戦闘はしばらくお預けかな。
俺はゼロ。
イレギュラーハンターだ。
俺は、シグマとの戦いで機能を停止したはずなのだが目を覚ましたらガラクタ置き場で倒れていた。
ハンターベースに連絡を取ろうにもどういう訳か通信が繋がらない。困った俺は、森の中を歩いていたら一軒の木造建築の家を発見した。
更に奇妙な人間の少女「霧雨魔理沙」と出会い、家の中に入れてもらったのだが・・・・・・・
翌朝
「・・・・・・・」
ゼロは目を覚まして辺りを見回す。
「・・・・・そう言えば、泊めてもらっていたんだったな。」
近くのソファーでは魔理沙がいびきを掻きながら眠っている。
「・・・・・・しかし、信じられんな。ここが俺のいた世界とは別世界とは。」
ゼロは、昨日の夜の魔理沙との会話を思い出す。
昨晩
「何ぃ!?ここが俺のいた世界とは違う別世界だというのか!?」
ゼロは驚いた顔で魔理沙に言う。
「あぁ、そのレプリロイドとかっていう奴もレプリ何とか大戦とかっていう奴も全く知らないぜ?」
「そんな馬鹿な・・・・・・あのレプリフォース大戦も世界中にシグマウィルスがばら撒かれてレプリロイドたちが一斉にイレギュラー化した事件も何もなかったというのか・・・・・・」
ゼロは動揺した様子で椅子に座りこむ。
「で、でもよぉ!霊夢のところに行けばお前のいたところに戻れるかもしれないぜ!?」
「・・・・・だといいが。」
魔理沙が励まそうとするがゼロの表情は暗いままだった。
「あっ!もうこんな時間だぜ!私はそろそろ寝るぜ!」
魔理沙はそう言うとさっさと眠りについた。ゼロは窓から見える月を見ながら、目を閉じる。
(こうしている間にも向こうではエックスが俺のことを探しているのだろうか?・・・・・・いや、エックスのことだ。俺が生きていることを信じてきっと地球の復興に努めてくれているだろう。「ユーラシア」を破壊したとはいえ、結構な被害があったからな・・・・・)
現在
「よっ!おはようゼロ!」
魔理沙は、ゼロに向かって言う。
「あぁ、おはよう。」
朝食を作っている(主にキノコ)魔理沙の横でゼロは昨日ガラクタ置き場で見つけた使われていないエネルギーボトルでエネルギーを補充していた。
「お前って、本当に妖怪でも人間でもないんだな・・・・・」
魔理沙は、興味を示す。
「しかし、魔理沙。」
「なんだぜ?」
「お前の家になぜエネルギーボトルやそれに似たものがこんなに転がっているんだ?」
ゼロは少し問題ありそうに言う。魔理沙の家はかなり散らかっており、その中にはゼロの世界にあったものがいくつか転がっていた。
「香霖ところから死ぬまで借りて来たんだぜ。珍しいものだから。」
「香霖?」
「まあ、私の知り合いだ。」
「それにしては問題があるんじゃないか?死ぬまでという事は窃盗とあまり変わらないと思うが・・・」
「私は細かいことを気にしないん方なんだぜ☆」
「・・・・・・それよりも、本当に戻れるのか?その博麗神社とかに行けば。」
ゼロは、魔理沙を見ながら言う。
「あぁ。霊夢なら外の世界に送り返せるし、霊夢が無理だったら紫の奴を探せばいいことだし。まあ、その場合はしばらくかかるかもしれないけどな。」
「そうか。」
「私が朝飯を食べ終わったらすぐに出発するぜ。でもいいのか?私の後ろに乗らなくても。」
「これでも移動には慣れている方だ。心配はしなくてもいい。」
「ふ~ん。」
ゼロの反応に魔理沙は少し面白くなさそうだった。
朝食を食べ終えた魔理沙は、身支度をすると箒で博麗神社を目指して飛んで行った。地上ではゼロがジャンプとダッシュの繰り返して魔理沙を追いかけていた。
「・・・・・あいつ、本当に速いんだな。」
