超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第七十四話 候補生の挑戦

面会許可が下りた次の日も、わたし達はお姉ちゃん達に会いに行った。昨日の今日じゃお姉ちゃん達の状態が劇的に変わる筈もなくて、今日もお喋り位しか出来なかったけど…わたしにはお姉ちゃんやイリゼさんに話したい事、ノワールさん達に訊いてみたい事が一日や二日じゃ消化しきれない位沢山あるからそれでもよかった。…それに、他の人との兼ね合いで一日中居られる訳でもないからね。

で、今は面会を終えて執務室に向かう最中。えーっと、急いで片付けなきゃいけない仕事はあったかな…?

 

「…あ、ネプギアさん。今からお仕事をする予定でしたか?( ̄∀ ̄)」

「……?そうですけど…」

 

執務室前でばったり会うわたしといーすんさん。ここはいーすんさんの執務室からもそんなに離れてないし、こうして廊下で会う事も別に珍しくはないけど…何だろう?今いーすんさんここで待ってたような気がする…。

 

「姉に会ってきた後もしっかり仕事をしようとするなんて……本当に貴女はよく出来た女神候補生です…(T ^ T)」

「あはは…それで、いーすんさんはどうしたんです?」

「ふふっ、わたしはネプギアさんに休暇の通達をしにきたんですよ(・∀・)」

「休暇の…?…分かりました、ちゃんとお仕事はしますのでゆっくり休んで下さいね」

「あぁいえ、休暇はわたしのではなくネプギアさんのですよ(・ω・`)」

 

あんまり休みを取ってるイメージのないいーすんさんも、一段落付いてお休みしたくなったのかな…と思ったわたしだったけど、いーすんさんが言いたいのは自分が休む、ではなくわたしに休んでもいいよ、って事みたいだった。

よく出来た女神候補生、なんて言われたわたしだけど、別に仕事が好きって事はない。やらなきゃいけない事はやろうって思うだけで、お休み出来るならそれは嬉しいけど……

 

「…わたしが休んでも大丈夫なんですか?まだ犯罪組織は完全に倒せた訳じゃないですし、四天王だって残ってますよね?」

「それはその通りです。ですが犯罪組織そのものはもう女神の皆さんが戦うまでもないレベルまで弱体化していますし、四天王がまともなトップ格なら今は立て直しを図っている筈です。なのでネプギアさんが休む余裕位はあるんですよ(^o^)」

「でも、その口振りだといーすんさんは休まないんですよね?それなのに女神のわたしが休むなんて…」

「ネプギアさんはこれまで女神として頑張ってきたじゃないですか。安全な場所で身を危険に晒さない仕事をしていたわたしと、命懸けで戦ってきたネプギアさんは同列には語れません。勿論、教祖の仕事は楽だとは言いませんが…それでも、ネプギアさんは休暇を取るだけの権利があるです(*^◯^*)」

 

いーすんさんはにこり、と絵文字通りの微笑みを浮かべてわたしに休暇を勧めてくれる。それを受けてわたしは、少しの間考えて…いーすんさんの好意を受け取る事にした。

 

「…じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。お出掛けとかしちゃっても大丈夫ですよね?」

「えぇ。想定外の事態が起きて即休日返上になってしまう可能性もありますし、時間がある間に休みを満喫して下さいね

( ´∀`)」

 

今行っている仕事は全ていーすんさんや職員さんが引き継いでくれるという事で、わたしは進行中の物を伝えて……数分後には、わたしの休暇がスタートした。さっきも地の文で言った通り、休暇は嬉しいし言われずとも満喫するつもりだったけど……

 

「……な、何しようかな…?」

 

……突然休暇をもらえても、すぐには予定って立てられないよね…。

 

 

 

 

自分の部屋に戻ってから十数分後。テレビを見ながら予定を考えていたわたしは「そういえば、ユニちゃん達もお休みなのかな?」と気になって、確認しようと部屋を出──

 

「ネプギア、いるー?」

「あ…ノック、しなきゃだめだよ…?」

 

……る前に、ロムちゃんとラムちゃんがやってきた。…すっごいナイスタイミング…。

 

「あ、そっか。じゃあトントンっと」

「開けてからノックしたって駄目だよ…二人共どうしたの?」

「あのね、今わたしたち…ミナちゃんから、お休みもらったの」

「だからあそびに来てあげたのよ!」

「そうなんだ。じゃあ二人も同じだったんだね」

 

モンスターの討伐やイベントでの挨拶はともかく、多分まだ政務関連の仕事は殆どしてない二人にとってお休みの有無はそこまで重要じゃないんじゃ…という点はともかく、今の言葉で二人も休暇に入ったんだという事が判明した。…となると、ユニちゃんもそうなのかな?

