僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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時間ができたのでようやく出せました。


幸せな人生

 ここまで、誰にも気付かれずにやってきた、気取られずに、慎重に、そして今、こちらが優勢になっている。後は自分がミスらないようにすればいいだけ。

 たとえ良いやつが相手であろうと、絆されることの無いようにしなければならなかったのに。

 

荼「絆され(ミスっ)てんじゃねーか! ヒーロー!!」

 

 ホークスは今、激しい蒼炎を上げる荼毘と対峙している。トゥワイスを仕留めようとした瞬間を荼毘に攻撃され、ホークスの個性の要である羽根は多く焼かれてしまっていた。

 

荼「"武器"がだいぶ減っちまったな」

 

ホ「仲間も燃えるところだったぞ」

 

 ホークスがボロボロに燃えた上着を脱ぎ捨てると荼毘は不気味に口角を上げる。

 

荼「大丈夫、ヒーローってのァ……咄嗟に人命救助しちまうもんだ」

 

 ホークスの隣にはトゥワイスが横たわっていた。

 

ホ「皮肉が冴えてるね、わかってたような勢いだったけど……バレてた?」

 

 荼毘の手にはネビュラスチームガンが握られている。

 

荼「バレるも何も……最初から何も信じちゃいねぇ」

 

《ギアエンジン!》

 

 荼毘はギアエンジンをネビュラスチームガンに装着すると、銃を掲げた。

 

荼「潤動」

 

《ファンキー!》

 

 引き金を引くとネビュラスチームガンの銃口から発射された煙が荼毘の身体を包んだ。

 

《エンジンランニングギア!》

 

 エンジンブロスに変身した荼毘はスチームブレードを構えながらホークスに歩みよると、横たわっていたトゥワイスが急に起き上がる。

 

ト「燃やせぇ!」

 

 トゥワイスはホークスから離れると同時に、戦国ドライバーとロックシードを即座に拾い、腰に装着した。

 

《マツボックリ!》

 

ト「変身っ!!」

 

 戦国ドライバーにロックシードを装着すると、カッティングブレードを倒し、鎧を装着させた。

 

《マツボックリアームズ!一撃インザシャドウ!》

 

 仮面ライダー黒影に変身したトゥワイスは変身完了と同時に自分の分身を作り出し、荼毘の横に立った。

 

荼「最高だぜトゥワイス、さぁ邪魔者の掃除と行こうぜ」

 

ト「うぉおおおおおお!!!」

 

 荼毘の一言でトゥワイス達は長槍の影松を高く掲げ、雄叫びをあげた。

 

ホ「マズいな……変身した奴が相手じゃ、焦げた羽根で太刀打ち出来ない……」

 

 荼毘とトゥワイス達はホークスに向かい、歩を進める。しかしホークスは突然、口角を上げた。

 

ホ「だけど俺の弱点は俺が一番知っている。だからツクヨミくんにお願いして届けてもらったんだよ」

 

 ホークスはそう言うと腰に何かを装着した。

 

荼「あれは……」

 

 荼毘の足が止まった瞬間、ホークスはポケットから取り出した物を起動させた。

 

《インフェルノウィング! 》

 

 プログライズキーを起動させると腰に着けたスラッシュライザーに挿しこんだ。

 



《バーンライズ! 》

《 Kamen Rider…Kamen Rider…Kamen Rider…》

 

 ホークスはゆっくりとスラッシュライザーの引き金に手を添える。そして目線を前に向け、一言。

 

ホ「変身」

 

荼「させるかよ」

 

 荼毘が変身途中のホークスに蒼炎を放つ。ホークスが引き金を弾くかのように押した瞬間、スラッシュライザーから赤い炎の鳥が飛び出し、蒼炎を弾いた。

 

《スラッシュライズ! 》

 

 炎の鳥はホークスの背後に降りると紅蓮の翼でホークスを包み込む。そして翼が広げられた時、ホークスは変身を完了させていた。

 

《バーニングファルコン! 》


《"The strongest wings bearing the fire of hell." 》

 

ホ「仮面ライダー迅……これが俺のもう一つの姿だ」

 

 変身したホークスが翼を広げると、そこから炎が飛び出す。その炎は周りを包んでいた蒼炎を紅蓮の炎へと変えた。

 

荼「なるほどね、羽根が燃えるのが弱点なら、自分がすでに燃えちまえばいいわけだ」

 

 荼毘は床を蹴るとスチームブレードを振り下ろす。ホークスはスラッシュライザーを手に取ると、荼毘の剣を受け止めた。

 

ホ「そーゆーことだよっ!」

 

 ホークスが荼毘の剣を弾いて距離を取る。すると大勢のトゥワイスがホークスに襲いかかった。

 

ト「死ねぇぇぇぇええ!!」

 

 長槍の影松がホークスに届こうとした刹那、ホークスは背中から鋼鉄の翼を広げた。

 

ホ「俺の個性を忘れてないか?」

 

 ホークスの翼から炎の羽根が発射される。炎の羽根はホークスを囲んだトゥワイスの分身を一瞬で蹴散らした。

 

荼「あーらら、仮面ライダーの力と個性が組み合わさってんのか」

 

 荼毘はトゥワイスの前に出ると、向かってきた羽根を歯車のエネルギーで防御した。

 

荼「ほらよっ!」

 

ト「行くぞこの屑野郎が!!」

 

 荼毘が歯車をホークスに放つと、それと同時にトゥワイスが次々と分身を増やし、ホークスに向かわせる。

 

《インフェルノウイング!》

 

 向かいくる歯車とトゥワイスを前にホークスはプログライズキーのボタンを押す。そして刀身に炎を纏ったスラッシュライザーの引き金を押した。

 

《バーニングレイン!》

 

ホ「ハァッ!!」

 

