GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。 作:桐生 勇太
次の日
私は仲間たちを集め、今後について話し合っていた。
「さて、旅を再開するにあたって、アリア、君も連れていく」
「「「「え?」」」」
アリアは一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐに曇った。
「檀様…うれしいのですが…」
「…? どうした?」
「私…体力も全然ありませんし…一緒にいても、お荷物になってしまいます」
何だ、そんなことか。
「それならもう解決している…鑑定用の水晶はあるか?」
「はあ、安物ですけど…」
言いながらクライシィが水晶を出した。
「アリア、触れてみろ」
「は、はい…」
名前 :アリア・クルルセドイ
種族 :ウイルス
レベル:1
称号 :聖女 熱心な信者
体力 :30
知力 :82
攻撃 :22 (最大25)
防御 :19
速さ :35
魔力 :260
スキル:医療魔法(回復魔法の最上位魔法) 聖女の微笑み
賞罰 :なし
好物 :檀 黎斗神(大)
「…はれ?」
おかしなな声を上げてアリアがフリーズした。
「バグスターになったからな。ウイルスが病気になることもあるまい。持病はすべて治っている」
…おかしいな、なんでアリアのレベルは固定されないんだ? 異世界の人間だからだろうか?
…まあいいか。さしずめ「その時不思議なことが起こった」と言っておけばどうにでもなるだろう。
「………それじゃあ…」
「ああ、言っていただろう? 治った時に再会すれば、一緒に冒険に行こうと。叶ったじゃないか。なに、まだ全体的には貧弱だが、まだレベルは1だし、これからは私が…うお!?」
言い終わらないうちに、アリアが飛びついてきた。
「嬉しいっ…! ありがとうございます、檀様!」
フフフ…よかったよかった。ちょうど回復役がほしいと思っていたからな。それに…
「というか、どうしたんだ? 3人とも」
クライシィ達はなぜか全員般若のような顔になっていた。何があった?
「あら? ああ、檀様、知らないんですね」
「何を?」
「うふふ、さあ?」
何だ? どういうことだ? さっぱりわからない。
「まあなんにせよ、冒険再開と行こうか…その前に…」
どうやらこの前倒した魔龍とかいうやつよりもはるかに強い龍が3種類ほどいるらしいしな。やはり冒険には万全の状態で行きたい。
「…?」
「私の基礎能力を底上げする」
「ん? 確かアンタのレベルって固定じゃなかったかい?」
そう、問題はそこなのだ。だが、問題ない。
「ああ、なぜか固定化されていたな。だが、問題ない。私はコンテニュー可能だからな。自分の体にレベルアップ機能を搭載する」
「…?」
「たぶん何度も失敗すると思うが…人体改造だ。バグスターウイルスの遺伝子を組み替える」
宿にて
「ミリカ、簡単に説明するぞ。ガシャット製造用端末を使い、私の体の遺伝子をレベルアップ可能に書き換える。まあリプログラミングだな。いったん体をバラバラにして、そこから再構成するから体の構造そのものが変わる。まあ何度か失敗して死ぬだろうな」
「なるほど…わからん」
「知力7は黙ってろ」
「ちょっと!」
別にミリカに理解できなくても問題ない。こいつはただの充電用発電機だからな。
「コードを体に刺して…よし、電気を流せ」
「はいよ…[サンダーボルト]」
電気が私の体に迫る…そして触れたその時、
「うぎゃぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」
【 GAME OVER 】
「し、失敗した…?」
土管から出て、もう一度コードを刺す。おいおい、想像以上に痛いな。
「もう一度だ」
「あ、ああ…[サンダーボルト]」
「ぎいっやァァァァァっぁあああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」
【 GAME OVER 】
「…もう一度…」
「やめたほうが…」
「もう一度」
「…[サンダーボルト]」
「アッがァァァァァァァァッァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
【 GAME OVER 】
数時間後
「残りライフ52…もう一度…」
ミリカがその場にへたり込んだ。
「もう、無理だよ…精神的にも、残りの魔力量的にも…」
「あと一回だけ頼む」
くそ、どこか間違ってるのか?
