僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

57 / 89
VS解放軍
展開を考えるのがなかなか難しいです(焦)


思い知れや

 眠い……

 

 大勢の解放戦士が自分に襲いかかってくる中、死柄木は思った。

 

死(眠いとアレだなぁ、動いてないモンが動いて見えたり、聞こえない音が聞こえたり、不必要な情報が押し寄せてくる感覚、体がバグってるのがよくわかる)

 

 死柄木は眠気で体をよろよろと揺らめかせる。そしてゆっくりと左手を横に上げると歯車のエネルギーが充填された。

 

死「最高に気分が悪い」

 

 死柄木が左腕を解放戦士に向かい振り下ろし、歯車を放つ。だが放たれた歯車は解放戦士達の個性で受け止められた。

 

「耐えろ耐えろ! キュリオス様の死を無駄にするなぁ!」

 

 解放戦士は互いを支え合い歯車を食い止める。しかし次の瞬間。

 

ビキッ!

 

「え?」

 

 前方で歯車を受け止めていた解放戦士の体にヒビが入った。そのヒビは後ろで体を支えていた戦士の体にも入る。

 

「ウソ! そんなっ!」

 

 ヒビの入った解放戦士を歯車は無情に砕いていく。死柄木を襲った解放戦士は全員、塵となって崩れた。

 

ス「見間違いか……? 今歯車に触れていたヤツが崩壊したぞ……それに触れていない人間にまで崩壊が伝播してなかったか?」

 

 そのままフラフラとタワーに向かう死柄木を見たスピナーは唖然としている。荼毘は仮面の下でニヤリと笑うとスチームブレードをヒラヒラと振り回した。

 

荼「リーダーがやってんなら俺もいいよなぁ、元より殺さず温存なんて向いて……」

 

荼毘が全て言い終える直前、荼毘はその場から離れ、頭上から襲いかかってきた者を避けた。

 

荼「氷……氷ね、こんなゴツいなりで気配も見せずに」

 

 荼毘は呟きながら解放戦士の氷男を眺める。両腕に巨大な氷を纏わせていた氷男は両手の氷を分解させた。

 

氷「蒼炎の使い手荼毘、連合で唯一広範囲攻撃可能、何故すぐに炎を出さずに歯車ばかり出す」

 

 氷男は分解させた氷を柱のように形成する。荼毘は舌打ちをするとスチームブレードを振りかぶった。

 

荼「おいおいどうやら知らねぇな!? 仕方ねぇ教えてやるよ特別だぜ?」

 

 荼毘の振りかぶったスチームブレードに蒼炎が纏われる。さらに荼毘はスチームブレードのバルブを回転させた。

 

《エレキスチーム!》

 

荼「氷は溶けちまう」

 

 荼毘がスチームブレードを振り下ろすと蒼炎と電気を纏った斬撃波が氷男に向かう。

 氷男は氷の柱を、上に伸ばし、荼毘の斬撃波を避けた。

 

氷「そうか、それは大変だ」

 

 氷の柱を斬撃波で破壊され、空中に放り出された氷男は自分の後ろのコンビニに手を向ける。するとコンビニの中から大量のロックアイスが飛んできた。

 

氷「知らないようだから教えてやる、僕は氷を操る」

 

 氷はコンビニだけではなくスーパーマーケットや各家の冷凍庫の物までも集まってくる。操った氷で足場を作り氷男はそこに立つと、集めた氷で巨大な龍を造った。

 

氷「ずっと異能を鍛えていた、学校にも行かず、ヒーローなんかよりもずっと長く、最高指導者が僕を強くしてくれた」

 

 氷男が手を上に上げると氷の龍が動く。それを見た荼毘は右手に出現させた歯車のエネルギーに蒼炎を纏わせた。

 

荼「素敵な人生歩んだな! 可哀想に! いいカキ氷ができる!」

 

氷「生半可な炎で氷が溶けると思うなよ」

 

 荼毘は右腕を大きく振り、蒼炎の歯車を放ち、氷男は氷の龍を向かわせる。

 

 巨大な氷と蒼炎の歯車が激しくぶつかり合った。

 

