双極の理創造   作:シモツキ

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第五十六話 迫り来る試験の危機

家主である綾袮さんが持つ、類い稀な快活さによって日々明るい宮空宅。俺自身がなんやかんや言いつつもそこそこ綾袮さんの明るさに乗っかる事もあり、沈んだ空気となる事がそうそうなかった宮空家。……だが今日、宮空宅はかつてない程に暗い雰囲気となっていた。

 

「…こんな、こんな簡単に今の生活が終わるなんて……」

「……綾袮さん…」

 

項垂れた様子でソファに座る綾袮さん。彼女の瞳の絶望に染まった瞳は、焦点の定まらない様子でテーブルの足を映している。…そんな綾袮さんを、俺は複雑な心持ちで見つめていた。

何故、こんな事になってしまったのか。何があって、こんな事となってしまったのか。……それは、数時間程前に遡る。

 

 

 

 

これまで何度か受けていた、千嵜からのメール。それは妃乃さんに関する違和感の内容と相談で、それが来る度俺と綾袮さんは考えていた。そして今日、これまでとは違和感のレベルが違うメールを受け、それを見せた途端に綾袮さんは動いた。確信を持った様子で綾袮さんは協会に連絡を取り、祖父である刀一郎さんから情報を得て、街の外れへと飛んだ。その結果俺達は魔人に遭遇し、普段は見せる事のない冷たい様子で綾袮さんは魔人を両断し……俺達は今、双統殿にいる。

 

「まずは、二人共ご苦労だった」

 

俺達がいるのは、刀一郎さんの執務室。基本的に俺が刀一郎さんと会う時はこの部屋で、部屋の刀一郎さん本人の雰囲気で未だに俺はここに慣れない。…いや、多分慣れはしてるものの…緊張が解けない。

 

「限られた情報からの推測、迅速な行動、そして何より二人という少ない人数での魔人討伐。…此度の件を、私は高く評価している」

「お褒めに預かり光栄です、お祖父様。…でも、討伐に関しては妃乃と悠弥君が凄いんであって、わたし達がしたのは満身創痍の魔人にトドメを刺した事だけだよ?」

「…綾袮にしては珍しく謙虚だな」

「まぁ、大袈裟な事言っちゃうと妃乃と食い違っちゃうからね」

 

ここへ呼ばれたのは、当然先程討った魔人絡みの事。この件に関わってくるであろう事柄を一通り話して、それで今に至る。…因みにさっき刀一郎さんから情報を得て、と表現したけど、正しくは『刀一郎さん経由で時宮家の当主さんから情報を得た』模様。

 

「…しかし、満身創痍であったのならば生け捕りが出来れば尚良かったと言えよう」

「えー…魔人に欲を出すのは愚行だとわたし教わったけど…」

「ふむ…確かにそれは正しい。だが彼の報告を聞く限り、お前はそれを選択肢にすら入れていなかったようだが?」

「…それは…だって、あいつ許せなかったし…」

 

具体的な時期は聞いていないものの、綾袮さんは千嵜から相談を受ける前に妃乃さんから自分の状況を端的に表した電話を受けており、ずっとその時が来たら力になろうと考えていたらしい。一度きり、それも魔人に気付かれないよう支離滅裂な内容でまくし立てられたにも関わらずその意図を察し、近くにいた俺にも相談をかけた千嵜にも悟られないようその時を待っていた綾袮さん。そんな強かさも、魔人に見せた冷たさも…それは、普段の綾袮さんとはかけ離れた一面だった。

 

「…まぁ、過ぎた事は仕方あるまい。ともかく魔人の早期発見と討伐が出来たのだ、これ以上の事は言わないでおこう」

「…おじー様、もうちょっと褒めてくれてもいいんだよ?」

「ふむ……ならば御道顕人。貴君は新人としては十分な戦果を挙げていると言えよう」

「えっ、まさかのわたしじゃなくて顕人君への言葉…?」

「あ……はっ、ありがとうございます…」

「むぅぅ……」

 

