僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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ようやく時間ができました


何の為に

上「そろそろだなー!ソワソワしてきた!」

 

八「明鏡止水、落ちつきましょう上鳴さん」

 

AM 8:45

 

1-Aの寮では皆衣装に着替え、出番を待っていた。

 

轟「緑谷がいねェな」

 

上「あっ!そうなんだよ!佐竹もいねんだ!」

 

思い出した上鳴が轟に続く。

 

青「ロープを買いに行ったさ☆」

 

轟「佐竹も一緒なら早く帰ってこれるだろ?こんな時間まで何してんだあいつら」

 

青「確かに☆」

 

文化祭スタートまであと15分

 

善「よっこらしょっ」

 

ガラァァン

 

善彦が持っていた鉄骨を置くと、緑谷が善彦の隣に着地しようとする。

 

バインッ

 

緑「うわっ!」

 

緑谷が空気膜に少し跳ねられた。

 

善「あ、あったんだ空気膜」

 

緑「危ないな、人来ても異常に気付くように」

 

緑谷が空気膜の上にナットやボルトをソッと置く。

 

善「、、、あっ!」

 

空気膜に物を置く姿を見て善彦が気づいた。

 

緑「えっ!何!」

 

善「緑谷くん!あのボトル持ってる!?」

 

その時ジェントル達は、雄英付近の森に着いていた。

 

ジ「できれば君の"個性"は退却の時まで取っておきたいが!」

 

ラ「でもでも!このままじゃ失敗濃厚よ!」

 

ジ「それもわかっている!タイムアタックだからな、致し方あるまい頼んだぞラブラバ」

 

ジェントル達が着地すると、ジェントルの頭に何か落ちる。

 

ジ「なんだ、、?」

 

ラ「雨?」

 

ジェントル達の周りに雨が降ってきた。

 

ジ「天気雨か?」

 

ジェントルが空をキョロキョロと見回すと、先程自分達が飛んできた方向から、二つの影が見えた。

 

ジ「まさか、、いや速!」

 

善彦と緑谷がジェントル達に向かって飛んでいく。

 

緑谷の姿はフェニックスロボとは違う姿になっていた。

 

《天駆けるビッグウェーブ! クジラジェット! イエーイ!》

 

緑「いくぞぉ!」

 

緑谷が右手を前に出すと、手のひらに大きな水の塊が溜まっていく。

 

そして溜まった水をジェントル達の周りに撒き散らした。

 

ジ「何をしているんだ、、」

 

雨の正体がわかったが行動の意味がわからない。

 

ラ「あっ!ジェントル見て!」

 

何かに気付いたラブラバがジェントルの袖を引っ張り、空中を指差す。

 

ラブラバに言われた通り空中を見回すと、ジェントルは行動の意味がわかった。

 

ジ「な、、空気膜が、、見える、?」

 

空中を移動する為に作った空気膜が水に濡れ、水滴で空気膜が見えていた。

 

善「空気の膜ができるってことはそこに物ができるという事、水滴つけて見やすくすればドコにナニがあるのかがわかる」

 

緑「見えた空気膜のルートを見ればドコに注意すればいいかわかる!」

 

緑谷が右手でデコピンの構えを作る。

 

折り曲げた中指の辺りに水の玉も生成されていた。

 

緑「スマァァッシュ!」

 

水を纏ったエアフォースがジェントルに向かって発射された。

 

ジ「小癪な!」

 

ジェントルが自分の目の前に空気膜を作り盾にする。

 

がその直後降って来た雨により空気膜がくっきりと見えた。

 

善「ちょっと斜めに膜作ってるよ、しかも2つ」

 

緑「了解!」

 

善彦が伝えると、緑谷が指をクイっと曲げる。

 

するとエアフォースは空気膜をヒョイとよけ、ジェントルに叩きつけられた。

 

バシャァァ!

 

ジ「ぐはっあ!」

 

ジ(何故、、曲がっ、、て、、)

 

ジェントルがエアフォースを腹にまともに喰らい、大きくよろめいた。

 

ラ「ジェントル!」

 

ラブラバがジェントルに駆け寄った瞬間、二人の体が緑谷に抑えつけられ地面に伏せられた。

 

ジ(ピクリとも動けん、、!)

