「面倒なことは嫌いなの、貴方のクランに入れて」
「えぇ、めんどい」
まじでこれは本心。
どれだけ可愛かろうとどれだけ上手かろうと新しく誰か入れるのが面倒なことこの上ない。
GGOが始まった当初は20人ほどいたがそれぞれバラバラになって残りが今の5人、そして今の5人も方向性の違いから決して関係がいいとは言えない。
多分だが後1月もすれば解散するかもなーって思ってた段階だ。
そんな時にクラン入れてってこられてもどうしようもない。
「多分このクラン解散するからさ、今から入ってもねぇ」
「じゃあ私とクラン作ってよ」
「、、、まぁ、、、まぁ、、、」
そう言われてはごまかし様がない、別に俺は何かガチ勢とかエンジョイ勢とか括りはないし別にガチ勢かぶれに負ける気はしない、自信過剰と言われるかもしれないがやってきた年季が違う。
「だいたい誰伝って俺にきたんだよ」
「リッツさん」
「は? あっちについてけよ、スカウトされたろ?」
あの人戦力欲しいって言ってたのに。
あーでもめんどクセェなぁダインのとこでダラダラゲームしてようと思ってたのに、リッツに誘われてたけどそれはいいとして〜。
「あのね、別にやってくれないならやってくれなくていいのよ」
シノンは急に雰囲気を変え猫撫で声となる。
そして手の中に出してきたのはやはり我が神UNICA6!
「返してあげてもいいけど、どうする?」
「やります」
「じゃあクラン作るから、ちゃんと入ってくれたら返してあげる」
そう言ってシノンはクランルームから出て行く。
すぐに俺は皆を集める。
「俺も別のクラン掛け持ちしていいかな?」
皆の反応は薄い、なんだかこの時が来たかって感じでもある。
「皆、いいかな?俺が掛け持ちしても」
「いいやないの?止める理由はなか」
フェイスの言葉に皆が頷く。
それから暫く沈黙が続く、誰もがわかっている。
ただ口火を切らないだけでこれからの展開も分かっている。
「もう解散しない?このクラン」
沈黙を破ったのはやはりリッツだった。
「前まではこのクランはいっぱい人がいたわ、でも今じゃ5人だけ、しかも、皆クラン愛とかじゃなくてただの惰性で続けてる、もういいんじゃないかしら。ねぇマスター」
「、、、」
「8年も続いたのよ、この時代に、凄いことよこれって。でももういいでしょう?」
「うん、、、、もういいか」
まずはフェイスがクランページの脱退を押す、フェイスの体が個人の家へと転移して行く、それからニック、スカーと消える。
残ったのはリッツ。
「ジン、貴方がクランマスターになって4年色々と楽しかったわよ、貴方の破天荒なやり方についていくだけで私たちは楽しかったの、このクランの人が減ったのも貴方のせいじゃなくて時代なの、貴方は最高のクランマスターだったわよ、ありがとう」
最後にそう言い残しリッツも消える残ったのは俺だけ。
クランルームを見回すとC4祭りをやって大ひんしゅくを買ったイベントの写真、チーデスで俺たち5人が5位まで独占した写真、最長狙撃記録を作りたいと言って俺が的になっている写真、一番高いところを見てみたいと言ってバギーに俺を括り付けC4で吹っ飛ばしてる写真、そしてその結果俺がただただ火あぶりになっている写真。
ろくな思い出がない。
でも全部が笑顔だった。
クランメニューからその全てを破棄する。
そしてクラン解散を押せば何事もなかったかの様に元々の部屋に戻る。
涙はなかった。
少しの悲しみと少しの切なさ、そしていい思い出だったという喜びが残った。
こっからGGOに近づけようとこう書いたけどよくよく考えればここからコマンドー編が始まる予定だった。
どうせ描写力とか変わらないから別にいいや。
次からはコマンドー編です。
ついでにコマンドー編はシノンのクラン立てて数人仲間作ってシノンが強くなって第二回BoBやってクラン解散って感じです。
現実世界は流れでテキトーにやっときます。