ト「ハァ、ハァ、嘘だろ 『真実さ』」

 

 その頃トゥワイスは誰かの民家の庭に立っていた。

 

ト「どこに行っちまったんだって……心配したんだ 『へっちゃらだよ』 あああ畜生! なんてこった!」

 

 トゥワイスの目の前では渡我が物置の中で蹲って倒れていた。頭を抱えるトゥワイスにキバットが飛んでいく。

 

キ「近くに敵はいねぇ! 今のうちに応急処置だ!」

 

 キバットは渡我が物置で倒れた瞬間飛んでいき、トゥワイスを呼んでいた。トゥワイスは渡我を抱き抱え物置から出す。

 

ト「トガちゃん! ウソだろウソだろ 『本当だ!』 人肌がこんなに冷たくなるなんて!! 『畜生なんでこんなに熱いんだ!』」

 

キ「おい、トゥワイスお前1人でなにやってんだ?」

 

 キバットは一人でやりとりをしているトゥワイスの姿に困惑している。トゥワイスはまだ自分と会話していた。

 

ト「黙ってろよ! 『黙ってられねええだろうが! 血まみれなんだぞ!』 息はまだある! 『ないね!』 顔がグチャグチャだ、敵の血か!? 『君の血だ!』」

 

 トゥワイスは自分との会話を続けている。トゥワイスは気を失っている渡我を抱き寄せると涙を流した。

 

ト「だめだ生きてくれ、きみは……連合の皆は俺の……居場所なんだ……!!」

 

キ「トゥワイス……」

 

トゥワイスの様子を見たキバットも涙ぐむ。しかし後ろを見た瞬間、その表情は一瞬で青ざめた。

 

キ「トゥワイス! なんだコレぐわっ!」

 

ト「コウモリ!?」

 

 キバットが殴られた音に反応しトゥワイスが後ろを向く。するとトゥワイスは大勢に囲まれた。

 

「分倍河原 仁 トゥワイス 異能『二倍』ある種トガとは真逆の男」

 

 義爛が監禁されているタワーの一室、デストロと共にいる近属友保はパソコンを開きキーボードを弾き始めた。

 

近「自らを増やし自らに殺されかけ、自らの人生を見失ってしまった男、分倍河原わかるか? 使い方だ! 何故己の価値を理解してない!」

 

 大勢に囲まれたトゥワイスはマスクの中で絶望と驚嘆の混ざった表情を浮かべる。トゥワイスを囲んでいるのは近属の個性『人形』で作られた分倍河原の顔をした人形だった。

 

近「お前は解放軍に引き入れる!」

 

 タタンッ! と近属がキーボードを弾くと人形の分倍河原がトゥワイスと渡我に襲いかかる。

 

ト「うわぁぁぁ! やめろぉおぉ!」

 

 人形分倍河原はトゥワイスのマスクを脱がし投げ捨てるとトゥワイスを渡我から引き離す。そのままトゥワイスは人形分倍河原に押されつけられた。

 

ト「やめろ冷てぇなんて冷てぇ手だ畜生あぁくそうおまえ誰だ俺か!? 俺の顔だ誰なんだよおまえは!」

 

 人形分倍河原に押され連れられたトゥワイスに自身のトラウマが蘇る。

 

キ「ヤバい……トゥワイスの野郎パニックになってやがる……無理もねぇけどこのままだとマズい!」

 

 人形分倍河原に殴られ地面に叩きつけられたキバットがゆっくりと起き上がる。人形分倍河原は渡我の首を掴み、へし折ろうとしていた。

 

ト「あっアァ……包まねぇとやばいやめろやめろ! あぁ畜生やめろ! トガちゃん!」

 

 人形分倍河原は渡我の首をゆっくりと捻りそのまま折ろうとしている。トゥワイスは過呼吸状態に陥りその場から動けない。

 

キ「落ち着けトゥワイス! お前はお前だろうが! 自分を見失うな!」

 

 キバットがトゥワイスに声をかけるがトゥワイスには届かない。人形分倍河原は渡我の首を捻る力を強くしていった。

 

