僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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だいぶ文が長くなってしまいました


初のリーダー! 負けれぬ戦い!!

 

外「ゼンカイジャー? なんだあの珍妙なヤツらは」

 

 突如現れたゼンカイジャーを前に外典は怪訝な表情を浮かべた。

 

善「よぉぉし! 全力全かぁぁぁい!!」

 

 善彦はその場で腕を振り、足踏みすると、そのまま全員で解放戦士の群れへと走った。

 

ブ「うぉぉぉぉ!! ティラノサウルスなんて男のロマンじゃねぇかぁ!!」

 

 ゼンカイジュランに変身したブラドキングはジュランソードを手に解放信者を斬り伏せていく。するとブラドキングの背後から解放戦士が飛びかかった。

 

「いい歳こいて恐竜にテンション上げんなぁ!」

 

ブ「しまった!」

 

 飛び上がった解放戦士が武器を振り下ろそうとした時、黄色の影が空中の解放信者を叩き落とした。

 

ブ「助かったぞハウンドドッグ!」

 

 黄色の影はブラドキングの隣に着地する。ブラドキングの隣に立ったのはゼンカイガオーンに変身したハウンドドッグだった。

 

ハ「オレは犬なんだがなぁ! ライオンも悪くないものだ!」

 

 ハウンドドッグはガオーンクローを構え、地面に手を着き、獣の構えをとる、その後ろにブラドキングは立った。

 

ブ「猛獣二人! この群れを蹴散らそうぜ!」

 

ハ「っしゃあ! ガルルルルルルルァァ!!」

 

 二人は武器を構えると解放戦士へと突っ込んだ。

 

セ「うおおおおお!! コレはいいぞぉ!」

 

 一方ゼンカイブルーンに変身したセメントスは、仰向けの体勢になり、肩と腕に着けられたタイヤで戦場を走り回っていた。

 

「うおおおぉ! なんかキモイ体勢で青い何かが走ってきたぁぁ!!」

 

「足元! ヒーローのくせに足元ねらってきやがる!」

 

 セメントスは解放戦士の足元を走り回っていた。

 

「フンっ! 大したことねぇよ! 足元に来た瞬間にヤツを潰せばわけねぇ!」

 

 その時、解放戦士の1人が斧を取り出し、セメントスに向かい構えた。

 

「っしゃあ! ぶった斬ってやらぁ!」

 

 解放戦士は迫り来るセメントスに向かい、斧を振りかぶる。その瞬間、セメントスの眼がギラリと光った。

 

セ「現れよマイウェイ!!」

 

 セメントスが叫んだ瞬間。地面のセメントが隆起し、セメントスはその坂を滑走した。

 

「な! 個性で道路を造りやがったぁ!」

 

セ「ハハハハハ!! 私の個性とこの姿は最高の組み合わせだ!」

 

 セメントスは自身で作った道路を走りながらブルーンピッカーを構え、道路から飛び出した。

 

セ「コースアウトからのぉぉ!」

 

 セメントスは斧を持った解放戦士の頭上に飛びかかる。

 

セ「ブルーンダイビングアターック!!」

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 セメントスは斧の解放戦士と数人を巻き込んで着地した。

 

リ「いや、武器持った意味は?」

 

 ゼンカイマジーヌに変身したリューキュウがセメントスが戦士を一網打尽にしている場面を眺めていると、リューキュウの背後に解放戦士が立つ。

 

「我らの意志に反する愚道者が! ここで潰してやる!」

 

リ「っ!」

 

 リューキュウが背後の解放戦士に気づくと、マジーヌスティックを構え、解放戦士と対峙した。

 

リ「出たわね! みんなを困らせる悪い人達!」

 

 次の瞬間、リューキュウの口調が変わる。その様子に解放戦士も固まった。

 

「あれ? コイツってこんな感じだっけ?」

 

 解放戦士達が顔を見合わせ混乱していると、リューキュウはマジーヌスティックに手をかざした。

 

