インフィニット・オメガバース   作:蓮零

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今回は一夏の登場となります!

ちなみにこの作品では一夏ハーレムは存在しません!

一夏ごめんよ!その代わりに君は主人公の一番の良心であり親友ポジションになりましたから。

今回は主人公のトラウマになった原因が明らかになります。長たらしい文章で綴られていますが、それでも許してください!


それではどうぞ。


第二話 僕の親友とトラウマ話

 

「んっ....」

 

 

あれっ?...僕はいつの間に寝ていたんだろう...?

 

 

どうやら僕はいつのまにか寝てしまっていたようだ....僕は慌てて自分が眠ってしまう前の出来事を思い出そうと起きたばかりの頭を必死になって働かせ始める、ええっと...確か屋上に来てから急いで薬を飲んで..そのあとに....。

 

 

 

「おっ、やっと起きたみたいだな、気分はどうだ?」

 

 

「っ...!?」

 

 

 

ふっと、後ろから誰かに声をかけられた。その瞬間、僕は背筋に冷や汗を流した。それと同時に、僕は反射的に無防備にさらされていた自分の首周りに着けられている黒い首輪を両手で覆い隠した。

 

 

まずい、見られた。どうしょう、オメガ<Ω>だということがばれてしまった。イヤだ イヤだ、脅される、犯される。また....あの時みたいに.....!

 

             

「落ち着け、雪音。よく見ろ俺だ、織斑一夏だよ」

 

 

「えっ...いち..か...?」

 

 

「そうだ、一夏だ」

 

 

そんな風に声の聞こえたほうを振り返ると、一人の黒髪の青年、一夏が心配そうにこちらを覗き込んできた。

 

端正な顔付きに少し崩れた学生服を着こなすスラリとした体型。風か吹く度に小刻みに揺れる切り揃ったサラサラしてそうな短い黒髪。

 

普段は飄々とした印象を持たせるキリッとした瞳が、今は僕を不安そうにそして心配そうに見ていた。

 

あまりの恐怖からパニックに陥りかけた僕に一夏は、申し訳なさそうな表情で声をかけてきた。

 

 

「悪い、いきなり声をかけたら驚くよな。怖い思いをさせてごめんな」

 

 

「イヤ、大丈夫だよ、こっちもごめんね。僕が起きるまで待っていてくれてたんだね...ありがとう一夏」

 

 

「礼なんていいんだよ、俺が好きでやってたことなんだから...落ち着いたか?」

 

 

「うん、だいぶ落ち着いたよ、ありがとう」

 

 

「気にすんな」

 

 

そう言った一夏は僕を安心させるためか、頭をワシャワシャと撫でてきた。もしもここに周りに人がいてこの状態を見られていたとすれば、まるで兄に慰められる弟のような図にも見えなくはないだろう。それはそれで不満しか出てこないが今の僕はその手の温もりに安らぎを覚えるのだった....。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

一夏は僕の幼馴染みであり、唯一無二の親友だ。

 

 

その上に僕がオメガ<Ω>だということを家族以外で知っている数少ない人物の中のひとりでもあるのだ。

 

 

物心付いたころから、家が近所だった為か、自然と一緒に遊ぶことも多かった。いつも明るくて優しく、ケンカをすることも何度かあったものだが、最後にはいつも僕に手を差しのべてくれた。それは今でも変わらない。

 

 

そんな僕と一夏だったがその頃の僕はまだ自分の第二の性を知らなかった状態だった。二年前の春、中学入学を迎える前に僕がオメガ<Ω>だと言うことが判明してしまったのだ。それからは自分がオメガ<Ω>と知られれば一夏に嫌われてしまうのではないかと思い、一夏を避け始めるようになっていた...。

 

 

 

けれど、その一年後の夏休み、事件が起きたー一。

 

 

 

その日の朝から体調がおかしかった。顔は赤く、動悸も激しく、体の奥底から激しい疼きを感じていたのだった。熱を計ってみても高い訳ではなく、もう一度寝直しても、体の調子はおかしいままだった。

 

 

