工兵のGGO   作:流舞

36 / 74
タイトルは孤独○グルメっぽくやって見たかっただけです。


台東区、路地裏にある古臭いカフェ。

台東区。

 

九州出身としてはこち亀の両さんが育った土地として有名な街だ。

 

昔ながらの下町情緒溢れる街、街を巡ればイメージと同じ風景。店も多い、それも俺好みのどれも安そうで、汚くて、美味そうな店。

 

 

 

しかし今日はそんな店を通り過ぎる、いつもは目的もなく店を巡り新しい発見に胸を踊らせるが今回は目的がある、寄り道しそうになる足を強靭な精神力で踏みとどまらせる。

 

 

 

俺が足を止めたのは街に埋もれた中の一つのカフェ。

 

 

 

外観では営業しているかどうかすら判別し辛く、ドアの前にある控えめな看板でなんとか営業中ということがわかる、店の前にはビールケースや段ボールが纏まりなく置いてあり正直行って経営者は何を考えているのだろう、そんな気持ちになる。

 

だが周りをみればそんな店ばかりだからそんなものなのだろう。

 

 

俺もそういうところが気になりこの店へと入ったことを考えれば選別が出来悪くもないか・・・。

 

 

もう良いか朝昼何も食べてない。俺は腹が減った。

 

 

 

古ぼけた、これに関しては趣のあると行って良いであろうドアを押せばチリンチリンと心地いい鈴の音が響く、個人的には電子音より好き。

 

 

「お、ジンじゃねえか、久しぶりだな」

 

腹の底に響くバリトンの声。

誰もいないだろう、そんなナメた気持ちで入ったこのダイシーカフェ、そこには意外な風景が広がっていた。

 

 

 

 

席には皆、同じ制服を着た中高生が座っておりカウンターも1組のカップルがいる、座りずれぇ。

 

 

 

 

どうしてこうなった? あの一人でいて落ち着く無駄に広くて荒涼とした、そうGGOの廃墟マップの一部屋のような店内はどうなったんだ・・・」

 

 

「声に出してんじゃねぇよ、ほらカウンターだろ座れ」

 

 

 

 

まぁわざとだが、冗談が通じる店主で助かる。

 

 

 

 

カウンター・・・まぁいいかそんな気にする事でもなかろうし。

 

 

「久しいな店長、繁盛しているようで何よりですな」

 

 

「おう、何やってたんだ?」

 

 

店長はドヤ顔でそう言った。

 

 

やけに殴りたくなるな。

 

 

 

 

 

「イベントで色々殴り合ってたよ、さっきまでな」

 

 

「さっき?」

 

 

「GGOだよ、もうイベントは一時いいや」

 

 

「そう言ってすぐに新しいイベントやるんだろ」

 

 

「まぁね、じゃあテキトーに・・・オムライスかな」

 

 

 

「ナポリタンじゃねえのか?」

 

 

「隣に美人が居るならオムライスがいいってなんかの本でやってた」

 

 

「捨てとけ」

 

 

 

適当に選んだんだよ別にいいじゃねえか、365日ナポリタンじゃねぇよ、むしろカルボナーラの方が好きだよ。

 

 

 

店長は裏にオーダー出しに行った、一人で無言はつまらない。

 

 

とくれば。

 

 

 

「君達もサバイバー?」

 

 

「あ、はい、そうです」

 

 

標的は隣のお二人。

 

邪魔してやるなとか言われても向こうがチラチラ見てるから仕方なし。

 

 

「へぇお疲れさんやね、店長もそうだろ?」

 

 

 

「はい、IDは言えませんが・・・よくお世話になりました」

 

 

「彼氏さんは・・・俺、山口仁ってんだ名前聞いていい?」

 

 

「桐谷和人だ、よろしく仁」

 

 

 

呼び捨て?まぁいいけどさ、俺も既にだいぶ失礼だし。

 

自覚はあるのよ?

 

 

 

 

「桐谷くん達は店長と仲良いの?カウンター座ってるってことは店長と話してるんだろうけど」

 

 

「あぁ、腐れ縁ってやつだよ」

 

 

「厄介なやつと縁があるな、前から聞きたかったんだけどさSAOってゲームの中でも顔とか同じって聞いたんだけどマジ?」

 

 

「・・・あぁ本当だが?」

 

 

 

「するとだ、店長はあのままなんだな?」

 

 

 

「プッ!あぁ、そうだぞ」

 

 

 

ちょうどそこへ店長が戻る。

 

 

 

「何が言いてえんだ仁」

 

 

 

「お前一人でSAOの没入感が増したんだなって、茅場は感謝してるだろうよ」

 

 

「やかましいわ」

 

 

ニヤニヤ顔を崩さず店長に言えば眉尻を上げ唾を飛ばす。

 

 

 

「でもよ、えー、彼女さんの名前聞いても?」

 

 

「結城明日奈です、よろしくお願いします」

 

 

桐谷くんへ尋ねれば極めて礼儀正しく俺なんぞへ一礼までしてくれる。

 

 

 

「いい子やな、桐谷くんにゃもったいねぇや」

 

 

 

「おい、何言ってんだ」

 

 

 

「そんな「どうせ惚気るんだからいいんだよ。」ことなぁ・・・。」

 

 

ん? 結城さん、何か言ったかな?

 

 

 

俺のログには何もないな。

 

 

「そんなことよりまぁあれだろ? 桐谷くんモテるだろ?」

 

 

 

「そんなこと「えぇ、モテます!」えぇ」

 

 

桐谷くんが否定しようとしたら結城さんがすぐさま言葉をかぶせる,

 

 

決めた、桐谷くんは敵だ。

 

 

「桐谷くんが羨ましいな、なぁ店長」

 

 

 

「あぁ、余り詳しくは言わんが羨ましいな」

 

 

 

「ちょっと待てよ!何勝手なこと言ってんだ、俺は明日奈一筋だよ」

 

 

 

「キリトくん・・・」

 

 

 

 

「どうせあれだろ、これも見慣れた光景だろ、俺知ってる店長はこれ100万回は見たってのも知ってる、俺はもういい、お腹いっぱいとかじゃない現実でこんなの見たらダメだわ」

 

 

吐き気がする。

 

砂糖じゃない、なんかエイリアンの内顎みたいなのが出そう。

 

それで目の前のオムライスが食べれそうなほどでもある。

 




あれ?キリトどんなだっけ?
松岡禎丞さんの動きと言動しか浮かばない、どうしよ。


曲としてはRX-0の方が好きですけどUCもいい、てかあの作品面白かったです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。