──某国、深夜。人の姿が殆どなく、寝静まった住宅街の一角に一台のクルマが停止した。
停止した車は、見るからに一般人が乗る物ではないと分かる黒塗りの高級車。その車内から、SPらしき黒服の男達と髪の毛に白髪の混じり始めた一人の男性が降りてくる。
「…皆、今日もご苦労だったね」
「いえ。それよりもまだここは外です。最後まで油断なさらぬようお願いします」
「あぁ、分かっているさ」
男達に警護される形で降車した男性は労いの言葉を口にするも、黒服は誰一人として表情を崩す事なく警護を続ける。それに対して男性は、仕事上致し方ない反応か…と苦笑を零した。
国の有力者…それも一般には周知されない側での立場を持つ彼にとってそれは、ありふれた日常の出来事。昔は居心地の悪かったこの扱いも今では慣れ、今日も何事もなく自宅へ着く……そう思っていたところで、彼は十字路から現れた一人の少女を発見した。
「……うん?」
「…………」
「…お下がりを、このような時間帯に出歩いているなど信用なりません」
「あ、あぁ…君、どうしたんだい?もしかして私に用事かな?」
彼とほぼ同時に気付いた男達は、少女に対して即座に警戒を向ける。しかし怪しいとは思いつつも何か事情があるのでは、と思った彼が落ち着いた口調で問いかけると、少女は小さく頷いた。そして反応を返してくれた事によって彼が警戒心を一段階下げ、更なる質問を口にしようとした瞬間……少女の姿が、彼の視界の中でブレた。
「え……?」
「うぐ……ッ!?」
「……!その少女を取り押さえろッ!」
姿がブレた事に驚く彼だったが、先頭にいた一人が倒れた事で…先程まではそこそこ遠い距離にいた筈の少女が、いつの間にか倒れた男の正面にいた事で、彼は全てを理解した。少女は普通の人間ではないのだと。その少女は…自分に差し向けられた刺客なのだと。
普段通りに終わると思っていた一日が崩壊し、茫然自失となる男性。だが警護の者達はそうではない。真っ先に動いたのはリーダーの男であり、その男の指示を受けた他の男達も反射的に行動を開始した。
「貴様何者だ!どの派閥だ!誰に雇われた!」
「…………」
「ぐっ……こいつ、強い…ッ!」
隠し持った特殊な拳銃やナイフを引き抜き、男達は護衛対象へと目を向けた少女へ応戦を開始する。引き抜きから間髪入れずに数発の弾丸が少女へ向けて放たれたが、それを少女は手にした二振りのナイフで斬り払い、側面から踏み込んできた一人も逆に蹴り飛ばしてしまう。
少女が普通の人間ではないように、男達もまた普通の人間ではなかった。だが思考力や身体能力に差があるように、普通の人間ではない者達…霊装者の中でも能力には差があり、この場において最もそれに恵まれていたのは少女だった。
「怯むな!幾ら個としての力があろうと、所詮は一人だ!対応力には限界がある!」
ただそれでも、実力に圧倒的過ぎる程の差がない限りは個の質を頭数という量で補う事も出来る。そして実際に男達が包囲し徹底的に攻撃を潰す策を取った結果、少女の勢いはそこで殺されていた。無論それもどこまで続くかは怪しいものだったが、男達の使命は警護対象を守り抜く事。つまり少女を倒す必要はないのであり、時間が稼げれば十分とも言える。
部下が時間を稼ぐ中、リーダーは男性を再び車内の座席に座らせ自身も運転席へと向かう。車を発進させてしまえば、取り敢えずは何とかなる。そう男達が思っていた瞬間……風を切る音と共に、一発の弾丸が少女の足止めをしていた一人を撃ち抜いた。