そんな状態の僕だったがお腹は空いていた。あいにく家の冷蔵庫には料理の材料になりそうなものはなく、食べられるものはなかった。親は仕事でいない。冷蔵庫にはなにもない。

 

 

僕は仕方なく外に出るための服に着替え、念のためマスクを装着して家からコンビニへと向かうのだったー一。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

コンビニで買った100円おにぎり2個とペットボトルのお茶が入ったビニール袋を片手に、僕は家までの道のりをあるいていた。

 

それでも、歩いている時に息苦しさや動悸に近いものは止まらずにいたのだった。そんな状態で歩いていてるとふっと、視線を感じた。チラリと盗み目で後ろを見てみると、少し離れた場所から高校生位の二人組の男たちがただ雑談を交わしながら歩いてるだけに見えたが、目線だけは僕の方をまるでそらさずにしっかりと捉えているかのようにも見えた...。

 

 

僕は一瞬、嫌な予感が胸をよぎった。急いで僕はその場から離れようとした...しかし次の瞬間、その嫌な予感は的中してしまった。

 

 

 

「ちょっと、そこの君、少しいいかな?」

 

 

「どうしたの?こんな暑いのにマスクなんて着けちゃって?あっもしかして熱でもあんじゃない?」

 

 

「それは大変だ。君、もし体調悪いんだったら僕達が病院にでも送ってあげようか?」

 

 

「おっ、つよしそれナイスアイディア!」

 

 

僕が立ち去ろうとした瞬間に高校生位の男たちは、まるで僕が去ろうとするのを塞ぐかのように僕の前と後ろに立ち、馴れ馴れしく話かけてきた。この人達は一体...?

 

 

「... いえ、もう帰るので僕は平気です。家も近いので遠慮させていただきます。」

 

 

「まぁ、そう堅いことなんか言わないで、体調が悪いなら無理することなんてないんだよ?だから早めに行って診てもらったら?僕達は悪い人なんかじゃないからね...」

 

 

「そうそう、君もさぁ、辛かったら頼りなって!」

 

 

「別に辛くなんてありませんが....」

 

 

むしろあなた達の相手をしている方が精神的にも肉体的にも疲れるしツラいだけなんですが・・・。とは言う訳にもいかず、僕は無理矢理男たち二人の間から帰ろうとした。しかし、何なのか男たち二人は去ろうとする僕の腕を掴んできたのだ。

 

 

「何ですか、急に!離してください!!」

 

 

「うるせぇ!人が気をつかってやってんのに下手に出てみれば直ぐに逃げようとしやがって!!俺たち二人はアルファ<α>だぞ、黙って言うことを聞きやがれ!」

 

 

どうやら片方の男は絶対的な『第二の性別主義』者のようだ。掴まれている腕に力を込められ、僕が逃げられずにいると、もう一人の男が僕の腕を掴む男の肩に手を置いて諭すように言ってきたのだ。

 

 

「まぁ、落ち着けよひろや、なぁ君、俺たちがアルファ<α>って言うのは嘘じゃないよ?俺としてはこのまま暴力沙汰にはしたくないからね。それにね...」

 

 

そう言いながら物腰が丁寧で胡散臭いもう一人の男が僕のそばに近づくと、僕の耳元で僕を絶望の縁に叩き落とす恐ろしいことを言い放ったのだ。

 

 

 

「君、オメガ<Ω>でしょ?」 

 

 

 

「なっ...!?」

 

 

 

なんで、それを....!?

 

 

「なんでって顔してるね...分かるよ。だって君からは今まで会ったオメガ<Ω>の中で他のオメガ<Ω>よりも何十倍もの甘い香りがしてきたからね。これでも今、君を孕ませたくて堪らないくらいだけど、なんとか我慢してるんだよ?」

 

 

「でもさぁつよし、オメガ<Ω>だったら普通は首輪してる筈だろ。なんでコイツはしてねぇんだよ?」

 

 

「多分、彼が発情期にまだ入っていなかったからじゃないかな?オメガ<Ω>の場合は発情期に気がつかない人もいるらしいから大体の人は始めての発情期を体験したあとに首輪を着けてるらしいからね」

 

 

「ふぇ~相変わらず何でも知ってるよな、つよしは」

 

 

「誉め言葉をどうもありがとう」

 

 

 

目の前の男二人が会話を繰り広げている内容なんかよりも僕はずっと強い衝撃を受けてしまっていた。

 

 

 

甘い香...り?孕ませた...い..?まさか、今朝から動悸や息苦しさを感じてた理由って・・・!!

