工兵のGGO   作:流舞

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暗黒面

えぇと、次ば・・・ギンロウ・・・。

 

 

却下だな、こいつALO掲示板で晒されてた奴だろ、手口が一緒ですぐにバレたって有名な。

 

 

 

「ねぇシノン、なんだってそんな人と一緒にいるのさ、君はそれでいいのかい?」

 

 

 

 

 

ギンロウさん、あなた晒されてましたよ。クランに入りたいなら別のアカウント作って素行を改めてください。

 

 

ついでにうちのクランは隊員は募集していませんっと。

 

 

 

「ジンのこと悪く言うのはやめて、私がどんな人とクランを組むなんて自由でしょ」

 

 

 

「僕はシノンのことが心配で話をしてるんだ、言うことを聞いてくれないか?」

 

 

 

次は、X_yoshiki_X。

 

両端をXで囲むんじゃねぇ、誰かさんに憧れた小学生率高ぇんだよ。

 

 

募集していませんっと。

 

 

 

 

「シノンのことを理解できるのは僕だけなんだ、そんな奴シノンが傷付くだけだよ」

 

 

 

 

そういやオークションに出したSIGどうなったっけな・・・お!売れてんじゃーん、まぁ安めだけど売れたからいいや。

 

 

 

 

「そんなこと決めつけないでよ、シュピーゲルだってジンのこと知らないでしょ」

 

 

 

あとは・・・何しよっかな、こんな修羅場に口だしたくねぇよ。

 

 

なんか出品ねぇかな?

 

 

 

お、エピック!

 

 

あぁゼクシードが入札してやがる、こら買えねぇわ。

 

 

XM29て、効率悪くねぇ? でもランチャーとかに重量割るよりかはこっちの方がいいのか?

 

性能やば。

 

 

 

 

「ねぇジン!言われっぱなしでいいの!?」

 

 

 

出たーシノン特有のキラーパス。

 

 

 

 

「なぁシノン、ゼクシードやべー物買いそうなんだけど」

 

 

 

 

「えぇ? うわ、ほんとじゃない・・・じゃなくて」

 

 

 

 

 

どうやら誤魔化せないようだ。

 

睨むなって、はいかわはいかわ。

 

 

 

諦めた俺はバーの机の前に立つ線の細い男を見る。

 

 

イメージは線の細い体をした優男といったところか、装備も胸当てと戦闘服のみ、完璧にAGI特化の特徴丸出しだ。

 

 

 

今更ながら俺の外見はいかにも兵士!と言った体型をしている、そうしないと装備が薄っぺらくてどうも気に食わなかった。

 

 

おかげで中途半端なビルドだったが無理やりアタッカーに寄せた、ほんと無理やり。

 

 

 

 

 

「シノンとは相性良さそうだな」

 

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

 

「まぁAGI特化とスナは相性いいのは変わらんからね、AGI特化も今じゃ圧倒的に強いとはならないけど強いことには変わりないし」

 

 

 

 

「ほらこの人だってこう言ってるじゃないかシノン」

 

 

 

 

「ちょっと・・・」

 

 

AGI特化が暴れ回って敵を混乱させてスナが狙撃をするってのは戦術的にも悪くない、事実スカーとリッツのコンビは勝率高いし。

 

 

あれ?リッツAGI特化だったっけ、せいぜいAGI寄りか。

 

 

 

でも。

 

 

「君じゃダメだろ」

 

 

 

「は?」

 

 

 

「いやさ。君、そのキャラの性能使いきれてないでしょ?」

 

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

「お前、シノンとこれだけ話せるんなら初期勢だろ?少なくとも俺とシノンがクランを組んだ頃以前からやってるはずだし。そのくせしてそのクソ装備って何だよ、俺でさえメインはやっとレアだってのにお前のMP5アンコモンじゃねぇか」

 

 

しかもMP5はAGI特化が持つには重い。

それじゃAGI特化じゃないってなると防具クソすぎね?

