多いときはコイツで動きを封じれば楽に破壊活動が進むはずだよ。」

 

「ホイルジャック、それって以前デストロンにやりたい放題やられた危ない奴じゃないか。またみんな動けなくなったらどうすんのさ?」

 

バンブルは心配そうに言う。

 

実は、原型ともいえる初代イモビライザーは、デストロンに利用されて危うくサイバトロンが全滅するかもしれない事態を招いた物だ。ホイルジャック本人も現にその身に味わっている。

 

「なあに、心配いらんよ!何と言ったって吾輩たちには当たらんよう改良を加えておいたからね!」

 

「・・・・・・なんか危ない事態になりそうだな。」

 

そんなホイルジャックの後姿を見ながらアイアンハイドたちは思わず言う。

 

「ま、まあ、使えるもんなら持っていた方がいいもんだぜ?とりあえずもらわねえとな!あっ!みんな使わねえんなら私が全部いただくぜ☆」

 

「・・・・・・使えるなら持って行った方がいいか。」

 

「本当に誤作動しないだろうな?」

 

魔理沙に言われて怪しく感じながらもゼロたちは卵サイズの「イモビライザーMark2」を人数分に分ける。

 

「じゃあ、私は魔法の森方面。アイリスとゼロは、人里近くの方、早苗は迷いの竹林、霊夢は博麗神社近辺。まあ、紅魔館はドラグーンの奴がいるし、とりあえずそれでいいよな?」

 

「まあ、神社の方が危ないかもしれないからそれでいいわ。」

 

「慧音先生たちが大丈夫かどうか気になるので私も。」

 

「迷いの竹林・・・・・・嫌な予感しかないです。」

 

「おい、ちょっと待て。人里の方に二人も回す必要があるか?」

 

ゼロは不思議そうな顔で聞く。

 

「あっちの近くは二つあるからな。それに途中までなら一緒でも問題ないだろ?」

 

「そ、それはそうだが・・・・・・」

 

「それにアイリスは、ゼロと一緒にいた方がよさそうだしな。」

 

「魔理沙さん!こんな時にからかうのはよしてください!」

 

「はっははは・・・・・じゃあ、早速、行こうぜ!」

 

四人は移動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙&霊夢 移動中

 

「・・・・・魔理沙。」

 

「何だよ?」

 

目的地に向かって飛行している霊夢は、魔理沙に聞く。

 

「アンタ、わざとあの二人に任せたわね。」

 

「あっ、バレたか?」

 

「アンタね・・・・・・なんでわざわざ『幽香のひまわり畑』の方にあの二人回す?」

 

霊夢は少し不安そうな表情で言う。

 

幽香というのは人里から少し離れた花畑に住む花妖怪で実力は幻想郷の中で上級レベルものもである。しかし、怒らせると止めようがないため普段は誰も近寄ろうとしない。

 

「まっ、ゼロは強いから何とかなるだろ☆」

 

「ゼロ・・・・アイリス・・・・・ごめんなさいね。」

 

霊夢は珍しく二人の無事を願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のゼロたちは

 

「・・・・・・・何なんだ?この光景は?」

 

ゼロとアイリスは目の前の光景に愕然としていた。

 

近くには広いひまわり畑があり、目の前には無残に破壊された要塞と一人の女性の前に土下座している二体のレプリロイド。一人は依然見たことがあるイレギュラーだがもう一人は見覚えがないものだった。

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

「あなたたち、これが何をやったのか分かっているのよね?」

 

女性は笑顔で言うがどこか凄まじい殺気を感じられた。

 

彼女の目の前にあるもの。

 

それは、この二人がやったのか茎が折れてしまったひまわりが数本あった。

 

「えっ、えっとその・・・・・」

 

ヘチマのような姿をしたレプリロイドは震えた声で答えようとするが言葉が出せない。答えたら何をされるかわからないからだ。

 

「これはあなたたちがやったんでしょ?」

 

「えっと・・・・・」

 

「や・っ・た・ん・で・しょ?」

 

「「ぶるぶるぶるぶるぶるぶる!!!」」

 

ヘチマ型のレプリロイドはすぐそばにいるキノコ型のレプリロイドと抱き合いながら震える。

 

「そっちのキノコはヒーローごっこしようって言って引き抜いて遊んでいたわよね?」

 

「あ、あぁ・・・・・・・」

 

キノコ型のレプリロイドはもはや涙目である。

 

「まさか私の花畑だとも知らずに脇に変なものを建てた上に花で遊ぶだなんてね・・・・・・どうしてあげようかしら?」

 

女性は、日傘を担ぎながら二人を鋭い目でにらむ。

 

「ぼ、僕死にたくないよ・・・・・・」

 

「僕も・・・・・」

 

「う~ん~、見た感じ貴方たち子どもね?なら、謝るんだったら許してあげなくもないわよ?」

 

二人は震えた体で地面に顔を押し付けた。

 

「「申し訳ございませんでした!!もうしませんのでどうか許してください!!」」

 

「相手の名前は?」

 

「「すみませんでした幽香さん!命だけは助けてください!!」」

 

「「・・・・・・・・」」

 

 

 

 

 

 

 

 

かつてイレギュラーとしてエックス、ゼロを苦戦させたはずの相手、緑林の小悪魔 ワイヤー・ヘチマールと廃墟の小悪魔 スプリット・マシュラームは、ゼロと交戦することなく花妖怪 風見幽香の前に敗北したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ロックマン、儂が悪かった!許しておくれ!!』

 

 

 

 

ゼロは、かつて似たような光景を見たような気がした。

 

 

 

 

 

 

 




次回予告(嘘)

霊夢よ。

なんかとんでもないことになったわね。

まあ、幻想郷がそう簡単にやられるとは思えないけど。

まあ特にいう事ないからさっさと終わるわよ。

次回の「ロックマンX ゼロの幻想入り」は「湖の中の銀世界」「紅魔館陥落」「大変!VAVAが飛んできた!」の三本よ。

まあ、気が向いたら読みなさいよ。


本作の連載再開について

  • 再開してほしい
  • できれば再開してほしい
  • どっちでもいい
  • してくてもいい
  • 他の作品を優先してほしい

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