僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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これでA組VS B組編は終了です。
次回の構造は未だに考え中です(泣)


決着と大喧嘩

緑谷と心操の決着がついた頃、峰田達の戦いは山場を迎えていた。

 

庄「これで決める!」

 

 庄田はカッティングブレードを一回倒すと、拳を振りかぶる。

 

《クルミスカッシュ!》

 

芦「うわっ! めちゃ不味そう!」

 

 音声を聞いた芦戸が思わず叫ぶ。庄田はその声を気にも止めずに空中を殴り、クルミ形のエネルギーを放った。

 

峰「コッチもいくぞぉ!」

 

 峰田も負けじとカッティングブレードを二回倒す。

 

《ドングリオーレ!》

 

芦「ギャー! コッチも不味そー!」

 

 あまりに不味そうな響きに頭を抱える芦戸の隣で、峰田はドンカチを両手で握り、その場で回転し始めた。

 

峰「グリドンインパクトォ!」

 

 回転した峰田は飛んできたクルミ形エネルギーをドンカチで打ち返す。エネルギーはピッチャー返しの形で庄田に激突した。

 

庄「うぐっ! まだまだ、、」

 

 庄田は体をよろけさせたが倒れる様子はない。

 

芦「やっぱりクルミは固いかぁ、峰田! 合体技で行こう!」

 

峰「合体!!! すごくいい響きだぁ!」

 

 合体という言葉を聞き、峰田の卑猥な脳がフル回転する。芦戸はそんな峰田を無視してカッティングブレードを三回倒した。

 

《ドングリスパーキング!》

 

峰「へ?」

 

 音声の後、峰田の鎧は戻っていき、ドングリが頭に被さった状態になる。

 

芦「オゲー、マジに不味そうな響き」

 

 芦戸は流れるような動きで峰田の足を両脇に挟み、持ち上げる。

 

峰「おい? 芦戸? まさかオイやめろ!」

 

芦「うぉらぁぁぁ!」

 

 芦戸は峰田をそのままジャイアントスイングの要領で振り回した。

 

 個性の酸液で足場を滑りやすくし、猛スピードで回転する。十分なスピードがついた瞬間、峰田を庄田に向かって投げ飛ばした。

 

芦「必殺! グリドンミサイル!」

 

峰「バカヤロォォオン!」

 

庄「なめるな!」

 

《クルミスパーキング!》

 

 庄田はカッティングブレードを三回倒し、拳のラッシュを繰り出した。

 大量のクルミ形のエネルギーが峰田に向かうが、ミサイルの如く飛んでいく峰田はそれらを全て破壊し、突き進む。

 

峰「ぎゃぁぁぁ!」

 

 鎧が頭に被さり、何も見えない峰田はただ聞こえる爆音に絶叫していた。

 

庄「こんなふざけた技で、、!」

 

 庄田がカッティングブレードに手を伸ばした瞬間、峰田の頭はもう目の前に迫っていた。

 

庄「しまっ!」

 

ゴチィィィン!

 

 ドングリの鎧が庄田に激突する。峰田はぶつかった衝撃で変身が強制解除されたが、庄田は解除されずに立っていた。

 

庄「まだやれるぞ!」

 

芦「想定内だっての!」

 

 芦戸はベルトのバックルから獣電池を取り出すと、ガブリボルバーにセットした。

 

《ガブリンチョ! アンキドン! ドリケェェラ!》

 

 獣電池をセットしたリボルバーのシリンダーを勢いよく回す。そして庄田に照準を合わせた。

 

芦「獣電ブレイブフィニッシュ!」

 

《バモラ!!ムーチョ!! ドッドリーン! ドッゴーン!》

 

 狙いを定めて引き金を引くと、ドリケラのドリル、アンキドンのハンマーのエネルギーが庄田に放たれた。

 

庄「これは避けられない!」

 

 庄田が拳を前に構え防御する。しかしドリケラのドリルで防御が弾かれた。

 

芦「クルミ割りじゃぁぁぁあ!」

 

庄「ぐわぁぁぁぁ!」

 

 アンキドンのハンマーが防御の弾かれた庄田を押しつぶす。地面にめり込んだ庄田は変身が強制解除され、その場に気絶した。

 峰田はその近くで誰にも気づかれずに倒れている。

 

柳「庄田! マズいぞ、小大とりあえずここは退いて」

 

 戦いを見ていた柳が小大の方を向こうとした瞬間。

 

