GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。 作:桐生 勇太
「みんな、レベルアップしたいってことでいいんだよな?」
この問いに対し全員うなずいた。この前のレベルアップについて、とんでもないことを考えた。
かなり前にミリカと戦った時、レベルが1上がっていたんだ。つまり、この世界のレベルの上がり方は強い敵と戦う=経験値量になっているんじゃないか?
「確かにレベルが高ければ高いほど得られる経験値も増えるね」
つまり、私の考えはあっていたわけだ。
「決着は付けずとも、とりあえず「戦え」ばいいわけだ」
「そうなるね」
フフフ…見つけたぞ。レベルアップの簡単な方法…
「ゲームなどでは、プレイヤーのサポートキャラのレベルが低い場合、高難度のステージに行って、1気にレベルを上げるという方法がある………そこでだ、全員私と戦ってもらう。私のレベルは99:XXだ。俗にいう「天元突破」という状態らしい」
「あ、なら…」
クライシィは気づいたようだな。
「そう、私と戦えば、えられる経験値量は絶大というわけだ。仮に本気になりすぎて殺してしまっても、私はコンテニュー出来る」
「んな無茶苦茶な………」
だが、これがおそらく最速の1手だ。これで行こう。
「早速始めよう………グレードX・X…変身!」
【【デンジャラスゾンビ】】
【デ・デンジャラスゾンビ!デ・デンジャラスゾンビ!アガッチャ!ワーニング!ワーニング! ゾンビ・パニック デンジャラスゾンビ!Woooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!】
「よっしゃこい!」
「[ファイヤボール]」
まずクライシィか。うむ、全く効かんな。
「[闇触手]」
お次はクリスの闇魔法。これも効かない。
「[龍の火球]」
さらにヘイロンのブレス。うん、効かん。
「[エクスプロージョン][サンダーボルト][アイスロック][ファイヤアロー]」
そこへミリカの爆発、雷、氷の石礫、炎の矢、さらに2本の大剣が飛んできた。でも効かん。
「行きます! えい! えい!」
最後にアリアのスパローの矢が当たる。これも効かない。
「さぁどんどんこおぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!」
数時間後
もう全員の魔力はゼロだが、お次は入れ代わり立ち代わりで切りかかってくる。クライシィにもタドルクエストのソードを渡して参加させている。
「「「「「はあ…はあ…」」」」」
「みんな、大丈夫か? そろそろ休憩しよう。みんあ、レベルを言って行ってくれまずはクライシィからだ」
「72………です………」
おお、上がった上がった。いいな。
「よし、次、クリス」
「80だ………」
クリスもかなり行ったな。
「ヘイロンは?」
「75ニナッタ」
ふむ、よし。
「ミリカは?」
「96………」
………すごっ
「上がったなおい…アリアは?」
「99です」
「は?」
99? 上がりすぎ…いや、よく考えたらアリアはスパローのボタンをポチポチしていただけだ。いくらでも押せるわけだし、当たり前か。
よし、1つ全員のステータスを見てみるか。
名前 :クライシィ=イーグル
種族 :人間
レベル:72
称号 :第2王女 卑怯者
体力 :1040
知力 :41
攻撃 :760 (最大 4800)
防御 :880
速さ :1160
魔力 :3880
スキル:炎属性魔法 氷属性魔法 岩属性魔法 嵐属性魔法 護身術
賞罰 :なし
好物 :檀 黎斗神(大)
名前 :クリス
種族 :闇人間
レベル:80
称号 :暗黒騎士団隊長(元) 卑怯者
体力 :4800
知力 :29
攻撃 :3400 (最大 8800)
防御 :3920
速さ :5200
魔力 :3200
スキル:火属性魔法 闇属性魔法 暗黒流剣術 暗黒流拳闘術
賞罰 :なし
好物 :檀 黎斗神(大)
名前 :ヘイロン♀
種族 :黒龍 (成龍)
レベル:75
称号 :暗黒騎士団隊長クリスの召喚龍
体力 :24750
知力 :39
攻撃 :5400 (最大 23400)
防御 :7200
速さ :36000
魔力 :なし
スキル:龍の威厳 龍の炎球 自然治癒 人間化
賞罰 :なし
好物 :クリス
名前 :ミリカ=ローデン
種族 :人間
レベル:96
称号 :聖騎士団隊長 卑怯者
体力 :28500
知力 :7
攻撃 :30300 (最大63000)
防御 :26100
速さ :26850
魔力 :3300
スキル:武器術 拳闘術 炎属性魔法(火の最上位魔法) 爆発属性魔法(火の互換系最上位魔法) 雷属性魔法 氷属性魔法(水の最上位魔法) 料理 洗濯 乗馬 隠密行動 野生の勘(信憑率80%) 早食い 大食い 歩き食い 走り食い(歩き食いの上位互換スキル) 早飲み 飲み歩き 飲み走り(飲み歩きの上位互換スキル) タダ食い(確率一定以下で発動) 甘えん坊(心を開いている異性がいるため発動可) 下戸 悪酔い ツンデレ
賞罰 :なし
好物 :檀 黎斗神(大)
名前 :アリア・クルルセドイ
種族 :ウイルス
レベル:99
称号 :聖女 熱心な信者 卑怯者
体力 :300
知力 :82
攻撃 :2200 (最大2500)
防御 :1900
速さ :3500
魔力 :26000
スキル:医療魔法(回復魔法の最上位魔法) 聖女の微笑み
賞罰 :なし
好物 :檀 黎斗神(大)
「よし、みんな上がったな」
「「「「「………」」」」」
あれ、みんななんか納得してなさそうな顔だ。どうしたんだ?
「檀様、なぜかみんなの称号に「卑怯者」と入っているのですが…?」
「ん? そりゃあ、みんなずるい手でレベルアップしたしな」
あら? 何かみんなの視線がいたい。なんでだ?
お読みいただきありがとうございました。