縁側で茶をすするオーバーロード   作:鮫林

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沙羅双樹を摘んだ日・伍

――円卓でモモンガが「もぅむり、しんどぃ……」と崩れ落ち、死獣天朱雀がそれをよしよしなだめている頃。

 

 

 

 もふもふもふ、と、フェンの首もとに顔を埋める。くぅん、と心配そうな鳴き声。クアドラシルが鼻先をお腹に押しつけてくる。そっと撫でてやれば、嬉しそうにぐりぐりと両目を回していた。

 

 魔獣がしてほしいことだったら、手に取るようにわかる。初めて見る獣でも、どこに触ってほしいとか、走りまわりたいとか、戦いたいとか、何か食べたいとか。優れたビーストテイマーとして生み出された存在なのだから、それが当たり前。

 当たり前、なのに。

 

「んぅー……」

 

 自分の喉から勝手にうめき声が漏れる。随分と疲れた声をしているな、と、どこか冷静な自分がそう思った。

 実際疲れているのだ。肉体的な疲労じゃなくて、精神的な疲労。そりゃあ、ちょっとやそっとのことじゃへこたれないようには創っていただいているけど、なんていうか、もやもやする。

 

 ちら、と少しだけ顔を上げた。巨大樹が見える。至高の御方に造っていただいた居住スペースが入っている、立派な巨木だ。今は、部屋でマーレが寝ている。

 少しでも早く魔力を回復させたいのだと言いつつ、戻ってくるなり弟は部屋に引きこもってしまった。いつものように、わざわざ思いっきり寒くした部屋で布団にくるまっているんだろう。……モモンガ様にいただいたリングを、薬指に嵌めたまま。

 

 嫉妬とか、そういうことじゃない。いや、ちょっとぐらいはしないこともないけど、モモンガ様がマーレのためを思ってして下さったことに、異論を挟む気はこれっぽっちもないのだ。

 

 いや、でも、どうだろう。もしかすると、もしかするとモモンガ様は、女心というものを、あまりお分かりになられていないんじゃないだろうか。

 ううん、そんなことない。アルベドに言われたばっかりじゃないか。至高の御方が為される行動の意味を良く考えろって。きっと、何かしら意味があるに違いない。

 

 けど、考えても考えても、ちっともわからない。ふつう、指輪を誰かにあげるっていったら、妻にあげるのが先じゃないの? と。

 至高の御方を私が思う「普通」というカテゴリに納めることがどれだけ不敬なことかはわかっているつもりだけど、だって、アルベド、見たこともないような顔してたのに。

 

 

 蜥蜴人(リザードマン)の集落を離れて、戻ってきた私達を出迎えたのはマーレだった。ちょうど、ナザリックの隠蔽作業に一区切りついたところだと、嬉しそうに走り寄ってきたのだ。

 敷地内に入ったから、シャルティアとアルベドは武装を解くことが許されていたんだけど。マーレの左手の薬指にリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを見つけたときのアルベドの表情は、それはもう筆舌に尽くしがたいものだった。

 

 素顔を晒しているのにも拘らず、アルベドの顔といったらまるで能面みたいに固まっていて、このままじゃそのうち般若に変身しちゃうんじゃないかって、ひやひやしながら見守ってたんだけど。

 

 まあ、モモンガ様のことだから、アルベドがどんな反応をするのか、わかっておられたんだろうとは思う。実際、心配したほどの騒動にはならなかったわけだし。

 

 

 そう、あの場を収めたのも、死獣天朱雀様だった。

 

 死獣天朱雀様は、ふいにアルベドへと近寄られたかと思うと、一言か二言、ぼそぼそと耳打ちなさって。

 その途端、アルベドの顔には生気がみなぎり、背筋が伸びて、翼がばさっ! と広がった。そして、くる、とモモンガ様に向き直り。

 

 差し出がましいことではありますが、モモンガ様にお願いがございます。守護者統括として、より完璧な仕事をこなせるよう、かの偉大なる指輪を私めにお与えいただけないでしょうか、と、いつもの綺麗な声でそう言った。

 

 ちゃっかりしてるな、とは思ったけど、アルベドの仕事を考えたら、別におかしな言い分じゃない。モモンガ様もそうお考えになったみたいで、快くアルベドに指輪を授けておられた。

 アルベドはリングをもらってすぐ、いそいそとそれを薬指に嵌めた。……()()の薬指に。

 

 それまでの不穏な空気はどこへやら、アルベドはにこにこしながらこれからの予定をモモンガ様に尋ねていた。

 ものすごい変わりようだったのだ。思わずシャルティアと顔を見合わせてしまったくらい。ビーストテイマーじゃなくて、サモナーでいらっしゃると思ってたんだけどな。

 