「じゃあ、これで最後ね……[サンダーボルト]」
「ぐえぇぇぇぇぇぇぇぇ!…あれ?」
痛みが……消えた?
「ミリカ、鑑定用の水晶を持ってきてくれ」
「あ、ああ!」
もしかして…これは、行ったやつか?
「持ってきたよ!」
早速触れる。ステータスが出た。
名前 :檀 黎斗神
種族 :ウイルス
レベル:1(レベルアップ可能)
称号 :神(笑) 手段を択ばない男
体力 :25
知力 :550
攻撃 :28
防御 :24
速さ :26
魔力 :0(レベルアップにつき増加)
スキル:キーボード両人差し指乱れ入力 変顔 ゲンムスマイル(変顔の互換スキル) ゲーム開発 地球流武器術 地球流拳闘術 暗記 変身 肉体改造
賞罰 :バイオテロリスト 異世界の希望
好物 :アリア・クルルセドイ
「…やった! やったぞ! やったぞぉぉぉ!!! やはり神の才能に、不可能はなァァァァイ!!!!」
喜びすぎておかしなポーズをとってしまった。ふとミリカを見ると…泣いてる?
「う、うえぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!!」
な、何だ? どうしたんだ? …ん?
「一番下、「好物 :アリア・クルルセドイ」だと…?」
…まあいいか。とりあえず、私のレベルアップ方法は「運動した量に比例して経験値が入る」方式になっている。気長に散歩してもいいが、最速で行きたい。…つまり、
…………死ぬまで腕立て、腹筋、背筋、スクワットだ。
数時間後
「もう少しなんだ…もう少しで…ヒュエッ!!」
【 GAME OVER 】
「残りライフ41………運動を続ける! はぁ!!」
さらに数時間後
かなりやった…頑張った…もういろんな意味でへとへとだ。
「残りライフ28…今の私は…どうなった?」
鑑定用の水晶に触れる。すると…
名前 :檀 黎斗神
種族 :ウイルス
レベル:99(レベルアップ不可能)
称号 :神(笑) 手段を択ばない男
体力 :3500
知力 :550
攻撃 :3800
防御 :3400
速さ :3600
魔力 :580
スキル:キーボード両人差し指乱れ入力 変顔 ゲンムスマイル(変顔の互換スキル) ゲーム開発 地球流武器術 地球流拳闘術 暗記 変身 肉体改造
賞罰 :バイオテロリスト 異世界の希望
好物 :アリア・クルルセドイ
「フフフ…神の才能に、不可能はなァァァァイ!!!!」
これで基本の能力が跳ね上がったな。そういえば………これで変身したら、どうなるんだ?
「グレードX・X…変身!」
変身し、ステータスを見る。
種族 :仮面ライダー型ウイルス
レベル:グレード99:XX(人間換算で測定不能)
称号 :神(笑) 手段を択ばない男 天元突破者
体力 :990000
知力 :550
攻撃 :2000000 (最大3600000)
防御 :890000
速さ :1200000
魔力 :580
スキル:キーボード両人差し指乱れ入力 変顔 ゲンムスマイル(変顔の互換スキル) ゲーム開発 地球流武器術 地球流拳闘術 暗記 変身 肉体改造
賞罰 :バイオテロリスト 異世界の希望
好物 :アリア・クルルセドイ
「……すごっ」
ちょとやり過ぎた……か? ま、良いだろう。さてと、明日の朝一番にこの町を出ていくか。
お読みいただきありがとうございました。
ちなみに、黎斗のスペック、変身せずに
パンチ力:96.10t
キック力:96.10t
ジャンプ力(ひと飛び):96.10m
走力(100m):0.961秒
となり、
エグゼイドレベル99のスペック
パンチ力:99t
キック力:99t
ジャンプ力(ひと飛び):99m
走力(100m):0.99秒
パラドレベル99のスペック
パンチ力:90t
キック力:94.4t
ジャンプ力(ひと飛び):92.6m
走力(100m):1.2秒
です。
パラドのレベル99よりも黎斗が強い…(;´・ω・)