リ「いくぞぉ〜! ヌヌヌマジーヌ・ドラドラリューキュウ!! 落ちろカミナリ!」

 

「ギャァァァ!!」

 

 リューキュウがマジーヌスティックを掲げると、解放戦士の頭上を暗雲が覆い、落雷が戦士を襲った。

 

セ「あれ? リューキュウさんこんな喋り方でしたっけ?」

 

 立ち上がったセメントスが首を傾げると、リューキュウの動きがピタリと止まった。

 

リ「あぁ……それはね……」

 

 リューキュウはセメントスの方を振り向く。その瞳は星の如く輝いていた。

 

リ「私! 実は小さい頃から魔法少女って憧れてたのー! こんな所で夢が叶うなんて思わなかったぁ! 嬉しぃぃい! ゼンカイマジーヌいっちゃうぞ♡」

 

 リューキュウはウインクをすると高く跳び上がり、マジーヌスティックを掲げた。

 

リ「魔女っ子ドラゴン リューキュウいきまーす!」

 

 キャラが変わり、ノリノリの様子のリューキュウをセメントスは静かに見送った。

 

セ「元気がなによりです」

 

リ「ベギラゴン!!」

 

セ「コラっ!! 魔女っ子じゃないですそれ!」

 

 そして善彦はギアトリンガーを片手に、多数の解放戦士と戦っていた。

 

善「チョアーーーー!」

 

 善彦は次々と繰り出される解放戦士の攻撃を避けながら銃撃を喰らわせていた。

 

「調子乗んなガキ!!」

 

 善彦の背後から個性で腕を武器化させた解放戦士が襲い掛かる。

 

善「ッチョアァァ!!」

 

「ガハァッ!!」

 

 しかし善彦はそれをひと蹴りで蹴散らした。

 

善「よしっ! 上手く動けてる!」

 

 善彦がゼンカイザーの姿に慣れた時、頭上に殺気を感じた。

 

善「うぉおおわっ!」

 

 善彦がその場から跳ぶと、両腕に氷塊を纏った外典が落ちてきた。

 

外「フンッ! すばしっこい奴め!」

 

 フードを外した外典は氷塊を腕から解く。そして善彦を睨みつけた。

 

外「なんなんだ貴様ら……こんなふざけた奴らが我々の思想を邪魔するというのか!」

 

 外典が腕を振ると、氷塊が氷柱となって善彦に襲い掛かる。しかしその氷柱は善彦の目の前で防がれた。

 

ブ「ふざけた? これはユニークというんだよ」

 

 善彦の前に立ったブラドキングは突き出したジュランシールドから顔を出す。

 すると外典の周りをハウンドドッグ達が囲んだ。

 

ハ「ガルルルルルァァ! もう観念しろォア!」

 

リ「悪いことはもうさせないんだから☆」

 

セ「リューキュウさん入りこんじゃったなぁ」

 

 外典は周りを見回すと、目を見開き歯を強く食いしばる。

 

外「国家の犬どもがぁ……使いたくなかったが仕方ない!!」

 

 外典は懐から小さなボトルを取り出すとキャップを開ける。

 するとボトルから黒い煙が噴き出し、外典の体を包んだ。

 

善「ネビュラガス! 皆さん気をつけて! コイツ怪人になります!」

 

 善彦が告げると、全員が武器を構える。

 

外「ウガァァァァァ!!」

 

 ネビュラガスを払い、出てきた外典はアイススマッシュへと変貌していた。

 

セ「ムゥ! これが噂のネビュラガス!」

 

ハ「一気に臭いが変わった……危ない臭いだ!」

 

ブ「敵とも脳無とも違う、気を抜くなよ!」

 

リ「魔女っ子ドラゴンやっちゃうぞ!」

 

 プロヒーロー達はスマッシュを見た瞬間、即座に武器を構える。

 外典は冷気を纏った右手を地面につけると、その瞬間、外典を中心に地面が凍り付いた。

 

