斬魄刀――
その形状、能力は死神と呼ばれる存在の魂によって創られる。死神は己に与えられた刀の名を知り、心を通わせることで力を手にし発揮する。
死神と共に生まれ、死神と共に消えゆく。
それが斬魄刀である。
しかし、現代の死神の数は減っていく。そこである者がそれぞれの死神の刀を受け継ぐことになった。本来であれば受け継ぐことなど出来ないはずであったが、研究によりそれが可能になったのである。そして今、それを受け継いだ者はある場所に来ていた。
「……ここが学戦都市アスタリスクか」
死神の力を受け継いだ者は、六花の学戦都市に何をもたらすのだろうか……
***
俺の名は比企谷八幡。星脈世代であり、ある存在を受け継いだ者だ。なんか厨二っぽいが本当だ。本当だぞ?俺はこの学戦都市に来たんだが、どこに行けばいいのか分からん。つまり迷ってしまった。さて、ここからどうするか…
「グオオオォォォォン…………」
どこからともなく大きい叫び声が聴こえてくる。
「……はぁ。やっぱりここにもいやがったか。さて、退治しに行きますかね」
背中に大きい出刃包丁みたいな刀があるのを感じ、声がした方に向かって翔ぶ。
***
今私は骨みたいな仮面がある化物と戦っています。後ろには子供がいる。化物は触手がたくさんあってこちらが防戦一方。せめて子供だけでも逃がさないと…
「ハァッ!!」
得意の技を使い、化物を斬りつけるが防がれ刀を掴まれるが、これを見逃さない!
「今のうちに逃げて!」
「う、うん!」
しかし化物はそれを理解していたのか、触手を子供の方に伸ばす。私は思わず目をつぶってしまう。が、子供の声が聞こえない。その代わりに、誰かの声がした。
「いい加減下がれ。後は俺がやる」
その声が聞こえると私はいつの間にか化物から離れていることに気付く。化物の方を見るとそこには私と同じ制服を着た大きい出刃包丁みたいな刀で斬りつけている男の人がいた。化物は私の刀ではかすり傷程度しかつけれなかったのに、彼の刀で斬られていた。
「う、嘘……」
「おい、デカイの出すから離れてろ」
「え、は、はい!」
彼の言葉通り離れると彼の刀に星辰力が集まりだしていく。そして次第にそれは青白い光を放っていく。
「月牙……天衝!!」
彼の放った斬撃は化物を消した。私はそんな彼の姿がとてもかっこよく見えて、思わず見惚れていた。
「大丈夫か?」
優しい声色で私を 心配している。彼がこちらを向き、近付いてくる。そんな私は顔が赤くなっていることに気付く。
「だ、大丈夫です!」
「そ、そうか。まぁ怪我無くてよかったわ」
私は彼の顔を見る。頭にアホ毛がたっていて顔は整っている。そして私は彼の目に惹かれていることに気付く。この人の目は私は好きだ。全てを見通しそうで、そして私とは違う決意が現れている目。私はそれをじっと見てしまう。そして……
「キュウゥ……」
「へ?あ、おい!?」
私は、恥ずかしくて倒れてしまいました。