超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第七十五話 新旧メンバー、集合

「……しっかし、凄い人数になったよねぇ…」

 

連日病室へと訪れるお見舞いの人達。友達だけじゃなく教会職員さんや各国の有力者さん達まで来るものだから日に複数組と面会になる事もザラで、休む為にここにいるのか色んな人と話し易くする為ここにいるのかちょっと怪しいところだったけど…守護女神の四人は、それを全く嫌そうにはしなかった。それには本当に会いたかったって気持ちがあったり、女神として見舞いにきてくれた相手を無下には出来ないって気持ちがあったりと色々あるんだろうなぁ…とそれを見て思う私。そして今のは…MAGES.達旧パーティーメンバーと、RED達新パーティーメンバーが一堂に会した際のネプテューヌの台詞。

 

「前の旅の時も大人数だったのに、更に増えちゃうなんてわたしびっくりだよぉ」

「ここまでくると隠密行動は難しそうね。今後隠密行動を取る必要があるのかどうかは分からないけど…」

「というか、これはもう完全に誰か喋ってるんだかよく分からなくなりそうだよね。地の文担当の人ふぁいとー!」

「ねぷ子は今日もメッタメタだにゅ…後ブロッコリーは多分その心配ないにゅ」

 

苦笑いを浮かべる鉄拳ちゃんに、元々そういう系の仕事をしていたからか先の事を考えているケイブ。……いや別に今の文章に他意はないよ?口調だけで判別するのは無理な人数だから配慮したとかじゃないよ?

 

「人が多いのは何かと助かるけど、確かに不便な事もありそうね。…今もちょっとこの部屋暑いし…」

「人の温もりで暖かいのはいい事だよノワール!…あ、そうだ…皆、丁度いい機会だから一ついいかな?」

『……?』

「アタシは現在嫁募集中だよ!嫁になりたい人がいたら気軽に言ってね!」

「……また物凄い子がパーティーインしたものね…」

 

いつかするとは思っていたけど…この瞬間遂にREDが守護女神四人と旧パーティーメンバーへ嫁勧誘を行った。けれどまぁこの位の事で目を白黒させるような私達ではなく、ブランの突っ込みにうんうんと頷きながら私達は苦笑を……

 

「嫁、嫁かぁ…ねーねーRED、わたし仕事も家事もあんまりやる気ないんだけど大丈夫かな?」

「大丈夫!ネプテューヌの可愛さの前には仕事も家事も些末事だよ!」

「え、ほんと?じゃあわたし嫁に立候補しようかなぁ」

「うんうん、今ならアタシの嫁第一号になれるよ!」

「第一号とは響きがいいね!これは前向きに検討出来ちゃう案件だよ!」

「あはは、アタシネプテューヌとは気が合う気がしてきたよ!」

「わたしもわたしもー!」

((……この二人が絡むとこうなる(んだ・のね・んですのね・のかにゅ)…))

 

前から常々REDとネプテューヌは性格が似てると思ってたけど…案の定この二人は物凄い速度で意気投合していった。実際にネプテューヌが嫁になるかどうかは謎だけど、二人が親友になるのは遠くないと思う。…え、私とノワールはネプテューヌがREDの嫁になっても大丈夫なのかって?…いや、この流れで動揺したりはしないって…深く頭を下げて謝るのと何かをしながら適当に謝るのとでは印象が全く違うのと同じで、こんな冗談の延長線みたいな感覚で話が進んでも「二人共元気だなぁ」以上の感想は浮かばないよ。

 

「…まぁ、嫁云々は置いておくとして…見舞いがこの人数となるのは負担ではなかったのか?」

「あぁうん、大丈夫だよ。それに私達は新旧揃った際に訊きたい事もあったし」

「新旧…あ、もしかしてボクとMAGES.の事?」

「えぇ、それも気になる事の一つですわ」

 

私達や教会の要請を受け、一人が数人ずつの体制で犯罪組織へスパイ活動をしていてくれた旧パーティーメンバーの皆が帰還したのは私達がギョウカイ墓場に向かった少し後で、合流出来たのはギョウカイ墓場の中(その瞬間には私立ち会ってないけど)。その後私達は急を要する用事があったり意識を失ってたりで雑談している時間が殆どなく、新旧パーティーが揃った状態で会うのは合流以降これが初めてだった。…だから私達五人はやっと訊ける、と内心ちょっぴりテンションが上がってたり…。

 

「で、二人は似てるけどそれはどーして?α世界線から来たのがMAGES.で、β世界線であるここにいたMAGES.の同一人物が5pb.とか?」

「な……何故それを…!まさか機関の差し金か…!?」

「え…あ、合ってたの…?」

「いや嘘だぞ?」

「あはは…別にそんな込み入った事情はなくて、ボク達は単に親戚関係なんですよ」

「親戚…だから私達は5pb.を見た時最初見覚えがあるって思ったんだ…」

 

流石に性格や服装は違うけど、髪含めた顔のパーツ単位で見ると二人は本当に似ている。…泣き黒子の有無まで一緒っていうのはちょっと謎だけど…まぁそこは偶然なのかな?