善「氷が迫ってくる! 跳んで避けなきゃッ!」

 

 ゼンカイジャーは足元に迫ってくる氷を避けるため、その場でジャンプする。

 

善「ギャッ!」ブ「オッ!」ハ「バウッ!」

リ「きゃっ!」セ「グワっ!」

 

 しかし着地した瞬間、凍った地面に足を滑らせ転倒した。

 

善「そりゃそうだよ、凍ってんだから……」

 

ブ「いい歳こいてコケてしまうとは……腰打ったァァ」

 

 善彦とブラドキングは氷の上で横たわり悶絶している。

 

ハ「バウッ!!」

 

 横たわる二人を飛び越え、ハウンドドッグは外典へと駆け出した。

 

善「うわっ! 氷の上でも軽々走ってる!」

 

ブ「爪を使って氷の上を走ってるんだ、ライオンになって獣の力が上がってるんだろう」

 

 ハウンドドッグは氷上を走り、外典との間合いをつめる、そしてガオーンクローを振り上げた時。

 

ハ「っ! しまった!」

 

 外典の足元から氷柱が生え、ハウンドドッグを弾いた。

 

ハ「ぐゥゥ!」

 

 ハウンドドッグは空中で体勢を整えると、そのまま着地する。

 

セ「こやつは氷を操る個性、怪人になってその力が上がっているようですぞ!」

 

 氷上で足をプルプルさせながらセメントスが伝える。するとリューキュウがマジーヌスティックを支えにしながら手をかざした。

 

リ「それなら任せて! ヌヌヌマジーヌ・ドラドラリューキュウ!」

 

 リューキュウがマジーヌスティックを掲げると、スティックから放たれた光が善彦達の足下へ向かった。

 

ブ「おぉ!? 踏ん張れるぞ!」

 

 ブラドキングが足の裏を確認すると、足の裏には光のスパイクが生えていた。

 

セ「意外と物理的なんですね」

 

ハ「ともかくこれでまともに戦える!」

 

 滑らなくなったブラドキング達は外典に向かい走った。

 

善「最高です! リューキュウさん!!」

 

リ「キャホー! 魔法ってたのしー!」

 

 ハイテンションな善彦とリューキュウも外典に向かった。

 

外「グガガガガガ!!」

 

 向かってくるゼンカイジャーに外典が構える。その時、外典の周囲が爆炎に包まれた。

 

ブ「おらぁ!」

 

ハ「ガルァ!」

 

 先にブラドキングとハウンドドッグの斬撃が外典をとらえる。

 

リ「ドラゴンファイアー!」

 

外「ギィィィィィ!!」

 

 斬撃をくらい一瞬動きが止まった隙を狙い、リューキュウが魔法で外典を炎で包んだ。

 

セ「何年ぶりかのグルグルパンチでぇぇす!」

 

 炎に包まれ、もがく外典にセメントスは上半身を高速回転させ、外典に突っ込んだ。

 

外「ウガァァァ!」

 

 セメントスのパンチで外典が空中に飛ばされる。

 

善「そして今度は自分のバン!!」

 

 宙に浮いた外典を見据えながら、善彦はギアトリンガーにセンタイギアをセットし、ハンドルを回した。

 

《33バーン!》

 

善「ハッ!!」

 

《ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン! 》

《シンケンジャー!!》

 

 善彦が引き金を引くと、シンケンジャーギアのエネルギーと共にシンケンレッドが出現する。

 

善「わっ! 初めまして!」

 

 シンケンレッドは手にしていた烈火大斬刀を善彦に渡すと、そのまま消えていった。

 

善「ありがとうございますっ!!」

 

 善彦は烈火大斬刀を構えると、その場で跳躍し、外典との距離を縮めた。

 

善「チャンチャンバラッ!!」

 

外「ゲバっ!!」

 

 烈火大斬刀の横薙ぎの一撃は外典の胴に入る。外典が地面に叩きつけられると、善彦は空中でバックルからセンタイギアを取り出し、ギアトリンガーにセットした。

 

