ペルソナ3×仮面ライダーエグゼイド【ゲンムがほぼメイン】   作:K氏

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 おお……何やら評価が赤色になっておる……こんなの初めてでおp……おっぱげた!

 本当に恐ろしいのは、神のネームバリューだぁ……(あの顔)

 あと、一応今回の話では『エグゼイド系列のライダーは肉体を変異させるタイプの変身を行っている』としてますが、どこを探してもそれらしい設定が見当たらないので、違ってたら後で修正します。


社長、ゲンムについて語る。

「さて、あらかたこちら側の話が終わったところだし……話してくれるね? 檀君」

「ええ。元よりそのつもりでしたから」

 

 巌戸台分寮の屋上での戦いから数日後。あの後、巌戸台分寮の路地裏から怪我をした状態で現れた黎斗は、そのまま病院に送られ、つい先日退院した。

 そして今、分寮の作戦室には、ここを拠点とする特別課外活動部――通称『S.E.E.S.』の面々と、退院したばかりの黎斗。加えて、ある素質が分かった事でここに入る事になった伊織順平がいる。

 ミネルバは、港区外のある病院に搬送され、今はいない。帰ってくるのは明日だという。

 

 あの後、プロトスナイプとゲンムが戦闘を行ったものの、用は済んだとばかりにゲンムが逃走。プロトスナイプがそれを追おうとしたが、変身が解除されてしまう。

 原因は、プロトガシャットの持つ強大な力と、そのバックファイア。

 底知れない力を秘めている反面、その代償も必然的に大きなものとなるわけである。

 

 その結果――

 

「じゃあまず聞かせてくれ。あのミネルバという少女は……()()()()()()()()()?」

 

 変身解除時のミネルバの異変に、最初に気が付いたのは最も近くにいたゆかりだった。

 身体から煙を噴き、身体全体から高熱を発しているのが、はたしてただの人間だと思うだろうか。

 そして彼女の肉体を調査した結果、『限りなく生命体に近い機械的存在』という事が判明した。

 単なる人型ロボットならともかく、完全なロボットと呼ぶにはあまりにも生命力を感じる彼女に、S.E.E.S.の面々は困惑せざるを得なくなった。

 

 その後、彼女は黎斗が手を回し、彼の知り合いの病院に搬送された。彼としては、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から。

 

「……正直に言えばどうです? ()()()()()()()()()()、とね」

「そう断じるには、彼女はあまりにも……生き生きとしている。普段無表情なのはともかくとしてね」

「確かに、彼女は特異な存在だ。そして、私は貴方の質問に対し、YES以上の回答をするつもりはない」

「あくまでも、何であるかまでは言わないと?」

「ええ。……ただこれだけは言わせてもらいましょう」

 

 何を? と、幾月は首を捻る。

 

「――彼女もまた、一つの命である、と」

 

 その言葉を言った時の黎斗は、それまでに見た事のないような、柔らかな表情を浮かべていた。まるで、人生で大事なものは何かを悟っているかのような、そんな顔。

 

 幾月は、そんな彼の顔を見て、これ以上の追及は無意味だと判断し、ただ「そうか」と呟いた。

 

「まぁ、ミネルバ君の事も気にはなるが、それよりも先日の戦いの事だ。ミネルバ君が変異……いや、『変身した』と言うべきか。アレは一体何なんだい? あのようなパワードスーツの技術はまだ完成してないはずだし、それにあれは、ゲームをモデルにしているようだったけど? 君の会社は確か、大企業とは言え、単なるゲーム会社だったと記憶しているんだが」

「ああ、俺も気になるな」

 

 そこに口を挟んだのは、S.E.E.S.きってのバトルジャンキー、真田明彦。

 先日、シャドウと戦った際に負傷し、現在は療養に勤めている彼だが、その目には闘争心の炎がめらめらと燃えている。

 

「あの力……見ているだけでも相当なものだな。ミネルバの元々の身体能力がどれ程のものかは知らんが、あれほど動けるんだ。使えばどれだけ強くなれるのか、試してみたくなる」

「俺も俺も! チョーかっけぇジャン!? 他にもあんの!?」

(……チィ、この手の奴はパラドやグラファイトを思い出す……)

『新しいゲームか……心が躍るなぁ!』

『強い相手との戦いこそが俺の生きがい……』

 

 かつて協力関係にあった二人の男との嫌な思い出を脳裏によぎらせながら、それを顔には一切出さず、黎斗は明彦に首を振りながら語る。

 

「……ご期待に沿えないようで申し訳ないのですが、あれはまだ試作段階でして。適正の無い人間が使用するには、非常に危険な代物なのです」

「そうだよ。ミネルバさんが病院送りになったの、見たでしょ?」

 

 ゆかりからの思わぬ援護射撃に、いきり立っていた男二人は「うっ」と唸り、ついでに黎斗は意外そうな顔をして目を丸くする。

 

