「アニキ、お勤めご苦労様です」
「オウ」
テンガロンハットのおっさんは監獄から出て来た俺に葉巻を差し出す、俺もそれを拒否することはない。
そして火をつけ煙を吸い込む。
「おいこら、未成年だっつの」
「未成年でw一発監獄とかwクソワロwwww」
久々の登場名探偵ダインはその推理力からか、俺が出てくる日時を察し監獄の前で待ち構えていた、それでさっきのやりとりがある。
あのやりとりをしている間ダインはずっと半笑いだった。
「だいたいな、接近戦もあるはずの戦場だろ!馬乗りになっただけでなんでハラスメントなんだよ!!」
「や、なんかあんじゃないの脳波やらなんかしらのギリギリのラインが」
俺たちはわざわざバーに来て飲めもしない酒を飲みながらぐだぐだと管を巻く。
ここで酒を飲んでも別に酔える訳ではないため犯罪でもないのだが、やはり雰囲気なんだろう。
「お前さん、UNICAはどうなったんだ?」
「聞くんじゃねえよUNICAは死んだ、俺が認めてやらねえとあいつだって成仏できやしねぇ」
「いやデータだから成仏もクソもねぇだろ、せいぜいNTRじゃね?」
「おいカウボーイ崩れ、その帽子に穴を開けられたくなけりゃ口を閉じるんだな」
構えた銃がGSRではかっこがつかない。
いやGSRはいい銃だけど、流石に俺の悲しみを癒せる物ではない。
救いはないんですか。
「お前もさぁマグナムとか使えばいいんじゃねぇの?」
「ダサい」
「おい、お前も口が悪いな、今度余計なことを言ってみろ、口を縫い合わすぞ」
ダインの疳に触れたのか顔を近づけ怒りをあらわにする。
「ビールでも飲んでリラックスしな」
しかし今の俺はそんなことは気にする心の余裕はない、ソファーに寝転びながらテキトーに胸ポケットにクレジットを詰め込んで宥めておく。
その時、にわかにバーが騒ぎ立つ。
「なんだ?BoBの結果が決まったか? お前も起きろよジン」
「なに、どうせ誰かキリストが降りて来たって言ってんだよ、俺から言わせちゃキリストは雌猫に寝取られたよ」
ソファーの模様さえ神に見える、ここにも神はいらっしゃるか。
「ふざけたこと言ってんじゃねえよ、あんなの使うやつからすりゃサタンみたいなもんだ」
「あぁ、サタンみたいに裁きを下しキリストのように救いを与える。俺は悟りを開いたぞダイン、UNICAはやはり神だった」
「多分俺とお前じゃあいつの評価は相入れねぇ、裁きは自分で救いは敵だ、決して味方とは思えねぇ、、、おい、まじかよ、、、起きろよジン!!!」
「慌てなさんな、焦っては悟りを開けぬぞ、短気は損気、見よ皆の心の中に神はいらっしゃる」
「なに言ってんだ!まじ大丈夫かよこいつ、女だよあの女だよ!!」
「あぁやめい!悟りが歪むであろう!悟りとはまるで神のフレームのように一片の無駄もなく美しくあらねばならぬ、あの雌猫の話をするでない!」
「違うんだって、そいつだよそいつなんだよ!!」
「うっせぇな、返しもっと捻ってくれよ、そうじゃないと俺も離れねぇんだから悟りってなんだよ、あの雌猫に寝取られたUNICAが返ってこねぇとなんもやる気おきねぇよ、俺を動かしたけりゃあの人殺しが趣味で痴漢冤罪を吹っかける発情期真っ只中の雌猫からUNICA取り返してこいよ、ついでに服も全部引っぺがしてこいよ」
返事がない、やめろよ俺が言いっぱなしだとただの悪口じゃん。
「ダイn「ふぅん、そんなこと言うんだ」」
あれれ〜おかしいぞ〜。
ダインくんのこえはこんなにたかくはないぞ〜。
チラと見る。
水色もうわかった。
「殺す!!」
「やめい!!!!」
俺がシノンへ飛び掛った瞬間、周りの懸命な大人が俺を机に引き倒す、健全な若者が犯罪を起こす前に止めようとしてくれているのだろう、だがこの復讐の輪廻を止めるにはこの女を殺すしか方法はない、一族郎党根切りにしてくれる!!
「ダァイン!なにをしている!!ふざけるなぁ!!!」
「お前がリアルでなにをやっているか不安だよ」
「松田ァ!早くこいつを撃て!!」
「誰だよ松田って、、俺を見んじゃねぇ、たとえ本名が松田だったとしても答えねぇよ」
「そろそろ話を聞いてくれない?」
「なんだよ」
「え?、あぁちょっと話があるんだけど」
なにびっくりしてんだよ、まじでこいつ俺のことキチガイだと思ってんじゃねぇだろうな、ネタですよネタ、、、ネタ、、。
「ここじゃ人が多いから別のところに行きましょう」
「、、、俺のクランルームでいいか?」
「ええ」
「おら、離せよおっさんども、俺はこれから逢引なんだ、加齢臭がついたら嫌われちまう」
「死ねよ」
総意であった。