善「まだまだぁ!」

 

《28バーン!!》

 

 ハンドルを回し、ギアを読み込ませると、瞬時に引き金を引く。

 

《ババン!ババン!ババン!ババン!ババババーン! 》

《デカレンジャー!!》

 

 デカレンジャーギアのエネルギーと共に、ディーバズーカを構えたデカレンジャーが出現する。そして善彦の手にディーバズーカが授けられた。

 

外「グ……グガガ……」

 

 外典は体をよろめかせながら立ち上がる。その直後、外典の胸に銃口が突きつけられた。

 

善「ゴッチュー!!」

 

 善彦は外典が立ち上がった瞬間にディーバズーカの引き金を引いた。

 

外「うおおお!!」

 

 ゼロ距離でバズーカを喰らった外典は大きく後ろへ飛んでいく。

 ディーバズーカが善彦の手から消えると、ブラドキング達が善彦の横に並んだ。

 

ブ「よくやったぞ佐竹くん!」

 

善「ありがとうございます! じゃあトドメ行きましょう!!」

 

「「「「了解っ!!」」」」

 

 五人はギアトリンガーを構えると、再度ハンドルを回した。

 

《ヒーロー!スーパーゼンカイタイム! 》

《キカーイ!スーパーゼンカイタイム! 》

 

 五人がハンドルを回すと、頭上に巨大なゼンカイジャーのマークが形成された。

 

《ゴッゴー!バンバン! ゴッゴー!バンバン!》

 

善「ゼンカイフィニッシュバスター!!!」

 

 全員が照準を外典に向け、引き金を引く。五人のギアトリンガーから発射された光線は外典に直撃した。

 

外「グギャァァ!! ……ア?」

 

 外典は光線をくらい、大きくのけぞる。外典が上を向いた瞬間、巨大ゼンカイジャーマークが外典に落とされ、大爆発を起こした。

 

外「アァァ!!」

 

《ダイゼンカイ!!》

 

善「やったぁぁぁ!!!」

 

 外典の起こした爆発を背に善彦は勝利の叫びを上げた。

 

セ「中々良い暴れっぷりでしたよ」

 

リ「ホンットにありがとう佐竹くん! 夢が叶ったもぉん!」

 

 セメントスは善彦の肩に手を乗せ、労いの言葉を与える、リューキュウはその横でピョンピョンと跳ねていた。

 

外「グググ……あの野郎……使えないもの渡しやがってぇ……」

 

 吹き飛ばされ、スマッシュ化が解除された外典は地面に倒れている。ボロボロの体を起こそうとした時、外典は目の前で倒れている人物に目を見張った。

 

外「リ……デストロォ!」

 

 外典の目の前で倒れていたのはエッジショットとの交戦で敗れたリ・デストロだった。

 

デ「げ……外典か」

 

 デストロは息絶え絶えで外典に目線をむけると、皮肉げな笑みを浮かべた。

 

デ「フフフ……なんと情けない姿になってしまったことか……もうストレスを感じる気力も残っていない……」

 

 デストロは空を仰ぐと、目に涙を浮かべる。その時、外典はデストロの手に己の手を重ねた。

 

デ「外典……?」

 

外「リ・デストロ……僕の力を使ってください……この命……救世の糧になるのならば喜んで授けます」

 

デ「おぉ……ありがとう……外典よ」

 

 外典の言葉にデストロは涙する。涙が頬を伝い、落ちようとした刹那、デストロの体が氷に包まれた。

 

ギ「我が主の元へぇぇぇ!!」

 

 同時刻、解放戦線の館からギガントマキアが飛び出した。

 死柄木の声を受け取り、主の元へ走る。善彦達はそれを見逃さなかった。

 

善「マズイ! 早く止めないと!」

 

 善彦がギアトリンガーに手を伸ばした瞬間、背後で轟音が響いた。

 

ブ「今度はなんだ!?」

 