「……ッ!?狙撃だと…ッ!?」
「ど、どこから…ぐぁっ!」
暗い深夜の住宅街で放たれたのは、正確無比な一撃。少女の強襲には反応出来た男達もそれには流石に驚きを隠せず、その間にまた一人が少女の手で斬り裂かれる。
複数人がかりで無ければ足止め出来ない少女と、それを許さない闇夜からの狙撃。そして両者の巧みな連携によって男達は次々と倒され、あっという間に残る護衛はリーダーただ一人に。
「…くっ…まだだ、まだ結果は決してはいない…!」
発車の直前でタイヤを撃たれ、動けなくなった車に向けて少女が静かに近付く中、リーダーはフロントガラスを突き破って突進をかける。それには少女も驚いたようで勢いのまま車から距離を取らされるが、少女自身に怪我はない。
押し飛ばした少女へ向けて、リーダーは引き抜いたナイフを突き立てようとする。その瞬間にまた狙撃が放たれ、彼は本能のままに振り向きナイフを振るった結果弾丸の両断に成功したが……その奮戦も、これまでだった。
「……く、そッ…」
振り向いている間に背中を刺され、少女を睨みながら意識を失う男。少女はその様を一瞥するだけで何も言葉は発さず、真っ直ぐに車へと向かった。……彼女の標的である、男性を始末する為に。
「……万事休す、か…」
男性には逃げるチャンスがあった。だが逃げなかった。それは人知を超える力を持つ警護の者すらこうもやられてしまったのだから、普通の人間である自分が逃げ果せる筈がないと、諦めの境地に至ってしまった為。
「…………」
「…私を殺すつもりかい?」
「…………」
後部座席の扉を開けた少女へ、男性は問いかける。口にした問いに反応は無かったが…その無言は肯定を意味しているのだと、自然に男性は理解出来た。それから、彼は少女の瞳を見て…呟く。
「…君が、まだ若い君が、こんな事をするべきではないよ。きっと君にはそうせざるを得ない事情があるのだろうけど…それでも私は、そう思う」
「……そう。確かにこれは命令された事。でも、従っているのは…わたしの意思」
「…そうか……」
悲しげな口振りが彼女の心に何かしらの影響を与えたのか。…そこで初めて、少女は口を開いた。そして……
「お疲れ様です。想定より少々護衛が強かったですけど…怪我はないですか?」
「うん。思っていたよりは手練れだったけど、許容範囲内」
「ですよね。じゃあ、帰還しましょうか」
車から離れた少女のインカムへ、少女とは別の女性から通信が入る。それを受けた少女の顔はほんの少しであるものの緩み、住宅街のある方向……彼女へ的確な援護を行った狙撃手のいる方向に向けて首を縦に振り、二本のナイフをしまってその場を後にする。
生者がいなくなった事で静まり返った、住宅街の一角。この日彼女等は指令通り……目標の始末を、完遂した。
*
綾袮さんがその話を俺にしたのは、かなり唐突の事だった。何となく思い付いただけかな?とか脈絡なくぱっと思い出したのかな?…と思う位に、唐突に。
「アメリカイギリス中国ドイツ、ロシアにフランスにイタリアに…とにかく色んな地域の色んな国に、霊装者はいるんだよ」
「は、はぁ……」
もうクーラーもないと辛いなぁと思いつつある、ある日の夜。夕飯で使った食器を洗ってリビングに行くと、そこでは綾袮さんがどこから持ってきたのか謎なホワイトボードを用意して待っていた。で、雰囲気を察してソファに座ってみると…何の前置きも無しに、説明が始まった。
