GM(ゲームマスター)は異世界に行ってもGMのようです。   作:桐生 勇太

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神VS魔王編
第1GAME:黎斗神は自称神様


「ゲームは私のすべてだぁ! 貴様のようなクズに、利用されてたまるかぁ!!」

 

 ガギィンッ ギン ドン ガガガガ

 

 ドドォン

 

「ぐあああぁぁ!!」

 

【 GAME OVER 】

 

 生と死を繰り返す戦士、仮面ライダーゲンム 彼は、99の命を持っていた。死んで、土管の中から復活し、また死に、繰り返す。だが、毎回そう都合よく復活できるのだろうか? これは、彼の復活の際、すなわち【 CONTINUE 】の時に起きたかもしれないお話。最強の敵、仮面ライダークロノスに殺された時の復活の際、なんと彼のデータは二つに分かれ、片方のデータがいわゆる人呼んで「異世界」と呼ばれる空間に飛ばされてしまった。

 

 この物語は、檀 黎斗(だん くろと)…いや、失礼、檀 黎斗神(だん くろとしん)の身に起きた、不思議な物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死んだときには、いつも一瞬気が遠くなる。いつものことだ。だが、今回は妙に長い感じがあった。不具合だろうか?

 

「おのれぇ…檀 正宗…また私の貴重なライフをよくも…! 残りは、いくつだ?」

 

「あの…」

 

 ライフウィンドウを展開し、確認する。表示には[99]と書かれている

 

「…えぇ?」

 

 明らかにおかしい、残りは、2そこらのはずだ。

 

「あのう…」

 

「元に戻っている……バグか? いや、私の作った[プロトマイティアクションXガシャットオリジン]に限って、そんなことは……ええい、CR に戻ったらいったんオーバーホールするか…いや、このままでいいのか? このまま残りライフ99のほうが有利に事が進むし…」

 

「あ、あの、よろしいですか?」

 

「む?」

 

 気が付くと、いつの間にかRPGの勇者誕生の祭壇のようなところに立っていて、青髪の美しい女性が近くに立っている。

 

「ここは…?」

 

「私がお話いたします」と言い、青髪の女性が1歩前に出た。

 

「ここはイーグル国という国の王城、その地下の祭壇です。そして私はこの国の姫、クライシィ=イーグルと申します。この世界は、魔王によって滅ぼされそうになっているのです。そこで、勇者召喚の儀式を行ったのです。召喚魔方陣の中から現れたということは、あなたが世界を魔王から救ってくれる勇者様なのですね…!?」

 

 とてもうれしそうな顔で、少し涙ぐみながらクライシィと名乗った女性が拝むように手を組む。

 

「………………………………………………………ふ、フフフ」

 

 まったく意味が分からない。ここは異世界で、私が召喚された勇者だと? だが、私には1つだけ言えることがある。

 

「あ、あの?」

 

「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ」

 

 教えてやろう、私の正体を…

 

「勇者だと?フフフフ、違うな……」

 

「え………」

 

 クライシィの表情が曇る。その場にへたり込んでしまった。

 

「そんな……これで皆さんが助かると思ったのに…」

 

 やはり勇者の力を使って世界を救ってもらおうと思っていたようだ。私は、彼女に近づき、顎に手をかけて顔を持ち上げた。顔の距離といい、まるでキスをするような体制だ。気のせいか、彼女の顔が赤くなっている。そこへ決定的な言葉を言い放った。

 

「GM(ゲームマスター)であるこの ☆私☆ こそが、神だ!!!!」




 お読みいただきありがとうございました。
自分のペースで自分のやりたいように書くつもりです!



名前の由来

クライシィ:ロシア語で美しいという意味
イーグル :同じくゲームという意味

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