僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
だけども考えて出来ていくのはとても楽しいです^_^
善「以上が……自分が無くし、盗られたであろうアイテムの特徴および能力です……」
善彦は吐き気を我慢しながら先生達の前に立ち、敵連合に盗られた変身アイテムの説明をしていた。
根「う〜む、どれも強そうだね! 戦闘になった際コチラに勝算はあるのかな!?」
相澤先生の首元から根津校長が飛び出し善彦に問う。根津校長の勢いの良い質問の声で善彦は胃から何かが逆流しようとしていた。
善「うぐっふ! 仮面ライダーキバの強化アイテムである"タツロット"には触れていないのでキバの強化はありません、そのほか仮面ライダー黒影には強化フォームがないので戦力が上がりこちらが不利になることは基本的にないでしょう」
善彦は自身の後ろに立っているホワイトボードに貼られているキバットとマツボックリロックシードの写真を指示棒で指し説明するとミッドナイトが微笑む。
ミ「佐竹くん落ち着いて、私達は相手の能力が知りたいだけなんだから、アイテムを落とした事について先生が寄ってたかって怒る訳じゃないの」
耳「そーだよ、佐竹落ち着け」
上「水飲むか?」
ミッドナイトがフォローすると善彦の隣で待機していた耳郎と上鳴が善彦のサポートに入った。
相「なんでお前らもいるんだ」
耳「佐竹が途中で吐いてめちゃくちゃにならないためのサポートです」
上「佐竹の次に仮面ライダーに詳しいの俺らなんで」
相澤先生がため息を吐くとセメントスが手を上げる。
セ「強化フォームが無いって言っていたけどリモコンブロスとエンジンブロスにはヘルブロスって姿があるんじゃないのかい?」
善「その点に至っても大丈夫です、ヘルブロスに変身する際片方の変身者の変身が解除されますし、ヘルブロスには相当の負荷がかかります、使えたとしても短時間でしょう」
善彦がホワイトボードに貼られているヘルブロスの写真を指すとセメントスはふむふむと頷く。
ブ「だがその短時間でこちらがやられるという心配はないだろうか」
ブラドキングが腕を組み善彦に視線を向ける。善彦が口籠ると相澤先生が前に出た。
相「心配には及ばない、何故なら俺のクラスのほとんどは変身者であり俺も仮面ライダーだからだ」
相澤先生は善彦の肩に肘を置くとバグヴァイザーⅡを皆に見せた。
善「先生……」
善彦が相澤先生の顔をそっと見ると相澤先生はゆっくりと口角を上げた。
根「そーゆーことさ! 心配はなさそーだね! ハッハッハッハッハ!」
この日、根津校長の高々な笑い声で会議は終わった。
善「あぁ……生きた心地がしなかった……」
寮へ戻る最中、善彦はグロッキー状態で廊下を歩いていた。
耳「でもよかったじゃない、なんもなかったんだし」
上「相澤先生があんなフォロー入れるなんてなぁ」
耳郎と上鳴が感心していると三人の前から葉隠と芦戸が駆けてきた。
葉「終わったー? みんな待ってるよー!」
芦「キョーは楽しむよー! しんみりタイム終わりぃ!」
二人は異常に高いテンションでまくしたてる。すると耳郎が思い出した。
耳「あっ確か今日は……」
上「行くかぁ!」
善「わぁぁ」
続いて思い出した上鳴が耳郎と善彦の手を引き、足早に寮へ向かった。
「メリィィィクリスマァァァス!」
寮に着くや否や善彦達はサンタ服に着替え、1-Aのクリスマス会が始まった。
共有スペースの中央のテーブルには多くの料理が並んでいた。
善「すみませんね、ウチの居酒屋はこの時期お客が多くて入れないんですよ」
善彦が申し訳なさそうに頭を下げると切島が善彦の隣にドスンと座る。
切「気にすんな! いいじゃねぇかよ寮もわるくねぇ!」
上「そーだよ! 何回もお世話になってるんだからさ!」
上鳴と切島が笑っていると瀬呂がチキンを頬張りながら呟く。
瀬「そーいやインターン行けってよー、雄英史上最も忙しねぇ一年生だろコレ」
耳「二人はまたリューキュウだよね?」
麗「そやねぇ、耳郎ちゃんは?」