 

「親戚関係なんて…案外世間は狭いものね」

「各国を回る旅の中で得た関係は狭い世間と言えるのかな…わたし達の場合は次元超えてもいる訳だし…」

「そうね……うん?」

『……?』

「あ、あぁ…なんでもないわ(別次元出身のMAGES.とこの次元出身の5pb.が親戚という事は、この次元にはここにいるのとは別のMAGES.がいるって事かしら…二人の家系が次元を跨り広がっているなら別だけど…)」

 

ブランはサイバーコネクトツーの発言が何か引っかかった様な素振りを一瞬見せたけど、それについて話したそうな雰囲気はない。じゃあ個人的な事なのかな、と私達は判断し……ある意味MAGES.と5pb.以上にそっくりな二人へと視線を移す。

 

「えっと…それは次はあたし達の事を話してほしい、って視線で合ってる?」

『合って(るよ・るわ・いますわ)』

「だ、だよね…こほん。名前の時点で分かると思うけど、あたし達は同一人物だよ」

「あたしはここ出身で、もう一人のあたしは別次元出身…らしいよ」

 

視線を受けたのは勿論二人のファルコム。普通ならそれは「えぇぇ!?」ってなるところだけど、私は大人っぽい方のファルコムと初めて会った時にその推測を立てていたし、ネプテューヌ達も似たような予想をしていたみたいでそこまで驚きはしない。で、MAGES.と5pb.の件含めてRED達も驚いてないのは……先に聞いていたから、とかだろうね。

 

「やはりそうなのですわね…因みに、外見が違うという事は経歴も違ったりするんですの?」

「みたいだよ。どうも話を聞く限りだともう一人のあたしは『別次元の』『過去の』あたしらしいからね」

「けれど、この次元のあたしはあたしと外見年齢が同じ時期に別次元へ行ったりはしていないみたいなんだ。だからあたしとこの次元のあたしは直接繋がる訳じゃないよ」

「ふむふむ……うん、取り敢えずややこしいって認識していれば良いのかな?」

「頭の中で整理する事を放棄したわね、ネプテューヌ…」

 

あっけらかんとした顔付きのネプテューヌは、確かにどこがふむふむなんだ…って言いたくなる結論を出していた。……えっと、子供っぽい…って言うと失礼か…サイドテールのファルコムの段階に至るまでは二人共ほぼ同じで、そこから次元を超える冒険を経験してるのがサイドテールファルコム、あくまで信次元の冒険者として旅をしてきたのがショートカットファルコム…って感じかな?…正直ネプテューヌが整理を放棄したくなる気持ちは分からないでもないや……。

 

「…親戚関係の二人に、同一人物のファルコム…こうして考えると、うちのパーティーも複雑怪奇さが増したものだね…」

「それを言うなら中核が女神って時点でもう十分複雑怪奇だけどね…そう言えば貴女達、私達が捕まってる間は犯罪組織に潜入してたのよね?」

「うん、わたし達頑張ったよ〜」

「犯罪組織の裏側を暴露出来る様な証拠を集めてほしい、って頼まれていたんだ。楽ではなかったけど…忍者の本分で皆の役に立てたって意味では嬉しかったかな」

 

皆が情報を集めてくれたからこそ、犯罪組織の裏側を誰もが疑わないだけの証拠を送ってくれたからこそ、あの時私達は世論を味方に付け、犯罪組織をテロリズム組織認定する事が出来た。ネプテューヌ達の救出を直接行ったのは私達や新パーティーメンバーで、犯罪組織と表側で戦ったのは国防軍と有志の人達だけど…その裏には皆の頑張りがあったんだって事は忘れちゃいけない。……ま、そんな堅苦しい事考えなくたって私は忘れない自信があるけどね。

 

 

 

 

