「あらま、まぁそれっぽいじゃん」
俺は今自分の試合を終えシュピーゲルの試合を観戦していた。
見れば典型的なAGI特化の素早い動きで敵の弾を避け、自分は有利に弾を当て続けている、場所次第では苦戦するかもな、まぁブロック違うからどうでもいいけど。
マップも廃墟マップとAGI有利なのもあるだろう、建物から建物へ移動する際に適当にばらまいて数発有効打を与えて隠れる、敵は有効打を与える事すら出来ていない、せいぜいカス当たりで2割削れた程度か。
そして画面では敵が身を隠し回復をしようとした時に飛び出したシュピーゲルが弾丸の雨を降らせ勝利していた。
「やるやん、妥当な勝ち方してるね」
「いいの、本戦で戦って勝てるの?」
「色物相手は慣れたもんだよ、過去どんな敵と戦ってきたと思ってんだ」
シノンの心配はわからんこともないが経験とは得難い物。
C4、ビークル、爆発物、油断してたら1kmスナ、そんなのがお祭りのように入り乱れた戦場にいたんだぞ。
でも足が速いのはチーターくらいか、でも足早いのCODじゃ良くいたな、壁走りとかやってたし。
なんかシュピーゲルが可愛く見えるな、それくらいやってるの今じゃ闇風先生しかいないし。
「それならいいけど・・・次の相手AGI特化よ、本当に大丈夫?」
「大丈夫だって、俺様の美技に酔いな」
見たいなら、跡部キングダム、見せてやる。
やめろよシラケた顔するの。
「シノン!勝ったよ!」
「あぁ、よかったわね・・・」
来たよ忠犬の皮を被った狂犬君。
シュピーゲル君は笑顔でこちらに(シノンに)駆け寄る、対するシノンはまたもやうんざりといった表情、顔色くらい察してやれよ。
「体力もそんなに削られてないし、すごいでしょ!」
「じゃあシノン、相手任せた」
「ちょジン!・・・」
俺は後数分で試合なんだ、すまないな。
ジンはクールに去るぜ・・・。
第2試合。
待機画面に映るステージは倉庫、縦50m、横20mの室内で中央にコンテナ、そのほか武器次第で抜ける箱や土嚢といった障害物が様々な場所に設置されている、わりかし突発的な戦闘が多くなるマップ。
俺としては遮蔽物を利用して敵を誘い込んだところでキルを取っていきたいが相手がどんなタイプのAGI型なのか。
そう考えているうちにスタート。
俺としては先に・・・いや、足音うるせぇな、ダバダバ聞こえてるわ。
隠れようと思い端の方のコンテナに向かおうとしたが対面方向から足音が聞こえている、しかもだんだんと近づいてるのも分かる。
これは速攻の先手必勝でぱっぱと済ませたいんだろう。
所謂脳死特攻。
あれだなードミネだからFAMASでいいやー、PBFルールならAEKでいいやー的な。
まぁ間違いじゃねぇけどさぁ。
俺もコンクエなら工兵でいいやだけどさ。
PBFルールに至っちゃむしろちゃんとルール守ってるね。って思うけど。
でもこんなところでそんなバレバレな特攻はダメでしょ。
匍匐で箱の隙間から見ればこちらへ走りこんでくる敵がガッツリ見えてる、武器はM101セミオートのSG、まぁわからんくもないかなその装備なら。
因みにここまで十秒もたってない。
俺が箱越しに照準を合わせ連射すれば一発目で胸に当たりノックバックがかかり足を止める、二発目で体力は消える。
ついでに一発消えかけの死体に撃っておこう、餞けですよ。
試合終了
試合時間18秒
勝者ジン
敵が量産型で助かる、壁蹴りしてたりあれがブラフだったら余裕で負けてただろうけどね。
久しぶりの戦闘描写、もっとガッツリ描きたかったけどこれ以上強くしたらジン負けちゃう・・・。