 

 それから、外に出ていた私達に、少し部屋で休むようモモンガ様がご命令なさって、今に至る。

 

 全然疲れてないのでまだ働けます! そう進言したけど、もう夜も遅いから、とやんわり断られてしまった。

 ご命令なら仕方ない、けど、もっともっとお役に立ちたかった。

 

 守護者の本分は文字通りナザリックを防衛すること。だから、ここに詰めていること自体は不満に思うことはない。当然のことだ。侵入者が来なくて暇なのは仕方ない。来ても来なくても悪いのは侵入者だけ。いつかここまで来たときに、存分にこの義憤をぶつけてやれば良いだけの話だ。

 

 でも、至高の御方々は、もう外で活動を始めておられて、それは私達がたくさんたくさん考えなければ追いつかないようなところまで見通されている計画のうちで、それを。

 私達に何か命じなくても、御二方だけで、済ませてしまわれるのだ。

 

 聞けば、夜の内から既に索敵を始めておられたのだという。シモベの誰にもお命じにならないまま。

 イビルツリーのことも、蜥蜴人(リザードマン)のときも、全部、ぜんぶ至高の御方だけで解決してしまわれる。

 

 文句があるわけじゃない。至高の御方が素晴らしいのは当たり前のことで、誇るべきことだ。

 でも、だけど。

 

 ひとこと、たったひとこと仰っていただければ、なんだってやってみせるのに。もう少しくらい、任せていただいても、いいんじゃないかな、なんて。

 

 ぐるぐる、もやもやと、身の内に澱みが渦巻く。口から嫌な言葉が飛び出してしまいそうになる。

 

 なぜ、イビルツリーの誘導をお任せいただけなかったのだろう。なぜ、このあたりの索敵をお任せいただけなかったのだろう。

 そりゃあ、至高の御方がなさる方が、効率も結果も良いものになるんだろうけど、ナザリックのシモベの中では、私が一番索敵や誘導に優れていると言っても良いはずだ。

 でも、なぜ。

 

 なぜ、頼っていただけないんだろう。

 なぜ、命じていただけないんだろう。

 

 信用を、失っている。

 アンフィテアトルムで聞いた言葉がぐるぐると頭をまわる。

 

 だから任せていただけないのか。

 だからご自身の手でみんな済ませてしまわれるのか。

 

 至高の御方のお役に立てないなんて、そんなものに存在価値なんてないのに。

 存在している、意味がないのに……!

 

 

 

「……よし!」

 

 

 

 ぱっ、と顔を上げて、フェンの背中に飛び乗る。フェンはいきなりのことでちょっとびっくりしたみたいだったけど、すぐに私の意図を汲んでくれて、軽やかに走り出した。

 

 自分の心をわかってくれるのは、嬉しい。当たり前のことだ。私も、御方にとって、そうでありたいと思う。守り支えることが我ら守護者の役目。たとえ力が及ばなくても、より良くあるために考えることをやめて良い理由にはならない。

 

 そして、昔、お茶会のとき、やまいこ様が仰っていた。考えても考えてもわからないときは、余計なことが思考を邪魔しているのだそうだ。

 

 

 『夜中にろくでもないことを考えるのは運動不足!!』

 

 

 まさに至言だ。このところ侵入者が来ていなかったからろくに汗をかいていない。今日だって、周囲の警戒を任されていただけだったから、一緒に来ていた皆ほど運動できてないし。

 

 大丈夫だ。御方々はシモベにできることをちゃんと理解なさっていて、任せて良いところはちゃんとこっちに任せて下さっている。

 頭のてっぺんがぽわぽわと熱い。モモンガ様の掌の感触を思い出した。固い、骨の指が、私の頭を優しく撫でて下さった、温度のないあたたかな感触を。あの薬草は、御方様のお役に立つだろうか。

 

「フェン、もっと! もっと速く!」

 

 風を切って走る。第六階層は広いから、フェンが全力で走ったって、どうということはない。ついでに何周か見回って、異常がないことを確認しておこう。

 与えられた領域を守護することこそ、守護者の役目なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――モモンガが玉座の間でマスターソースを確認し、死獣天朱雀が自室に溢れかえる酒瓶を見て茫然としている頃。

 

 

 

「くふ、くふふ、くふふふふ……!」

 

 喉の奥から、自然と愉悦がこみ上げてくる。身の内に猛るのは、歓喜であり、恍惚であり、抑えきれない無上の幸福であった。

 誰がこの状況を喜ばずにいられようか。伴侶として権利を与えられたのだ。モモンガ様の私室を使う、正当な権利を与えられたのだ!