 

善「クジラジェットは水を自由に操れる、エアフォースに水を纏わせたのは空気膜を避けるためだったんだ」

 

緑谷の後ろから善彦が解説しながら出てきた。

 

緑「女の子も抵抗しないで、もう諦めてくれ」

 

緑谷がそう言うと、ラブラバがズリズリと首を動かしジェントルの方を向く。

 

緑「警察に引き渡します、これからすぐに」

 

ラ「愛してるわ、ジェントル」

 

緑谷の言葉をラブラバが遮った。

 

緑谷は何も思わなかったが、善彦は気づいた。

 

善(そういえば、ラブラバはジェントルが危機に陥ったとき、いつも"愛してる"とか言うよな、、その後はカットされて逃げ切ってたり、ヒーローが倒れてたり、、まさかラブラバの個性は!)

 

善彦がラブラバの個性に気づき、緑谷に伝えようとした瞬間。

 

ブワッ!

 

緑「な、、なんだ?急に力が強く」

 

ジェントルの体からモヤが出てくる。

そして地面からグググと起き上がってきた。

 

ジ「悪いな少年よ」

 

そう言うとジェントルとラブラバが緑谷の視界から消える。

 

ジ「力づくで解決するのは好みじゃないから」

 

ドガッ!

 

善「ウワッ!」

 

緑「えっ!」

 

善彦の体が近くの木に叩きつけられ、善彦の変身が解除される。

 

次の瞬間、緑谷の体も衝撃と共に吹き飛ばされ、変身が解除されてしまった。

 

ジ「こういうところは、いつもカットしているんだ」

 

善「やっぱり、、ラブラバの個性はジェントルを強化するヤツか、、」

 

ジ「その通り、、」

 

ラブラバを胸に抱いたジェントルが善彦に歩み寄ってくる。

 

そして善彦の目の前にしゃがむと、手刀の形をとる。

 

善「マズいな、、結構ダメージでけぇや、、」

 

ジ「しばらく眠っていてくれたまえ」

 

ジェントルが善彦に手刀を振り下ろす。

 

ラ「ごめんね佐竹善彦くん、必ず最後に愛は勝つのよ」

 

ラブラバが善彦から目を逸らした。

 

カシュッ!

 

ジ「?」

 

ピタッ、、

 

突然聞こえた炭酸の音にジェントルの手刀が止まる。

 

音の聞こえた後ろを向くと、そこには大きな缶を持った緑谷が立っていた。

 

緑「もっと、、強くて速い人と、、たくさん戦ってきた、、、」

 

緑谷は持っていた缶を構えると、ジェントルを真っ直ぐと見る。

 

緑「まだ負けて無いぞ!」

 

《ラビットタンクスパークリング!》

 

ラビットタンクスパークリングをベルトに挿し込むと、ハンドルを回す。

 

《Are you ready?》

 

緑「変身!」

 

《シュワッと弾ける! ラビットタンクスパークリング!》

 

《イエイ! イエーイ!》

 

変身を完了した緑谷は、肩で息をしながらジェントルと対峙した。

 

マ「Good Moorrrnin!ヘイガイズ!準備はここまでいよいよだ!今日は一日無礼講!学年学科は忘れてハシャげ!そんじゃ皆さんご唱和下さい!雄英文化祭!開催!」

 

AM 9:00

 

プレゼント・マイクの放送が辺りに響く。

とうとう文化祭が始まった。

 

早く決着を決めないとお互いにマズい。

 

緑「はぁっ!」

 

緑谷が先に動き、右拳を繰り出すがよけられる。

 

ジ「ありえんぞ少年!」

 

緑「頼むから!止まってくれ!」

 

ジェントルから離れたラブラバが地面に手をつき、泣きながら叫ぶ。

 

ラ「ジェントルごめんなさいごめんなさい!愛が!足りなかった!」

 

ジ「君の想いが足りないなど、誰が証明できよう!」

 

ジェントルが両手を上にあげると、勢いよく振り下ろす。

 

《ジェントリー・サンドイッチ》

 

緑「いっ!」

 

幾重にも重ねられた空気膜と地面に緑谷の体が挟まれた。

 

ジ「サンドイッチは薄い程上品とされる食べ物である、幾重にも重ねるのは好みじゃない、、しかしそれでも成し遂げたい、中年の淡い夢だ」

 

ジェントルが悲しそうな顔で語る、が次の瞬間ジェントルの顔が豹変する。

 

ジ「歴史に!後世に!名を残す!この先いつも誰かが!私の生き様に想いを馳せ憧憬する、この夢もはや私1人のモノではない!今日は偉業への第一歩、諦めろと言われて諦められる程軽くはない!」

 

ジェントルが手刀を構えた。

 

ジ「君も雄英生なら夢に焦がれるこの想い!おわかりいただけよう!」

 

善「じゃがぁしぃぃぃ!」

 

《爆走!クリティカルストライク!》

 

ジ「なにっ!」

 

ドガァァァァァ!