新旧メンバーが揃ってお見舞いにきてから一時間と少し。その位時間が経った頃、未だ雑談の続く中時計で時間を確認した私は、脚をベットの外に出して立ち上がる。

 

「……さて、と…そろそろ時間かな」

「時間?イリゼはリハビリをするのかにゅ?」

「ううん、今から私はお仕事なのです」

 

ベット横の棚から私服を取り出してベットに置く私。うん、取り敢えず立つ事はもう大丈夫かな。

 

「仕事って…イリゼさんはまだ治りきってないんだよね?少なくともボクには仕事をするような身体には見えないけど…」

「問題無いよ、極力包帯は衣類で隠すから」

「そ、そういう問題じゃなくて…」

「イリゼ、貴女達女神の身体が頑丈なのはもう十分知っているけど…それでも治りきらない内に無理をするのは止めておいた方がいいと思うわ」

「大丈夫だって、仕事って言っても会議に出席してちょっと話すだけだから。変にハイテンション突っ込みをする機会があったりしない分、何なら今からやる事の方が身体を安静に出来るかもしれないしね」

『……何か、申し訳ない(にゅ・です)…』

「あ、べ、別に皆へ遠回しに文句言ってる訳じゃないからね!?私は楽しく会話してるから、そんなすまなそうな顔しないで!」

 

私としてはほんのり皮肉を効かせた程度の冗談のつもりだったのに、思った以上に皆の心へクリティカルヒットしてしまった。平時ならともかく、現に入院中の私がこれを言うのは結構不味かったみたい。…ほんと、悪気はなかったの…ごめんね皆…。

 

「そ、それならいいけど…会議出席なら、ここから移動するんだよね?それならわたし肩を貸すよ?」

「ならあたしも手を貸すよ。あたしなら背的にもイリゼと近いからね」

「二人共ありがと。でもそれに関しては教会の職員さんがサポートに来てくれるらしいから大丈夫」

 

肩を貸してくれるというサイバーコネクトツーとショートカットファルコムの気持ちは嬉しいけど、そうなると今度は職員さんにお帰り頂く事になっちゃうし、会議中二人にはずっと待ってもらわなきゃいけなくなるから私は断り着替えを開始。流石に病衣で会議に出る訳にはいかないからね。

 

「イリゼはほんと頑張るよねぇ、ノワールみたいにブラック上等女神にはなっちゃ駄目だよ?」

「ちょっと、誰がブラック上等女神よ!私はブラックハートではあってもブラック企業を推奨してたりはしないっての!」

「あはは…私は皆よりは軽傷だからね。それに本格的な復帰はもうちょっと先にする予定だし、心配はしなくていいよ」

 

ネプテューヌの冗談混じりの気遣いを受け、それに苦笑いしながら私は病衣の紐を解いていく。さっき5pb.やケイブにも心配されちゃったし、やっぱり退院するまでは負担の少ない仕事を少しずつってスタンスにした方が良いかもしれない……って、

 

「……あ、あの…」

「……?イリゼちゃん、どうしたの?」

「…ごめん、ちょっと皆顔を私の方に向けないでいてくれるかな…?」

 

紐を解き、病衣から肩を露出させて下着姿になりかけたところで…気付いた。ここには十人以上の人がいて、その中で私一人着替えを行おうとしている事に。

 

「え、何?まさかイリゼは男の娘だったとか?けんぷファー的な感じ?」

「私より色んな意味で女子力低そうなネプテューヌには言われたくないんですけど」

「おおぅ、言の葉ならぬ言の刃が返ってきた…別に女の子同士なんだし、気にする事はないんじゃない?っていうかバカンスの時は普通に着替えてないっけ?」

「いやほら、あの時は皆も着替えてたし…この人数の中一人だけ着替えるのはちょっと恥ずかしいよ…」

 

一人だけ着替えてたらそれは凄く場違いな気がして、何だか羞恥プレイをさせられてるみたいで、とってもとっても恥ずかしい。だからちょっと皆には別の方向を向いてもらおうと正直に理由を言ったんだけど……後から思えば、それは私が馬鹿だった。うちのパーティーメンバーは新旧含め皆ノリが良くて、時々ぶっとんだ弄りをしてくるって事を失念していたんだから。

 

『……へぇ…』

「…え、ちょっ…い、今の『……へぇ…』って何?な、何だか凄く背筋が寒くなったんだけど…?」

「着替えするの?それならアタシが手伝ってあげる!」

「い、言うと思った…皆、少しREDの事不安だから捕まえといて──」

「ある程度回復してるとはいえ、イリゼはまだ怪我人。という事で皆、わたし達は出来ないから代わりに着替え手伝ってあげたらどうかな?」

「ちょぉっ!?な、何言っちゃってくれてるのネプテューヌ!要らないよ!?そんなの要らな…取り囲まれてる!?」

 

私がネプテューヌへ突っ込んでいた一瞬の隙に、皆は私の退路を塞いでいた。突っ込みで僅かに意識がネプテューヌへと集中した瞬間を狙って包囲をするなんて、流石皆……って違う違う!評価してる場合じゃないよ!そしてこんなどうでもいい事に才覚を発揮しなくていいんだよ皆!