 ブラドキングが振り返ると、そこには体に氷を纏ったデストロが肥大化していた。

 

デ「ヌオォォオ!! ストレスパワーが満ち満ちてきたぞぉぉぉ!!」

 

 外典の作り出した氷の鎧が体を締め付け、更に体を冷やし、多大なるストレスを与えている。破壊された義足をも氷で造り出し、今まで以上のストレスが解放されたデストロはギガントマキアと同じサイズへと巨大化した。

 

外「アイスクレストロとでも名付けるか!」

 

 外典はデストロの頸椎に氷で張り付いている。周囲を見回し、善彦達を捉えた外典はデストロの右腕に氷の剣を形成した。

 

外「デストロォ! まずはこの愚者共に鉄槌をぉ!」

 

デ「承知したぁ!」

 

 デストロはゆっくりと善彦達へ歩を進める。ブラドキングは後方のギガントマキアに目線を向けた。

 

ブ「くそっ! このままではヤツを行かせてしまう!」

 

リ「でも! こんなヤツをほっとくわけにはいかないよ!」

 

 リューキュウはデストロを指差しながらアタフタと慌てる。

 しかし、その中で善彦は冷静だった。

 

善「皆さん! 一旦アッチのデカイのは放っておいて! まずはコッチのでかいヤツを片付けましょう!」

 

 善彦の発言にブラドキングは目を丸くした。

 

ブ「何を言っているんだ! このままヤツを放っておいたら死柄木の元へ!」

 

善「大丈夫!」

 

 ブラドキングの言葉を善彦は遮る。そして真っ直ぐな瞳で善彦は続けた。

 

善「ヤツが向かった方向には自分と同じ、ベルトや戦隊アイテムを持ったA組とB組がいます! みんなが恐らく……いや、確実にみんながアイツを止めてくれます!」

 

 それを聞いたブラドキングは思考を回らせる。そしてため息を吐くと、善彦の肩に手を置いた。

 

ブ「よしっ! オレの育てたB組がいるというのなら心配ないだろう! オレらはこっちのデカブツを処理するぞ!」

 

 ブラドキングはデストロにジュランソードを向ける。ブラドキングの横にハウンドドッグ達が並ぶと、ギアトリンガーにセットしたセンタイギアを裏返し、ハンドルを回した。

 

ハ「よく言ったな佐竹よ!」

 

セ「生徒を信用するのも教師の仕事!」

 

リ「パパッとやっつけちゃおう!」

 

《ビッグバン!》

 

 ハンドルを回すと、ギアトリンガーを天に向かって放つ。するとギアのエネルギーが四人の体を通った。

 

《ゴー! ゴー! ゴゴッゴー!》

 

ブ「機界変形! ジュランティラノ!」

 

ハ「ガオーンライオン!」

 

リ「マジンドラゴン!」

 

セ「ブルーンダンプ!」

 

 四人は巨大化すると、機界変形でそれぞれの姿に変形し、デストロと対峙した。四人の後ろで善彦もハンドルを回し、ギアトリンガーを掲げた。

 

善「行きますよぉ! ハッ!」

 

《全開合体!!》

 

 善彦が引き金を引くと、ゼンカイジャーのマークが出現する。まず先にブラドキングとハウンドドッグの元へ向かった。

 

 マークが地面に突き刺さると、二人の周囲が野球場へと変化する。

 

《ゼンカーイ!》

 

 そして、何処からかファンファーレが響き、二人の体は再び変形して行った。

 

ブ「一応話には聞いていたがキツイな!」

 

ハ「ヴゥゥ……体がどうなっているのか不気味だ……」

 

《ガッシーン!!》

 

《ゼンカイジュラン 、ゼンカイガオーン》

 

 変形した二人が合身するとウグイス嬢のアナウンスが入る、善彦も合体した内部へと転送される。そして変形も最終段階に入った。

 

《GO!GO!GO! 》

 

