僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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行けよ振り切れ飯田君

もう、目の前が真っ暗になっていた。

 

あんな大声で「殺してやる」だなんて生まれて初めて言ったかもしれない。

 

絶望で頭がいっぱいだった。

 

けれど、友の声で光が見えた。

 

友のおかげで、見えなかったものが見えた。

 

体はもう、自由に動ける。

 

飯「はぁ、、はぁ、、」

 

ステインの個性の凝血が解けて、飯田は自由に動けるようになったが、ダメージが大きくて激しくは動けそうにない。

 

ステイン「その体で何ができる、お前は私欲を優先させる贋物にしかならない!英雄を歪ませる社会のガンだ、誰かが正さなければならないんだ」

 

出「飯田君、、」

 

轟「時代錯誤の原理主義だ、飯田、人殺しの意見に耳を貸すな」

 

飯「いや、やつの言う通り俺にヒーローを名乗る資格はない、しかし、ここで折れるわけにはいかない、、」

 

カチャ

 

飯田は、腰にベルトを装着し、ポケットから何かを取り出す。

 

飯「ここで折れれば、インゲニウムは死んでしまう」

 

飯(使わせてもらうぞ!佐竹君!)

 

《アクセル!》

 

出「飯田君!それって、、」

 

飯「変、、、身!」

 

飯田が腰に巻いたアクセルドライバーにアクセルメモリを差し、ハンドルをひねる。

 

ドゥルルン!ドゥルルン!

 

路地裏にエンジン音が響く。

 

エンジン音とともに、飯田の体が赤色の鎧で包まれた。

 

出「飯田君、、まさか、、」

 

轟「お前、、、」

 

緑谷と轟は変身した飯田を見て唖然としている。

 

飯「仮面ライダーアクセル、、さぁ、振り切るぞ!」

 

飯田がステインに向かって走り出した。

 

ス「変身などしたところでお前は贋物に変わりない、なにをしても無、、」

 

ドガァ!

 

ス「!!」

 

無駄と言いきる前に、ステインの体は宙に浮いていた。そして腰あたりには鈍痛が走っている。

 

ス「なに、、一体なにが起きたんだ、、」

 

この事態に、一番驚いているのは飯田自身だった。

 

飯(なんだ今のスピードは、少し走っただけでステインを吹っ飛ばしたぞ、、これが仮面ライダーの力か、、)

 

ス「くっ!贋物が、、」

 

ステインが建物の壁を蹴って跳躍し、刀を抜いて飯田に飛びかかった。

 

出「飯田君!危ない!」

 

飯「!!」

 

ガギィィィィン!

 

金属同士がぶつかり合う音が耳をつんざく、その音に緑谷は目を瞑った。

 

轟「おい、緑谷、、見てみろ」

 

緑「え?、、」

 

緑谷は轟の言う通りゆっくりと目を開ける。

 

ス「お前、、なぜそんなものを、、、」

 

飯「そんなこと、、俺がしるか!」

 

緑谷が目を開けると、飯田がステインの刀をエンジンブレードで受け止めていた。

 

緑「飯田君、、」

 

それを見て緑谷は少しホッとした。

 

飯「くっ!」

 

ギィィン!

 

ステインの刀を弾き返し、ステインとの距離を取る。

 

ス(くっ、いろいろと想定外過ぎる、どこから出てきたんだあの剣は、、しかしあのような鎧に身を包まれては個性は使えない、、)

 

半分に折れた刀を見ながらステインが次の手を考えていた時。

 

ス「!!」

 

ステインの足場が凍り始めた。

 

轟「俺たちの事を忘れてんじゃねえよ、、」

 

轟が地面に手をつき足場を凍らせたのだ。

 

ス「くっ!小癪な、、」

 

ステインが跳躍し、氷結を避ける。

 

轟「今だ!緑谷!飯田!」

 

ス「なに!!」

 

ステインが轟の声に反応して前を見ると、そこにはコブシを構えた緑谷がいた。

 

飯「二人共、、、ありがとう!」

 

ガチャ!

 

飯田がベルトのグリップを握り、アクセルをひねる。

 

飯「はぁぁぁぁぁ、、、、」

 

エンジン音と共に、飯田の右足にエネルギーが溜まる。

 

バッ!

 

飯田も跳躍し、ステインを緑谷と挟んだ。

 

飯「絶望がお前の!ゴールだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

《アクセル!マキシマムドライブ!》

 

緑「スマァァァァァァァァッシュ!」

 

飯田のキックは緑谷のスマッシュと重なり、Aの字が空中に描かれた。

 

ス「に、、せもの、、どもが、、、」

 

ステインはそのまま轟の作った氷塊の上に落ちた。

 

飯田と緑谷は地面に着地し、飯田は変身を解除する。

 

緑「飯田くん、、やったね!」

 

轟「やったな、飯田」

 

飯「あぁ、、ありがとう、二人、、と、、も、」

 

飯田の視界が、突然暗くなり、、その場に倒れた。

 

緑「わぁぁ!飯田君!」

 

飯田はその場で気を失ってしまった。

 

飯田が目を覚ますと、そこは病室だった。

 

隣には赤面しながら麗日と電話をする緑谷がいた。

 

そして飯田はある事を思い出す。

 

飯「緑谷君、すまないが電話を代わってくれないかな?」

 

緑「え?あぁ、いいよ、麗日さん、電話変わるね」

 

緑谷から電話を受け取る。

 

飯「あぁ麗日くん、近くに佐竹君はいるかい?あぁ、そうか、、すまないが、この言葉を、彼に伝えてくれないかい」

 

飯田は少し頬を赤くしながら言った。

 

飯「"ありがとう"と」




次はテスト回です

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