執務室での会話とは思えない綾袮さんのラフさに対し、刀一郎さんは綾袮さんではなく俺を褒めるというトリッキーな返答を発してきた。勿論それに綾袮さんは驚いていたけれど、それ以上に驚いたのは振られると微塵も思っていなかった俺自身。…刀一郎さん…この流れで俺に振られても反応出来ませんよ…。

 

「ふっ……どうしても褒めてほしいのであれば、職務の外で言うんだな」

「はーい…それでおじー様、後始末は…」

「それは任せるといい。成果に対する報酬だ」

「よかったぁ…じゃ、もう夜遅いしわたし達は帰るね。顕人君、おじー様に何か言っておきたい事ある?」

「いや、大丈夫」

 

ならいいね、という事で綾袮さんは反転し、俺も一礼して後に続く。言われるがままに着いて行って、よく分からない内に魔人と遭遇して、その魔人を綾袮さんが一撃で仕留めて、その報告の為に双統殿まで来て……あれよあれよと言う内に事態が進む、今日はそんな日だった。

綾袮さんもやっとやるべき事が済んだと思っているのか、いつも以上に柔らかな表情。これは帰りに普段以上の饒舌となるかなぁ…なんて俺が思っていたその時、後ろから何かを思い出したかのような声が聞こえてきた。

 

「…そう言えば妃乃よ、そろそろ定期試験の時期ではないのか?」

「え"……?」

 

扉に手をかけたまま、金縛りにでもあったのかという位ピタッと止まる綾袮さん。出てきた声も何だか変で、俺はその場で首を傾げる。

 

「…えーと…綾袮さん……?」

 

本当に微塵も動かない綾袮さんの事が気になり、俺がそっと綾袮さんの顔を覗き込むと……綾袮さんの顔は、これまで見た事がない程の真っ青になっていた。

 

 

 

 

綾袮さんの様子がおかしくなったのは、間違いなく定期試験の話が出てきてからだった。刀一郎さんはほんとにただ訊いてみただけのようで、二言三言で定期試験の話は終わったけど……家に帰ってきてもまだ、綾袮さんのテンションは戻っていない。

 

「…えーと……」

「…………」

「…テストが嫌なのは分かるよ?テストを家族に気にされるのは勘弁してほしいってのも同感だよ?けど…そこまで落ち込む…?」

 

テストなんて本当に自信のある教科以外は嫌でしかなく、満点近くを取らない限りは家族にどうのこうの言われるのだから、家族からテストの話をされるのはそれ自体が憂鬱…というのはきっと全国共通の事。…でも、こんなプラスの感情を根こそぎ持ってかれたみたいな状態は明らかに普通じゃねぇ……。

 

「落ち込むよ…落ち込まざるを得ない状況だよ…」

「俺には落ち込みの程度が異様に思えるんだけど…てか一応訊くけど、これまでテスト受けてこなかったとかじゃないよね?」

「それはない…」

「じゃ、おかしくない?それともテストの話されると毎回そうなるの?」

「……それは、その…」

 

気持ちは分かるけど、どうも腑に落ちない俺。その状態で励まそうとしても上手くいかないだろうと思い、少しずつ踏み込んだ質問をしていくと…ほんの少し、綾袮さんは顔を上げた。そして……

 

「……わたし、これまで誤魔化してたの…」

「へ……?」

「わたしの成績が良くないのは知ってるよね?…でももう半年位テストの結果は教えてなくて、おじー様はわたしがそれなりの結果を出してると思ってるの…」

「え、えぇー……」

 

──綾袮さんの口から発されたのは、しょうもない…けれどある意味綾袮さんらしい理由だった。

 

「何故半年も前から…そして何故それなりの成績出してると思ってるの…嘘の報告でもしてたの…?」

「嘘っていうか…わたし、高校入って最初のテストは結構良い点だったんだよ。高校入る前は宮空家の娘として徹底した教育受けてたから…」

「う、うん…」

「でね、その時わたしは思ったの。なんだ、高校なんて勉強しなくてもいけるじゃんって…」

「……で、勉強しなかった結果どんどん成績が悪くなったと?」

 