二人は特に距離差がつくことなく博麗神社に到着した。
「は、速いんだな・・・・・・お前。」
「任務中はある程度自力で移動しなければいけない時があるからな。」
二人は、神社の中へと入って行く。そこには丁度、紅白の巫女服の少女が掃除をしていた。
「オッス、霊夢。賽銭は入ったか?」
魔理沙はからかうように言う。そんな魔理沙に対して霊夢は興味なさそうに返事をする。
「・・・・・・・・魔理沙。アンタ、またからかいに来たの?」
「冗談だぜ☆それよりも頼みたいことがあるんだが・・・・・・」
魔理沙はゼロの方に指を指す。
「コイツを外の世界に返してほしいんだ。」
「誰よ?」
「ゼロって言うんだ。」
「ゼロだ。お前がこの建物の地主か?」
「えぇ、そうよ。私は博麗霊夢。よろしく。」
霊夢は軽い自己紹介を終えるとゼロをじっと見る。その姿はなんか不振そうだった。
「・・・・・・・アンタ、人間じゃないの?」
「あぁ。俺はレプリロイドだ。」
「・・・・・・・・」
ゼロの言葉に霊夢は黙り込む。そして、出た言葉は
「無理ね。」
「えっ!?それってどういうことだよ霊夢!?」
霊夢の言葉に魔理沙は驚く。
「ゼロ、一つ聞くけどアンタの最後に確認した日はいつ?」
「えっ?確か21XX年だが?」
ゼロの言葉に二人は黙る。
「あのよぉ・・・・・ゼロ。お前、頭大丈夫か?」
「何を言っている?俺の記憶メモリーは正常だ。」
「・・・・・今、20XX年よ。」
「なっ!?」
霊夢の一言にゼロは絶句する。
(俺は過去に来てしまったのか!?だとしたらまだレプリロイドはまだ開発されていない・・・・・・・しかし、どうやって・・・・・)
ゼロが黙り込んでいる中、魔理沙は気を落としたと思い声をかける。
「そう落ち込むなよ。まあ、タイムスリップしてきたって言うのはショックだと思うけどよ・・・・・そのうち帰れる方法が見つかるって!だから前向きに行こうぜ?」
「・・・・・・・」
「あぁ・・・・・アンタ見ているとついこの間アリスが連れてきた子のことを思い出すわね。」
霊夢は、頭を掻きながら言う。
「えっ?アリスが来ていたのか?」
「えぇ。その連れてきた子もなんか似たようなことを言っていたわ。」
「そいつもレプリ・・・・・・」
「レプリロイドだ。」
「そうそう、レプリロイドだったのか?」
「う~ん・・・・少なくとも人間に近かったのは確かね。」
「それでその子はまだそのアリスという奴のところにいるのか?」
「多分ね。別に行く宛もないんだし。」
「そうか。魔理沙、アリスの居場所はわかるか?」
「知ってるけど私はこれから紅魔館のパチュリーのところへ本を盗・・・・・・じゃなくて借りに行きたいから、一緒には行かないけど大丈夫か?」
「場所さえ教えてくれれば行く。」
「私の家からちょっと離れたところに別の家がある。そこがアリスの家だ。見張りの人形がいるけど警戒させなければ何もしないぜ。」
「わかった。」
「じゃあ、霊夢。また今度な。」
魔理沙はそう言い残すと箒にまたがり、どこかへ飛んで行ってしまった。
「アンタも大変でしょうね。」
「いや、ここまで案内してくれただけでも感謝している。」
「そう。まあ、気が向いたらまた来なさいね。お賽銭も持って。」
「あぁ。(お賽銭ってなんだ?)」
そう言うとゼロは霊夢と別れてまた森の中を駆けて行った。
「・・・・・・・・・・・・・・あっ、そう言えば相手が女の子だったの言い忘れた。」
ゼロが去った後、霊夢は思い出したのかのように呟いた。
第二話終了。
「私の出番はまだかね?」
すみません。まだないと思います。
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