僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
全部思い出した、俺はあの時お父さんを殺したくて殺した。お母さんたちが崩れて行くのをみて心が軽くなった……あれは悲劇なんかじゃない…………。
ヘルブロスとなった死柄木は四ツ橋に向かいゆっくりと歩く。四ツ橋は両手に黒いストレスのエネルギーを溜めた。
四「ストレス100%!」
歩を進め向かってくる死柄木に全力のストレスエネルギーを叩きつける。
黒いエネルギーが死柄木の体を包み込んだ瞬間。
四「……っ!」
ストレスエネルギーから巨大な歯車が飛び出し、四ツ橋の頬をかすめた。
死「歯車一つでどーにかなるな」
ストレスのエネルギーを崩壊させ死柄木が歩み出てくる。
自分の全力をたやすく抜け出された四ツ橋はポケットのスイッチを起動させた。
四「私の力は手段である! 人々を解放する為の! デストロの意識を完遂する為の!」
四ツ橋がスイッチを起動させると辺りの地面から鉄塊が飛び出る。飛び出た鉄塊は四ツ橋の身体に鎧となって張り付いた。
死「窮屈そうだな、リ・デストロ」
死柄木は変わりゆく四ツ橋の姿を落ち着いた様子で眺めていた。
《デトネラット社謹製 負荷増幅鋼圧機構 "クレストロ"》
四「150%だ!」
四ツ橋の身体が鋼圧機構に包まれる。四ツ橋が拳を死柄木に放った時でも死柄木は落ち着いていた。
死「ああそう」
バチィィ!
四ツ橋の全力の拳を死柄木はネビュラスチームガンの銃撃一発で弾いた。
死「150%ね、プルスウルトラってやつだ? でもデカイだけだなぁ」
四「な……」
四ツ橋が弾かれた拳を確認すると、拳部分の装甲が剥がれていた。ネビュラスチームガンの威力が上がっている。
四「まだだ……抑圧ではなく解放を! 異能の自由行使は人間として当然の……」
四ツ橋の闘志は折れずに死柄木に向かう。視線を拳から死柄木に移し、向かおうとした瞬間。
四「なんだあれは?」
死柄木に向かう四ツ橋の足が止まった。死柄木は左腕を高く挙げている。死柄木の身体からは青と白の歯車が幾つも飛び出ていた。
死「ハハ……ハハハハハ」
飛び出た歯車は死柄木の頭上で重なり合う。大小様々な歯車が重なり、噛み合うと歯車は巨大な左手の形を模した。
荼「なんだアレ?」
氷男と交戦していた荼毘は一時攻撃の手を止め死柄木の造った歯車の左手を眺めていた。
氷「リ・デストロ!」
氷男は荼毘との交戦をやめ、四ツ橋の方へ急いで向かって行った。
荼「お〜い待てよー、ったく変身が突然無くなるし変な手ェ出て来るし」
氷男について行くように荼毘も死柄木の方へ向かっていった。
ト「解放軍頑張れよアリとゾウじゃねぇか!」
トゥワイス達は義爛と渡我を抱えながらギガントマキアに蹴散らされている解放軍を見ていた。
ト「あいつ死柄木の方に向かってる!」
ギガントマキアは個性を発射する解放軍を物ともせずに死柄木に向かう。
Mr.「甘かった! 俺たちとやってる時は本気じゃなかったんだ! ギガントマキアは止まらない!」
ギガントマキアが死柄木と四ツ橋の戦いの場に向かう。しかしギガントマキアが死柄木の姿を見た瞬間、ギガントマキアの進撃が止まった。
四「あれほど巨大な手だ、振り下ろすしか出来ないだろう、範囲外に出れば!」
四ツ橋がクレストロからジェットを噴射し、宙に浮かぶ。そして装甲を解除し、死柄木から逃れようとした時。
死「ぶっっっ!」
死柄木が左腕を思い切り振り下ろす。すると歯車の手も振り下ろされ、地面に叩きつけられた。
死「っっっっ壊れろ!!」
歯車の手が地面に付いた瞬間、手を構成していた歯車達が分解され、泥花市全体に放たれた。
ト「オオオオオ! 逃げるぞ義爛! 俺達!」
トゥワイス達は義爛と渡我を抱えながら歯車から逃げる。
放たれた歯車は民家やビルを粉々に粉砕して行く。歯車は泥花市を一瞬で更地へと変貌させた。
死「ハハハハハ! ハハハハハハハハハハ!」
惨劇の中心で死柄木は両手を広げて大きく笑う。仮面の中の表情は正に解放されたかのように爽快だった。
崩壊が終わり、更地となった泥花市の地面に四ツ橋は座りこんでいた。
四ツ橋の膝から先は無くなっている。
死「脚ぃ地面に触れちまったか、全身壊れる前に切り離したんだな」
変身を解除した死柄木が四ツ橋に歩み寄る。四ツ橋の隣には血のついたクレストロの残骸が置いてある。
死「なぁ、何で戦ってんだっけ?」
呼吸の荒い四ツ橋と対峙すると死柄木は嘲笑いながら指を指した。
死「お前が喧嘩売ったからだよなァ」
四ツ橋が死柄木を睨んだまま荒い呼吸を続けていると。
花「リ・デストロォォオ!」
心求党の花畑が残った解放戦士を連れ、四ツ橋を助けに来た。
花「皆さん! 最高指導者を救うのです!」
花畑が個性の『扇動』を使い解放戦士を動かそうとした時。
死柄木が解放戦士に微笑んだ。
「…………!」
その微笑みに解放戦士の身体が固まる。
花「扇動が掻き消されている!? そんな……」
通常なら花畑の言葉一つで敵に突っ込んでいく解放戦士が動かない。初めての事態に花畑は驚愕していた。
四「トランペット、これ以上は無駄な死だ」
四ツ橋が花畑に向かい手を挙げる。すると花畑は顔に着けていた装備を解除した。
四「彼らは皆、デストロの意志に賛同し殉する覚悟を培っていた者たち」
四ツ橋は両膝と両手を地面につける。
四「君の言う通り喧嘩を売って負けた。殺るなら殺れ、私もまたデストロの意志に殉する覚悟」
この光景をギガントマキアは大人しく見ている。この時ギガントマキアのある記憶が蘇った。
四「異能解放軍はお前の後についていく」
四ツ橋は額を地面につけ、死柄木に降伏した。四ツ橋には死柄木が輝いて見えてしまっていた。
ギ「後継……」
頭を下げられている死柄木を見たギガントマキアは涙を流しながら死柄木を後継者と認めた。
死「…………」
死柄木はこの事態に対してボンヤリとしている。すると自分の空腹に気づいた。
死「あっ……お前社長だから金あるよな!」
閃いた死柄木は四ツ橋に向かいニカッと笑う。
死柄木達の物語の歯車は加速し、もう誰にも止められなくなっていた。
とっても難しかったです……
悪役の複雑な心を読み取るのはキツかったです……
クチャクチャになってたらすみません……