僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー 作:ガイコッツ
林間合宿2日目、その日は個性を伸ばす訓練が行われた。
内容は個人さまざまで想像を絶する過酷なものだった。
青山は腹痛を我慢しながらのレーザー照射、峰田は頭皮から血が出てもやめられないもぎもぎ、上鳴は延々と電気を放出し、耳郎はイヤホンジャック強化のため、何度もイヤホンジャックを岩に打ち付けていた。
そして善彦もこれからピクシーボブ監督の元、訓練が行われようとしていた。
ピ「君の弱点をラグドールに診てもらったところ、君は燃費が悪いのが弱点みたいなんだよね」
善「はぁ、、燃費ですか、」
善彦は自分では自覚していなかったものの、よく思い出してみると体育祭の時障害物競争で終盤体力がきれたのを思い出す。
ピ「だから、君の訓練は燃費の悪さを解消する訓練をするってわけ! おわかり? それじゃバイクに変身して」
善「はい、、」
善彦は少し緊張気味に頷き、バイクに変身した。
ピ「よーし、じゃああたしが運転するから、その道を通ってね」
そう言うとピクシーボブは善彦にまたがるとハンドルをひねり、訓練場から離れた。
バイクを走らせて数分、着いたのは善彦達が泊まっている宿舎だった。
善「あれ?」
ピ「ちょーっとここで待っててねー」
ピクシーボブは善彦から降りると小走りで宿舎の中に入っていった。
〜10分後〜
ピ「お待たせ〜」
善「えぇ!なぜゆえに!」
戻ってきたピクシーボブは先程までのヒーロースーツではなく、私服の姿で戻ってきた。
ピ「さーごちゃごちゃ言わないでさっさと行くよー!あ、注意だけど、この姿の時はピクシーボブじゃなくて土川って呼んでね」
善「はい、、ピクシー、じゃなかった土川さん、、」
善彦は何がなんだかわからないままに土川にまたがられ、走らされた。
善(なんだこの道、異常にデコボコしてて走りづらい、しかも下り坂だから帰りこんなところ登るなんて話になったら大変だぞ、、)
善彦は砂利や木の根などが多く飛び出た道を走らされ、体力を大きく削られていた。
善(運転してる当の本人は、、)
土「ヒャッホー!たーのしー!」
ピクシーボブ改め土川流子はこの道の運転をすごく楽しんでいた。
善(そろそろ体力(ガソリン)がきれちまう、、)
土「あ、ちょっと曲がるね」
善「え?」
土川は突然デコボコ道を曲がり普通の道路に出る、そして地元のスーパーマーケットの目の前で善彦を止めた。
善「あのー、、土川さん、、もしかして、、」
善彦の脳裏に嫌な予感が浮かんだ。
土「うん、今日の晩御飯のカレーの材料買うよ、君も手伝ってね〜」
善彦の顔をみた土川はねこねこと笑いながら善彦の手をとりスーパーマーケットの中に連れて行った。
善「あーこれが自分の訓練か〜〜〜」
〜1-A訓練場〜
耳「佐竹の姿がない、、そういえばさっきピクシーボブと一緒にどっか行ってたな、、どんな厳しい訓練をしてるんだろう、、ウチも頑張んなきゃ!」
一方善彦は
善「えぇ!このカレールウこんな安いの!自分の住んでいるところじゃ五百いくらするのに、、」
土「ここらは田舎だからね〜物価は結構安いよ〜」
善「うぉぉ!鶏モモがありえないくらい安い!」
地元のスーパーの安さに驚愕していた。
そして大体の買い物を終え、パンパンに膨らんだレジ袋を両手に持った善彦が土川と共にスーパーから出てきた。
善「すごく重い、、」
土「20人分だもんねーそりゃあ重いよ〜」
善「これじゃあ帰りの途中でガソリンがきれないか心配なんですけど、、」
善彦が恐る恐る土川の方を向くと、土川はハッと気づき、レジ袋から何かを取り出し、善彦に渡す。
土「今回の訓練はあくまでも君の燃費を良くすることだからね、これで我慢して」
そう言われて土川から渡されたのは鮭とば一本と野菜ジュース100ml1パックだった。
善「、、、ありがとうございます」
善彦はレジ袋を近くにあった ベンチに置くと、そのベンチに座りポケットからライターを取り出し、鮭とばをライターの火で炙る。
