GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。   作:桐生 勇太

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第34GAME:檀 黎斗神の奪われたもの

「君は絶版だ…………ふふふ、今の私には究極の力がある。伝説の戦士、時王クロノス…仮面ライダークロニクルラスボスにして破壊の神、ゲムデウス…別個体裏ボス、ゲムデウスX…先ほど倒した、次元を突破する能力を持った魔神…そしてこのハイパー無敵…完璧だ。私こそが世界の…ルールだ」

 

 終わったな…たとえ不意を突いてハイパー無敵を取り返そうにも、もはやタイラントゾンビの力では力不足だ。ハイパー無敵の時ですら奴には性能で負けていたというのに、タイラントゾンビでは太刀打ちできん。…だが、希望はある。うまくいくか、それともいかないか…奴からしたら、どちらでも私の運命は変わらないと思っているだろう。

 

「せっかくだ…最期に君に見せてやろう。我が新しい力「ハイパークロノス」の力…」

 

【ドッキング…パカン…ERROR】

 

 政宗は変身ようとし、バグヴァイザーⅡにハイパー無敵を取り付け、スイッチを押した。だが、変身は承認されず、替わりに政宗の体を青白い光が包んだ。

 

「こ、これは……? !!!うぐっ!! な、何だこれは………!?」

 

「かかったな檀 政宗…それは、バグスターにおいて私にしかないもの…「ゲムデウスワクチン」だ」

 

「ゲ、ゲムデウス…ワクチン!!」

 

「そうだ。本来は万が一この世界にバグスターウイルスが来ても対応できるようにしていたが…予想外にうまくいったな。そのガシャットの名は「ハイパー無敵ガシャットD」…Dの意味は、闇を表す「ダークネス」と医療の「DOCTOR」のDだ! あなたの体内のウイルスの抗体も、摂り込んだ2体のゲムデウスも、これですべて消える…! ただの人になったあなたなら、今の私のタイラントゾンビの力でも十分に倒せる」

 

 政宗の体はもはや、光に覆われてほとんど見えなくなっている。これで、すべてが終わる………!

 

「バ、バカな…この、わた、し、が…………ガアアアアァァァァアアアァァァァァァアアアァァアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 

 力を振り絞り、政宗がバグヴァイザーⅡを腕に持ち替え、地面に弾を撃った。煙が晴れると、そこにはもう誰もいない。逃げたようだ。

 

「逃がしたか………だが、もはや時間の問題だ。放っておいてももはや何もできんだろう」

 

 もしもあのまま政宗がハイパー無敵を使わずに私を血祭りにあげようとしていたら、もはや詰みだった。

 

アリアも取り返した。魔神も、魔王ももういない。全てが、終わった。これからはもうそうそう変身する機会もないだろう。全て終わったのだから…




お読みいただきありがとうございました。

意外な形でクロノス撃退。

まだもう少し話は続きます。

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