 ホークスは歯車のエネルギーをスラッシュライザーで弾き飛ばす。そして翼を広げると回転しながらトゥワイス達に突っ込んだ。

 

 二 

  ン

   グ  レ イ ン

 

 ホークスは回転しながらトゥワイス達を斬りつける。全てのトゥワイスを斬り伏せると最後の一太刀を荼毘に振り上げた。

 

荼「速すぎだ……鷹見啓悟!!」

 

 荼毘が名前を口にした瞬間。ホークスの手が一瞬止まった。

 

ホ「何故 俺の名前を知って……」

 

《マツボックリスカッシュ!》

 

ト「ウリャアァァァ!!」

 

 ホークスの手が止まり、一瞬の隙ができた瞬間。トゥワイスの渾身の突きがホークスに直撃した。

 

ホ「グゥッ!!」

 

 まともに突きを喰らったホークスは吹き飛び、部屋の壁を突き破る。トゥワイスは影松を構えると荼毘の前に立った。

 

荼「助かったぜトゥワイス、おまえ一人いればヒーローなんて蹴散らせる。連合のみんなが待ってるぜ」

 

 荼毘がトゥワイスの肩に手を置く。するとトゥワイスは槍を強く握った。

 

ト「あぁ……ああ!!」

 

 トゥワイスは強く頷くと部屋の扉に向かって走る。トゥワイスが部屋を出ようとした瞬間、ホークスが前に立ちはだかった。

 

ト「どけやあああ!!」

 

 トゥワイスは分身を作りながらホークスに突っ込んだ。ホークスはベルトにスラッシュライザーを戻すとプログライズキーのボタンを押した。

 

《インフェルノウイング》

 

ト「だぁぁぁああああ!!!」

 

  全員のトゥワイスはカッティングブレードを三回倒すとホークスに突っ込んだ。

 

ト「皆を守らなきゃあ! 守れトゥワイス! 受け入れてくれた恩を……」

 

《マツボックリスパーキング!》

 

ト「仇で返して終わるんじゃねぇ!!」

 

 全てのトゥワイスはホークスに襲い掛かる。ホークスはスラッシュライザーの引き金を押した。

 

《バーニングレインラッシュ!》

 

ホ「ウォオオオオオオ!!!」

 

 ホークスはキックの体勢を取ると翼を展開しながら炎を纏った飛び蹴りを放つ。

 トゥワイスの槍とホークスの蹴りがぶつかった瞬間、解放戦線の屋敷の一角が爆発した。

 

Mr.「わぁあなんだ!?」

 

渡「スゴイ揺れです!」

 

 爆発の衝撃で屋敷が大きく揺れる。Mr.コンプレスと渡我 被身子が揺れに気を取られた瞬間。

 

「迫 圧紘! 渡我 被身子 確保! 飲み込みます!!」

 

 二人の身体がヒーローに捕まった。

 

渡「やー! 離して下さい!!」

 

Mr.「しまった!!」

 

 二人は必死にもがくが、拘束は解けそうにない。

 

「今度こそ終わりだ! 敵連ご……」

 

 ヒーローが言い終えようとした時、ヒーローの胸から刃が飛び出した。

 

ト「離せ……離せ……離せ……」

 

 ヒーローが倒れるとトゥワイスは影松をヒーローの身体に何度も突き刺す。渡我とMr.コンプレスが拘束から逃れると笑顔を見せた。

 

渡「仁くん!」

 

Mr.「来たー! ハイ勝ち!!」

 

 二人は喜びながらトゥワイスに駆け寄った。

 

Mr.「増えまくれトゥワイス! 変身してるお前がいれば無敵だぜぇ!」

 

 Mr.コンプレスはテンションを上げているが、影松を杖代わりにして自分を支えるトゥワイスの身体は少しずつ解け始めていた。

 

ト「ごめんコンプレス、増やせない」

 

Mr.「何で!?」

 

 変身していたトゥワイスの身体はみるみる崩れていく。ベルトの部分が溶けると変身が解除された。

 

ト「自分の形を留めるのに必死だ……ウンコ我慢してる時と同じだ、ライダーキックをマトモに喰らっちまったから」

 

 トゥワイスはおぼつかない足取りで二人に歩み寄る。

 

ト「ごめん二人とも、また俺のせいだ……ホークスにやられた、また、やっちまった」

 

 トゥワイスはポケットに手を伸ばすと渡我に向かう。

 

ト「トガちゃん、あぁ……また可愛い顔を傷つけちまった」

 

 トゥワイスは渡我の頬にハンカチを当てた。

 

ト「ハンカチ……返すよ」

 

 渡我に当てたのは、自分を包んでくれたハンカチだった。

 

渡「…………」

 

 渡我はトゥワイスの手にそっと自分の手を添える。トゥワイスの身体はギリギリ原型を留めている。顔を包んでいたマスクは溶け、素顔が見えていた。

 

ト「俺……もう……増えない……ごめん、最後まで……本当に」

 

渡「仁くん……」

 

 トゥワイスは謝罪を続けている。溶けて無くなろうとする身体を、渡我は優しく抱き寄せた。

 

渡「たすけてくれてありがとう」

 

 トゥワイスの身体は渡我の腕の中で溶けていく。溶けゆくその表情は泣いているようにも笑っているようにも見えた。

 

ト「自分を求めてさ迷って、自分よりも大切な仲間に恵まれた、これより最高な人生があんのかよ……死ねよホークス、"運が悪かった"なんててめぇが決めるな……俺はここに居られて幸せだったんだ!」

 

 爆発の起きた部屋の近くには、黒く焦げた戦国ドライバーとマツボックリロックシードが転がっていた。

 




トゥワイスの戦いを書くことができて満足しました。
次回もよろしくお願いします

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