俺の先を予想した質問に、綾袮さんは小さく頷いた。…うん、尚更しょうもない。あんまり勉強せずとも良い点が取れたりすると、その教科に対して油断しちゃうものだけど…その結果どんどん落ちてったなら、もう自業自得としか言いようがない。

 

「…って、ん?最初のテストってなると、入学直後のだよね?じゃあ半年どころか一年以上見せてないんじゃ?」

「ううん、その後は何度か見せてたんだよ…その時はまだ元々の知識のおかげで酷い点にはならなかったし、ある言い訳もあったから…」

「言い訳?」

「…高成績過ぎると変に注目浴びちゃうから、霊装者として目立たない方がいいだろう…って」

「普段学校でも賑やかな人がよく言うよ…というか、よくそれで納得してもらえたね…」

「わたしこれでも家で勉強してた頃はそれなりにきちんとやってたんだよ?…環境的にきちんとやらざるを得なかったってのと、宮空家に生まれた以上は当たり前の事だって思ってたのが主な理由だけどね…」

 

皮肉めいた顔でそう言う綾袮さん。言い訳に関してはほんとに「どの口がそれを言うんだか…」という感想しか抱かなかったけど、納得してもらえた理由は色々と複雑な気分になるものだった。

普通の家庭に生まれて、一般的な環境で育った俺は特殊な家系の事は知らない。裕福なら裕福で、権威ある家柄なら権威ある家柄で一般人にはない苦労や縛りがあるんだろうと前々から思ってはいたけど…いざ特殊な側である綾袮さんの話を聞くと、いつも複雑な気持ちになる。大変そうだとか、不自由そうだとか以上に、そう感じる事柄を何の変哲もなく話せてしまう『普通との乖離』が、どうしようもないやり切れなさを俺へ感じさせる。…でも、これは余計なお世話なんだろうな…綾袮さん自身が、これまでの人生を嫌だとは思ってないんだから。

 

「…わたし自身、ここまで一人だと落ちぶれるとは思ってなかったよ…」

「……え?あ、あぁ…よっぽど信頼されてたんだね…」

「そうみたい…でも偶然なのかどうかは分からないけど、今日おじー様は試験の事口にしてたでしょ?…あんまり気にしてなかったらわたしも上手い事『もう過ぎちゃった』とか『用紙はもう捨てちゃった』とか言って誤魔化せるけど…」

「……うん、理由は大方分かったよ。後、綾袮さんの株は絶賛暴落中だよ」

「今回ばかりは言い返せないよ…はは、さらばわたしの自立ライフ…」

 

綾袮さんが話を続けた事で俺も気を取り直し、最後まで綾袮さんの言葉を聞く。実際にそう決まってるのかどうかは知らないけど綾袮さんは『酷い成績が判明する=実家での生活に戻される』と考えているようで、先程からしきりにそれを嘆いている。そうなった場合俺はどうなるのかとか、という疑問はあるものの……それよりまず、俺はかなり基本的な事を訊いておきたかった。

 

「…えー…と、綾袮さん。…一つ確認していい?」

「……何…?」

「……勉強してテストの点を上げる、って発想はないの…?」

「…………」

「…………」

「……それが出来れば、苦労はしないよっ!!」

「あ、はい。そっすね…」

 

キッと感情剥き出しでそう言われてしまえば「あ、はい。そっすね…」位しか返せない。だってほら、絶望状態の女の子に感情剥き出しにされる経験なんてこれまでないし……。

 

「……っていやいや、そうじゃなくて…あのね綾袮さん。確かに今からやったって間に合う可能性は低いけど、ぶっちゃけこれ以外ってなると更に嘘を重ねるか不正を働くかしかないよ?」