麗「といやっ」

 

 麗日が柳の首筋に手刀を叩き込み、柳を気絶させた。

 

麗「ふっふっふ、戦いに気を取られてたみたいだね」

 

 一方、小大は柳と離れた所で峰田のもぎもぎに捕まっており、その場で動けなくなっていた。

 

小「、、、、、しゅん」

 

 小大が小さく俯く。峰田達の戦いにも決着がついた。

 

 そして善彦VS物間の闘いは未だに続いていた。

 

物「いいかげんしつこいな君も、、倒れた方が楽だよ、、」

 

善「あぁんたもしぶといなぁ、、膝笑ってるよ? 横になったら?」

 

 ぶっ通しで闘っていた二人の体力は限界に近づいていた。胸のライフゲージは互いに半分以下に減っている、さらに疲労で二人の足はガクガクと震えていた。

 

物「まだまだ続けようかぁ!」

 

 力を振り絞り物間が善彦に殴りかかる。善彦はそれを避ける体力もなく、そのまま物間のパンチを顔面に食らった。

 

善「まだこんなパンチだせんのか、、次はコッチの番だ!」

 

 善彦はボディブローを物間のみぞおちに思い切り叩きつける。物間は体をよろけさせ、後退りしながらも善彦を睨みつけた。

 

物「君もいやらしい攻撃するねぇ、、そろそろ終わらせようよ、、」

 

 物間はベルトのガシャットに手を伸ばし、キメワザスロットホルダーに差し込む。

 

善「自分が勝つ、、絶対にだぁ!」

 

 善彦もガシャットをホルダーに差し込み、キックの構えをとる。二人は睨み合い、同じタイミングでホルダーのボタンを押した。

 

《マイティクリティカルストライク!》

 

《爆走クリティカルストライク!》

 

物「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

善「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 二人が飛び上がり、キックがぶつけ合う。威力は互角で互いに一歩も譲らない。

 この闘いをモニターで見ていたA組とB組は白熱していた。

 

鉄「いけぇぇぇ! 物間ぁぁ! 漢みせろぉぉ!」

 

切「勝てぇぇ! 佐竹ぇぇ! 押せぇぇ!」

 

 二人を応援する声援がこだまする。その光景を見ていたミッドナイトはひどく興奮していた。

 

ミ「青い、、青くていい、、すごくイイッ!」

 

相「落ち着いてくださいミッドナイト」

 

 相澤先生はミッドナイトをなだめると、モニターに目をやった。

 

物「くっ、、早くやられろぉぉ!」

 

善「負けてたまるかオラァァ!」

 

 二人のキックの勢いは衰えない。互いが足に力を入れた瞬間、キックの威力が相殺され、二人の体が弾き飛ばされた。

 

物「うわぁ!」

 

善「いぎゃぁ!」

 

 キックの反動で二人の体は壁に激突し、変身が解除される。そのまま相討ちで終わるかと思われたが、二人は立ち上がった。

 

物「もう痛みを感じなくなってきた、、頭がふらふらするよ」

 

善「アハハ、、一緒だ」

 

 ふらふらになりながら二人は近づき合う。十分近づくと二人はニヤリと笑いあった。

 

物「うぉぉらぁ!」

 

 まず物間が善彦の顔面をぶん殴る。鉄拳が顎に打ち込まれたが、善彦は踏ん張り、自分の体が倒れることを拒否した。

 

善「へへ、、へへへへへッ」

 

 善彦は笑いながらヒーロースーツの上着を脱ぎ捨てる。

 

善「ぬぅぅありゃあ!」

 

 そして拳を強く握りしめ、物間の顔面にパンチを叩き込んだ。

 

耳「ひっ!指輪仕込みの全力パンチ!」

 

拳「というかあのまま殴り合うのかよ、、これがヒーローになろうとする人の図か、、」

 

 モニターを見ていた耳郎が思わず悲鳴に似た声をだす。拳藤もそれを見て畏怖していた。

 

物「メチャクチャずるいなぁ、、ならばコッチもだ!」

 

 物間も上着を脱ぎ捨てると、ヒーロースーツのズボンのベルトを引き抜く。そしてベルトのバックルを拳に巻き付け、そのままアッパーを叩きつけた。

 

物「どうだ!」

 

善「ガカッ、、カハッ、、」

 

 アッパーをまともに喰らい、上を向いたまま二、三歩後ろに下がる。

 

物「とどめだぁぁ!」

 

 物間が再び拳を振りかぶり、善彦に止めを刺そうとした瞬間。

 

ガシッ!

