僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
最初は蛇空病院の場面からです
この日、全てのヒーローは超常解放戦線の一斉掃討を行なうべく、群訝山荘と蛇空病院、この二カ所に集められている。
そして今、蛇空病院にプロヒーローが大勢向かっていた。
ミ「さっさと全員蹴っ飛ばして終わらせるか!」
病院に向かっている最中、ミルコはウキウキした様子で歩いている。するとミルコの隣にピクシーボブが立った。
ピ「随分ご機嫌そうね、ミルコ」
ミ「ん? 誰だっけアンタ?」
ミルコはピクシーボブの事を知らない、ピクシーボブは咳払いをすると笑顔で名乗った。
ピ「ワイルドワイルドプッシーキャッツのメンバー、ピクシーボブです、No.5ヒーローさん」
ピクシーボブは笑顔で答えるとミルコはある事に気づいた。
ミ「アンタ……アタシのことキライだろ!」
ピ「キライな訳じゃないの、敵視しているだけです」
ピクシーボブは笑顔を崩さない。しかしその背後には炎のようなものがメラメラと燃えているように見えた。
ピ「関西ではあの子がお世話になったようですねぇ」
ミ「あの子?」
ミルコが首を傾げるとピクシーボブは携帯を取り出し、善彦とのツーショットが写っている待受画面を見せた。
ピ「この子ですよ〜、忘れたとは言わせませんよ」
ミ「あー! コイツかぁ! しっかり鍛えてやったなぁ!」
ミルコはようやく善彦を思い出す。ピクシーボブは携帯をしまうとミルコに顔をズイと近づけた。
ピ「ホント、あの子から連絡が来た時はビックリしましたよぉ、『ミルコさんに稽古つけてもらいました! 立派なヒーローにまた一歩近づけました!』って文章が来たもんですから」
ミ「なんだ? 横取りされたとでも言いたいのか? アイツはアタシの弟子だ!」
ミルコがキッパリと言い切るとピクシーボブは背中に背負っていた土豪剣激土に手をかけた。
ピ「いーえ、あの子は私の大切な人なんです! 手錠かけて不良にボコボコにさせるような人の弟子なんかではありません!」
ミルコとピクシーボブは歩きながら睨み合う。すると蛇空病院の近くまで来ていた。
ミ「そろそろか……じゃあターゲットを先に捕まえた方がアイツに相応しいって事でいーよな?」
ピ「ちょっと! この状況で何言ってんの、そんなゲームをやってる場合じゃ……」
ピクシーボブが止めようとした時、ミルコは誰よりも早く蛇空病院の奥へ跳んでいった。
ピ「あぁ! もう勝手なんだから!」
「え!? ピクシーボブ! どこ行くの!」
マンダレイを無視し、ピクシーボブはミルコを追いかけていった。
虎「放っておけ、コレは女の戦いぞ、我らは早く病院の人間全員を退避させるぞ」
虎はマンダレイの肩に手を置くとすぐに自分の仕事に取り掛かった。
「もおぉ! 世話が焼ける!」
マンダレイがヤキモキしている時、ミルコは病院奥の霊安室の扉を蹴り破っていた。
ミ「たしかここの奥だよなぁ!」
ピ「待てこの! 抜けがけすんな!」
ピクシーボブは跳びまわりながら隠し通路を進んでいくミルコを追いかける。するとミルコが何かに気づいた。
ミ「おいネコぉ! 見ろ見ろ!! メチャクチャ動いてるぞぉ!」
ミルコはその場に立ち止まると笑顔を見せながら振り向いた。
ピ「動いてる? げっ!」
ミルコに追いついたピクシーボブが通路の奥を覗くとピクシーボブの表情が一気に引き攣った。
ピクシーボブは耳に付けられた通信機にゆっくりと手を伸ばした。
ピ「あのー、エンデヴァーさん? ピクシーボブです……いま霊安室の奥の隠し通路にいるんですけどぉ……脳無がたくさんいます!」
ピクシーボブの目線の先には脳無が湧いて出ていた。
エ「そうか、すぐ向かう……と言いたい所だが、少し待ってろ!」
相「悪いな、取り込み中だ!」
エンデヴァーや相澤先生は偽物の殻木を追い詰めた後、病院から出現した脳無と交戦していた。