 

「今のイリゼちゃんはちょっとした転倒も危険になるからね。わたしも手伝ってあげるよ」

「この展開は面白そう…じゃなくて万が一の事に備え、ブロッコリーも参加するにゅ」

「今面白そうって言った!?言ったよねぇ!?多分半分位の人は同じ発想でやろうとしてるでしょ!」

「あはは…時には長い物に巻かれるのもいいかもしれないね」

「ですね。あたし達も混ざってみよっと」

「……まぁ、私も参加しておこうかしら…」

「Wファルコムとケイブは半ば受動的じゃん!こんなセクハラ紛いの展開に同調圧力なんて感じなくていいんだよ!?私は辞退してくれた方が助かるよ!?」

「イリゼさん、大丈夫。わたし、身体も服も傷めず着替える事には慣れてるから」

「そりゃその格好ならそうでしょうねぇぇぇぇぇぇっ!」

 

服ボロボロ&インファイトスタイルでありながら破けて完全な下着姿になったりはしないという謎の技量を持つ鉄拳ちゃんに突っ込みを入れながら、私は視線を駆け巡らせる。最早完全に『イリゼをひん剥…着替えさせよう』モードの皆への説得は不可能。これを面白がってるネプテューヌと「あらあらうふふ」と言いたげに眺めているベールへ助けを求めるのも無駄。だとすれば頼れるのはもうノワールとブランしかいない。皆と同じくノリの良い二人だけど、同時に常識人キャラでもある二人ならきっと皆を窘め私を救ってくれる筈!

包囲網が狭まる中私は二人を見つめ、思いを乗せた視線を届ける。私の視線はこちらを向いていた二人にちゃんと届いて、二人はゆっくりと頷いてくれる。それを見た私は心からの笑顔を浮かべ、対する二人も私を安心させる様な微笑みを見せて────

 

「皆が優しくて良かったわね、イリゼ」

「私達は女神なんだから、人の好意は出来るだけ受け止めなきゃ駄目よ?」

「えぇぇぇぇっ!?…う、うぅ…こんな頭のネジが外れた好意、受け止められる訳ないでしょうがッ!これは最早優しさじゃ…ひぃっ!?」

 

今さっきの微笑みは何だったのか、私を上げて落とす為の罠だったのか。そんな裏切られた思いを声に乗せて叫ぶ私の腕が……遂に掴まれる。腕を掴まれ、着替えの服を確保され、皆に悪い顔で病衣へ手を掛けられる。

 

「…み、皆…顔が怖いよ…?」

『ふっふっふ……』

「顔だけじゃなくて声まで悪どい感じになってる!?…え、ち、違うよね…?これギリギリで『なーんちゃって』ってなるパターンだよね?ザブングルさんのネタ的な感じで最後は『なんてね!』って言ってくれるんだよね…?」

『ふっふっふっふ……』

「だからそれが怖いんだって!ねぇ!取り敢えずどっちか答えてよ!不明なのは怖過ぎるって!しかも事が事だから気持ち的に落ち着きようがない──」

「皆のものー!かかれーーっ!」

『おーーっ!』

「何故にネプテューヌが号令!?何故にそんな運動会みたいなテンション!?何故に……ひにゃぁぁぁぁああああ!せ、せめて優しくしてぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

───そして、わたしは病衣を脱がされた。脱ぐのも着るのも自力ではさせてもらえず、着替え完了まで私は完全になすがままだった。……あ、なんか友好条約締結後の番組の事思い出した…あは、あの時も私揉みくちゃにされたんだっけ…。……で、強制お着替えが終わり、皆が後ろに下がった頃……

 

「ぐすっ…皆に、友達に身体を弄ばれた……」

 

……そこにいたのは、傷心の私でした。実際のところ着替えなんて数分に過ぎなかったけど…うぅ、私の心はブロークンだよ…。

 

