工兵のGGO   作:流舞

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ギリギリセーフ


Fly me to the Sinon

リグの横にある車の荷台へ飛び込み着地の衝撃を前転で流す、荷台に乗っている2人のプレイヤーは驚きからか反応が遅れ俺は膝立ちで2人にそれぞれ二発づつ撃ち込む。

 

 

運転手はキョロキョロと俺を探しており窓から頭を出す、頭撃っとくか、そう考え無防備に出した頭にわざわざ銃口を押し付けトリガーを引く。

 

 

 

「居眠り運転はシャレならんぞ?」

 

 

運転手はドアを開ければ勝手に車から落ちていく、シートベルトをつけてないのも違反だな。

 

 

 

シノンが捕まえられてるまだ遠い。

 

 

 

俺は目一杯ハンドルを切り隣の振り子トレーラーへ車体をぶつける。

 

 

助手席から俺を撃とうと顔を出して来たやつにUNICAをお見舞いし割れたフロントガラスから振り子トレーラーへと移動する。

 

 

「おら!ウチの子持ってった覚悟できてんだろうな!!!」

 

 

 

コンテナへ登ると振り子を操作する5人が一斉にこちらを向き銃口を覗かせる。

 

 

 

「はっw死にに来やがったぜこいつ!」

 

 

「隠れるとこはねぇ!蜂の巣になりな!!」

 

 

 

遮蔽物もないコンテナの上?

 

その前にお前らは俺の手が届くぞ?

 

 

 

敵が話しているのを気にせず目の前の敵に近づき利き腕にナイフを突き刺す、恐らく引き金を引こうとしていたが腕が動くことはなくただ銃を持っているただの案山子ですな。

 

 

後ろの奴らは銃を撃っているが案山子を盾ついでにそいつらの方へ蹴り飛ばす、怯んだうちに手頃なやつの顔面にホルスターから抜いたUNICAのグリップエンドを叩き込めば期待通りスタンを起こす、無力化したこいつを隣の奴に投げつければ無様に転び下敷きになる、スタンしていることもあり身動きが取れなくなるためこいつは後でいい、先にフリーの二人を殺る。

 

 

 

ここまでは案山子が遮蔽物となり撃たれることはない、ただそれも限界がある。

 

既に案山子はポリゴンの粒子となりAKを持った奴がこちらを狙っている。

 

銃口を見て軸をずらせば近距離なら当たることはない、一歩で懐に入りこみAKに手を添えもう一人の方へ向ければ勝手に殺してくれる、感謝のアッパーカットをくれてやろう。

 

 

コンテナには何もないため殴り飛ばされたAK持ちはコンテナの下へと消えて行った。

 

 

 

最後にさっきの仲良くホモホモしてる奴らにUNICAをお見舞いしてやればここも終わり。

 

 

 

じゃない、振り子の上にいやがった。

 

 

振り子を勢いをつけ限界以上に倒せば振り子の上にいる拉致加害者は地面と熱いキスをした・・・訂正、服が引っかかってもみじおろしになった。

 

 

トレーラーの天面に回収したM14で貫通キルを取ればこのトレーラーもおしまい。

 

 

シノンのいる車は隣だが距離が離れている、どうするべきか・・・。

 

 

 

 

 

仕方なしに同じ手段を使おうとトレーラーの中へ行くとコンテナへの入り口がある。

 

 

 

開けて見たらそこには面白そうなものがあった。

 

 

 

「これがなきゃこの映画始まらねぇよな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして男ってこうなんだろう。

 

 

 

「シノンちゃんだぁ!俺覚えてるぅ?シノンちゃんに撃たれたんだけどぉ?フヒャャw」

 

 

 

「うるさいわね、近いのよぶん殴るわよ」

 

 

 

ほんと、最近クラン組んだからこういう人減ったけど、やっぱりいるよね、そんな女の子と会いたいならリアルで話しかければいいのに。

 

 

 

 

「おお〜怖ぇwこりゃジンが惚れるのもわかるぜ!」

 

 

 

「・・・」

 

 

 

 

「ありゃりゃ図星かな!? 悪い子だなぁシノンちゃんは!」

 

 

 

「最近ジンをクランに入れたそうだがどうやったんだ教えてくれよ!なぁ!俺も入れて欲しいから俺にも『勧誘』してくれよ!」

 

 

 

 

勧誘ね、そういえばなんでジンはクラン組んでくれたんだろう、しかも前のクラン潰してまで・・・あんまり言いたくないけどリッツさんとも仲良いし。

 

 

 

 

「ちょうどいやらしい服着てるじゃねぇか!今日も帰ったらホームで致すのか!?」

 

 

 

「・・・」

 

ああ、勧誘ってそういうことね、ほんと下衆・・・でもジンもそういうことなのかな、私が女の子だから、なんか、チョロそうだから、とか?

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、シノンちゃんごめんよ?そんな、マジにいってんじゃないんだよ?少しばかしイベントで調子乗っちゃってさぁ、ごめんね?」

 

 

 

 

「おいヤベェよ、ジンに粘着されたら俺マジで面倒クセェんだけど、勝てないとは言わねぇけど絶対損するって・・・」

 

 

 

 

 

これまで気にしてなかったけど、ジンってこれまで何してきたんだろう、変な格闘技してるし、大人びてるし、銃の趣味悪いし、一緒にいて楽しいし、たまに気持ち悪いこと言うし、バカだし。

 

 

 

 

二人が何か言っている気がしたが私は思考の中に潜り込んでいた、これまで考えたなかったことが一気に溢れ不安のようなものが心の中に渦巻く、ジンは私のことをどう思ってるんだろう。

 

 

もう吹っ切れたはずなのにそれはただ蓋をしただけですぐに溢れてくる。

 

 

 

 

 

 

そんな私を正気に戻したのはあの人の声だった。

 

 

 

 

 

 

「ウチの娘知らねぇかこの包茎共!?」

 

その声が酷い罵声だったのが悔やまれる。


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