相「マイク! 行けるか?」
《仮面ライダークロニクル》
マ「あたぼうよ! 行くぜ!」
相澤先生はガシャットを取り出し、バグヴァイザーⅡを腰に装着する。プレゼントマイクは腰に手を回すと一冊の本を取り出し、ページを開いた。
《ヘンゼルナッツとグレーテル》
《とある森に迷い込んだ小さな兄妹の、おかしな冒険のお話…》
マイクはライドブックを閉じると腰から音銃剣錫音を取り出し、ブックをセットした。
《ガシャット》
それと同時に相澤先生はバグヴァイザーⅡにガシャットをセットした。
待機音が鳴り響く中、マイクは逆手で持っていた錫音を持ち替え、トリガーを押した。
《ヘンゼルナッツとグレーテル》
錫音にセットされたライドブックが開いたと同時にマイクは錫音を構え、一言。
マ「変身!」
《銃剣撃弾! 》
《銃でGO!GO! 否!剣でいくぞ!音銃剣錫音! 》
マイクの身体がお菓子で包まれる。そして装甲がマイクに装着され、変身を完了させた。
《錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!》
相「変身……!」
相澤先生もバグヴァイザーのボタンを押した。
《バグルアップ!》
《天を掴めライダー!刻めクロニクル! 今こそ時は、極まれりィィィィ!!》
パネルが相澤先生の身体を通り、変身を完了させる。
変身した二人は横に並び、脳無の前に立った。
相「悪いが、ここで時間を食ってる場合じゃない!」
マ「合理的に、だよな?」
相澤先生はバグヴァイザーⅡをチェーンソーモードにすると、ボタンを押す。マイクはライドブックを取り出し、錫音にリードさせた。
マ「スナック・音・ザ・チョッパー!!」
《錫音 音読撃!イェーイ! 》
相「お前らの処分は除籍だ!」
《クリティカルサクリファイス》
マイクが音銃剣錫音を横一閃に振り、お菓子のエネルギーを斬撃刃に乗せ、脳無に繰り出す。
相澤先生はバグヴァイザーⅡを縦に振り下ろし、丸鋸型のエネルギー刃を繰り出した。
十字に重なった斬撃波は立ち塞がる脳無を蹴散らした。
相「まだまだ出てくるな」
大量の脳無を蹴散らしたが、脳無はまだ出てくる。しかしマイクは錫音を構え、仮面の中でニヤリと笑った。
マ「いい事教えてやるよ化け物共! 英語を早く覚えるには音読がいいんだぜ!」
相「指導のしがいがあるな!」
マイクと相澤先生は武器を構えると脳無の群れに走った。
ピ「うーわー、あっち始まっちゃったよぉ」
事の顛末を通信機で聞いていたピクシーボブは自分の目の前でワラワラと出てくる脳無を確認すると覚悟を決めた。
ピ「ったく! やるっきゃないか!」
ピクシーボブは背中に背負っていた土豪剣激土を右手で掴むと、そのまま激土を振り下ろし、地面にめり込ませた。
ピ「佐竹くん……力を貸りるよ!」
ピクシーボブはライドブックを取り出すとページを開いた。
《玄武神話》
《かつて、四聖獣の一角を担う強靭な鎧の神獣がいた…》
ライドブックのページを閉じると激土にセットする。そしてトリガーを押し、ブックを開いた。
《玄武神話》
そして激土を肩に担いで一言。
ピ「変身!!」
《一刀両断!》
ピクシーボブの前に亀の甲羅を模した岩盤が出現する。ピクシーボブは激土を振り下ろし、岩盤を砕いた。
ピ「うぉおらっ!」
《ブッた斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!》
砕かれた岩盤はピクシーボブに張り付き、装甲となる。変身を完了させると激土を地面に突き刺した。
《激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!》
ミ「ゴッツい! マジかよ!」
変身を間近で見ていたミルコはテンションが上がっている。
その場でピョンピョンと跳ねているミルコを横に、ピクシーボブはライドブックを激土にリードさせた。