「日本の協会と同じように各国でも霊装者による組織ってのはあって、そんなにしょっちゅう関わる訳でもないけど、組織同士は基本情報や技術を共有し合ってるんだ。…でも、その関係もまだまだ出来て数十年程度。その前は……」
「…戦ってたんだっけ?」
「そう。第二次世界大戦の時に、普通の戦いの裏でね。…あの戦いは凄惨だった……」
「いや大戦の時はまだ綾袮さん生まれてないでしょ…千嵜じゃあるまいし…」
今のはどう考えたってボケだけど、ボケだからこそ俺は呆れつつもしっかりと突っ込む。処理されないボケなんて、虚しいだけだからね。
「あはは。…こほん、おじー様達その時代を生きていた人達は国の決定に従って、ドイツやイタリアと組んで連合国の霊装者と戦ってたの。霊装者が世界大戦に戦力として参加する事になった理由もちゃんとあるんだけど…それは本題じゃないから置いとかせてもらうね」
「あ、そう…(うーん、やっぱ霊装者絡みとなると知識もちゃんとしてるなぁ…近代史は得意なのかも…)」
「…で、分かってると思うけど大戦で日本は降伏したから、おじー様達も負けを受け入れざるを得なくなったんだって。…まぁ、実際には『霊装者が国の戦争の道具にされるなんて…』って考える人も結構いたみたいで、そういう人達からすればどっちかの国の霊装者組織が壊滅する前に終戦してくれてよかったらしいんだけどさ」
「…そうなんだ……」
「あ、結構ヘビーな話になると思って声のトーン落としたね?じゃあここで問題!古来から最も強いとされている霊装者の組織があるのは、一体どこの国でしょう!」
「え、何故唐突にクイズを……ってこの展開、何かデジャヴが…」
車のカーブならどっかしらに頭を強打しそうな位、話の雰囲気を急転換させた綾袮さん。…で、このデジャヴは…あー、あれだ。初めて魔物に襲われた時も、説明の途中で綾袮さんがクイズを入れてきたんだ…ほんとに愉快な事が大好きな人だよ…。
「どうどう?どこの国だと思う?」
「どこの国って…ノーヒントで三桁を超える選択肢の中から当てるなんて困難過ぎるんですが……」
「そう言わずに考えてみてよ。当たったらちゅーしてあげるからさ」
「え……ッ!?…ま、マジで……?」
「うん、妃乃が悠弥君にね!」
「じゃあ俺全く関係ねぇじゃねぇか!しかもそれ綾袮さんに決定権ないよねぇ!?」
「あー、顕人君ってばがっかりしてる〜♪」
「何語尾に音符付けたんだ!男をそういう方面でからかうと後で酷い目に遭うぞ!」
「酷い目?…え、そういう事する気ならわたし普通に顕人君の事嫌いになるよ?」
「うぐぐ……」
騙されて、からかわれて、挙句マジトーンで牽制される。…今の俺は、完全に綾袮さんの手の平の上で踊らされていた。……いつかほんとに痛い目に遭わせてやる…前やった辛い物中心の夕食にする的な、後になればお互い笑い話に出来る程度の事で…。
「はふぅ、ほんとに顕人君は面白いね。それでどこの国かは予想付いた?」
「だから無理だって…って言っても、綾袮さんは教えてくれないんだろうなぁ…」
「それが分かってるなら、顕人君は綾袮ちゃん検定二級は合格出来るね」
「何そのどこで役立つのか謎の検定…しかもまぁまぁ高いし…」
「あ、因みに級の上に段があるタイプだからまだまだ先は長いよ?」
「そうですかい…ふーむ、人口的に考えればアメリカ…じゃなくて中国っぽいし、イギリスやフランス辺りの宗教や魔術云々の話が根強い所が関わってそうな気もするし…いや待て、何も先進国にあるとは限らないか……」
