工兵のGGO   作:流舞

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洗車

「いやー武器の強さってやっぱり重要ね、前の奴じゃ胴一撃じゃないからジンが死んでびっくりしたわよ、良いの拾っちゃった!」

 

ダンジョンで死んだ俺はグロッケンで生き返った、シノンは帰ってきておらずソファーに寝転び親父の如くはぐれメタルと化していた。

 

しばらくしてシノンがヘカートを見せびらかしながら帰ってきてそれからはニコニコとご機嫌で若干の煽りを含みつつ試射の感想を言っている。

 

 

「あ、これ返すね」

 

やっと思い出したのかストレージから俺の相棒を出し放り投げる。

 

 

「雑に扱うなって」

 

「壊れるわけじゃないから良いでしょ」

 

「・・・まぁ良いや、データ見せて」

 

そう言ってシノンは銃のデータをこちらに送る。

 

ウルティマラティオ・ヘカートⅡ

エピック

威力105〜101

装填数7+1発

射程2km

使用弾薬12.7×99mm NATO弾

 

まぁ対物らしい対物だなぁ、マズルブレーキがでかいから反動もそこまで大きくは無いとか?

シノンも問題なく使えてたし良いんじゃねぇかな、しかしエピックか、良いなぁアイコンがかっこいいんだよなぁ。

 

 

「ジンはGGOどのくらいやってたっけ?」

 

「は? ・・・サービス開始くらいだからもう一年なるくらいかな?」

 

「レジェンダリー持ってたっけ?」

 

「一応UNICAはそうだけど」

 

「へぇ、UNICAねぇ。確か・・・」

 

おいやめておけ、それ以上はいけない。

 

「ハズレジェンダリーよね?」

 

「言ったな、お前サイコーに言っちゃいけねぇ事を言ったな」

 

それを言っちゃ戦争だろうが。

 

「事実でしょ〜、あの反動だけクソ強いM14はなんだっけ?」

 

「・・・レアだよ」

 

「私のこれエピック」

 

「・・・」

 

一般的に武器防具のレアリティとはそのプレイヤーの強さに直結することはご存知だろう、俺はそれが嫌でそういったゲームをやっておらず自分のプレイヤースキルが重視されるゲームをやってきた。

このゲームではレアリティも大事だが何よりも大事なものは自分のプレイヤースキルと俺は信じている、勿論ゼクシードのようにレアリティの高い装備で固めればある程度強くはなれるが根本にはプレイヤースキルというバロメーターがある。

 

 

「シノンよ、お前のその傲慢をへし折ることは簡単なものだ、レアリティと武器の性能に信を置くのは良いが他の人の武器をdisるとは何事かな小娘?」

 

いいさ俺に対する煽りくらい、ただな人が好きで使ってる武器を悪くいったのは見逃せない、どんな弱武器でもその人の思い入れがありそれを貶すというのは殺されても文句言えねぇぞ?

 

 

ソファーで仰向けになったまま問いかける、屋上来いよ久しぶりにキレちまったよ。

 

 

「そんな怒んなくたっていいじゃない、初めてジンに勝てたんだから」

 

シノンはニコニコとヘカートを触りながら返す。

 

 

「まぁ良かったな、今度のBoBまでに弾道とか反動の癖に慣れとけよ」

 

「あ、ちょっと!」

 

 

そう言い残して現実へと戻る、やってられっか!

 

これ以上俺の愛しのシャーリーンと幼馴染キャラのUNICAたんの悪口は聞いてられない。

 

まぁ良いさ今はな、覚えてなくたっても良いよシノン、今度のBoB俺も出てやるよ、全力で殺しに行ってやる。

 

 

 

そんなことよりも俺は予定を思い出したんだ、ゲームのことなど現実に戻ればちっぽけなもの、秋田旅行をしなければならないために詩乃と予定を立てるという予定をわざわざ予定のない予定の中にぶち込んだのだ。

 

 

やっぱゲームに本気になっちゃイカンイカン、子供は風の子外で遊べ。

 

起きてそのままゲームをやっていたため今はパン一、適当なTシャツと半ズボンを履いてガレージへと向かう。

 

最近バイクに乗ってないからちゃんと動くか不安だったので少し回してみるか、ついでに外も晴れてるから洗車でもしてやろう。

 

 

ガレージに入るといつもは親父のBMWさんに隠れたCBさんが可哀想にも埃をかぶっていた、ここ一月半乗ってないからね。しかしエンジンをかければしっかりと動いてくれた、流石世界のホンダ。

 

ゆったりとロータリーに出して立てる。

 

 

水をかける前にポケットに入れておいたビニールテープで鍵穴などを塞いでおく、防水性あるかどうかは知らないが一応やっておく。

 

ホースで水をかけるとみるみるうちに元の輝きを取り戻す、ある程度水をかけこっからは軍手をつけてスポンジでゴシゴシと洗う、本来はそれ用の布があるらしいが面倒だからこれでいい。

 

ボディは水である程度流れていたがエンジン周りはなかなか強敵だ、なんでここに着くかわからないような場所に油が付いてたりサビが付いてたりと色々な発見がある。

 

サビを落としてやるのがなんだかんだ楽しくなってくる。

 

 

そして泡を落とすと驚き、新車のような輝きを見せるCBさんが現れた!?

 

はいはい。

 

拭き上げをした後、最後はワックスを塗って終了、これもスプレーのコーティングがいいらしいが今は切らしている。先に買って来いと思わ無くも無いが多分帰ってきた頃には洗車する気が無くなってるからダメ。

 

 

はい終了。

 

ブレーキパットもチェーンもそんなに乗ってないからか磨耗は少ない、オイルもこの間交換したばかりだから流石にいいだろう。

 

 

いやぁ親父がBMをあんなベカベカさせたくなる気持ちもわかる、やっぱ気持ちいいもんだよ。

 

 

 

 

あ、詩乃ん家行くの忘れてた、いやこれから行くんだっけ?

 

いかんなボケが始まったか?

 

 

いやCBさんが悲しそうにしてたから仕方ない、これからも構って欲しければいくらでも構ってやるからな。




バイク洗車は友人のを見て書いたのでおかしいところがあるかもしれませんがお目溢しを・・・。

最後の一言も友人の言葉です。

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