 

 今日この日ほど、タブラ・スマラグディナ様に感謝したことはない。何らかの意図があってのことかは不明だが、他の守護者達とは違って、私には自室というものが用意されていなかった。守護者統括として特に疑問を感じることなくその事実を受け入れていたのだが、モモンガ様にとってはそれは非常に耐え難いことであられたようだ。

 

 私室で休むように。そう命じられたはずの私が玉座の間で業務を続行していると知ったとき、モモンガ様は激怒なされた。恐れ多くも命令を無視する形になってしまった私にではなく、そもそも「守護者統括の自室」がないことを失念していたご自身に対して。

 なんと慈悲深く、ご自身に厳しいお方なのだろう。感動に打ち震える私に、モモンガ様はお尋ねになった。

 

 すぐに部屋を用意する。どこか希望する部屋はないか、と。

 

 ああ、私の旦那様は少々意地悪であらせられる。そんなもの、ひとつしかないではないか。伴侶として、モモンガ様とひとつ屋根の下で暮らす以外に、どんな希望があると言うのだろうか!

 

 問われた私は必死に捲くし立てた。自らが如何に防御に長けているか、お傍に仕えることでどれだけナザリックの運営が円滑に進むか、そして何より、伴侶としての義務を果たすために同じ部屋で寝ることがどれほど重要なことなのか!

 至高の御方に対してなんとおこがましい、と守護者統括としての私が自分を責める。だがそれも、夫婦としてのメリットを考えれば些細なこと。モモンガ様の後継を得るという最重要任務に比べれば黙殺することになんの問題があろうか。

 

 全力を以って行われた説得の甲斐あって、ああ、だの、うう、だのと唸りながらも、最終的にモモンガ様はその御首を縦に振って下さった。

 けれど、かのお方は意外と照れ屋であらせられるのだろうか。予備の部屋も与えるので、出来得る限りそちらを使うように、とも仰せになった。何故ですか、と、しかめ面を作る私の肩にそっと手を触れて、愛しき支配者は、悪戯を告白するような密やかな声を、私の耳に吹き込まれた。

 

 世の中には、悪い秘密ばかりがあるわけではないだろう、と。

 

 卑怯な方。そんなことを言われてしまっては、一歩引き下がる他ないだろうに。あの方は本当に、どれだけ私を狂わせれば気が済むのだろう。

 

 

 そんなことだから勘違いしてしまうのだ、と、自身の行いを反省する。あのとき、死獣天朱雀様の一言がなければ、あらぬ怒りをマーレにぶつけてしまうところであった。信賞必罰。優れた働きには褒美が必要であることは自明の理だというのに。それを理解できぬようでは、妻としても、守護者統括としても満足な働きはできないだろう。至高の御方の意図を汲むように、とアウラとシャルティアに言いつけたそばからこの様では。

 

「はあ……」

 

 深いため息をつく。喜びからくる充足が半分。もう半分は自身の不甲斐なさへの落胆に。

 現在地はモモンガ様の自室、かのお方の執務室だ。出来得る限り、ということは、我慢できなくなったら来ても構わない、ということ。解釈上なんの問題も無い。

 

 目の前には、大きな旗がある。執務机の後ろにかかったアインズ・ウール・ゴウンの旗。指先で刺繍をなぞる。手袋越しでもわかる、滑らかな絹の感触。

 

 偉大なるギルドの象徴。最後まで残って下さったあの方が、愛してやまないもの。

 

 

――伴侶が愛するものを、同じように愛するのは、当然のことですから。

 

 

 脳内で、あの雌蜥蜴の声が反響する。

 別に、真に受けたわけではない。ただ、一考の余地はある。そう思ったのだ。

 

 とある至高の御方より拝聴したことがある。古より伝わる“こぴぺ”なるものに、夫のものを大事にしなかった妻の末路が書かれている、と。夫のものを勝手に捨ててしまった結果、脱け殻のようになってしまったその人をただただ見ていることしかできない愚かな妻の話。結末は書かれていないが、そのような女の最期など、想像するに余りあるものだ。

 

 ぞわ、と背筋に冷たいものが走る。考えただけでも恐ろしい。もし、モモンガ様がそのようなことになってしまわれたら。何もかもを払い落として、ただそこに在るだけの抜け殻になってしまわれたら。

 

 そのようなことは、なんとしても避けなければならない。私は、心から理解しなければならないのだ。あの方が、何を愛し、何を必要としておられるのか。

 

 

 では、モモンガ様が愛するものとは一体なんなのだろうか。歩みを進めながら考える。寝室の扉に手を掛け、開いた。至高の御方の寝所として相応しい、けれど一人で眠るには少々広すぎるであろうベッドが目に入る。ああ、いつか、ここで……、と脱線しかかった思考を元に戻して、ベッドの上にそっと腰掛けた。