望みの薄い方に賭けるよりは、当たりっこなくても考えるだけ考えて回答した方が綾袮さんも満足して話を進めてくれる筈。そう意識を切り替えた俺は、頭を捻って考えてみる。
「…真剣に考え始めたね…でもそこまで真剣に考えるとは思ってなかったよ……」
「…うーん…やっぱり選択肢が多過ぎるのがネックだ…まずは仮定でも立てて選択肢を減らさないと……」
「えと…一応言うけど、試験じゃなくてクイズだからね?あんまり深く考えなくてもいいんだからね…?」
「消去法で…加えて可能性も考慮に入れて…ぶつぶつ…」
「……顕人くーん…?」
綾袮さんの事だから、恐らく…いや確実に当てようが外そうが今後の話に影響はしないだろうし、ましてや景品なんてある筈もない(…って、さっきの段階で気付けよ俺…!)。…けど、考える以上は当ててみたいし、何だか大きな謎の推理をしているみたいでちょっと楽しい。そう思った俺は、考え始めると次第に思考が深まっていき、いつの間にか本気で考え抜いて答えを導こう…って気分になっていた。…けど、それは綾袮さんにとって望まない流れだったのか……
「……正解はっぴょー!」
「えぇぇっ!?」
……俺の回答を待たずして、正解発表フェーズに移行してしまった。
「一番強い霊装者の組織は、なんと……」
「いやちょ、ちょっと待ってよ!?回答は!?俺言わなくていいの!?」
「…だって、一人でぶつぶつ考えてるのを待つのはつまらないし…」
「酷ぇ出題者だなぁおい!自分勝手か!」
「わたしは楽しく進めたかっただけだもん!…回答したかった?」
「…いや、もういいよ…まだ浮かんでないし、発表して…」
「はいはーい。じゃあ……」
開き直る綾袮さんに、俺は今日もげんなり気味。ここでこれ以上体力を使うと最後まで身体が持たない気がすると思って発表を頼むと、綾袮さんは軽快に返事をして…下を指差した。……えーっと、それって…
「……地底国家…?」
「いや違うよ…ここにきてまさかの天然ボケ…?」
「や、やっぱ違うのか……じゃあ…日本、って事…?」
「うん、そう」
「……そうなの?」
「そうなの」
正解は地底国家ではなく、日本のようだった。へぇ、そうだったのか。日本って凄いなぁ……って、いやいやいや…。
「待って綾袮さん…別に疑ってる訳じゃないけど、俺いまいち納得出来てない……」
「うーん、そんな事言われてもそうなんだし…あ、一応言うけどこれはあくまで強いと『されている』だからね?別に他国から過剰評価されてるって訳じゃないし、理由はちゃんとあるんだけど」
「理由?」
「…日本はね、霊装者のルーツなんだよ」
取り敢えずおふざけパートは終わったらしく、綾袮さんの表情が真面目なものに戻る。それと同時に発せられた言葉の中に、幾つか気になるものもあった。当然一つは『理由』であって、もう一つは…ルーツ。
「ルーツって…つまり、霊装者は日本発祥だって事?」
「そういう事だよ。って言っても、霊装者が生まれたのは日本が日本って呼ばれるようになったのより前だけどね」
「ならかなり前なのか…いや元々何百年何千年って歴史があるんじゃないかなとは思っていたけど…」
何となく、ほんとなーんとなく霊装者は滅茶苦茶昔から存在してるんだろうなぁと思っていた。勿論それは根拠なんてなく、創作において歴史の影に存在する組織は大概昔からあるからという安直な理由なんだけど…この分だと、俺の予想よりも前から存在してるのかもしれないぞ…?