「も、弄んだは表現として些か語弊があるだろう…」

「ないよ!100%どころか120%弄ばれたよ!弄びはされた方が弄ばれたと思ったら弄びなんだからね!」

「そ、そうなんだ…うん、確かにちょっとボク達も変な勢いになってた気はするけど…」

「イリゼさんやノワールさん達と皆でわいわい出来たのは久し振りだったから、つい…」

「う…そ、その言い方はズルいよ…はぁ……」

 

ぺたんと床に座り込んでいた私は、勿論皆に言いたい事が色々あった。…けど、今のでかなり体力を持っていかれたしもう時間的な余裕もあんまりないし、それに着替えはともかくそれ以外の事は私も楽しかったからどうしても怒る気になれず、私は脚を軽くはたいて立ち上がる。

 

「…えぇと…イリゼ、行くんですの?」

「行くよ、っていうかこんな展開にならなきゃ既に向かってるところだよ…もしこのタイムロスが原因で会議に遅れたら、流石に私も怒るからね…?」

 

これからまず私は道中に待っているであろう職員さんと合流して、その後会議室に向かう。職員さんの前で赤くなった顔は見せたくないし、道中で落ち着かないとなぁ…。

 

「あ、そうだイリゼ。貴女の参加する会議って内容はどういうものなの?」

「犯罪組織残党の制圧状況と、これまでの戦闘で各国の軍から出た要望の確認だよ…まさかこんな心境でこの会議に向かう事となるとは…」

『……何か、申し訳ない(にゅ・です)…』

 

十数分程前にも出た反応を見せた皆。あの時私は慌ててフォローしたけど……今はしない。

そんなこんなでやっと私は病室の扉をオープン。通りぎわに私の口から心の声が漏れていく。

 

「ほんとだよ……脱がされるし着させられるしブラのホック外されかけるし…」

『……え?』

「え……?」

 

 

『…………え…?』

 

……こうして、基本賑やかなこの病室の空気が凍り付くのでした。…セクシャルな事が絡む悪戯ってさ、当たり前だけど気を付けないとえらい事になるよね…(因みにその後、結構真面目に確かめてみた結果偶々指がホックに引っかかっただけ、って線が濃厚になった。……ガチでヤバい人がパーティー内にいなくてほんとにホッとしたよ…)。

 

 

 

 

 

 

 

 

……余談だけど、これが会議のワンシーン。

 

「ここ数日は向こうも戦力の再編に努めているようで、殆ど犯罪組織戦力とは会敵出来ておりません。その分民間への不安がなくなるという面もありますが…」

「現状維持ならともかく、今後も積極的に残党を狩るとすれば補給線が伸びる点が懸念事項ですな」

「あぁ、それについては遠方へ出撃した各部隊からも似た様な意見が上がっております。これはうちのMG部隊長からの提案ですが、中継基地兼母艦として戦闘艦を復活させるのも有りかと」

「補給線に、戦闘艦ですか……イリゼさん、この件について何かご意見はありますか?(´・ω・)」

「…………」

「……イリゼさん?(´・Д・)」」

「あ…あぁ、すいません。えー…戦闘艦に関しては友好条約との兼ね合いもありますし、要検討という事でどうでしょう?で、補給線ですが…私は現状維持でも構わないと思います。守護女神の四人が万全の状態になれば犯罪組織の中核を叩く事も進められますし、何より勝敗の決した後の戦いで死ぬ程無念な事もありませんからね。我々の目的は四ヶ国を脅かす存在を根絶やしにする事ではなく、平和を取り戻す事だという事をくれぐれも忘れないで下さい」

「イリゼ様……畏まりました。各部隊にもその旨をきちんと伝えるとします」

「はい、お願いしますね(うー…さっきの件がまだ頭から抜けない…)」

 

…えぇ、ちゃんと会議に参加しましたよ?何せ私は女神だからね。




今回のパロディ解説

・α世界線、β世界線
STEINS;GATEにおいて登場する、世界線の内の二つの事。メーカーキャラの設定を色々詰めていこうとするとかなりややこしくなるんですよね、大変なものです。

・けんぷファー
ライトノベル、けんぷファーの事。…さて、原作シリーズには男の娘キャラが出てくるのでしょうか…その内敵かサブキャラには出てくるのかもしれませんね。

・ザブングル
お笑い芸人コンビ、ザブングルの事。作中にて出したあのネタ、知っている方はいるのでしょうか?個人的にあのネタはかなり印象深かったりしています。

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