 

「ネプギアちゃん、あそべる…?」

「うん、わたしもお休みだから遊べるよ。二人は何して遊びたいの?」

「うーん……あ、わたしポッキーゲームやってみたいわ!」

「ポッキーゲーム!?え、ぽ…ポッキーゲーム!?」

『……?』

 

目をキラキラさせながらとんでもない提案をしてきたラムちゃんにわたしは驚きを隠せない。ぽ、ポッキーゲームって…わたしとラムちゃんがするの!?又はロムちゃんとするの!?し、姉妹でそれは駄目だよ!?…ってわたしとならOKって事でもないよ!?そりゃ勿論ラムちゃんが嫌いな訳じゃないけど、そういう事じゃなくて…!

……と暫しテンパるわたしだったけど、気付けば二人はきょとんとした顔でわたしを見ていた。…あれ、この反応ってもしや……

 

「…ねぇ二人共、ポッキーゲームってどんな遊びか知ってる…?」

「ううん、知らない…(ふるふる)」

「ポッキーがかんけーするゲーム、ってことだけは知ってるわ」

「う、うん。ポッキーゲームなのにポッキー関係してなかったらびっくりだよね…それは止めておこうよ。今ポッキーないし、もしかしたら物凄く沢山ポッキーが必要なゲームかもしれないよ?お小遣いなくなっちゃうかもよ?」

「う…それはいや…」

 

上手く誤魔化す事に成功したわたしはホッと一息。案の定、二人は名前以上の事を知らないみたいだった。…万が一知ってたら…うぅ、その先を想像しちゃ駄目よわたし…。

 

(…っていうか、この短時間に一体何度ポッキーってワードが出たんだろう…)

「…ネプギアちゃん、どうしよう…?」

「え?…あ、何して遊ぼうって事?うーん…じゃあさ、わたし確認したい事あるし一回ユニちゃんの所行かない?」

「かくにんしたいこと?…まぁ、別にいいけど」

「わたしも、いいよ?」

「じゃあ、ユニちゃんの所にレッツゴー、だね」

 

テレビと照明の電源を切り、わたしと二人は廊下へ。一度向かう前に電話しようかな…とも思ったけど、広いとはいえ同じ屋内なんだしいいよね、と取り出しかけたNギアをしまう。

 

「ここって広いわよねー、どうしてプラネテューヌだけこうなの?」

「詳しい事は知らないけど…わたし達が生まれる少し前に壊されちゃって、その時再建も兼ねてこうしたんだって」

 

一体どんな経緯で教会がタワーになったのかはよく分からないけど…わたしとしては今のタワーの方が機械感強くて好きかな。

…と、そんな雑談の入り口レベルのやり取りをしている段階でユニちゃんの使っている部屋に到着。ラムちゃんはまたノックを飛ばして入ろうとするかもしれないから、わたしは一歩先に扉の前へ立ってノックを行う。

 

「ユニちゃーん、わたしだけど入っても大丈夫ー?」

「ネプギア?…はいはい構わないわよ、どーぞ」

 

ノックをするとすぐに返事が返ってきて、わたしが開けるより先にユニちゃんが扉を開いてくれる。で、そこから中を覗いてみると…今回は床やテーブルに銃の部品がズラリ、って事はなかった。

 

「…って、アンタ達もいたのね」

「何よ、わるい?」

「悪くないわよ、ネプギア一人かと思ったから言っただけ」

「えっと…今は忙しくない、よね?」

「えぇ、ゲームをやる位には余裕があるわ」

 

部屋に入りつつ目を走らせると、ベット上の枕付近に携帯ゲーム機が置いてあった。…という事は、ユニちゃんは今寝そべってゲームしてたのかな?ふふっ、いつもはちょっと冷めてて大人っぽくしようとしてるユニちゃんも、一人の時は寝そべってゲームしたりするんだね。だからなんだって話だけど、そういう事を知れるのは嬉しいかも……

 

「……って、あ…あれは…!」

 

そんなユニちゃんの一面を知って少し気分の良くなっていたわたしだけど……次の瞬間、わたしはそれを見つけてしまった。……災いの種となり兼ねない、そのお菓子を。

 

「……?どうしたのよネプギア」

「そ、そんな…まさかこんな所にあるなんて…!」

「何がよ……あ、もしやポッ──」

「ギア・スティールッ!」

「はぁぁ!?」

 

それの名前をユニちゃんが口にしようとした瞬間、わたしは跳んだ。隣にいたロムちゃんラムちゃんが驚愕する中わたしはベットにダイビングし、それを……枕を挟んでゲームの反対側にあったポッキーの箱を引っ掴んで胸元からセーラーワンピの中へと放り込んだ。箱の角がちょっと当たって痛いけど……今は、今はこれを隠さなきゃ!