善「鮭とばって、ライターで炙ると、、おいしくなるんですよね、、」
土「良く知ってるね」
善「実家が居酒屋なもんで、、」
か細い声を出しながら鮭とばをもすもすとよく噛んで食し、野菜ジュースをズゴゴと一気に飲み干した。
「さて行きますか」と善彦が立とうと両手を膝に置いた瞬間、善彦の頬に冷たい物が当てられた。
善「ひぇやっ!」
善彦が突然のことに驚き変な声を出してしまった。
土「あははははは! 炙った鮭とばに、野菜ジュースは合わないでしょ? これもガソリンにしな」
善彦の頬に当てられたのはキンキンに冷えたラムネの瓶だった。
善「ありがとうございます、、」
善彦が土川の手からラムネを受け取る、その時善彦達にそよ風が吹いた、土川の髪が風になびき、顔がはっきりと見える。
その時にかすかに見えたピクシーボブ、土川流子の大人の妖艶さに善彦は少し固まった。
土「?どした?」
土川が善彦が固まっていることに気がついた。
善「え?あぁ!いや、なんでもありません!」
善彦はそそくさとラムネを受け取るとビー玉を押し込み、ラムネを一気に飲み干した。
善「よし! ガソリン満タン! 変身します!」
善彦はどこかぎこちない様子でバイクに変身した。
土「?」
土川はそれに異変を感じながらも善彦に乗り、先程通った道を戻る登り坂であり、変わらぬデコボコ道、そして買い物品の重さも加わり、降りた時よりも善彦は体力を使った。
一旦宿舎で止まり、土川流子はピクシーボブに戻り、善彦達は1-Aの訓練場に戻ってきた。
善彦達が戻った時間は皆が訓練を終わった時間と重なり、善彦は1-A側に戻った。
ピ「さァ昨日言ったね「世話を焼くのは今日だけ」って‼︎」
ラグドール「己で食う飯くらい己でつくれ‼︎ カレー‼︎」
ピクシーボブはラグドールと共に前に立ち、普段のテンションに戻っていた。
善彦達は疲労困憊のままカレー作りを行う。
耳「そういや佐竹ってどんな訓練してたの?」
耳郎が善彦と野菜を切りながら話しかける。
善「あぁ、ピクシーボブさん直々のバイクトレーニングだったよ」
善彦が少し言葉を濁しながら耳郎に説明をした。
耳「うへー、厳しそー」
葉「というか佐竹くん手際いいね」
善「実家が居酒屋だからね、料理の手伝いは幼き頃から、、」
善彦は素早い手際でカレーを作った。そしてカレーが完成し、実食に入る。
疲れていた切島や上鳴がガツガツとカレーを食べている横で八百万も静かにたくさん食べているのが皆の目に止まる。
芦「ヤオモモ ガッつくねー!」
八「私の個性は脂質を様々な原子に変換して創造するので、沢山蓄える程沢山出せるのです」
善「そういう事なら!」
善彦が奥のテーブルから何かを滑らせ、八百万の前で止まらせる。
耳「佐竹お前わー!」
善彦が八百万に渡したのはマヨネーズだった。
善「どうぞお使いください、貴女の個性にベストマッチです」
八「そうなんですの?まよ、ねーず、、は」
八百万はマヨネーズを手にとり、細い口のキャップを開ける。
耳「ヤオモモ、かけなくていい、佐竹余計なことすんな」
八「いえ、耳郎さん、ここは私チャレンジしてみますわ、、」
八百万はカレーの一箇所にだけマヨネーズをかけ、カレーとマヨネーズが混ざったものを口に運んだ。
芦「あ! いった! ヤオモモ初マヨ!」
八百万は目を閉じよく味わっている。そしてゆっくりと目を開け、再びマヨネーズを手に取った。
八「美味しいですわー! カレーの辛味をマヨネーズのまろやかさが包みこんでなおかつ酸味で食欲がドンドンわいてきます! こんな調味料があったなんて知らなかったですわー!」
八百万は絶賛するとカレー全体にマヨネーズをかけ、ぐちょぐちょと混ぜてガッついた。
耳「ヤオモモがマヨネーズに、、目覚めてしまったぁぁ、、」
善「マヨは全てに通ずるオールマイティアイテム」
耳「うっせ!」
この後1-Aは入浴を済ませ、次の日に備えて就寝する、近づいてくる、悪の波が迫ってきていることを知らずに。
2日目はこのような話にしましたが
3日目はあの人を変身させます。