「……しかしだからと言って、絶対使わせない、というわけでもありません。ガシャットの完成品が出来上がれば、勿論この活動の為に喜んで提供いたしますし、可能なら試作品……プロトガシャットの試験運用(テストプレイ)をお願いするかもしれません」

「……てことは、まだチャンスある!?」

 

 やりぃ! と天高く拳を突き上げ、喜ぶ順平。

 しかし、黎斗とてそのはしゃぐ気持ちは分からないでもない。というより、彼がかつて作り出そうとしたあるゲームは、本来そうした子供の夢を叶える側面も持ち合わせていたのだ。

 

「とりあえず、まずアレがどういったものなのか、というのをご説明――」

 

 と、彼の開発したライダーシステムについて説明しようとした時に、先程から何かを思案していた美鶴が口を開く。

 

「……待って欲しい。君は、君の持つ技術を提供すると言ったが……タダで、というわけではあるまい」

 

 美鶴からの鋭い指摘に、幾月を除く全員は、ハッとした表情で黎斗を見やる。

 当の黎斗はと言えば、相も変わらず人の好さそうな笑みを浮かべている。

 

「ええ。本当は仮面ライダーについて説明が終わった後にでも話そうと思っていたのですが……桐条先輩がお望みでしたら、先にお教えしましょう」

 

 そう言うと、彼は監視カメラのコンソールに歩み寄り、先日の屋上での戦いのビデオを早送りする。

 しばらくして黎斗は、あるシーンでカメラを一時停止する。それは、あの黒いライダー……ゲンムと呼ばれたライダーが現れた瞬間の映像。

 

「このゲンムと呼ばれるライダーですが……このライダーが使用するガシャット、及びゲーマドライバーは、我が社から盗まれた物なのです」

「盗まれた……!? そんな話は聞いた事がないが」

「当然です。不祥事は隠すもの、でしょう?」

 

 何か含みのある台詞に、ゆかりと順平は何のことやらと、頭の上に疑問符を浮かべる。一方で、美鶴、明彦の両名は、ほんの一瞬だがビクリ、と肩を震わせた。

 幾月だけはまるで様子を変えないが――

 

(図星か。そして恐らく、幾月もクロ……()()()()()()()()な)

 

 黎斗もまた隠し事をしているからこそわかる、人が何かを隠しているというサイン。彼からすればまだまだ未熟な美鶴や明彦は分かりやすく、幾月も()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 こういう手合いは、元の世界でもいた。そして自分自身もそうだった。

 

「続けますが、突然我が社からドライバーと、一本のプロトガシャット――『マイティアクションX』を盗み出した奴は、自らを『仮面ライダーゲンム』と、そう名乗ったのです。……全く、わざわざ私の会社の名前を使うとは、舐められたものです」

「なるほど……それで?」

「……ここまで言って、分からない貴方ではないはずだ」

「つまり、そのゲンムという奴の捕縛に協力しろと、そういう事か?」

「お分かりいただけましたか? 勿論、その為には協力を惜しみません」

 

 黎斗はニッコリと微笑み、肯定する。

 

「あー、なんかマイティに似てるなぁって思ってたら、そういう事かぁ……」

「え、どういう事?」

「いやな。多分だけどガシャットって、市販されてるゲームと同じ内容のモンだと思うのよ俺っち。……待てよ?

でもバンバンシューティングなんてゲーム知らないし……てこたぁ、そのガシャットって、もしかして発売予定のタイトルも含まれてる……?」

「素晴らしい!」

 

 順平の珍しい推理に、黎斗は拍手と共に賞賛する。

 

「よくわかったね。そう、プロトガシャットにはそれぞれ、ゲームのデータが入力されている。つまり――先んじてそのゲームを体験する事にも繋がるんだ」

「マジで!?」

 

 これには、順平も諸手を上げて大喜びし、そしてガシッと、黎斗の手を握る。

 

「不肖、伊織順平。黎斗社長のゲーム製作に、是非とも協力させていただきまぁーーすッ!!!」

「ははは、ありがとう……本当に……」

 

 その時、ゆかりの目には奇妙なものが映り込んでいた。

 

 黎斗が浮かべる、普段からは想像もできない程の禍々しい笑みが。

 

 しかし、瞬きをすると、黎斗は普段通りの落ち着いた様子を見せていて。

 「疲れてるのかな……?」と思い込んだゆかりは、この後風呂に入るのも忘れてベッドに飛び込んでしまったとか、していないとか。

 

 




 (ペルソナ要素はちゃんと)ありまぁす!

 しかし、社長の台詞考えるのは楽しいけど、なんていうかこう、心境の描写と言いますか、とにかく難しいですよね!(多分これ読んでる皆分かってる事だけどネタバレになりそうだからとりあえず分かってほしい奴)

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