 

善彦のライダーキックがジェントルに紙一重で避けられ、地面に直撃する。

 

地面に当たったおかげで地面が大きくえぐれる、緑谷を空気膜と挟んでいた地面もえぐれ、緑谷が脱出できた。

 

そして緑谷がジェントルに飛びかかる。

 

緑「なんで!そこまでわかってて何で文化祭だ!何で雄英の想いを踏みにじれるんだ!」

 

緑谷の蹴りをジェントルは避ける。

 

ジ「それはもうそういうもんだろ!」

 

ジェントルが手を前に出し、空気膜を張ろうとする。

 

しかしその瞬間。

 

《ズ・ドーン!》

 

ジ「なにっ!」

 

空気膜を出そうとした瞬間、善彦のガシャコンスパローの矢がジェントルの腕に刺さり、阻止された。

 

そしてすかさず緑谷が襲いかかる。

 

緑「夢の為ならっ!人の頑張りも!そこに懸ける情熱も!笑い方も知らない女の子の笑顔も奪えるのか!」

 

ジ「それが!夢を叶えるということだ!」

 

ジェントルも緑谷に向かう。

 

互いの拳がぶつかり合った。

 

善「ラビタンスパークリングの緑谷くんとやり合ってる、、」

 

ジェントルは周りに空気膜を張り、縦横無尽に跳ね回りながら緑谷と戦っていた。

 

ジ「芯が無いと嘲笑うがいい!それでも結構!私は!」

 

ジェントルが拳を突き出す。

 

それを緑谷は掌で受け止めた。

 

緑「笑わないよ、ジェントル・クリミナル」

 

突き出された拳を握りしめながら緑谷は言った。

 

その瞬間、ジェントルの体から吹き出ていたモヤが増えた。

 

ラ「勝って!ジェントル!」

 

ラブラバの声に答えるようにジェントルの力が強くなっていく。

 

緑(ち、、力が強く、、!)

 

ジェントルと取っ組み合いになり、緑谷が押されている。

 

片膝が地面に着きそうになった瞬間、緑谷の両手に黒い手が重ねられた。

 

緑「あ、、佐竹、、くん、、!」

 

善「ぜってぇ負けるな緑谷くん!」

 

善彦が緑谷の手に手を重ね、力を貸す。

 

片膝を着きそうになっていた緑谷は立ち上がる事ができた。

 

それを見てジェントルは二人に問いかける。

 

ジ「君は、、君達は、、何の為にヒーローを志す!」

 

緑「同じだジェントル、僕だけの夢じゃない!身の丈に合わない夢を!心の底で諦めてしまってた夢を!笑わないでいてくれた!認めてくれた皆に!応えたい!辛い思いをしてきた人に!明るい未来を示せる人間になりたい!」

 

緑谷のジェントルを押す力が強くなる。

 

善「カラッポだった自分に!大切な物を入れてくれた皆に恩を返したい!何もなかった自分が得られた力を使って希望を与えたい!」

 

善彦の力も強くなる。

 

善・緑「うぉおおおおおおお!」

 

二人は力を振り絞り、ジェントルを押し返した。

 

しかしジェントルは足元に空気膜を作り、二人に飛びかかる。

 

ジ「まだ!これまで戦ってきた方々には及ばんかね!?」

 

ジェントルはすれ違いざまに二人に蹴りを喰らわせる。

 

木に弾性を付与し、空気膜を作り、飛び回る。

 

ジ「恥も外聞も流儀も捨てて!君らを断つ!それが君達という人間への礼儀だ!」

 

勢いを充分につけたジェントルが二人に襲いかかる。

 

善(レーザーターボの力を集中させろ、、タイミングをはかれ!)

