僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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休日オリジナル回です


ブレイクタイム

雄英体育祭が終わり、二日間の休日が設けられた。

皆体育祭の疲れを癒している。

 

しかし、雄英高校のグラウンドには、爆音が響いていた。

 

ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャル!

 

耳「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

善「よっしゃぁぁぁぁ!」

 

善彦と耳郎は休日にもかかわらず、雄英のグラウンドでバイクのテクニックを練習していた。

 

ブゥン!ブゥン!ブゥゥゥゥウン!

 

等間隔で開かれた三角コーンの間をジグザグに抜け、ドリフトで障害物を避け、ウィリーで細い台の上を走っている。

 

上「、、、、」ジュー、ズゴゴゴゴゴゴゴ

 

爆走している二人を上鳴は遠くからジュースを飲みながら見ていた。

 

ブゥゥウン キキーッ!

 

上鳴の目の前でバイクが止まった。

 

耳「っふぅー、やっぱキモチいいや」

 

耳郎がヘルメットを脱いで善彦から降りる。

 

善「耳郎さん運転上手くなりましたねー」

 

上「バイクスーツまで着て本格的なこと」

 

耳「そうでしょー、似合ってる?」

 

耳郎は善彦を乗りこなすために真っ黒のバイクスーツを購入していた。〈上下で32000円也〉

 

耳「よーいしょ、疲れた疲れた」

 

耳郎はバイクスーツの上着を脱ぎ、タンクトップ姿で上鳴の隣にすわった。

 

上「うーわ汗びっしょりじゃんお前」

 

耳「結構蒸れるんだよバイクスーツって」

 

上鳴から渡されたタオルで耳郎が体を拭く。

 

善「そこまでして乗ってもらえるとバイク冥利に尽きますなぁ」

 

《ガッチョーン ガッシューン》

 

善彦も変身を解除し、上鳴の隣に座る。

 

上「、、、なぁ、そのリュックの中って変身するヤツ入ってんの?」

 

上鳴が善彦のリュックを指さした。

 

善「?あぁ、携帯兼変身アイテムだったらあるよ」

 

善彦がリュックをゴソゴソと漁ると、中からスシチェンジャーと忍者スターバーガーを取り出した。

 

上「なぁなぁ、それって俺も変身できる?」

 

目をキラキラさせながら上鳴が善彦に寄ってきた。

 

善「あー、、そこんところねー、、マイクせんせー」

 

バサッ!

 

マ「オーケー!」

 

耳「うわっ!」

 

3人の後ろからプレゼント・マイクが突然出てきた。

 

マ「佐竹善彦!個性"特撮変身"!彼の指紋がついた変身アイテムやベルトを身につけ、ポーズを決めることによって変身することができる!きちんとしたポーズをとらないとコスプレレベルのクソ雑魚に変身してしまうぞ!一度も変身をミスらなかったのは彼のヒーロー愛の賜物だ!」

 

善「ありがとうございました」

 

マ「おーう、頑張れよー」

 

説明を終えたマイクはそのままサッと帰っていった。

 

耳「いったい何だったんだ、、」

 

上「ってことはお前の指紋がついていれば変身できるってことだな?」

 

上鳴がスターバーガーを手に取りニシシと笑う。

 

善「しっかりとポーズ取らなきゃダメなんですよ甘く見ないでください」

 

善彦は上鳴からスターバーガーをとり、時間を確認する。

 

上「ちぇー、なんだよ」

 

善「まだ午後の1時か、、これからどうするよ?」

 

スターバーガーをリュックにしまい、二人の方を向く。

 

上「カラオケでも行くか?」

 

耳「あっ!いいじゃんそれ!じゃあウチちょっと着替えてきてもいいかな?流石にバイクスーツはちょっと、、」

 

善「ほいじゃ早く行きましょうか」

 

善彦は再び変身して、二人を乗せた。

 

〜耳郎家前〜

 

上「あいつおっせぇなぁ〜」

 

善「女の子はそういうの大体時間かかるってきまってんの」

 

耳郎が着替えに行ってから15分以上待たされている。

 

善「おっ、来たみたいだよ」

 

玄関から耳郎の声が聞こえる。しかしその声はなんだか穏やかじゃない。

 

ガチャ

 

玄関が開いた。

 

耳「ちょっといいって本当に!」

 