 

 

                . .

そう思ったと同時に僕はこれからソレが起こるかもしれないという恐怖と不安感から、体が動けなくなってしまっていた。

 

 

そんな僕の心情を見抜いているかのような表情で、そして獲物を逃すまいとするような瞳で男は僕を見てきた。すると、もう一人の男の方に目配りをしたと思ったその瞬間ーー。

 

 

 

 

ガシャン!

 

 

 

僕は腕に手錠をかけられたのだった。

 

 

 

「なっ...!?」

 

 

「あー、大声出すんじゃないぞ、あげたらお前の首筋に噛みつくからな。」

 

 

「とりあえず、すぐ近くまで来てもらうからね。ーー声をあげないことは自分の為だと思った方が良いよ?」 

 

 

「ぐっ....!」

 

 

 

僕が為すすべを無くしたと分かったのか、男二人がニヤニヤしながら、僕の両隣から僕の手元を隠すようにして歩き始めた。僕は不安と恐怖に体を強ばらせながらも、抗うことが出来ず、ただ男達の脅迫の言う通りにするしかなかったーー。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

僕が連れてこられたのはどこか懐かしさを感じさせる公園だった。....あれっ?この場所は....昔、どこかで...?

 

 

そうだ、ここは昔、一夏と一緒に遊んだ場所だったけ、懐かしいな...。

 

 

あまりの恐怖かそれとも懐かしさからか、そんな風に現実逃避をするかのように思考の海へと僕は逃げかけていた。しかし、男二人組は公園の中に入ったと思えば、その公園内にある古びた用具倉庫のなかへと僕を無理やり連込んだのだ。カビ臭さが残る用具倉庫の中にあったホコリ塗れのマットの上へムリヤリ押し倒された。

 

 

「ひろや、誰も入って来ないように外を見張っといてくれ。しばらくは出てこないからな」

 

 

「りょーかい!でもその代わりうなじを噛んだりしたりすんなよ?次は俺が犯すからさ!」

 

 

「分かってるって。取りあえず早く外で見張ってくれよ?俺、今結構限界が来ててね」

 

 

「ヘイヘイ」

 

 

そう言って、片方の男は倉庫の外へと出ていった。すると残った男は限界が来たのか、上の服を脱ぎ捨て、ズボンを脱ぎ下着一枚の姿でこちらの足を持ち上げてきたのだった...。その目はまるで理性などもない。ただ、己の欲望を充たしたいという飢えた獣のようにも捉えられた。

 

 

恐い、とそう思った。心には嘘を付けられる余裕など、僕には出来なかった。

 

 

それでも僕は抵抗の意思を見せるためそして恐怖を直隠す為に、男を睨みつけた。

 

 

「離せ...よ!!こんなこと..して....自分がどうなるのか...分かんないのかよ!?」

 

 

「こんなこと?ーーあぁ俺が無理矢理君を犯して貞操を奪って、最後には君が警察に訴えるっていうシナリオのことかい?....実は俺には平気な方法が一つだけあるんだよね」

 

 

男はまるで僕の反応が予想通りだと言わんばかりにクククッ、と不敵に笑い出した。

 

 

「はぁっ...!?」

 

 

何を言ってるんだと思った。こんなひとを脅迫して、倉庫に連れ込んでレイプしても平気な方法がある....!?ふざけんな、そんな方法があるわけ....!!