 

 モモンガ様が愛するもの。その内のひとつに、アインズ・ウール・ゴウンそのものが入ることはまず間違いない。ナザリック地下大墳墓を、他の40人の至高の御方を、御方々に形作られた我々をも愛してくださっている。

 それを、同じように愛し守ることについての異存は全く無い。元々守護者統括としてそのように作られているのだ。ナザリックの守護に、繁栄に、心血を注ぐ覚悟などとっくに済ませている。

 

 アイテムボックスから、大きな布と、裁縫道具を取り出した。休め、ということは、好きなことをしても良い、ということ。これも解釈上問題ない。モモンガ様のエンブレムを与えられた自室に飾るために、迅速かつ丁寧に刺繍を施してゆく。

 考えに耽る間の手慰みとしても丁度良かった。

 

 そう、もうひとつ。

 ナザリックの守護という大命を、実際に遂行するにあたって。

 考えなければならないことが、もうひとつあった。

 

 

 死獣天朱雀様のことだ。

 

 

 こちらの世界に転移してきてからナザリックで起こったことについては、すべての情報が私の元に届いている。ナーベラル・ガンマから伝え聞いた話によれば、死獣天朱雀様は昨晩、ナザリックの地表部分から一歩も動かないまま索敵を続けておられたという。八咫烏と霧吹き老女(ミストレア)の他に召喚されたものはない、とも。

 

 しかし、あの白い雌蜥蜴の話を信じるならば、「水の塊が集落に突っ込んできた」のは「深夜」である。その時間帯に、死獣天朱雀様が直接召喚したモンスターなどいないはず。雌蜥蜴が嘘をついているという可能性もゼロではないが、まずメリットが考えられない。あの場において死獣天朱雀様は繋がりを否定したが、それはイビルツリーと我々は“あくまで無関係”ということを示すためだろう。

 

 で、あるならば。

 昨晩蜥蜴人(リザードマン)の集落に降ってきたのは、攻性防壁によって召喚されたモンスターということだ。

 

 私の創造主、タブラ・スマラグディナ様と死獣天朱雀様は友好的な関係を結んでおられたが故に、死獣天朱雀様の攻性防壁についても、いくつか記憶していることがある。

 死獣天朱雀様の攻性防壁によって召喚されるモンスターは大まかに分けて2種類。<次元の目(プレイナー・アイ)>などの監視に対して制裁を行うものと、<看破(シースルー)>によってこちらの特性を見抜こうとする敵を返り討ちにするもの、そのふたつだ。外見から言って、今回イビルツリーを誘導したのは後者だろう。前者が召喚されていたなら、周辺一帯が見る影もなくなっていたことは想像に難くない。

 

 だが、もし、そうなら。

 死獣天朱雀様は、<看破(シースルー)>系統の魔法が使える者を、昨晩のうちに、既に発見しておられた?

 そうして攻性防壁を発動させ、ヘイトを引きつける効果を持った召喚獣を呼び出し、最終的にイビルツリーを所定の場に移動させた、と?

 

 それはあまりにも。あまりにも手際が良すぎはしないだろうか。

 見も知らぬ土地に転移してきてから数時間で、そんなに都合よく看破系統の魔法を使う者が見つかるだろうか。

 

 まさか、とは、思うが。

 

 

 死獣天朱雀様は、最初からこの土地のことを知っておられたのではないか?

 

 

 だから真っ先に外に出て、我々に知られないように索敵を買って出られたのではないのか。

 もしや、ナザリックの転移でさえも、死獣天朱雀様の手によるものなのではないか。

 もし、もしそうならば、私は――!

 

 

 

 ……そこまで考えて、ふ、と一息ついた。

 我ながら、下らない妄想が過ぎる。モモンガ様と合同で立案なされた作戦だということも十分に有り得ることだというのに。

 迂遠に過ぎると思われそうな作戦だが、万が一にも痕跡を残したくないというお心が私には感じられる。至高の御方に相応しい配慮であらせられるというものだ。

 

 されど、と思う。針を刺す。糸を引く。また針を刺す。繰り返し繰り返し、糸を縫いつけながら、死獣天朱雀様の瞳を思い出した。

 

 あの方はどこか、我々と違うところを見ているような気がする。

 確信には程遠い。勘とすら言えないような、薄ら寒い気配。遠く、雨が降る空気を感じた獣は、こんな気持ちになるのかもしれない。

 

 万が一。万が一、死獣天朱雀様が敵になるとしたら。

 あの方の知略に、私は追いつけるのだろうか。

 

 

 

 

 

 




ようやく転移してから24時間が経過。

次回からお食事回へ
多分まだ食べられない

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