 

「ちょっ、な、何してんのよネプギア!?」

「が、ガスティール…?(だーくぞーん)」

「な、何でもないよ!ちょっとベットに飛び込みたかっただけだよ!」

「あぁ、その気持ちは分かるわ。時々ベットって飛び込みたくなる……って、何でアタシの使ってるベットでそれをやるのよ!?自分のベットでやりなさいよ!」

「えっと、それは…ゆ、ユニちゃんの使ってるベットに飛び込みたかったの!」

「ぶっ……!?な、なな何を言ってるのよアンタは!馬鹿じゃないの!?馬っ鹿じゃないの!?」

 

自分でも割と意味不明な事を口走りながらわたしは箱をセーラーワンピの中で滑らせ、すっとスカートの内側に入れた手でその箱を掴んでベットの裏へと落っことす。なんかとんでもなくヤバげな事を言っちゃった気がするけど……一先ずミッションコンプリート!

 

「この変態!純粋そうな顔してそんな事企んでたのね!見損なったわ!」

「そ、そこまで言わなくても…ほら、ロムちゃんラムちゃんもいるし…」

『……?』

「二人がいる前で他人のベットに飛び込んだのはどこの誰よッ!」

「で、ですよねー……ユニちゃん、本当の理由を説明するから耳貸してくれる…?」

 

顔を真っ赤にするユニちゃんに対し、わたしは耳打ちを提案。初めユニちゃんは何言ってんだ、みたいな表情を返してきたけど…わたしの顔からちゃんとした理由があるって感じてくれたみたいで、疑いの目を向けながらも耳を貸してくれた。そして、二人仲良く首を傾げてるロムちゃんラムちゃんの見る中耳打ちで説明をすると……

 

「…そんな事があったのね…ネプギア、さっきの暴言は撤回するわ…」

「わたしこそ誤解を招く言動しちゃってごめんね…」

 

こうして無事わたしの評価は回復して、ユニちゃんも怒りを収めてくれました。…ブランさん、ロムちゃんとラムちゃんの無垢さは無事守られましたよ。

 

「…仲なおり、した?」

「仲直りっていうか、なんていうか…まぁそうね。で、何しに来たのよ?」

「ユニちゃんは今休暇中なのかどうか訊きにきたんだ。ケイさんから何か言われてない?」

「休暇中だけど?…その口振りだと、三人も休暇中なのね」

 

思い思いの場所に座るわたし達。これでわたし達候補生は全員休暇に入ったという事が分かった。

わたし達がここに来たのは今の質問をする為。けどじゃあ目的も済んだしばいばい…なんて事はない。何も言わずにわたし達はユニちゃんも交えて遊ぶという方向で話を進めて、ユニちゃんも何も言わずに乗ってくれる。

 

「うーん、四人で今すぐやれる事といえばまずゲームだけど…」

「それは夜とかでもいいんじゃない?どうしてもやりたいならそれでもいいけど」

「はいはーい!わたし今までやったことないようなのがいい!」

「わたしも…でも、おっかないのはいや…」

 

何して遊ぶかなんて考え込む事じゃないけど…わたし達は全員何となく『折角の休暇なんだから、普段はやれない事をやりたい』って思っちゃってるから中々これだ、って意見が出てこない。こういう時お姉ちゃんやイリゼさんがいれば良いアイデア出してくれそうだけど、その二人は今も入院中。…さ、流石にそれを訊く為だけに電話は出来ないよね…。

 

(別に無理して今じゃなきゃ出来ない事を考えなくてもいいのかな…でも、折角の機会だし…うーん…)

 

ぽつぽつと意見は出てくるけど、どれもしっくりはこない。これは凝った事を考えれば行き詰まり、安易な案を考えるとそれもそれでなぁ…という気持ちになってしまい、そして考えている間の時間は無駄となってしまうというジレン…マ……

