俺が風呂に入ってる時、既に工作は済んでいたようだ。
「あ、先輩」
既に時刻は11時過ぎ、テレビでチンケな恋愛もののドラマ見て、色々してたらこんな時間と風呂に入っていた、確かに一階をチラと見ても詩乃はいなかった。
俺だってまさかとあるわけない、そんなことない、と思っていたが部屋に入れば別の意味でまさかとなった。
「別の部屋は物置だからここで寝なさいって言われて・・・」
布団に座り込み上目遣いでそんなこと言ってくる、単純にして最強の武器を惜しげもなく使ってくる。
位置的に仕方ないものもあるけどさ。
「オーケイ、油断も隙もならないとはこの事か、少し倫理についてお前とは話し合う必要があるかもしれないな」
既に外は台風が来たのか、強い風と雨が窓を叩いている、俺の心と同じ、いやこんな物は生緩い。
ツイスターという映画を見たことあるか? あれだ、ただ俺の心はレンガの家ほど丈夫じゃない。
今回の台風は何に一度のとか言ってたか? 天気予報もあながちバカにならないな、俺の部屋だけ的中だよ。
「倫理って、先輩は私に興奮するんですか?」
「こらそれ以上はやめなさい、キミの頭を疑いたくはない」
「・・・」
どうも不機嫌丸出し!な顔をするが俺も困惑丸出しって感じだろ?同じ気持ちですよ、ここで通じ合ったなら俺たちは最高のパートナーだ。
「まぁいいです、先輩ってゲームするんですね」
「あ? あぁそらね、須川と拓真も同じのやってるよ?」
「須川・・・あの子か・・・」
残念そうな顔をするな、残念なやつではあるが。
「何のゲームですか?」
「ん〜どう言ったもんか」
言うて俺だって詩乃のアレを気にしてないことはない、銃は苦手だろうしなぁ。
と思っていたが慣れた手つきでアミュスフィアからソフトを取り出す。
「ありゃ、詩乃もアミュスフィア持ってるの?慣れてるけど」
「え!?、あぁはい、私も持ってますよ、もっぱらALOですけど!」
あそう、なら安心か、やってるわけねぇよなあこんな銃バリバリ出てくるゲームとか。
「それあれだよ、銃とか出てくる奴、詩乃そんなの苦手でしょ?」
恐る恐る尋ねるがどこか上の空、やっぱパッケージに銃印刷されてるし気になるよねぇ。
「・・・先輩はこれ長いんですか?」
「まあね、そんな上手くはねぇけど友人と遊んだりダラダラやってるよ。詩乃はALOやってんでしょ、俺もやろうかなぁ趣味と合わねぇけどそう言う奴がハマる事あるし」
「いえ、そんな面白くもありませんよ・・・最近は飽きて起動すらしてませんし」
「ならいいか、ツレがいなけりゃやっても仕方ねぇし」
詩乃はアミュスフィアにソフトを戻す。
「まぁ夏休みもフレンドに付き合ってなんか色々するんだろうよ、気まぐれで困る」
「その子と仲良いんですか?」
「そうやねぇ、引っ張り回されてるだけみたいなもんだけど仲良いんじゃね?最近様子おかしいけど」
「様子おかしいって何ですか!」
「うぇ!?」
おっとお? 何が逆鱗だ?
「あぁいえ、陰口みたいに言うのはどうかと思いますよ?」
詩乃は急いで訂正する、なんかネット関連でイザコザあったかな?
