工兵のGGO   作:流舞

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行間とか変えてみました。

導入部で中途半端に切りました、次の更新は10日の昼ごろか、日付が変わる頃かもしれません。

寝ます。


キャンプ回

祭りの日から1日空けて俺の家の前にはBMWの523d Mスポーツが停まっている。

 

親父が無理して・・・はないけど新車で買って、二週間に一回洗車して撥水コートもしっかりとしてもらっている自慢の逸品、らしいが正直わざわざこれ買う必要あった?

 

「はいこれお願い」

 

母さんは俺の足元に荷物を置き助手席に乗り込む、まぁ俺の仕事だわな。

 

母さんが家から持ってきた食材などをトランクに積み込むが、車体に当てたら親父が悲しむからそこは気をつける。

 

 

「準備できたかい、ほら詩乃ちゃん乗りな」

 

「はい、失礼します」

 

 

 

詩乃は恐る恐る車の後部座席に乗る。

 

そんだけ車体ベカベカしてたらそら引くわな、街で走ってるのたまに見るけどすぐにわかるもん。

 

 

 

「そんな気を使わなくていいんだよ、ウチの子みたいなもんだからさ」

 

「そうよ、女の子がいてくれて助かるわぁ一緒に料理しましょ?」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 

なんか中では詩乃が親から集中砲火を食らっている、頑張れ。

 

 

「親父、竿は大丈夫なの?」

 

「たしかキャンプで貸し出してたろ」

 

「あぁそっか、忘れ物ない?」

 

「「OK」」

 

俺も後部座席に乗り込む。

 

 

「ねぇ仁、キャンプって何するの?」

 

「何するって川で泳いだり釣りしたり遊んで飯食って終わりだよ」

 

「へぇやったことないから、初めて」

 

 

俺がドアを閉めるのを確認して親父はキーに手を伸ばす。

 

 

「余裕の音だ、馬力が違いますよ」

 

 

親父がエンジンを掛けつつ呟く。

 

 

「え?」

 

「気にすんな」

 

「う、うん」

 

母さんも気にしてないし親父も返事を求めてない。そんな中、詩乃だけが戸惑いつつ車は発進した。

 

あれは一種の病気だ。

 

毎回思うがこれドイツ車だからな、アメリカで生まれてもねぇし日本の発明品でもないからな。

 

 

 

目的地はここから多摩川上流にあるキャンプ場、車で一時間近くかかる。

 

 

「詩乃泳ぐ?」

 

「んー気分次第かなぁ」

 

「川だから服のまま泳げるから泳ぎたい気分の時はすぐ飛び込めるし丁度いいじゃん」

 

「それはそれで、まぁ言われた通り濡れてもいい格好で来ましたけど」

 

 

 

詩乃の服装は膝丈のズボンにTシャツ、ついでにトランクには麦わら帽子を人数分置いてある。

 

完璧釣り人スタイル、最近こんな服装ばっかだな。

 

 

 

「詩乃はどっか人の多いとこ行きたい?」

 

 

「いや、人に酔うからあんまり多いとこは・・・」

 

 

「ならいいか」

 

 

これ終わったら適当に海行くくらいでダラダラすればいいか。

 

 

詩乃も里帰りするって言ってるし。

 

 

「帰って来て何したい?」

 

 

「やりたいことも無いし、遊び行くときに何か連れてってもらえたら私は十分よ」

 

 

「特に俺もやりたいことねぇんだよなぁ、釣りもこれからできるし」

 

 

「どうする、夏休み?」

 

 

「どうしようか?」

 

 

 

 

夏休み序盤、俺たちはやる事のなさに危機を覚えていた。

 

 

 

「あなたたち二人で旅行とか行ってくれば?」

 

 

「旅行なぁ、観光とかあんま興味ないしクーラー浴びときたいし、俺が行かなきゃ詩乃も行けねぇし」

 

 

「今度秋田に帰るんでしょ、それの送り迎えついでに挨拶でもして来たら?私たちも色々勝手にやってるから手紙とか渡したいし」

 

 

「あぁ、秋田ねぇ、秋田って名前結構魅力あるんだよなぁ、何があるとかしらねぇけど、でっかい湖があるのは知ってる」

 

 

「まぁ、何も無いっちゃ無いけどさ」

 

 

「しかしバイクで秋田までか、たしか六時間くらいかかったはずだよな、きつくね」

 

 

「とりあえず行って来なさいな」

 

 

「・・・」

 

 

 

運転する人じゃなきゃきつさはわからねぇんだろうな、まぁいいか。

 

秋田入り決定。

 

 

 

「本当に行くの?」

 

 

「母さんもこう言ってるしどうせ暇だし」

 

 

「あぁ、そう、まぁいいけど」

 

 

 

詩乃は母さんたちから見えないようにシートに顔を隠し俺に笑い掛ける。

 

 

 

俺も楽しみになって来たよ。


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