 

善彦は目に神経を集中させる。

するとジェントルの動きがハッキリと見えてきた。

 

善「今だぁぁぁ!」

 

ジェントルの動きが見えた善彦がジェントルの体を蹴り上げる。

 

ジ「なにぃ!」

 

ジェントルは突然空に放り出され、体勢が整っていない。

 

善「緑谷くん!行けぇぇ!」

 

緑「うおおおお!」

 

善彦の声と共に緑谷が飛び上がる。

 

そして緑谷はベルトのハンドルを回した。

 

《Ready Go!》

 

《スパークリングフィニッシュ!》

 

緑「スマァァァァァァッシュ!」

 

ジ「ぐぁぁぁぁぁぁ!」

 

緑谷のキックがジェントルに直撃する。

 

ジェントルの体はそのまま地面に叩きつけられた。

 

ジ「カハッ、、、、」

 

緑「これまで戦ってきた誰より、戦い辛かったよジェントル」

 

ジェントルから足を退かすと、緑谷は変身を解いた。

 

善彦も続いて変身を解く。

 

善「ホント、、そうだね、、」

 

善彦は変身解除すると、ジェントルに近づいた。

 

善「とにかく、早く警察に届け、、」

 

ポコッ!

 

善彦がジェントルの近くでしゃがんだ瞬間、善彦の顔が殴られた。

 

ラ「はぁ、、はぁ、、」

 

殴ってきたのは大粒の涙を流すラブラバだった。

 

ラ「ジェントルを、、放して!放して!嫌よ!ジェントルが心に決めた企画なの!大好きなティーブレイクも忘れて準備してきたの!放せ!何が明るい未来よ!希望よ!私の光はジェントルだけよ!ジェントルが私の全てよ!ジェントルを奪わないでよ!」

 

ラブラバはポカポカと善彦の顔を殴る。

 

善彦は何も言わず、殴られ続けた。

 

ラ「ジェントルと離れるくらいなら!死ぬ!」

 

緑「、、、、」

 

ラブラバが善彦を殴ることを緑谷は止められない。

 

ラブラバに気を取られていた時、緑谷に押さえつけられていたジェントルが動いた。

 

緑「え?」

 

バビュン!

 

緑谷が気づいた時、緑谷の体は宙に舞っていた。

 

善「えっ!緑谷く、、」

 

バインッ!

 

善彦の体もジェントルに跳ね飛ばされ、宙に舞う。

 

ジ「そのまま失せたまえ、、緑谷出久、佐竹善彦、、彼女の為に、彼女の明るい未来の為に」

 

ジェントルは起き上がり、ラブラバを抱き寄せる。

 

ジェントルの周りは、ハウンドドックとエクトプラズム数人に囲まれていた。

 

緑谷と善彦は森の外へ出された。

 

善「緑谷くん、、ジェントルもしかして、、」

 

緑「あぁ、多分そうだろう、、」

 

緑谷と善彦は向かい合い頷くと、ジェントルの元へ走った。

 

善「あっ!いた!」

 

善彦がジェントルを見つける。

ジェントルはハウンドドックとエクトプラズムに質問攻めされていた。

 

エ「ソノ怪我ハ!」

 

ハ「戦ったのか」

 

二人が善彦達のボロボロの体を見て反応する。

 

緑「雄英にイタズラしようとしてるのがわかって、少し揉めました」

 

善「けど、もう大丈夫です」

 

ハ「、、、、」

 

ハウンドドックは耳の無線機に指を当てると、こう告げた。

 

ハ「端迷惑な動画投稿者の出頭希望、、俺もわかりませんとりあえず現時点で緊急性はない、引き続き警戒を続けます」

 

ハウンドドックが報告を終えると、ジェントルを起こす。

 

ハ「詳しいことは警察署で話せ」

 

ハウンドドックとエクトプラズム数人がジェントルとラブラバを連れて行く。

 

ジ「そこの二人よ、、」

 

ジェントルが善彦達に話しかける。

 

ジ「私もかつてはヒーロー科にいた、ジェントル・クリミナルはヒーロー落伍の成れの果てだ、、、とても言えた義理ではないが君達の想い、届くといいな」

 

ジェントルはそう言うと、そのままハウンドドック達に連れられ去って行った。

 

エ「緑谷、オールマイトガ心配シテイタゾ」

 

善「あーりゃりゃ」

 

エ「A組10時カラダロウ今ガ9時16、、17分」

 

善「あぁぁぁりゃりゃぁぁ!?」

 

エ「マァ、ココカラナラ5〜6分デ学校ニ」

 

緑「先生あのすいません!買い出しの品あっちに置いてきちゃって!」

 

緑谷が大焦りでエクトプラズムに話す。

 

善「まって!緑谷きゅん!買い出しの品なら!」

 

善彦な俊敏にレーザーレベル2に変身する。

 

善「座席シート開いてみ?」

 

緑「え?」

 

緑谷が恐る恐るシートに手を伸ばすと、座席シートがパカっと開いた。

 

エ「オマエ原付ダッタノカ?」

 

エクトプラズムの質問を遮るように緑谷が叫んだ。

 

緑「あ"ー!買い物入ってるー!」

 

座席シートを開いたらそこにはレジ袋と買い物の品が入っていた。

 

善「もしかしてのことを考えて入れといた!」

 

緑(体どうなってんの超怖い!)