 脚が出現し、腕が形成され、胸のマークが傾くと、閉じていた頭が開かれた。


《ゼンカイオー ジュゥラガオーン!! 》


ブ・ハ「ゼンカイオージュラガオーン!」

 

 ジュラガオーンの合体が完了すると、ゼンカイジャーのマークはセメントスとリューキュウの間に落ちた。

 

 落ちた瞬間、二人の周囲がボクシングリングへと変化した。

 

《ゼンカーイ!!》

 

 そして再び何処からか入場曲が鳴り響くと同時に体が変形する。

 

セ「うおおぉ! 再びトランスフォーム!!」

 

リ「魔法少女! 二段へんしーん!」

 

《ガッシーン!!》

 

《ゼンカイブルーン! ゼンカイマジーヌ!》

 

《1・2・3・4・GO!1・2・3・4・GO!1・2・3・4・GO! 》

 実況のアナウンスと共に二人の身体が変形すると、そのまま合身する。そして合身した体にドラゴンの翼やダンプのタイヤが着けられ、閉じていた頭が開かれた。

 

《ゼンカイオー ブゥルマジィィーン!! 》

 

セ・リ「ゼンカイオーブルマジーン!」

 

 ブルマジーンの合体を完了した二体は再びデストロと対峙する。その様子をギガントマキアの背中から見ていたものが一人。

 

渡「ア"ア"ーーーーー!! なんかデカいのが出てきました!!」

 

 渡我の突然の絶叫に、敵連合の全員が耳を塞いだ。

 

荼「なんつー奇声だよ……」

 

ス「耳ぶっちぎれるかとおもった!」

 

Mr.「トガちゃん周波数ヤバかった!」

 

 耳を塞ぐメンバーに気づいた渡我は手で口を押さえ、頬を赤らめた。

 

渡「ごめんなさいです、思わず自分でもビックリするくらい変な声が」

 

 そう言って渡我が再び館へと視線を向けた瞬間。

 

渡「ア"ア"ア"ーーーーー!! 戦闘開始チュン!!!」

 

 渡我が再び絶叫を上げた。

 

Mr.「チュンってなにぃぃ!?」

 

 渡我の言った通り、視線の先ではジュラガオーンとデストロが互いに剣をぶつけ合っていた。

 

ブ「フンッ! どうだぁ!」

 

デ「うぐっ!」

 

 ブラドキングが剣を振り下ろすと、デストロの氷の剣が粉砕される。しかしその時、外典が力を込める。するとデストロの拳に氷の爪が生えた。

 

外「武器ならいくらでも出せるんだよ!」

 

 外典が叫ぶと、デストロが氷の拳をジュラガオーンに叩きつける。

 

善「うわっタァ!」

 

 ジュラガオーンの内部で善彦がバランスを崩すと、ハウンドドッグの声が響いた。

 

ハ「バトンタッチだ! いいな!」

 

善「お願いしますぅ!」

 

 善彦が許可すると、ジュラガオーンの頭が二回閉じられた。

 

《ガオーン!》

 

 次の瞬間、ジュラガオーンの武器が剣からガオーンクローに変わった。

 

ハ「グァルルルルァ!」

 

 ハウンドドッグはブラドキングと違い、俊敏な動きでデストロに爪をくらわせた。

 

デ「ヌオオッ!! 装甲が剥がれていく!」

 

外「まだまだぁ!」

 

 攻撃を受ける度に氷の鎧が砕ける。しかしその度に外典が鎧を修復した。

 

 その様子をブルマジーンは上空から観察している。

 

セ「どうやら先にあの方の個性をどうにかしないとですね!」

 

リ「かしこまり! ヌヌヌマジーヌ・ドラドラリューキュウ!」

 

 リューキュウ人格のブルマジーンはマジーヌスティックを振り、天に掲げる。するとスティックが強く輝き、光の弾がデストロへ向かう。

 

外「っ! デストロ! 後ろから来ます!」

 

 迫り来る光弾に気づいた外典がデストロに叫

ぶ。

 それに反応したデストロは光弾に拳を叩きつけた。

 