「…それは、そうだけど……」

「どっちもリスク大きいし、綾袮さんだってこれは…特に後者は嫌でしょ?おまけにそれだと根本的な解決にはならないし、テストの内容だって毎回進むんだから、どっかで手を打たなきゃほんとにどうしようもなくなるよ?…赤点になっちゃったら、通知が行くだろうから誤魔化しも効かなくなるし…」

「…………」

「…だからさ、頑張ろうよ綾袮さん。俺は成績優秀って訳じゃないけど平均並み程度で良いなら教えられるだろうし、出来る範囲で手助けするからさ」

「…顕人君……」

 

ソファ前で膝を付いて、座る綾袮さんと同じ目線の高さになってそう伝える。綾袮さんが返答しなかったのは、綾袮さん自身頑張るしかないと理解しているからだと俺は思っている。綾袮さんなら不正なんてせず、実力で何とかする事を選んでくれると信じている。…そう思える位には、そう信じられる位には、俺も綾袮さんの事を知っているから。

俺が待つ中、綾袮さんはゆっくりと顔を上げる。上げて、俺に目を合わせて、それで……

 

「……わたしの家族、説得してくれる…?」

「そっちじゃねぇッ!」

 

……俺は綾袮さんが結構往生際が悪い事を思い出した。…これは明らかに分かっててやってやがるな…。

 

「でも、ほら…第三者の言葉って冷静に受け止めてもらえるし…万が一の保険の為にも、その案は練っておいた方が…」

「あのねぇ…全然関係ない人ならともかく、俺じゃ綾袮さんの差し金だって即バレるでしょうが。それに百歩譲ってそうするにしても、まともに説得の言葉を言えるのは綾袮さんのお父さんに対してだけだと思うよ?刀一郎さん相手じゃまだ緊張してガチガチになっちゃうだろうし、お母さんに至ってはまだ会った事もないし」

「そういえばそうだった……じゃあ、その…」

「その?」

「…どうして、わたしを助けようとしてくれるの…?」

 

まだ往生際の悪い姿を見せるか…と一瞬思ったものの、その後に綾袮さんが発した言葉は俺の行動に対する質問だった。……どうして、ね…。

 

「…それは俺にも無関係な話じゃないからだよ。俺は綾袮さんと同居中の身なんだからね。それに……」

「…………」

「いつも元気な綾袮さんがずっと落ち込んでたら、俺も調子が狂っちゃう。…理由なんて、そんなものだよ」

「…そっ、か……」

「もう少し壮大な理由がよかった?」

「……ううん。壮大な理由より、これ位の理由の方がいい」

「それなら良かった。…で、どうする?」

 

理由なんて大したものじゃない。でも大したものじゃなくたって手助けしたいという気持ちにはなるし、綾袮もそっちの方がいいと言ってくれた。

改めて綾袮さんの意思を訊く俺。綾袮さんは俺の言葉を受け取って……立ち上がる。

 

「…ここまで言われて動かなかったら、宮空家の…ううん、綾袮の名折れだよねっ!ありがとう顕人君、わたし頑張るよ!」

「綾袮さん…綾袮の名折れってところはよく分からなかったけど、その意気だよ!」

「うん!目指せそこそこの点数!ふぁいとー、おー!」

「おー……お?……お、おー!」

 

立ち上がった綾袮さんは、もういつもの明るさを取り戻していた。向日葵のような、輝く笑顔で頑張る決意を口にしてくれた綾袮さんに感化された俺も気分が高揚し、俺と綾袮さんは二人で拳を突き上げる綾袮の名折れとか、目指すところがそこそこの点数だとか、色々なんだそりゃなところはあったけど…まぁ、元気になってくれたしいいよね。……ほんとになんだそりゃだけど…。

 

 

 

 

「さて、今日はもう面倒なのでお弁当を買ってきました」

「うん知ってる。わたしも一緒に買いに行ったもん」

 