 

エ「大丈夫ソウダナ早ク行ッテコイ」

 

緑「はい!失礼します!」

 

緑谷は善彦にまたがると、颯爽とその場を去っていった。

 

エ「リカバリーガールニ怪我治シテ貰エヨ〜」

 

エクトプラズムは緑谷達を手を振りながら見送った。

 

AM 9:25

 

相「は?緑谷と佐竹が?」

 

相澤先生は飯田に緑谷と善彦がいないことを告げられキョトンとしていた。

 

瀬「買い出し1つで何してんだあいつら!」

 

1-Aのブーイングが起こった時、激しいエンジン音が皆の耳に届いた。

 

ブォーンブォンブォンブォンブォン!キキーーッ!

 

麗「あー!デクくんきたー!」

 

緑谷がドリフトで善彦を止め、皆の元に到着した。

 

緑「ごめんみんな!」

 

善「おまたせやっしゃー!」

 

善彦も変身解除して駆け寄る。

 

耳「遅いバカタレ!準備して!」

 

耳郎が怒鳴りながらクラスTシャツを善彦に投げる。

 

善「うっすー!」

 

善彦はTシャツを受け取ると、ササっと着替える。

 

上「いくぜ佐竹!オレ達のステージだぁ!」

 

着替え終わった善彦は、上鳴から烈雷を投げ渡される。

 

耳「遅れてきたから練習時間無いよ!行ける?」

 

耳郎が腕組みしながら聞く。

 

善「問題、、無し!」

 

善彦が耳郎に親指を立てると、耳郎はフフっと笑う。

 

爆「てめぇらなにほっこりしてんだ!ポンコツバイク!何が問題無しだ脳味噌ポンコツかこらぁ!」

 

ここで爆豪の怒号が善彦に飛ぶ。

 

善「さーせぇぇん、、、」

 

耳「ほらほらいいから準備準備!」

 

耳郎が手をパンパンと叩き催促する。

 

ようやく1-Aの出番が来た。

 

AM 9:59

 

雄英体育館のステージ前は、沢山の人で埋め尽くされていた。

 

ステージの垂れ幕の裏でAバンドが待機している。

 

観客の声が聞こえて来た。

 

「お、お、始まるぞ!」

 

「きたー!」

 

「ヤオヨロズー!」

 

「バイクトリオー!」

 

AM 10:00

 

ブーーという音と共に垂れ幕が開かれ、Aバンドにライトが当てられた。

 

耳郎がマイクの前で深呼吸をする。

 

そして爆豪の声が体育館に響いた。

 

爆「いくぞコラァァァ!」

 

《雄英全員!音で殺るぞ!》

 

爆豪がドラムを叩くと同時に爆炎を上げる。

 

それに続いて皆が演奏を始めた。

 

上鳴と善彦のギター、八百万のキーボード、そして耳郎のベースが鳴り響く。

 

耳「よろしくお願いしまぁぁぁす!」

 

耳郎の声と共にダンス隊も前に出る。

 

長い時間かけて練習した演奏と息ピッタリのダンス隊のダンス、そしてそれらをさらに盛り上げる演出隊の演出。

 

全て練習以上の物が出来上がっている。

 

演奏しながら善彦は思い出していた。

 

転生前の自分の生活、何もなかった日々を、、

 

善(ここに転生したのは、こういうことだったんだな、、全部やり直すためにここに来たんだ、、つくづくありがたい、、そして、、これからもずっと!ここで!)

 

ここで演奏がギターソロに入る。

 

ここで善彦は演奏にアドリブでアレンジを加えた。

 

上鳴が一瞬、驚いた顔でこちらを見たが善彦の顔をみて上鳴もそれに付き合った。

 

善彦は、演奏しながら、泣きながら笑っていた。

 

本人はそれに気付いていない。

 

そして歓喜の声援の中で、Aバンドの演奏が終わった。

 

 




久しぶりで長くなりました、途中でデータ消える等の事故が起き、意識を少し朦朧とさせながら書いていたのでなんかグチャっとしてるかも知れません。お許し下さい(泣)

次は文化祭編ラストと言っておきながら文化祭編オリジナル回です。

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