デ「こざかしいぞ貴様……」

 

 貴様らと言い切る前に、デストロが破壊した光弾から青い液体が弾け、デストロと外典をずぶ濡れにした。

 

外「……ブルーハワイ」

 

 デストロにかけられたのはブルーハワイシロップだった。

 

セ「好きなんですか?」

 

リ「ホントは練乳いちご♡」

 

 デストロの頭上ではこのようなやりとりが行われていた。

 

デ「どこまで人をコケにすれば気がすむんだ……」

 

 シロップをかけられたストレスでデストロの体が更に肥大する。

 

デ「外典ん! 鎧だぁぁ!」

 

外「了解しましたぁ!」

 

 デストロの咆哮で外典は氷の鎧を形成する。

 その瞬間、ブルマジーンがデストロへ急行下した。

 

セ「大きくなってくれたおかげで的がでかくなりました!」

 

 ブルーンピッカーを手にデストロに向かう。その時、デストロの手には氷のハンマーが形成されていた。

 

デ「ほざくな小蝿がぁ!」

 

セ「なんのぉぉ!」

 

 デストロの巨大ハンマーがブルマジーンに襲いかかる。しかしセメントスはブルーンピッカーを振り下ろした。

 

ブ「バカな! セメントスー! お前がやられるぞぉ!」

 

 無謀な戦いにブラドキングが叫ぶ。しかしその時には互いの武器がぶつかり合っていた。

 

デ「このまま潰してくれる!」

 

 デストロがハンマーを振り下ろし、ブルマジーンを潰そうとした刹那。

 

パキンッ!

 

 突然デストロのハンマーが粉々に砕けた。

 

デ「な……なんだ」

 

セ「せぇりゃァァ!!」

 

 セメントスはこのままピッカーを振り下ろし、氷の鎧を砕いた。

 

デ「ぐわぁぁああ!!」

 

外「な、なぜだ!? 絶対零度のハンマーが……鎧が、簡単に……」

 

 この状況に外典も動転する。しかし口に入ったシロップで外典が気づく。

 

外「あ……あぁ! しまったァァ!」

 

セ「氷というのは、不純物が入るとちゃんと凍りませんからね」

 

 リューキュウはデストロにかけたブルーハワイシロップを不純物とさせ、外典の氷を脆くさせていた。

 

ブ「おぉ! 何はともあれ相手は丸裸だ!」

 

善「よっしゃあ! トドメ全開!」

 

 善彦はジュラガオーンの内部でギアトリンガーのハンドルを回す。するとジュランソードにエネルギーが溜まった。

 

善「今度はコッチ!」

 

 善彦は内部の歯車をくぐると、ブルマジーンの内部へとワープする。そしてギアトリンガーのハンドルを回した。

 

《キカーイ! スーパーゼンカイタイム! 》

 

 ジュラガオーンはジュランソードで大きな円を描く。

 

 デストロの背後では、ブルマジーンがタイヤを走らせ、エネルギーを溜めたブルーンピッカーを振り上げた。

 

ブ・ハ「ジュランソード円月クラッシュ!!」

 

セ・リ「ブルーンピッカーアクセルストライク!!」

 

 二体の一撃はデストロに直撃する。デストロの氷の義足が砕けると、その場に崩れ落ちた。

 

デ「ス……ストレスの溜めすぎは……体に悪いから適度なストレス解消を心がけろぉぉぉ!!」

 

外「デストロォォオ!!」

 

 その言葉を最後にデストロが倒れると、大爆発が起きた。

 

善「世界全開! オールオッケーじゃないですね早くアッチのデカブツの方へ!」

 

ブ・ハ「わかった!」

 

セ・リ「早くいきましょう「行くわよ!」

 

 勝利の喜びを感じる暇もなく、善彦達はギガントマキアが向かった先へと走った。

 





やはりゼンカイ脳は本家じゃないとダメですね、次も山荘の話を書きます

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