クリスマス会にインターンについての話を進めていると奥から砂藤が出てくる。
砂「まぁまぁ、今日はご馳走を楽しもうや!」
砂藤はウインクしながらローストチキンを運んできた。
葉「料理もできるシュガーマン!」
善「あっそういえば……」
耳「佐竹?」
善彦が何かを思い出し台所に入る。耳郎が首を傾げると善彦が戻ってきた。
善「おまたせ致しましたー、ローストビーフになりまーす」
店員口調の善彦は巨大なローストビーフを運んできた。
芦「料理できるぜ強救道!」
善彦と砂藤の料理にA組の盛り上がりは増した。
相「遅くなった……もう始まってるか?」
盛り上がりがピークに迎えた時、共有スペースの扉が開いた。
エ「とりっくおあ……とりーと?」
相「違う、混ざった」
扉の影から相澤先生とサンタ服を着たエリが出てきた。
麗「サンタのエリちゃん! 可愛いー!」
緑「似合ってるねぇ!」
サンタのエリに皆が集まる。
エ「おにわそとおにわうち」
エリは色々な行事の情報が混ざっていた。
善「賑やか賑やか」
善彦は皆が騒いでいる様子を見ながらローストチキンを頬張る。
相「それとまだゲストがいるぞ」
相澤先生が扉の方を向いた。すると扉が勢いよく開いた。
「煌めく聖夜にロックオン!」
「猫の手手助けやってくる!」
「どこからともなくやってくる」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!」
ゲストとして来たのはサンタコスチュームのプッシーキャッツだった。
上「キャッツだぁぁぁ!」
上鳴が思わず叫びながらチラリと視線を横に向ける。
善「ナンデココに?」
善彦は突然来たピクシーボブに驚き硬直していた。
緑「皆さんなぜここに?」
マ「スケジュール空けてきたの、美味しいものいっぱいあるって聞いたし」
マンダレイがエヘヘと笑うと後ろでラグドールが料理をつまんだ。
ラ「スゴイうまーい!」
ラグドールがローストチキンを頬張っているとピクシーボブがローストビーフを口に運んだ。
ピ「ホントだおいしー! やわらかぁい!」
上「それ佐竹がつくったんすよ」
上鳴がコッソリ教えるとピクシーボブが善彦の方を向く。
ピ「おいしーよ♪」
善「どうもです……」
ピクシーボブが善彦にウインクを送ると善彦は赤くなった顔を逸らした。
切「よっしゃあ! 人数も増えたしもっと盛り上がるゼェ!」
切島の一声によりクリスマス会はより盛り上がりを見せた。
飯「それではこれよりプレゼント交換を行います!」
クリスマス会は終わりに近づきプレゼント交換会が行われた。それぞれが持ち寄ったプレゼントにリボンを繋ぎ、皆で引いてそのプレゼントを貰うといったものである。
峰「ナニコレ……」
峰田が引いたのは青山の自撮りブロマイドだった。
上「オレのプレゼントだれのやつ?」
上鳴が引いたのはバスケットボールであった。
善「あはは、みんなスゴイの入れるなぁ」
善彦は適当にリボンを引っ張りプレゼントを引く。
善「あぶっぴ!」
勢いよく引くとプレゼントが善彦の顔に激突した。
善「猫ちゃん?」
善彦が引いたのは大きな猫のぬいぐるみであった。
ピ「あっ、それアタシのー!」
善「あわっ! ありがとうございまし!」
プレゼントの山の奥でピクシーボブが手を振る。善彦もぎこちなく手を振った。
ピ「ん? なんか重い」
ピクシーボブもリボンを引っ張るが、プレゼントは微動だに動かない。
ピ「ふんっ! 重いいい!」
マ「手伝うよ! ナニコレ重っ!」
マンダレイも加勢し引っ張るがプレゼントは動かない。
虎「どぉれ手を貸すぞ!」
ラ「あちきもー!」
ラグドールと虎も加わりリボンを引っ張るとプレゼントがプレゼントの山から飛び出てきた。
善「げっ!」
ピ「剣?」
ピクシーボブが引っ張り出したのは巨大な剣だった。
引っ張り出され宙を舞った剣は床に突き刺さる。
耳「これ佐竹のプレゼントじゃない?」
ピ「へ?」
耳郎の言葉でピクシーボブが善彦の方を向く。善彦は頭を抱えながら剣を指差した。
善「土豪剣激土……まさかピクシーボブさんに当たるだなんて」
