工兵のGGO   作:流舞

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愛しの○○○

「おい仁。」

 

 

返事がない、ただのしかばねの様だ。

 

 

 

「おい、仁!」

 

「返事がない、ただのしかばねの様だ」

 

 

「おい! 仁!」

 

 

「返事がないただのしかばねの様だ!」

 

 

 

「そんな元気のあるしかばねがあるか!」

 

 

朝、俺はここ最近の中で最も陰鬱な気分での目覚めとなった。

 

原因はよくご存知であろう。

 

 

 

 

いやMP7は良い、一回使って反動が気に食わなくてそれ以来使う気すら起きなかったし。

 

しかし、しかしだ。

 

 

確かにその時はMP7がとられちゃった〜うわ〜んみたいな感じだったし、儲け減っちゃったなぁ〜女の子可愛かったなぁ〜ってヘラヘラしてたし。

 

 

しかしだ、繰り返す、しかしだ。

 

クランルームに帰って装備を整理しようとストレージを開くとだ、とてつもなく大きなことに気がついた。

 

 

メイン M39

サブ なし

 

フラググレネード

 

ガジェット1

SMAW

 

ガジェット2

SLAM

 

 

家出だぁ!!!!

 

 

UNICAちゃんがなくなってる!!!!!!

 

そこからはストレージをひっくり返した、サブの手持ちにもロッカーストレージにもない、もしかしたらとメインやガジェットも見たが一切ない。

 

 

ノーマル以下のアイテム祭りだ。

 

 

 

フレンドも総当たりでメッセージを送るが良い返事はない。

 

 

リッツ

re:俺のUNICA知らない?

 

御愁傷様です。

 

 

 

 

ニック

re:俺のUNICA知らない?

 

ザマァw

 

 

 

フェイス

re:俺のUNICA知らない?

 

 

 

 

スカー

re:俺のUNICA返せ。

 

むしろいらんわあんなクソ銃

 

 

 

タク

 

知らんぞ。

 

 

 

 

タクに至っては先にクランのやつから聞いたのか俺がメッセージ送る前にメッセージが来た。

 

 

 

 

「マジ草生え、UNICA落として草、無くして落ち込んでるのも草」

 

そしてその遊びがいのない親友は今俺の横で草など生えぬ顔で俺を嘲る。

 

 

 

「おい拓真、俺が落としたことを嘲笑うのは良しとしよう、ただUNICAのことをバカにするのはやめろ!」

 

 

「いやクソ銃だから、ハズレジェンダリーだから」

 

我慢ならず襟を掴みガクガクと揺さぶる。

 

どうだ、中学時代無理やりやらされた柔道部の腕力は!

 

 

「何回俺があの子に助けてもらったと思ってるんだ!!」

 

 

 

 

「お前メインよりUNICAでキル取ってたもんな」

 

揺さぶられることを物ともせず思い出をぶち込んでくる。

 

たまらず俺は泣いた。

 

 

 

「お前、お前……UNICAはハズレジェンダリーじゃないんだ……腐ったミカンじゃないんだ……!」

 

 

 

「その腐ったミカン俺の店に10万で三丁あるんだけどな、登場から凄まじく暴落しまくってこの値段だ、お買い得だぞ」

 

 

 

「やっぱり俺から取りやがったなぁ!!!」

 

 

「買取損する銃を誰が買うか!」

 

 

「もう良いかな? 十分楽しんだだろ?」

 

 

 

「どの口が言うか。」

 

 

すっと正気に戻る。

 

 

まぁふざけるのもこの辺にして。

 

 

「で? 相手は誰だ?」

 

 

「知らんよ、GGOで女の子とか有名だろ?お前なんか知らんのか?」

 

 

 

「細かく」

 

俺が数少ない特徴を拓真に伝える。

 

 

 

「髪は水色でぇ……」

 

 

「うん」

 

 

 

「砂持っててぇ」

 

「……」

 

 

 

「猫っぽい顔しててぇ」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「いいケツしててぇ」

 

 

「あぁ?」

 

 

 

 

「足が細くてぇ」

 

 

 

「あぁ〜」

 

 

 

「胸は小さかった」

 

 

 

「もう良いから」

 

 

 

 

なんだよ。

 

 

 

拓真はショップ経営をするためなかなか情報は知っている……だろう。

 

いうほどこいつのゲーム内の情報は知らない。

 

 

だいたいゲームの中入って。

 

「俺は経済という物に目覚めた」

 

 

って言ってショップ出す人間なぞ聞いたことないわ。

 

まぁ遊び方は人それぞれだけどさ。

 

 

 

 

「多分そいつあれだわ最近少し噂になってる」

 

 

 

 

「ランカー?」

 

 

 

 

ランカーとはBobで上位に入る奴のことである、個人的にはランカーに入りたいと思うことはないがなんかスカしてて気に食わないという個人的なイメージがある。

 

 

 

そのため【ランカー、討つべし。】

 

 

 

 

俺の反応を見て拓真は鼻で笑う。

 

 

「いや、ランカーじゃないけどさ、最近可愛い女の子をグロッケンでよく見るって話がね……」

 

 

 

 

「領地戦が楽しみですなぁ!」

 

 

 

「クランには入ってないらしいぞ?」

 

 

眉根を上げつつ殺意を高めるが拓真はすぐに俺のやる気を削ぐ、トレーナーとしては二流だな。

 

 

 

 

 

 

「なら個人的に殺せば良いんだな? ダインでも連れて粘着してやろうかなあの小娘」

 

 

「やめとけ」

 

 

 

ならばどうしろと、我が愛しのユニカを寝取られたこの恨みはらさでおくべきか。

 

 

 

 

 

 

 

そしてダインとは。

 

 

 

BF4マーズレッグ世界一である。


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