工兵のGGO   作:流舞

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企業努力。

俺は素直に楽しみにしてたんだ、そら可愛い子が水着を見せてくれるというからそれで。

「これどう?」「眩しくて見えない」

とかやりたかったんだ。

 

 

 

現実。

 

 

「申し訳ございません、他のお客様が試着をしていますので男性のお客様は店のそばにあるベンチでお待ちください」

 

 

店員さんが深々と頭を下げ、慣れた口調でそう言ってきた。

 

 

 

俺は泣いた。

 

 

 

 

「先輩、何かすいません」

 

「いやいいよ、良いの見つかった?」

 

「はい、海に行くときは楽しみにしてください」

 

詩乃のその言葉で少しは救われた。

 

 

 

 

 

「死ねやオラ!こっちの気持ちも考えずバカバカ撃ってきやがってこんアホタレがぁ!!」

 

 

奥の塀から頭を出した敵兵に撃てば外すことのない俺の魔弾がキルをとる。

 

 

 

「何でオメェそんな荒れてんだよ、久しぶりにこんなテキトーなスクアッド組んだってのに」

 

 

「先輩こないだ校門で修羅場ってたっす、多分その延長っす」

 

 

「おお、こっちでも女捕まえて現実でも女がいるのか、モテるねぇジンくん」

 

 

倒した敵の分隊のドロップを集めつつ、ダインとスカーが話をしている。

 

 

まぁ大体そういうことだよ。

 

 

 

「おかしくねぇ?店の中俺ら以外いなかったから!男いたら他の女性が入りづらくなるからってか!?おお納得だよ!何ともいえねぇよ!」

 

 

 

 

「いつまでそのテンション続けるんだ?」

 

 

 

「もうやめる、疲れた」

 

 

 

 

あの後は適当に何か食べてそのまま解散した、詩乃のフォローもあり別に気まずくは無かったが思い残しがある。

 

 

このままエンドレスエイトに突入しちゃろかいな。

 

 

 

 

「付き合ってんのか?」

 

 

 

「いや、そういうわけじゃねえけどな」

 

 

 

「付き合わないんすか?」

 

 

 

「お遊び程度で付き合っちゃ向こうに悪いよ」

 

 

そう、お遊び、俺が支えになるとか烏滸がましくて言えたもんじゃねぇ。

 

 

 

「いいのか?そうしてるうちにお遊び程度の男がその子と付き合っても」

 

 

 

「それならそれでいいんじゃない?あの子が決めたことだし」

 

 

 

 

「お前は好きじゃないのか?」

 

 

 

「好きだよ?」

 

 

 

「おぉう、そうか」

 

 

 

なんだよ。ここでぐちぐちでもでもだってというような人間じゃねぇだろう俺は。

 

 

「まぁ勝手にすればいいさ、じゃあ帰ろうぜ俺もそろそろ飯にしてぇし」

 

 

 

見れば時間は18時、まぁ飯時か。

 

 

 

「俺も落ちるっす」

 

 

 

スカーも同じく、ソロでなんかするのも面倒だしつまんねぇし。

 

 

 

落ちるか。

 

 

 

 

 

 

 

グロッケンへ戻る。

 

 

夏休みだからか、人が多い最近はこのゲームも有名になり旧世代機でFPSやってた奴らは大体こっちに移ってるんじゃないか?

 

それに伴い面倒な奴らも増えてきた。

 

 

 

「お、メール?・・・あぁクソまたかよ」

 

またその面倒なやつだ。

 

 

ゆうた

題 クラン入れて

 

まえコールオブデューティーやってましたキルレ4.2ですクランいれてください。

 

 

 

 

でた〜キルレが全てと思ってる小学生〜。

 

 

4.2は芋、これは断言する。

 

もしくはほんと死にたくなくて前線に出なくて味方に負担かかるやつ、始めたばかり。

 

 

大体前線出てりゃどんな上手くても平均は2、まぁ4がありえなくはないけどそんなんクソ有名だろうしこんな奴に俺より上とかいかれてたまるか!!

 

 

なぜ俺にメッセージが届くかというとそれはクラン発足時まで遡る。

 

 

 

 

「ねぇ、なんかメッセージ多いんだけど?」

 

「ん? 何の?」

 

「クラン加入」

 

「うわクソめんどくさ、断っとけば?」

 

「ジンやってよ、私慣れてないし」

 

「・・・まぁいいけどさ、じゃあ俺にクラマスくれよ」

 

「はい」

 

「うぃ」

 

 

 

 

そこで全て断ったがいかんせん新人が多い。

 

 

ジン

re:クラン加入

要項にも記載しておりますが現在メンバーの募集は行なっておりません、そのため断らせていただきます。

 

申し訳ありません。

 

 

 

ちゃんと説明文を読め、このスカタン。

 

 

 

ほんとPS3の頃から右肩上がりにプレイヤーが増えてる、それも低年齢層が際立つ。

 

親はどう思ってるんだろ、画面に向かって暴言吐いてる子供のこと。

 

 

 

俺もこれ以上のメッセージが来る前にアミュスフィアを脱ぐ、どうせ明日メッセージが来ているだろうが今じゃないだけましだ。

 

 

いつもそう思ってログインした時悲鳴をあげるがまぁ良しとしよう。

 

 

「仁〜?」

 

 

ちょうどその時階下から声がかかる、

 

「何〜?」

 

 

「あら起きてるの? 詩乃ちゃん呼んできて〜」

 

 

母さんよい、別に俺は構うことないがその予定が詩乃にあるかといえばどうなんだ?

 

 

階段を降りれば母さんが台所で手を動かしてる、親父はソファーでくつろぎ・・・、いや仕事疲れか、はぐれメタルみたいな印象でビールを開けている。

 

 

「親父、お疲れ」

 

 

「おう、もっと労え」

 

 

「労いはおととい言ったでしょ」

 

 

「毎日言えよ、アホなこと言うなし」

 

 

 

 

この間、親父は口以外動いてない。

 

うちのはぐれメタルはどうにも経験値となりたいようだ。

 

 

 

「ほら、早く詩乃ちゃんとこ行ったげなさい、お腹すかせて待ってるわよ」

 

 

 

「いや詩乃も予定あるだろうしよ、勝手に呼びに行くのかよ」

 

 

先程から俺を催促するが常識を知らないのかうちの母は。

 

 

 

 

「やーね、そんな常識ない親に見えるの?」

 

 

見えるから言ってんだ。

 

 

 

「さっきスーパーで詩乃ちゃん居たわよ。その時誘っちゃった!」

 

 

 

あぁなるほど。

 




釣り行っててこんな遅れました。


しかし雨、天罰覿面。

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