響徳「いいや言わせてくれ、これは父親として大事なことだ」

 

耳郎と一緒に出て来たのは、耳郎の父親の響徳だ。

 

上「あ、ちーす響徳さん」

 

善「こんにちわーっす」

 

響「お、上鳴くん佐竹くんこんにちは」

 

善彦はよく耳郎のことを送って行っているため、響徳とは顔見知りである。

 

耳「あいさつしたならいいでしょ!もうしつこいなぁ、」

 

響「佐竹くんいつもありがとうな学校の送り」

 

善「いえいえ、そんなこと」

 

響「君のことを最初見たときはなんぞやと思ったけどまさかいつもいってる店の倅だと知ったときは安心したよ」

 

善「はは、恐縮です」

 

そう、善彦の家は居酒屋なのである、店のオーナーである善彦の父と1-Aの保護者とは全員顔見知りのため、クラスメイトの親とは何かと関係はいいのだ。

 

響「これからも響香のことをよろしくな、オーナーにもよろしく伝えてくれ」

 

善「ういっす!今度ビール一杯サービスしますね」

 

耳「終わった?じゃあ早くいこ、カラオケ満室になっちゃうよ」

 

耳郎が不機嫌そうに善彦に乗る。

 

響「あまり遅くまで遊ぶんじゃないぞー」

 

耳「うっさい!早く行こ!」

 

善(思春期だなぁ、、、)

 

ブゥゥゥゥウン

 

耳郎はさっさとアクセルをふかし、その場を去った。

 

上「佐竹、お前って顔広いんだな」

 

善「全部父親ありきだよ」

 

そして3人はカラオケに着き、いろいろと熱唱する。

 

上鳴の歌うロックやパンク、テンションの割に点数がまぁまぁだった。

 

耳郎は家から持って来た自前のギターで即興ライブやはり歌は上手い。

 

善彦のスーパー戦隊メドレーと仮面ライダー主題歌メドレーはちょっと引かれたような気がした。でもとても盛り上がった。

 

耳「ふー、ちょっとウチドリンクバー行ってくる」

 

皆が落ち着き、耳郎が席を立つ。

 

上「あー、疲れたーやっぱカラオケはいいな」

 

善「え?あ、あぁ、うん」

 

善彦はなぜかうかない顔をしている。

 

上「ん?どうした?」

 

善「あー、いや、ちょっと、、いいかな?」

 

〜カラオケ通路〜

 

耳「ここってドリンクバー無料なのがいいよねー」

 

耳郎が善彦達のいる部屋に近づくが、何か異変に気付く。

 

耳「あれ?あいつら歌ってない、、休んでんのか?」

 

部屋の方に耳を傾けると話し声が聞こえる。

 

耳「イヤホンジャーック」

 

耳郎が部屋のドアにイヤホンジャックをさして会話を聞く。

 

上「じゃあお前は気持ちを伝えるんだな?」

 

善「うん、なんかドキドキして仕方がないんだ」

 

耳「!!?!??!!!?!」

 

耳郎がとっさにイヤホンをしまう。

 

耳(なに?なに?ドキドキ?ドキドキってなに?気持ち?伝える?)

 

耳郎の顔がドンドン赤くなる。

 

おそるおそる再びイヤホンをドアに指した。

 

上「その気持ち、ちゃんと伝えねぇとだめだぞ」

 

善「うん、腹くくって言ってみるよ」

 

耳(なにぃぃぃぃぃぃ!)

 

耳郎はその場にフリーズしてしまった。

 

耳(しらなかった、、そんな、、まさか、、)

 

ガチャ

 

耳郎が部屋のドアを開ける。

 

上「おー耳郎、遅かったな」

 

善「あれ?どしたんすか?顔赤いよ」

 

耳「あぁ!いや!なんでもない、、」

 

耳郎は善彦と目をそらす。

 

善「?」

 

プルルルル、プルルルル

 

ここで部屋の電話から10分前のコールがなった。

 

上「もうそんな時間か、もう歌う曲ねぇしそろそろ行くか」

 

善「そうしましょそうしましょ」

 

上鳴と善彦が部屋を出て行く。

 

耳「あ、、うん、」

 

耳郎も後からついていった。

 

そして、複雑な心境のまま耳郎は善彦を運転する。

 