 

 物間の頭が善彦に掴まれる。

 

善「せぇぇぇ、、のっ!」

 

 善彦ら物間の頭をガッチリと掴み、額に全力の頭突きを叩きつけた。ゴシャリと鈍い音が辺りに響きわたる。

 

物「うがぁぁ!?」

 

 額を押さえ、物間は後ずさる。額から血を流しながら善彦を睨みつけると、拳をギリリと握りしめた。

 善彦も拳を握りしめ、構えた。

 

善「お互いこれが最後の一発、、いくぞぉぉぉ!」

 

物「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 二人は拳を振りかぶって走る。そして互いの拳が互いの顔面に叩きつけられた。

 

切「ク、、クロスカウンター」

 

 モニターを見ていた切島が唾を飲み込む。誰もが決着を待っている中、先に倒れたのは善彦だった。

 

善「う、、うう、、」

 

 善彦が膝から崩れ落ちその場に倒れる。拳を突き出したまま立っている物間はフフフと笑った。

 

物「この勝負、、僕の勝ちみたいだね、、」

 

 ふらふらとよろめきながら物間は笑う。そして善彦に背を向けた。

 

物「一応拘束しとくか、、上着あっちに飛ばしたっけな、、」

 

 物間が投げ捨てた上着をキョロキョロと探す。そして一歩踏み出した瞬間。

 

ツルッ

 

物「へ?」

 

 突然物間の視界が反転した。視界の上に地面が写っている。物間は投げ捨てた上着を踏みつけて足を滑らせていた。

 

物(足元に上着があったのか!?)

 

 受け身をとる力も残っていない。物間はそのまま頭を地面に強く打った。

 

物「そ、、そんな、、」

 

 思い切り転んだ物間は白目を向いて倒れる。すると物間の体がシュワシュワと消え始めた。

 

鉄「は!? おい! 物間が消えていくぞ!」

 

泡「なんだどういうことだ!」

 

 モニターを見ていたB組がパニックに陥る。物間の体は空気のように消滅した。

 

拳「うそ、、そんな、、」

 

ブ「も、、も、、物間ぁぁぁぁ!」

 

 ブラドキングが身を乗り出し絶叫する。

 

回「物間ぁぁぁ!」

 

円「物間ぁぁぁぁぁぁ!」

 

鉄「物間ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 B組の男子達が絶叫し、涙をながす。その中で拳藤は何か異変に気づいた。

 

拳「みんな待って! なんか聞こえない?」

 

 拳藤の一言で皆が一斉に耳を澄ます。すると後ろから何か音が聞こえた。

 

ティウンティウンティウンティウン

 

泡「おい、なんだアレ?」

 

 音の鳴る方向を一斉に向く。向いた先には先程までそこに無かった紫色の土管が生えていた。

 

拳「コンティ、、ニュー?」

 

 土管には英語でCONTINUEと書いてあった。

 

テッテレテッテッテー♪

 

 次の瞬間、土管の穴から腕組みをした物間が這い出てきた。

 

物「フハハハハハハハ! 僕ふっかぁつ!」

 

 物間は腕を大きく広げて君臨する。しかしその場は静まり返っていた。

 

物「ん? なんで僕ここにいるんだ?」

 

鉄「いや俺らが聞きてぇよ」

 

 ようやく異変に気づいた物間が辺りを見回した時、第5セット終了のブザーが鳴った。

 

ビーー!!

 

相「第五セット終了だ、投獄数B組4人、A組0人、結果はA組の勝利ってことで早く戻ってこい」

 

 B組が混乱している中、相澤先生が淡白な放送を入れて授業を締める。物間は何がなんだかわからないままその場に立ち尽くした。

 

物「ふぇ? え? へ?」

 

 そしてこのまま第5セットのチームが集められ、講評に移る。

 

相「えー、いろいろと聞きたいことがあるんだが、まず佐竹よ、物間のアレについて教えろ」

 

善「ふぁい」

 

 物間と全力で殴り合い、包帯でグルグル巻きにされた善彦が前に出る。口まで覆われた包帯をずらすと解説を始める。

 

善「物間くんの使った黒いマイティアクションのガシャット、アレにはコンティニュー機能がついてます。自分は気絶して見てないけど多分物間くんは地面に頭を打ったときライフが一個消費されたんでしょう」