 

「……あ」

「どうかしたの?おなか空いた?」

「ううん、そうじゃなくてね。皆、わたしがルウィーで言った事覚えてる?」

「覚えてる?…って言われても、ネプギアが某ヘルサイズさん並みに喋らないならともかくそうじゃないんだから多過ぎて何とも言えないわよ」

「うーんとね、結構印象に残ってる事だと思うよ?」

「いんしょうに?……あ…」

「あ、ロムちゃんは覚えていてくれた?」

「う、うん……もしかして、しすこん…?」

「そうそれ。わたしは実はシスコン…シスコン!?あれ!?わたしそんな事言ったっけ!?」

「シスコン…?」

 

わたし、本日二度目の大テンパり。しかも今度はユニちゃんの怪訝なものを見る視線付き。い、いや違う違う!違うよ!?

 

「待ってユニちゃん!言ったかどうかはさておきわたしシスコンじゃないからね!?お姉ちゃんの事は好きだけど、家族愛だから!家族愛の域だから!」

「はいはい…で、シスコンなんて言ったの?」

「うん…あのね、ネプギアちゃん前にペンさがすの手伝ってくれたの。それでそのとき、わたしがおねえちゃんってよんだらネプギアちゃん、すごくわたわたして…」

「あ、あぁ…そう言えばその時そんな感じの事言ったような気がする…」

「ねーねーネプギア、しすこんってどういういみ?」

「えぇっ!?え、ええっと…ほら、コーンフレークの事だよ!」

「あーあれね。……あれ、でもそれだとなんかかみ合わない気が…」

「それより前に言った事だよ!もー、覚えてないの?四人で何か作ろうって話だよっ!」

 

大テンパりパート2に続き、ロムちゃんラムちゃんの無垢さを守れパート2も発生。テンパった直後で落ち着いて考えられなかったわたしは強引に話を進める事で何とか誤魔化した。……うぅ、休暇の筈なのにさっきから妙に大変な事が続いてるよ…。

 

「あー、魔導具云々の話?それなら最初からそう言えばよかったじゃない」

「わ、わたしも今そう思ってるよ…でさ、今こそこれを進めるチャンスじゃない?」

「たしかに時間とれるもんね…わたしはそれさんせー!」

「わたしも、それがいいと思う…」

「じゃ、ユニちゃんは?」

「まぁ、いいんじゃない?」

 

魔導具、それも科学技術と融合させた何かを作るのはわたし達がルウィーで決めた事。それは日々のちょっとした時間で出来る事じゃないし、それを決めた時はまだ旅の最中だったからあれ以降殆どノータッチだったけど、今なら完成まではいかずともある程度進められる…と思う。…わたし達四人の合作が目的なんだもん、このまま立ち消えなんて勿体無いよね。

 

「それじゃあまずは何を作るか、だね。作ってみたいものある?」

「うーん…すっごいの!」

「えらいざっくりしてるわね…どういう感じで凄いのを想像してるの?」

「それは……まだみてい…」

「未定って…先に言っておくけど、武器とかはあんまりよくないと思うわよ?簡単に出来るならもう実在してるでしょうし、そうでなくても兵器関連となるとリーンボックスが先行してるでしょうし」

「じゃあ…あるとべんりなもの、とか…?」

「あると便利な物かぁ…何があったら便利かな…」

 

作る以上は役に立たない、何だかんだ分からない物より実用性のある物がいい。だからロムちゃんの意見は指針としたいいと思うけど…日常生活の中で「これ不便だなぁ」と思う事はよくあっても、改めてそれを考えてみると思い付かないものなんだよね。多分それって『不便と言えば不便だが、実際にそう感じる時以外は思い出しもしない様なちょっとした事』が大半だからなんだろうけど…。

 

「……むずかしいわね…」

「う、うん…そうだ、これはゲームしながら考えない?何かしながらの方が案外思い付くかもしれないよ?」

「じゃあ、持ってくる…」

「あ、わたしが言ったのは据え置き型ゲームの事なんだけど…まぁいっか」

 

すぐに取りに行ったロムちゃんラムちゃんに続いて、わたしも一旦自分の部屋へ。…もう少し早くこの発想が出てきたら何をするか考えてた時も多分ゲームやってたんだよね。その場合違う事を思い付いてたりして…。

それから数分後。携帯ゲームを持って再集合したわたし達はゲームの電源を入れる。

 