オンライン関係はゲーム外まで波及するからね、仕方ないね。
「悪口じゃないよ、相手が最近態度軟化して来てるからそう言うことだよ、いい奴だよ?俺の扱いも慣れてるし」
「あぁそうですか、その子は可愛いんですか?」
「可愛いねぇ、ゲームも上手いし対応力あるしやる気あるし、俺なんかとクラン組んでるのが不思議だよ」
「ほっ他には?」
「他ぁ? えっとなぁ、何だろなぁ、うん、そうだなぁ」
「え?それだけですか?」
詩乃は愕然と言ったような顔で俺を見る、そんないつも見てりゃ美点とか薄れるからさ、思い出しにくいんだよ。
「ちょっと待て、多分対面したらいいとこ出てくるからさ、待てよ」
「あ!スタイル良くて露出が多い!!」
会心の一撃。
「サイテーですね」
効果はいまひとつのようだ。
男相手だったらこれで良いのになぁ、ほならね自分で言ってみろって話ですよね。
いや知らん奴に聞いても意味ねぇけど。
「いや、魅力は多いんだよ、ただ説明が難しいんだよなぁやれ
「もう良いですよ、十分です(ありがとうございます。)」
「う〜ん、今度会った時に見つけとくわ」
何だろなぁこう改めて考えると良い所とかわかりづらい奴、こういう人に限って居なくなったら寂しくなるんだよなぁ。
欠伸が出てふと時計を見れば既に0時を回っている。
寝よう。
「じゃあ消すな?」
「はーい」
随分と元気がいい、わからん娘やなぁ。
電気を消し布団へ潜り込む、窓には相変わらず雨と風が叩きつけられている、窓がすぐ横にあるからいかんせんうるさい。
なおかつ同じ部屋に女子がいる・・・寝れるか!。
こんな時の安眠法はもう使うことはないがBF4での戦術を立てる、もしくはジンの大冒険の続きを考える。
ジンの大冒険は今全ヒロインを主人公が殺した所。
なんか面白くなるかなって思ったけど只々暗い話になってしまった、これは須川の力を借りて世界を破滅されるしかない。
ロッカーは脳筋どもに内は任せて自分の分隊は外に行くべきだよなぁ、嫌いだけど内に行く奴らばかりだったら裏取られておしまいだし。
なんかイラついて来たな、どうせ内の奴ら外抜かれても気付かなくて敵陣前に来てやっと外の奴らに文句言いながら反転するんだよ、お前らが数人くれば抜かれなかったんだよ、最終的にベースまで押し込まれてうわぁ〜だめだ〜抜けよ〜。
死ね!!!
こっちゃ必死で守ってたんだよ!そっちの責任じゃボケ!!!
バレット内に持って行ってんじゃねぇよ!!!
俺が布団の中で怒りに打ち震えている時、ベットに変な体重がかかる、そしてモゾモゾと俺の背中がくすぐったい。
いやわかってます。
まぁそうですねぇ気持ちとしては範馬刃牙みたいな感じですかねぇ、えぇ、あの後ろから抱きつかれてたあれですねぇ。
勇次郎がいないだけマシでしょうか?
「詩乃、倫理と言うより道徳と言った方がいいか?」
「あ、起きてたんですね」
品性を疑う。
寝てたら何でもしていい、ヤカラやないかい。
「あのさ、ねぇ、うん、な、まぁ、だろ」
「いつまで逃げるんですか?」
窓に打ち付ける雨風の音が止まったかのような錯覚さえあった、それほどの衝撃。
正直、昼は須川達にあんなこと言ったが俺が同じような奴を見たら絶対に好きなら付き合えよと断言する。
大体気付かない訳ねぇよ、人間鈍感にも程があるんだよ。
「遊びじゃないもんな」
自分に言い聞かせるように問う。
「はい」
詩乃の声に迷いはない。
覚悟とは、暗闇の荒野に道を切り開くこと。
「でも今じゃない、ちゃんと言葉考えさせて。流石にキメたい」
こんな男だがそこだけは譲れない。
「じゃあ待ってますね、あんまり待たせたら他の人に行っちゃいますよ?」
「そうなっても惚れさせちゃる」
「フフッ、期待してます」
詩乃はグリグリと背中に頭を擦り付けてくる、そして少しして動かなくなった。
いやまずは降りろよ。
寝てる時のあれは自分のやり方です、なろうになんか投稿しようと考えてストーリー作りましたがヒロインが全員死んで話が途切れました、無理ある。