ト「あぁ! 俺が! 殺そうとしている! ハンカチで包んでくれたあの子を! 俺が! 俺か? え? 俺なのか? じゃあ俺は! 本当の俺は!?」

 

 目の前で自分が渡我を殺そうとしている。トゥワイスは完全に自分を見失っていた。自分が本物の自分かどうかもわからない、目の前の自分が本物の自分かもしれないと混乱に陥る。

 

ト「ええ、あぁ、裂ける裂けるぞ! 俺は違うのか!? 俺は! 俺か!? 俺は!」

 

キ「おらぁぁぁぁぁぁ!」

 

 トゥワイスが混乱している最中、キバットは猛スピードでトゥワイスの腹にタックルを喰らわせた。

 

ト「うげぇ!??」

 

近「なんだ?」

 

 キバットのタックルを喰らったトゥワイスは人形分倍河原の拘束から逃れ、地面にゴロゴロと転がる。監視カメラのモニターを見ていた近属は首を傾げる。

 

キ「目が覚めたかこの野郎! どうだ! 骨折するくらいの勢いで突っ込んだ! イテェか!?」

 

 キバットがトゥワイスに向かい叫ぶ。トゥワイスは強く咳き込むと自分の体をペタペタと触った。

 

ト「ゴホッゲホッ! 消えてねぇ……腹がズキズキいてぇ……いてぇ痛ぇよ……」

 

 トゥワイスは強烈な痛みを感じながら笑みを浮かべ始める。強いダメージを受けても消えない、トゥワイスは自分が本物のなのだとようやく気付いた。

 

ト「痛ぇのに消えねぇよ俺!」

 

 自分が本物と分かった途端、涙を流しながら笑う。トゥワイスを逃した人形分倍河原はゆっくりとトゥワイスの元へ歩み寄って行った。

 

近「あのコウモリ……やはり曲者だな、E、Bは分倍河原をやれ、Dはコウモリを仕留めろ」

 

 近属はキーボードを弾き人形分倍河原に指示を送る。人形分倍河原がトゥワイスに近付いたてきた時、トゥワイスはゆっくりと立ち上がった。

 

ト「なるべく大怪我をしねぇように気を付けてきた、消えちまうのが恐かったから……いっつもそうだ、そうなんだ、誤った選択を取り続けるんだ、自分を殺してみりゃわかった事だろうに!」

 

 トゥワイスはスーツの中から何かを取り出すと腰に巻きつける。

 

ト「こいつもヤクザんとこで拾ったんだ……使わせてもらうぜ! 俺は逃げて転げて落っこちた! 落っこちた先で見つけた場所! トガちゃん‼︎ 君を助けるよ」

 

《マツボックリ!》

 

 トゥワイスは戦極ドライバーを腰に巻くと、マツボックリロックシードを開錠する。するとトゥワイスの頭上のトラックが開き、マツボックリが降りてくる。

 

ト「変身!」

 

 トゥワイスがカッティングブレードを倒すとマツボックリが頭にかぶさり、鎧へと変形した。

 

《マツボックリアームズ! 一撃! インザシャドウ!!》

 

ト「仮面ライダー黒影……見参!」

 

 変身を完了したトゥワイスは長槍の影松を振り回し、ビシッとポーズを決める。すると次の瞬間トゥワイスから複数のトゥワイスが飛び出してきた。

 

近「なに……? アイツ自分を増やして……」

 

モニターを見ていた近属は目を見張る。トゥワイス本体は前に歩み出ると人形分倍河原に向け影松を突きつけた。

 

ト「どけよ偽物、俺は仲間を殺さない、個性『二倍』その恐ろしさ思い知れや! 解放軍!」

 

「「「うぉおおおおおお!」」」

 

 二倍で増やされたトゥワイス達は影松を上に掲げ雄叫びを上げた。

 




トゥワイスの変身はライドプレイヤーか黒影かでめちゃくちゃ悩みました!
でも黒影の方がカッコいいかなぁ、量産系ライダーでは結構いい方だよなぁ? と考え黒影に決定いたしました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。