 

 

「あるんだよね、こちらとしては都合がいいんだけど」

 

 

「…どうゆう意味だよ....。」

 

 

「僕が犯しても平気だっていったのは君がオメガ<Ω>だからだよ」

 

 

「そんなことが理由になるわけが….!!」

 

 

「首輪なし、発情期、そして君には番がいない・・言ったことの意味は君なら良くわかるだろ….?」

 

 

その言葉は僕の思考を止まらせるのには充分だった。

 

 

 

「分かったなら、黙って俺に抱かれろ、逆らったら君の首筋を噛むからな」

 

 

そう言った男は無理矢理僕の唇を奪った。口の中に自分のものではない舌が動き回り、僕の口を支配してくる。とてつもない嫌悪感と恐怖心に心がすり減る気分だった。

 

 

イヤだ、イヤだ、恐いよ、孕みたくなんてない。誰か助けて…!お願いだからだ…!

 

 

男は僕の服を無理矢理脱がせてきた。倉庫の中の為に、薄暗く、手錠をされているため抵抗も難しい。相手の姿もぼんやりとしか見えない。

 

 

僕はもう思考を放棄しかけていた。そして男が僕の下着を脱がせようとしたその瞬間ーー。

 

 

 

 

 

「おい待て、テメェ一体何の用……ガハッ!!?」

 

 

 

 

 

ドゴーーーンッッ!!

 

 

 

 

 

外からの凄まじい衝撃音が耳に響いた。

 

 

 

僕の放棄しかけていた思考を戻すのには充分なことだったようで思わず音のした方を見た。すると、しめきられていた倉庫の扉が勢い良く開かれた。

 

 

 

 

扉を開けた人物は・・・一夏だったーー。

 

 

 

一夏は僕の上に跨がっている男の姿を見るや否や、怒りの表情で男に飛びかかった。そして相手を気絶させるまで殴り続けた。男の方は反撃の余地も与えられずに気絶した。一夏は僕の無事を確認するように急いで僕に話かけてくる。

 

 

 

「雪音、大丈夫か!!怪我とかはしてないか!?」

 

 

「いち...か?、どうして君がここ....に?」

 

 

息を切らしながらも僕のことを心配してくる親友に思わずそんなことを聞いた。

 

 

「つい先、携帯に差出人不明のメールが届いたんだよ!読んだらお前が二人組の男に何処かに連れていかれたって書かれてて、お前が連れてかれた場所の名前とその二人組の男たちの顔写真が付いていて・・・!」

 

 

それを聞いた瞬間、僕は身体中に力が入りきらなくなり、一夏の胸に体を預けた。助けられた安心感と犯されかけた恐怖心が僕の中に同時に襲った。そして僕は一夏の前にも関わらず、涙を抑えることが出来ないのだった。

 

 

一夏はほんの一瞬、戸惑った表情をしたが、それでも涙が止まらず嗚咽ばかりを吐き続ける僕の頭をまるで家族にするように優しく撫でてくれた。

 

 

 

「僕は...自分がオメガ<Ω>だってことを知られるのが怖かった、一夏に...嫌われることが...イヤだったんだ...本当にごめん...。」

 

 

すると一夏はそんなことを言われるのが意外だったのかキョトンとした表情になった。すると、表情はすぐに笑顔に代わり、泣き続けてひどい顔になっている僕のほっぺたを摘まんできた、あまりのにも予想外な出来事にこちらの方もキョトンとしてしまった。

 

 

 

「ふぇ、いひはなにふぁ....?」

 

           ・・・

「よく聞けよ雪音。俺がそんなことでお前を嫌いになる?アホか、何年一緒にいたと思ってるんだよ。そんなもので俺たちの友情が壊れる?一緒にいた時間が無駄になる?....バカを言ってんじゃねぇよ!」

 

 

一夏は僕が目逸らさないように顔を固定させながらも、その真っ直ぐな瞳で、僕に自らの強い気持ちをぶつけて来た。

 

                 

「オメガ<Ω>が何だ!!俺が見ているのはオメガ<Ω>のお前じゃなくて、ずっと一緒にいた親友のお前だ!そんな事で大切な親友を捨てるほど、俺は薄情な人間じゃない。だから雪音、覚えとけよ....」

 

 

そして、このうえないくらいの強い意思を灯した表情になり、僕に宣言したのだった。

 

 

 