「最初の霊装者は誰で具体的にいつ生まれたのか…ってとこまでは流石に不明なんだけど、霊装者の発祥が日本で、日本から世界各地に広がっていったってのが今一番有力とされてる説なんだよ。で、多分わたしと妃乃のどっちかが始祖の直系なんだ〜」
「……今凄くしれっと物凄い事言ったね…ええと、それは宮空と時宮のどちらかが…って事?」
「そのとーり。ま、もしかするとどっちもかもしれないけどね。初代宮空と初代時宮が血縁関係だって可能性もなくはないし、初代じゃなくてもどっかで交わってる可能性はあるし」
「その場合だと、綾袮さんと妃乃さんは親戚になるね」
「なるよ?でもそれは今更かなぁ。だって元々わたしと妃乃は家族同然だからね!」
自分か幼馴染み(又は両方)が霊装者の始祖の直系かもしれない、という中々にインパクトのある話はさらーっと流したのに、妃乃さんとの関係についてはにぱっと笑顔を浮かべて力説する綾袮さん。……ぶっちゃけ俺は、綾袮さんと妃乃さんが付き合ってると言われてもあんまり驚かないと思う。
「…で、要は宗教とか武術と同じように、起源って事で他国から一目置かれてる…ってのが日本の立ち位置なの?」
「それで合ってるよ。でもさっきも言った通り、日本が一番ってのは過剰評価ではないんじゃないかな。わたしもこれまで色んな国に行ったり色んな国の霊装者と会ってきたりしたけど、わたしより強そうな人なんて殆どいなかったもん」
ルーツ=最も優れている、ではないけれど、ルーツだからこそ他より歴史が長い(=多くのものが蓄積されている)事や母数の多さで優位に立っているというならそれは普通にあり得る話。個々人の能力の質に関してはルーツ関係無い気もするけど…数多くの霊装者を見てきた綾袮さんが言うなら、少なくとも全くもって違う…って事はないんだろうね。
「でも、日本がルーツってのは驚いたよ。それが分かったからって何か変わる訳じゃないんだけどさ」
「ルーツだからって調子乗っちゃ駄目だよ?顕人君の言う通り、ルーツってのはあくまで『箔』でしかないんだから」
「調子に乗るもなにも、俺が知ってる霊装者は皆日本人なんですけど…」
皆自分と同じ国の霊装者なのに、一体誰に対して調子に乗ればいいと言うのか。「俺ルーツの国出身なんだぜー?」「え、俺もだけど?」…みたいな会話をするとでも言うのだろうか。…まぁ、忠告してくれた相手にそんな揚げ足取りみたいな事は言わないけど。
「とにかく、分かってくれたかな?」
「うん、まぁね。…それはそうとして、なんでこんな話したの?前のテスト勉強で俺が色々教えてたから、教える役をやってみたくなったとか?」
「あー、それはねぇ…顕人君、君は外国の人と話す時緊張するタイプ?」
「へ?」
話が一区切りついたと思ったところで当初からの疑問を口にする俺。すると綾袮さんは質問に質問で返してくる。
話の内容に加えて、質問から感じられる意図。そこから先の俺の質問に対する回答も十分推測出来るものだったけど…この時俺は軽い気持ちで訊いていたからか、特に何も考えずに返していた。
「…うーん、するかどうかと言われたらするかな。やっぱり言葉の壁ってあるしね」
「じゃ、日本語ペラペラの外国人さんだったら?」
「それなら多分大丈夫だと思う。初対面の人と話す事自体はそこまで苦手でもないから」
「それなら良かった、やっぱり社交的な人って助かるよね」
「それはどうも……って、ん?…えと、あの綾袮さん…もしかして、これって……」
頭をあんまり回転させていなくなって、ヒントが増えればピンとはくるもの。国際的(?)な話をして、外国人と話せるかどうか聞かれて、日本語ペラペラなら大丈夫を確認出来て良かったとなれば、もう今回の件の目的なんて一つ。
「そう。近日中に外国の霊装者さんが来て、多分顕人君も話す事になるから覚えておいてね」
「……あ、はい…」
……って訳で、今後俺の霊装交友関係に外国の方がエントリーすると判明した夜だった。…これ位先に言ってよ……。
「…そういや、ホワイトボード一回も使ってないね、綾袮さん」
「あはは、説明で使えるかもと思ったんだけどなぁ……じゃあ、片付け宜しくね」
「あいよ。……って俺が片付けるの!?しれっと俺に押し付ける気!?」
「わたしは顕人君の優しさを信じてるからねっ!」
「あ、こら!都合良い事言って逃げようすんな!…あーもうどこに!?どこに片付けろって言うの!?ねぇ!?」