上「結構暗いなー」

 

外は真っ暗だが、星が綺麗に見える。

 

善「なんかロマンチックですね、海でも見に行きます?」

 

耳「えぇ!」

 

上「お!いいねぇ!いこうぜいこうぜー!」

 

善彦は、近くの海岸まで走って行った。

 

そして海の見える公園に着く。

 

上「あー、、潮風が気持ちいいぜぇ」

 

善「いーい景色、こんなとこで女落としたら一発でしょうねぇ?」

 

善彦が耳郎の方を向くが、耳郎は明後日の方を向いている。

 

善「おろ?」

 

上「俺なんか飲み物買ってくるよ、なにがいい?」

 

善「炭酸系で」

 

耳「ウ、ウチは、なんでも」

 

上「あいよー、じゃあいってくらぁ」

 

上鳴はその場を離れてしまい、耳郎と善彦の二人きりになる。

 

耳(ヤバい、、どうしよう、なに話せば、、)

 

善「耳郎さん」

 

ビクーッ! 耳「え!な、なに!?」

 

耳郎が変な声をあげる。

 

善「ちょっと大事な話が、、」

 

善彦の目はまっすぐだ。

 

耳「え、、あ、、うん、、」

 

善「前々から思ったんですよ、あなたといるとドキドキしてしょうがない、これはあなたにとっても大事なことです」

 

耳「は、、はい」

 

耳郎は少し固くなっていた。

 

善「耳郎さん、、、お願いがあります、、」

 

善彦がリュックをゴソゴソと漁る。

 

耳(なに、なに、なに、なになになに!)

 

耳郎の心臓はフルスピードである。

 

善「よし、、耳郎さん!」

 

善彦がリュックから何かを取り出し、耳郎に突き出した。

 

耳(覚悟決めろ!ウチ!)

 

善「耳郎さん!免許とってください!」

 

耳「え?」

 

耳郎な素っ頓狂な声をあげる。

 

耳郎に差し出されたものをよくみると、『一発合格!バイク免許問題集』と書いてある。

 

善「いや、耳郎さん自分のことめっちゃ乗り回してますけど、無免許ですやん?ドキドキして仕方がないんですよ自分の個性だから大丈夫かなーって思ってたんですけど、もしものことが起きたら大変じゃないですか、命は大事にしなきゃってこと伝えたほうがいいかなって思ってさ免許とってもらいたくて」

 

善彦がペラペラと語った。

 

耳「め、、免許、免許かよぉ、、、」

 

耳郎はその場にヨロヨロと膝をついてしまった。

 

善「え!どうしたんすか!?そんなに免許いや!?」

 

ムギュ!

 

善彦の頬が耳郎につねられる。

 

善「いでデデデででなになに?」

 

耳郎が善彦の頬をつねったままゆっくりと立ち上がった。

 

耳「いいよ上等じゃない、免許なんてすぐとってやるよっ!」

 

耳郎が勢いよく善彦の頬から手を離した。

 

善「うぅ、、ありがとうございます、、」

 

善彦は赤くなった頬をスリスリと撫でる。

 

上「おーい、買ってきたぞー」

 

上鳴が帰ってきた。

 

耳「おー!サンキュー!」

 

耳郎にいつもの元気が戻る。

 

善(、、、、耳郎さんもしかして告白か何かと勘違いしたのかな、、だとしたら悪いことしちゃったなぁ、、、)

 

善彦が上鳴の方をチラリと見る。

 

上「ほれ、佐竹コーラでよかったか?」

 

耳「ちょっとぉ、あんた適当なものでいいとは言ったけどエナジードリンクって」

 

上「えー、それうめぇだろ?」

 

善「、、、、、」

 

善彦は上鳴からコーラをとり、二人を見る。

 

善(耳郎さんには、、自分じゃなくて、、な、、、)

 

善彦は上鳴の方を見ると、ふふっと笑った。

 

上「おーい!そろそろいこうぜー!」

 

耳「変身して貰わないと帰れないんですけどー!」

 

善「あいよぉ!ひとっ走り行っちゃりますよー!北は北海道南は沖縄までー!」

 

耳「そこまで行かんでいい!」

 

二人は善彦に乗り、発進させる。

 

その日の星は本当に綺麗だった。

 




次はヒーローネーム回です。

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