「俺は絶対にお前の親友であることを今ここで誓う...だからもう、独りになろうとすんな....っ」

 

 

そんな一夏の瞳から一筋の雫が頬に伝う。一夏は泣いていた。まるで、言葉にできない思いを涙が代わりに語っているかのようにも僕は見えた。そうして僕たちは二人して泣き続けたのであった。僕らが離れていた時間を埋めるかの様に....。

 

 

 

ーー蝉たちが騒がしく鳴き続けるある夏の日、それは、僕にとって一生消えないトラウマと己の第二の性を呪うことを心に刻み込まれた日、そして幼馴染みとの確執を無くし自分が心から信頼できる親友を得れたそんな日でもあったのだーー。

 

 

 

 

あれから一年と数ヵ月、僕達は平和に過ごしていた。

 

 

あの後、僕は一夏の家に保護され、一夏の通報により、男二人組は警察へと引き渡された。噂では未成年と言うことで刑務所行きは避けられたそうだが、学校を退学し、ここではない遠い場所へと家族ごといなくなったそうだが、実際のところは謎のままである。

 

 

一方で僕に起こった出来事を両親に報告すると、母さんは僕を力いっぱい抱きしめ、「無事でいてくれて、よかった...っ」と震えた声で僕を心配してくれた。父さんは無言で僕の頭を撫でてくれた。それが僕には堪らなく心に染み込んだのだった。

 

 

一夏のお姉さん、千冬さんにも起こったことを一夏は報告をしてくれた。一夏が言うには、話を聞き終えた後、まるで能面を被ったかのような表情で真剣を持ち出して何処かに行こうとしていた千冬さんを止めるのに命がけになったそうだ。そんなに心配してくれたんだと不謹慎だが少し嬉しくなっている自分がいたことは内緒だ。

 

 

そんな事件が起こった後でも、学校側には事件のことは伝えてない。これは家族や織斑家が僕の学校での立場をなくさないようにとしてくれた配慮が大きかった。未遂とはいえ、学校のみんなにまで知られたくはなかった。

 

 

 

一夏はああ言ってくれたが、やはりオメガ<Ω>に対しての世間からの認識は差別や偏見なものが多いのだ。さらに10年前、に女性にしか乗れないというISというバワーハンドスーツの登場の影響でか、世界はあっという間に女尊男卑の世界に浸透してしまい、その中でも男性のオメガ<Ω>の立場は圧倒的に弱くなってしまった。

 

 

 

それでも、ISの存在を嫌いにはならなかった。作った人がそんなつもりじゃないことは知っているし、なによりも、今は側にいない、開発者である幼馴染みのお姉さんが宇宙に行きたいと言う夢を楽しそうにそして、嬉しそうに自分に語ってくれた顔が今でも記憶の中に残っているからだろう。オメガ<Ω>であることをを隠すのは正直辛いがそれでも普通の日常を過ごすために努力をする。

それが僕に出来る唯一のことだからーー。

 

 

 

「ねえ一夏。もしよかったら今日は僕の家でご飯でも食べに来ないかい?」

 

 

「えっ、いいのか?今日は親御さんがいるんじゃ...?」

 

「どっちも仕事で忙しくて明日帰って来るってよ。それに、一人でのご飯だと味気もないしね」

 

「そこまでいってくれるんなら喜んで!雪音の料理はうまいからなぁ、千冬姉に教えてあげて欲しい位だぜ。」

 

「一夏の方が料理うまいじゃないか....」

 

 

そんな風に軽口を叩き合いながら僕たちは笑いあった。

 

 

こんな風に平和で当たり前に、そして大切な人達と笑いあえる日常が続くことを僕は密かに、そして強く心に願うのだったーー。

 




とりあえず、書き切った感が半端ないです

本当は昨日の内に投稿をしょうと思ったのですが、5000行を越えたときに間違って消してしまい、そのショックから一日遅れてしまいました。

読んでいてくださる方には大変申し訳ないと思っております。それでも自分なりのペースでこの作品を更新し続けて行きますので、応援もしくは感想やお気に入り登録など、少しでも読んで面白いと思ってもらえるように頑張っていきます!


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