元気になった綾袮さんに安堵した俺は、弁当を購入し二人で遅めの夕飯を取っていた。…むぅ、綾袮さんに反応されたばっかりに、「誰に言ってんの?」状態になってしまった…。

 

「…お店のお弁当ってさ、スーパーの惣菜コーナーとかにあるやつでも普通に美味しいよね」

「そうだね〜。でも商品として売られてるものなんだから、個人の好みを無しに考えれば美味しいのは当然じゃない?」

「まぁそりゃそうだけど…てか、高級料理に慣れてる綾袮さんでもお弁当を美味しいって感じるの?」

「感じるよ?料理にかかってるお金と味は必ずしも比例する訳じゃないし、凄く美味しいものを味わったら程々に美味しいものを美味しく感じられなくなる…なんて事もないしね。…あ、別にお弁当を程々の味って言ってるんじゃないよ?」

 

テーブルを挟んでの会話は、THE・雑談。綾袮さんの調子が戻ったんだから、会話も普段通りのものになるのは当然の話。…では、あるんだけど……

 

「……綾袮さんってさ、かなり能天気な人だったりする?」

「え、何その失礼な質問。それに素直にYESと答える人いると思う?」

「はは、だよね…能天気云々は置いとくとして、実際のところ綾袮さん分かってる?」

「…と、言うと?」

「テストに関してまだ何も解決してない、って事」

 

綾袮さんが元気になってくれた事はよかったけど、それでめでたしめでたしとはいかない。問題…というか達成しなきゃいけないのは『家族に見せられる程度の点数を取る』事で、今のところは頑張る決意をしたに過ぎないんだから。スタートラインに立つだけでも意味はあるけど……スタートラインは所詮スタートライン、そこから進まなきゃ結果には繋がらない。

 

「…家族が頑張った過程を考慮してくれるならいいけどさ、その場合って言ってみれば『だらけた結果落ちた学力を慌てて立て直そうとしましたが、無理でした』って形になる訳だし、そこからこれまでの嘘がバレるのもほぼ確定なんだよ?そこまで含めて分かってる?」

「……分かってるよ、分かってるし内心不安もある。…でも、元気付けてもらったんだから落ち込んでる訳にはいかないでしょ?」

 

落ち着いた顔で、でも落ち込んだ様子は見せないで綾袮さんは言う。…あぁ、それならば安心だ。気楽に構えてるんじゃなくて、分かった上でいつも通りにいられてるなら、切羽詰まった様子をしているよりずっと安心出来る。

 

「それに顕人君がさっき言ったじゃん、わたしが意気消沈してると調子が狂っちゃうって」

「あ、あぁ…確かにそうは言ったけど、別に俺に気を遣う必要はないからね?」

「それは大丈夫。…というかわたしのせいで顕人君まで暗くなってたらわたし余計に気が滅入っちゃうと思うし、明るくいるのは自分の為でもあるんだよ」

「…だったら、問題ないね」

 

綾袮さんはどうかと思う部分も多いけど、心の強い人だと思う。特別な家系に生まれて、いくつもの戦場を経験してきた人なんだから、その強さは当然と言えるのかもしれないけど…それ等を強さの糧にしてきたのは、綾袮さん自身。そんな綾袮さんならきっと何とか出来る…確証はないけど、そう確信している俺だった。

 

「さ、それじゃあ明日から頑張るよ綾袮さん。俺は教師でも優等生でもないんだから、綾袮さん自身の努力も欠かさないようにね?」

「勿論だよ、顕人君。こうして手伝ってもらうんだから、わたしは本気でやるよ!」

 

再び立ち上がる綾袮さん。同じく俺も立って、俺は協力の意思を、綾袮さんは頑張る意思を見せて……にっ、とお互い笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

「……にしても、頑張るのは今日からじゃなくて明日からなんだね」

「そりゃ、今日は疲れたし。疲れてる時には休むのが一番なんだよ、うん」

「わー、なんて休むのに寛容な人。…でも、そういう人は嫌いじゃないよっ!」


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