GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。 作:桐生 勇太
「か、神ですか?」
ふっふっふ…驚いてるな、いいぞ。これを言うと永夢やポッピーはゴミを見るような目線を送ってきたからな…
「そうだ、この私こそが、神だ!」
「ほ、本当ですか?」
む、この女、信じていないな…失礼な奴だ。
「と、とにかく、いったんそれは置いておきましょう。とりあえず、私についてきてください、えっと、神…様?」
「檀 黎斗神だ。覚えておけ」
「はぁ…」
あ、こいつ、だんだん私を見る目がポッピーの目に近づいてきたぞ。
「どこへ行くのだ?」
「この地下室の外です。国中の人々が、勇者?のあなたをお待ちしております」
ふむ…やはりここは私がいた世界とは別のようだ。それにしても…
「さっきからお前の周りを浮いている光の玉はなんだ?」
「これのことですか? これは私の魔力を使って生み出した光魔法の[ライト]ですが…」
なんと、魔法まであるのか? 昔らしいドレスを着ていると思っていたが、まるでドラ〇エやタドルクエストの世界だな…
「国中の人々が集まっているのは、なぜだ?」
「それは当然、勇者様のお姿を一目でも見ようと…」
「なぜ勇者が現れることを知っているのだ? そいつらは」
「国の直属の占い師が今日現れるといったのです。そして、召喚魔法陣を見に行ったら、光とともに、あなた様が…」
なるほど、そういうことか。理解した。
「ここに現れたと」
「そうです」
「この扉の先か? その国中の人々がいるのは」
「はい」
ふむ、木を鉄で補強か、見れば見るほど、昔にありそうな扉だ。
「それでは開けますね…」 ガチャリ
「「「「「ワアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!」」」」」
扉を開け、私が出た途端、大歓声が起きた。広場を埋め尽くすほどの、人、人、人
「あれが勇者様か」
「あら、イケメンねぇ」
「髪の毛は魔族と同じ黒髪か」
「珍しい服だな」
さ、さすがに多いな…思わず圧倒されたぞ…
「皆さん、こちらが、私たちの希望、勇者 黎斗神様です!!!」
あ、どさくさにまぎれて私を勇者ってことにしたぞ、こいつ。
「勇者ではないっ!!! 私は、神だ!!!!!!」
「「「「「は?」」」」」
あ、やばい、全員目が点になってる。横にいるクライシィはうなだれた後、天を仰いでいる。
「ほ、本当だぞ!!!」
その時、突然目の前の地面から黒い炎が立ち上がり、中から真っ黒な鎧の騎士が飛び出してきた。周りの人々が、悲鳴を上げる。ところどころから「暗黒騎士だ!」と声が上がる。
「貴様が勇者だな!?」
「だから、神だと言っただろ!!!」
「問答無用! 魔王様の命令だ!死ね!」
いきなり抜刀し、剣を振り上げてきた。物騒な奴だな。
「いけない! 逃げてください! まだ成長していないあなたでは勝てません!!」
クライシィが叫ぶが、もう遅い。その時、私の首は宙を舞っていた。
「キャアアアァァァァ!!!」
「う、嘘だろ…殺されちまった…」
「最後の希望が…」
「やっぱり、私たちは魔族に滅ぼされるのか…」
「畜生! 何が神だ! あっさり死にやがって!」
ふむ、大パニックになってしまったな…それにしても、この暗黒騎士とかいうの、なかなかの腕だな。剣術の腕はカイデンのレベル30ぐらいか?
「はーっはっはっはっは!!! 勇者を打ち取ったぞ!!! …本音を言えば、真っ向から真剣勝負と行きたかったが…」
「かなえてやろうか? それ」
「…え?」
土管から這い出て暗黒騎士の肩をグイッとつかみ、こっちに向きなおらせる。
「残りライフ98…よくもやってくれたな?」
「「「「「えええええええええええええ!!!!!!!!!!!!?」」」」」
「ば、馬鹿な…生き返った、だとぅ?」
「う、嘘…どんなに万能な魔法でも、死んだ人間を生き返らせるなんて…」
暗黒騎士もクライシィも驚いているな、ふっふっふ…
「当たり前だ!! 死さえも超越する、この ☆私☆ こそが、神だ!!!!」
「ば、バカな! そんなこと、「創世神ゲムム」でもない限り、不可能だっ!」
「ふっふっふ…私は 壇 黎斗神、そしてGM(ゲームマスター)ゲンムだっ!」
「げ、げぇむますたぁ ゲムム!?」←聞き間違い
さぁて、この私を殺したことは、高くつくぞぅ? 暗黒騎士とやら…
素早く[ゲーマドライバー]と[プロトマイティアクションXガシャットオリジン]を取り出す。
「グレード0...変身!」
ドライバーを腰に巻き、ガシャットを差し込む。後はレバーを開く。
【ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!マイティジャンプ!マイティキック! マイティアクショーン!X!】
「さあ、真っ向から真剣勝負と行きたかったんだろう? かかってこい!」
【ガシャコンブレイカー!ジャッキーン!】
ふっふっふ…私の力を、思い知るがいい!
お読みいただきありがとうございました。
この世界の創世神の名前は「ゲムム」にしときます。「ゲンム」と似てますね。
世界の名前は「ゲイム」となっています。