 

鉄「コンティニューってあれか!? ゲームとかにある一回死んでもまた復活ー! みてぇな!」

 

 鉄哲が前に出て善彦に問いかける。善彦はコクンと頷くと物間の方を向く。

 

善「物間くん、『残りライフ出ろ!』てな感じに念じてみな」

 

物「はぁ? なんか出ろって?」

 

 言われた通りに物間は念じる。すると物間の隣にパネルが現れた。

 

物「わっ! なんだコレ!」

 

 現れたパネルには『MONOMA LIFE』と書かれており、文字の下には『98』の数字が表示されている。

 

善「コレが物間くんの残機、簡単に言うと物間くんには98個の命があるってことだよ」

 

 善彦の一言で全員がざわめく。善彦は解説を続けた。

 

善「倫理的にアウトかもしんないけど、よりによってプロトタイプのマイティアクション選んじゃったからねぇ、どう使うかは物間くん次第だよ」

 

物「命が、、98個、、か、、」

 

 物間は自分の手のひらを見つめる。すると拳を握り、口角を上げた。

 

物「いいだろう! コレも何かの縁ってヤツだ、この命をヒーロー活動にフル活用させてもらうよ! この98のライフで人々を100人、、いや1000人救ってみせる!」

 

 物間は続けて善彦を指差す。

 

物「先に言っておくが僕はさっきの戦いの決着に納得していない! 倒したと思ったら転んで頭打って自滅だと? こんなかっこ悪い勝ち方ごめんだね、再び戦って真の決着をつけようじゃないか!」

 

ブ「今日の授業コレで終わりだけどな」

 

 このまま流れで再戦しようとする物間をブラドキングがスッと止める。

 

善「望むところだ、また喧嘩しようや」

 

相「授業は終わりだ」

 

 相澤先生が捕縛布を善彦の口に巻きつけて止める。

 

ブ「それと心操は十中八九、2年からヒーロー科に編入することとなるだろう、気を引き締めろよ! お前ら!」

 

 ブラドキングが告げると、A組とB組から歓声が上がる。

 

鉄「うおおおお! どっちのクラスだー!?」

 

拳「B組じゃないかな? じゃないとA組と数合わないし」

 

相「そこんとこは後々の話だ、今日はコレで授業を終了する。各自反省点を直すようにな」

 

ブ「今回はA組に負けたが次は勝つぞ!」

 

 先生達から一言を貰い、授業が終了する。新たな決意を胸に物間が戻ろうとした時。

 

鉄「おつかれさんっ! ものマリオ!」

 

 鉄哲が通り抜き様に物間に一言言い放つ。

 

物「ん? 鉄哲今なんて言った?」

 

回「結構チートな能力追加されたけど、命は粗末にするんじゃねぇぞ! ものマリオ!」

 

 回原は物間の肩にポンと手を置くと、颯爽と去っていく。

 

取「ものマリオー! あのバトルかっこよかったよー!」

 

 取陰が遠くから物間に向かって叫ぶ。物間はようやく自分がなんと呼ばれているのか気づいた。

 

物「も、、、ものマリオ? なんだいそりゃ」

 

拳「土管から出てくるのがまんまソレだったからだよ、物間」

 

 拳藤は唯一、物間をそう呼ばずに隣に立つ。しかし拳藤の表情は明らかに笑いを堪えていた。

 

物「まんまソレってどういうことだ拳ど」

 

拳「まんま、、マンマミー、、ブフッ!! ごめん! 物間! また後で!」

 

 吹き出してしまった拳藤は口を押さえながら走り去る。取り残された物間は歯を食いしばり、拳をギリリと握った。

 

物「また、、またこんな役になるのか僕は、、佐竹善彦ぉ! 絶対に許さないぞぉおぉおおぉぉ!」

 

 物間が天に向かって吠える。その咆哮は雄英中に轟いたとかいなかったとか。

 




今回の話での書きたかったポイントは
変身無しのガチの殴り合いの描写を書いてみたかった部分と物間の変身するライダーはコピーすると言った点ではサウザーがいいかなと思ったのですが、どうしてもあの土管からでてくる物間を書きたかったといったところです。

今回はお待たせしてしまい本当に申し訳ございませんでした。
そして空いている間にも応援してくれた皆様方に感謝を申し上げます。
これからも少しずつですが時間の合間を縫って投稿していきます。

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