 

 

 

 

「何でそんなことわかるんですか、サブ垢だったらどうするんですか」

 

 

 

「サブ垢なら尚更だよ、高い金払って作ってその有様じゃセンスねぇよ、ビルド変えれば? 手伝うけど?」

 

 

 

 

これは本心からの心配。

 

 

 

そら皆強い装備使って俺tueeeeeってやりたいよ、でも自分の相性考えねぇとどうあがいても雑魚に変わりねぇよ。

 

 

 

 

俺はもうガチ勢とかから足洗ったし皆楽しんでゲームしたいし。

 

 

 

「・・・簡単にそんなこと言わないでくださいよ」

 

 

 

 

「はぁ、別にゲームだろ。何時ぞやのSAOとか見たいにマジで死ぬわけじゃねぇんだから。別に煽りとかじゃなくてな、これはゲームでただのお遊びなんだよ」

 

 

 

シュピーゲル君は俯いて表情が見えない。

 

 

 

 

 

 

「マジになってやる奴はワンピースでグランドライン入る前から海賊王になるってマジで言ってるようなもんだぞ?」

 

 

 

ほら、お前くらいの子は好きだろワンピース、俺は頂上決戦で終わったけどな。

 

 

 

 

 

「わかったような口聞くなよ!!」

 

 

 

・・・おう、やべーとこ踏んじゃったか。

 

 

ワンピース・・・好きなのか?

 

 

 

 

「ちょっとシュピーゲル・・・」

 

 

おずおずとシノンがシュピーゲルに声をかけるがそれに構う様子はない。

 

 

 

 

「シノンだって! このゲームをそんな風に思ってほしくないはずだ!僕は本気でこのゲームをやってるんだ!シノンの助けになりたくて!シノンに寄り添いたくて!」

 

 

 

ストーカーじゃねぇか!!

 

 

 

 

「僕はこんな適当な人がシノンのそばに居るのが許せないんだ!なんか達観したような雰囲気で只々諦めてるだけの人が大っ嫌いなんだ!僕とシノンが最強を目指しているのにこの人はその邪魔をしてるんだ!」

 

 

 

 

 

 

お前それこそ勝手なこと言ってんじゃねえよ、何を知ってるってんだこのクソガキ。

 

 

 

 

「おぉ手厳しいね、シュピーゲル君はこのゲーム本気でやってるのかい?」

 

 

 

「あぁ本気さ!」

 

 

 

 

あーあ、めんどくせえ、どうしよっかなぁどうもこうも考え方が違うからどうしようも無いんだよなぁ、もうキリスト教のカトリックとプロテスタント並みに話が合わん。

 

 

 

「シノンどうしたい?」

 

 

投げたい。

 

 

「うん・・・」

 

 

チラと見ればシノンは頭を抱えていた。

 

 

 

 

 

「シノンさぁちょっとこいつと組んでてくれねぇ? 」

 

 

 

「えぇ?」

 

 

そんな嫌そうな顔するかね、本人いる前で。

 

 

 

 

「ちょっと待っててシュピーゲル君、前向きに検討するからさ」

 

 

シュピーゲル君に断りを入れ俺とシノンは背を向け話し合う。

 

 

 

 

「なぁちょっと手ぇ繋いでデートでもしてやれよ」

 

 

 

「何でよ!最近怖いから避けてたのに!」

 

 

 

「ちょっと挟んでやりゃイチコロだって!見ろよ童貞っぽいだろ」

 

 

「・・・ジンはどうなのよ、そういうだけあって」

 

 

「は?童貞だよ? 同族には同族の匂いが分かるんだよ」

 

 

「ふ、ふぅんまぁいいわよ。いや良く無いわよ」

 

 

「まぁそうだよなぁ、取り敢えずクラン入れ・・・そうだBoB出そうや、それで決着つけりゃいいやん」

 

 

「あぁそうする?」

 

 

「決まりだな」

 

 

俺たちがシュピーゲルへと向き直ると、どうにも待つことがこの苦手な若者は苛立ちを隠そうともしない。

 

 

 

 

 

「シュピーゲル君、君はBoBには出るのかい?」

 

 

 

 

「・・・出ませんけど」

 

 

 

 

組んだ腕から覗く指はせわしなく腕を叩いている。

 

 

 

「ならば出なさい、そして俺と決着をつけようじゃないか」

 

 

 

「・・・いいですよ、負けたらシノンから離れてくださいね」

 

 

 

「いいよ、君はどうする?」

 

 

 

「・・・このクランを認めます」

 

 

 

うわ、出たよこんなゆるい対価差し出す奴。

 

 

 

「俺と関わるな。俺はお前と考えが合わない、そんな奴とは会いたくもないんでね」

 

 

 

「・・・いいですよ、それくらいなら」

 

 

 

あ、こいつほんとにわかってねぇ。




ワンピースに関してはただの一人の意見です。

でも今はまた流れが戻ってきた感じありますね。

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