スカーみ掴んでいる棒高部隊の男をダブルタップで殺せばスカーは元の銃眼へ急いで戻って行った。
「ほら、弾置いとくからな」
「ダブルで助かったっす!」
足元にはマガジンが幾つも落ちており結構ギリギリだった模様。
「弾薬足りそうか?」
「一応これ合わせて8個あるっすけどこのままじゃやばいっす。」
少し不穏な雰囲気だな。
「あ!先輩上っす!」
「お?」
気付いた時には既に俺は宙に浮いていた。
「は?、あ・・・お前か!!」
背中を見れば棒高部隊の黒尽くめの男が俺にしがみつきここまで持ち上げている、既に手は離れているが俺もとっさに棒にしがみつきなんとかそれは回避する。
M14は手から離れておりどこに行ったかわからない。
黒尽くめの男が逆手でナイフを取り出し、俺を刺そうと振り下ろすがなんとか受け止める。
「このリア充が!リア充シスベシ!」
「何言ってんだ!」
黒尽くめの男は怨嗟に満ちた声で俺に対して殺意を剥き出しにする。
「シネ!!」
「お前に殺されちゃ末代までの恥じゃオラァ!」
振り下ろした腕を掴み再びナイフを止めるが肩口に半分刺さりこむ。
「クソガキゴラァ!」
ホルスターからUNICAを引き抜き腹を数発撃ちなんとか黒尽くめを倒す、しかし肩に刺さったナイフのおかげで左肩が動かなくなる。
「ひははねーは」
UNICAを咥え体重をウォーリグの方向へかければなんとか無事戻れそうだ。
ちょうど良い時に手を離せばルーフめがけて体が落下する。
しかしルーフはシノンのポジションということを忘れていた。
「え?、ちょ!きゃあぁぁ!」
「ぬおぉぉ!」
俺はシノンの胸へと飛び込んだ。
これがリトさんだったらシノンがどうなってたか、シノン命拾いしたな。
「ちょっとしたトラブル、俺は悪くない」
「はいはいさっさと行きなさい」
シノンも俺の扱い慣れて来たな、いや雑になったか?
特に甘い展開もなく俺はナイフを抜き回復剤を打つ、今回は急ぎのためタンクの上で歩きながらやる。
「あ、先輩!これ落ちてたっす!」
そう言ってスカーが放り投げて来たのはだいぶ着飾るようになったシャーリーン、では無きにしもあらずのM14。
「でかした!」
それを受け取りスリングで背負う。
「手貸すか?」
「いやなんとかなりそうなんで大丈夫っす」
「じゃあ俺戻るな、弾は置いとくぞ!」
「これであと100年は戦えるっすよ!!」
正直この戦線を抑えきれているのはスカーとリッツの大暴れが大きくはある。
こいつらと一緒にクラン組んでたなんで信じらんねぇな。
「どう?スカー君は平気そう?」
「ダメっつっても放置するさ、あいつはそれで良さそうだ」
改めて見ればシノンの足元にもマガジンがたくさん転がっている。
「これ使い辛いのよ」
今も胸元から新しいマガジンを取り出している。
「まぁ、なんとか行けそうだな」
リグの中へ潜り込みシノンへ呟く。
「アンタが空飛んでる時はどうかと思ったけどね」
「意外と楽しかったぞ? 試してみたらどうだ?」
「考えとく・・・」
余裕も無駄口を叩きつつも弾薬の補充をする。
「ダイン弾あるか?」
「おう!言うほど減ってねぇぜ!、あ、グレネードくれさっき使い切っちまったんだ!」
車が爆発した思い出はないが。
「ほらよ」
「おうサンキュー!」
「あ、ジンくんSCARの弾とって!10本位」
次はリッツが来る、弾薬を渡せばそれを次々とシノンと同じく胸元へ突っ込む、モノがモノのためシノンよりも詰め込み辛いようだ。
「シノンは弾あるか?」
あれ?そういやなんでルーフに誰もたってねぇんだ?
ルーフから頭を出しても誰もいない、スカーがタンクの端にある銃眼から狙撃を続けていること以外は変わりはない。
「・・・すけて・・・」
微かに声が聞こえる、方向は上、見ればウチのお姫様が振り子の先で棒高部隊に掴まれ楽しそうに空中浮遊をしている。
非行少女間違えた、飛行少女。
いややべーじゃん。
あいつらやりやがったな。
「リッツさんいっとき防衛お願いします」
「うん?別に良いよ?何するの?」
何するって?
「ダイン、M79貸してくれ」
「お?良いぜ!、これ当たんねえな!」
それはお前の腕だ。
「ねぇジンくん何するの?」
「ピーチ姫を助けに行って来ます」
俺は並走する車列へダイブをした。
うぅん、どうだろう。