《玄武神話! ドゴーン!》
ピ「ミルコ! ちょっと下がってて!」
ミ「了解! なんかヤバそ!」
ピクシーボブが構える激土の刀身に岩石が集まり激土が巨大化する。さらにピクシーボブの個性である『土流』で激土の力が強化され、刀身はさらに巨大になっていた。
ピ「大断断!!」
《会心の激土乱読撃! ドゴーン!》
超巨大化した激土を縦に振り下ろす。激土の一撃は通路を塞いでいた脳無を全て粉砕した。
ミ「うぉぉお〜……おんもしれぇ〜!」
一瞬の出来事にミルコは目を丸くしていた。
ピ「よしっ! じゃあこっからはスピーディーに行くよ!」
ピクシーボブは激土を背中に背負うとスマホを取り出す。
《ガトライクフォン》
ミ「は? さっきのケータイ?」
ミルコが首を傾げるとピクシーボブはガトライクフォンを上に放り投げた。
《ライドガトライカー!!》
投げられたガトライクフォンは縦に畳まれ、三輪のトライクへと変形した。
ピクシーボブはトライクに乗り込むとハンドルを捻り、エンジンを響かせ、トライクを走らせた。
ピ「じゃあお先!」
ミ「あっ! 待てコラぁ!」
爆走するトライクをミルコは追いかける。
ピ「トライクと並走すんな! どんな脚力だ!」
ライドガトライカーとミルコは並走していた。一人と一台で走っていると目の前から脳無が出現する。
ミ「っしゃあ! 蹴っ飛ばす!」
脳無を発見した瞬間、ミルコが脳無に向かおうとする。しかしピクシーボブはトライクを前に出し、ミルコの前を走った。
ミ「オイネコ邪魔すんな!」
ピ「いーから下がってて!」
ピクシーボブはハンドルのボタンを押すとライドガトライカーからガトリングガンを連射した。
「ギギャァァァァ!!」
発射されたガトリングの弾で脳無はたちまち倒れていく。そして脳無をトライクで弾き飛ばしながら進んでいった。
ミ「わーカッケー! アタシも乗せろ!」
ミルコは飛び上がるとピクシーボブの後ろに飛び乗る。
ピ「こら突然乗るな! 楽すんな走れ!」
ミ「いーじゃねーかよ! イケイケー!」
ピ「ハァ……わかったよ、飛ばすからね!」
ピクシーボブは呆れながらもアクセルを吹かし、全速力で走った。
殻「ハァ、ハァ、苦渋の決断じゃ!」
一方その頃、通路の奥にある研究室では殻木が脱出の準備をしていた。
殻「ジョンちゃん! 今すぐワシと死柄木をワープさせるんじゃ!」
殻木がお気に入りの脳無のジョンちゃんに駆け寄る。殻木に答えるようにジョンちゃんが口を開いた瞬間。
ガシャァァァァ!!
「キャッ」
研究室にトライクが突っ込み、殻木が複製した個性のストックを粉々に粉砕した。そしてトライクが吹っ飛ばした扉がジョンちゃんを押しつぶす。
殻「やぁあああああ!!!」
殻木はショックで膝が崩れ落ちる。そして暴走するトライクを見た殻木が気付いた。
殻「誰も乗ってない?」
ライドガトライカーには誰も乗っていなかった。そしてライドガトライカーが止まると、突っ込んできた穴の奥から足音が聞こえる。
ミ「ひとーつ、非道な悪いやつにゃ」
足音は近づいてくる。そして上がる土煙の奥に二人の人影が見えてきた。
ピ「ふたーつ、震える大地の怒りを」
一人の人影が剣を振るうと土煙が晴れ、二人の姿が見えた。
ミ・ピ「みーっつ! 見舞ってやるぜ! 問答無用ぉ!!」
煙が晴れた先に見えたのはミルコと仮面ライダーバスターに変身しているピクシーボブだった。
殻「あァァあァァああ!!」
ガンッ!!!
殻「ひぃっ!」
耳障りな殻木の悲鳴をピクシーボブは激土を地面に刺し、その轟音で黙らせる。
ピ「アイツを先に確保した方が、あの子に相応しいのね、悪いけど先に行かせてもらうわ」
ミ「んだよぉ〜、結局乗り気なんじゃねぇか」
ピクシーボブは激土を肩に担ぐとミルコと共に歩を進めた。
今回はプロヒーローを変身させてみました。
次は群訝山荘の方を書きます