「結局ゲームをやる事になったわね…」

「あはは、そうだね。でも楽しめればそれでいいんじゃないかな?」

「……あっ…ユニちゃん、じゅうでんき…ある…?」

「何よ、充電忘れてたの?…ほら、これ使いなさい」

 

充電の残量が少なくなっちゃってたみたいで、ユニちゃんから充電器を借りるロムちゃん。残量少ないのに気付かないまま友達の家に行っちゃって、友達の家で気付いて充電させてもらうって携帯ゲームあるあるだよね。……立場も育ちも特殊なわたしがこのあるある語るのは色々おかしいかもしれないけど…。

 

「ありがと、ユニちゃん」

「間違えて充電器持ち帰らないでよ?…ところで、二人に一つ訊いてもいい?」

「やだ、って言ったらどうするの?」

「ほんっと生意気よね、アンタは。…って返すわ」

「むー!だれがなまいきよ!」

「あ、アンタが訊いてきたんでしょうが…で、どうなのよ?」

「あ、うん。きいても、だいじょーぶ」

 

ロムちゃんはユニちゃんにお礼を言って、ラムちゃんはユニちゃんの言葉に怒りつつもちょっと笑ってる(怒ってる振りなのかな?)。ルウィーで和解したばかりの頃は、わたしとユニちゃんとで二人との関係が少し違っちゃっていたけど…今はもう、わたし抜きにも仲良しになってくれた。…って、わたしはなんで年上みたいな思考してるんだろうね。

 

「二人って、確か電撃系統の魔法も使えるのよね?じゃあ魔法で充電したりは出来ないの?」

「あー……前に一回やってみたことあったね、ロムちゃん…」

「うん、あったね……(しゅん)」

「……?何か不味かったの?」

「じゅうでんしようとしたら、こわれちゃったの…」

「バチバチってなって、そのあとゲームからけむりが出てきちゃったわ…」

「そ、それは災難だったわね…でも残念。もし出来るのなら夢のある話だったのに」

『…………』

 

 

 

 

『(それ・これ)だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

数秒の沈黙の末、わたし達は全員揃って充電器の繋がったゲームを指差した。指差しながら叫んで、わたし達は目を合わせて、興奮気味に口を開く。

 

「それだ、それだよ!充電機無しで、完全に自前で充電出来るなんて誰もが望むレベルの便利さだよ!」

「それなら、気付いた時すぐじゅうでんできる…!」

「外でもゲームしかなくてもできるなんてかくしんてきじゃない!」

「上手くいけば充電器もモバイルバッテリーも必要なくなる…わ、我ながら恐ろしい発想力だわ…!」

 

完成像を想像するわたし達の目は、キラキラと輝いている。こんなに便利でわたし達のやる気を駆り立てるアイデアが生まれるなんて、ほんとにもう天啓とかそういうレベルにわたしは思えてしまっていた。すぐ出来て、充電器が必要なくなってどこでも出来て、電気代もかからないなんてお得過ぎるよ!こんなのあったら欲しいに決まってる…いや、作るに決まってる!

 

「皆、それじゃあわたし達の目的は魔法で充電出来る魔導具作り、でいいね!?」

『おー!』

「わたしは機材作り担当、ロムちゃんラムちゃんは魔導部分全般担当、ユニちゃんはサポートと偏ってない目線でのストッパー担当でOK!?」

『OK!』

「よーしじゃあわたし達…女神候補生による便利魔導具開発計画、ここに始動だよ!女神候補生、ふぁいとー…」

『おーーっ!』

 

わたし達は円陣を組んで手を重ね、掛け声と共に手を挙げる。──こうして、わたし達の挑戦が始まるのでした。

 

 

 

 

 

 

……因みに、この後…

 

「もう!何を騒いでるんですか!元気なのはいい事ですが、騒ぎたいなら外か騒いでも大丈夫な部屋に移動して下さい!

o(`ω´ )o」

『ご、ごめんなさい……』

 

五月蠅くした事でいーすんさんに怒られてしまうわたし達でした…。




今回のパロディ解説

・ガスティール、だーくぞーん
ヴァンガードシリーズに登場するユニット及び、作中の惑星に存在する国の事。ネプギアが使うなら名前的にもギアクロニクル、ロムは…バミューダ△とかでしょう。

・某ヘルサイズさん
これはゾンビですか?に登場するヒロインの一人、ユークリウッド・ヘルサイズの事。紙で会話するネプギア…これだけで物凄い個性になりますね、絶対。

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