善彦がプレゼントとして用意したのは土豪剣激土だった。
ピ「土豪剣激土……これも変身アイテム?」
ピクシーボブが問いかけると善彦は頷いた。
ピ「なるほど……ふんっ!」
ピクシーボブは床に突き刺さった土豪剣激土を引き抜くと肩に担いだ。
マ「わぁゴッツイ」
ピ「いいもの貰った! ありがとう佐竹くん!」
ピクシーボブは巨大な剣を肩に担ぎながら善彦にウインクを送った。
善「どうもです……」
善彦は終始顔を赤くしたままクリスマス会は終了した。
緑「ヨイショ、この皿はこっちでいい?」
麗「手伝うよデクくん」
クラス全員で食器を片付ける。その中で善彦は外で一人、石段に座り佇んでいた。
善「ふぅ……」
ピ「なーに黄昏てんの」
善彦が夜空を見上げているとピクシーボブが善彦の後ろに立つ。
善「あっピクシーボ」
土「土川さんって呼んで」
土川が指示すると善彦の隣に座った。
土「今回は大変だったね、大丈夫?」
土川が問いかけると善彦は無意識に顔を逸らす。
善「この事態は自分が呼んだトラブルです、立派なヒーローになるって言ったそばからコレじゃあ……合わせる顔がありません、それでは」
善彦が立ち上がりその場を去ろうとした瞬間。
ギュッ……
善彦の身体が温かいものに包まれた。
土「そんなに重くならないで、聞いたよ君がどれだけ苦しんでたか」
土川は善彦を優しく抱きしめる。善彦が離れようとすると抱きしめる力を強くした。
善「自分に……こんなことされる資格はありません」
土「資格どうこうじゃないの、慰めたいからこーするの」
土川は優しく善彦を包み込む。その温もりで善彦の中の何かが崩れようとしていた。
善「慰められる資格なんてありません! 自分は……自分は……」
土「自分をそんなに責めないで、大丈夫だよアタシがそばにいてあげるから」
土川は優しく善彦の頭を撫でる。その瞬間、善彦の何かが崩れた。
善「う、うぅぅう……」
善彦の目から大粒の涙がこぼれ落ちる。「止まれ」「泣くな」「カッコ悪い」と心の中で言い聞かせても涙は止まらない。しかし土川は泣き続ける善彦を優しく包みこんだ。
土「おーおーいっぱい泣け、ぜーんぶお姉さんが受け止めてあげるからねー」
土川は幼子のように涙を流す善彦を優しく包み、頭を撫で続けた。
そして数分経ち、ようやく善彦の涙が止まった。善彦はゆっくりと呼吸を整える。
土「落ち着いた? もう大丈夫?」
土川が優しく声をかけると善彦は立ち上がり、顔を上げる。
善「溜まっていたものが全部出ました、体がとっても軽いです」
善彦は涙の線が残る顔を見せると笑顔を見せた。その笑顔を見ると土川は微笑む。
土「よかった、じゃあ戻ろっか」
土川は善彦の手を引き寮の中へと戻った。その二人を遠くから見ていた者が二人。
相「計画成功だな」
マ「元気出てくれてよかった」
相澤先生とマンダレイは物陰から土川と善彦のやりとりを隠れながら見ていた。
マ「しかし驚きましたよ、まさか相澤さんからお誘いの電話きたと思ったらこういう事だったんですね」
相「まぁね、アイツはアレでも重要な生徒ですから」
相澤先生は適当に流すとマンダレイに背を向ける。マンダレイは相澤先生の背中を見送ると笑みを浮かべた。
マ「素直じゃないんですから、それじゃ私も戻りますか」
相澤先生の姿が見えなくなるとマンダレイは寮の中へと戻る。寮の中には涙の跡が少し残る善彦が皆に言い寄られていた。
上「どうした、お前その顔どうしたよ」
切「二人でなにしてたよ」
善「ほっとけ、ホトケほっとけ」
その様子を土川はソファーにもたれながら見ている。
マ「いろいろと大変な事は有りそうだけど、あの子とは大丈夫そう?」
マンダレイが隣に座り問いかけると土川はふふっと笑う。
土「歳の差はあるけどアタシは遊びだなんて思ってないからね、早く立派になって迎えに来て欲しいな」
土川は優しく、クラスメイトに追いかけてられている善彦に微笑んだ。
次回はインターンのオリジナル回です。
感覚を鈍らせないよう間隔を開けすぎないよう努力します
応援してくれる方々には感謝しかありません