超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress 作:シモツキ
パーティーが一時的に分裂して各国で活動する時って基本ネプテューヌかネプギアがメインになるよね。基本って言ってもまだ二回しか起きてないし、この二人は私と同じ主人公の一人だし、私は二回共単独行動&各国を渡り歩いたりしてないから当たり前っちゃ当たり前だけどね。…というか、そもそも私は文句を言いたい訳じゃないの。視点担当…つまりは地の文を行うのって言ってしまえば思考が読者さんに駄々漏れになる訳だし、プライバシーも何もあったもんじゃないんだから、暫く視点を預けられるのは私にとって貴重な、ゆっくり出来る時間が生まれるって事。ただなんていうか、普段と置かれてる状態が違うからか少し違和感があって、私はその違和感を紛らわせる為にこうして時々地の文があるかの様な事を考えたりして…………って、あれ!?もう視点担当私に戻ってるの!?嘘、いつの間に!?っていうかじゃあ、今考えてた事は筒抜けだったの!?…う、うぅぅぅ……
「うにゃあぁぁぁぁああああっ!!」
廊下で髪の毛をぶんぶん振り回しながら頭を掻き毟る。こんなの髪にも頭皮にもダメージの入る、女の子として避けるべき行為だけど…そんな事よりこの赤っ恥の方が問題だよ!こんな素人の動画撮影における「え、もう始まってんの!?」的行為なんて大恥以外の何でもないんだもん!このイリゼ、一生の不覚…ッ!…とか言いたくなっちゃう位馬鹿みたいな事しちゃったよ私!…こ、ここ見てる読者さん達も今のは忘れて!忘れるのが無理なら心の中にしまっておいて!お願い!お願いしますっ!
「……はぁ…はぁ…」
十数秒程そんな事をやって、何やってんだろ私…という自分で自分に呆れる事でやっと私はクールな状態に。今は偶々周りに誰も居なかったからセーフだけど…もし誰か居たらどこぞのアミエーラさんばりの「ドン引きです」を口にされただろうなぁ…はは……。
「…早く行こ……」
ボサボサになった髪型を一先ず手で撫で付けつつ、私はプラネタワー内の会議室の一つへと向かう。
犯罪組織にこちらの行動を誤認させる為行なった女神の別行動。それを終えて戻ってきた私とネプギア以外の候補生は、休憩の後に会議室に集合する事になっていた。…考えてみれば、プラネテューヌに戻った時点で視点担当も私に戻るであろう事は予想出来てた筈だよね…。
「お待たせしました〜」
会議室前に到着した私は、そう言いながら扉を開ける。するとそこにはネプギア達候補生は勿論、コンパやアイエフ達パーティーメンバーも全員揃っていた。
「は〜い、まだ予定時刻前だから大丈夫ですよ」
「それは良かった。…私がビリ?」
「いえ、まだいーすんさん達が来てませんからビリじゃないですよ」
私の挨拶にはコンパが、質問にはネプギアがそれぞれ反応してくれる。この光景も久し振りに感じるなぁ…久し振りって言う程日が経った訳じゃないけど。
「そっか、じゃあ教祖の四人は事前に何か話してるのかもね」
「むー、はなしならここですればいいのにー」
「あはは、きっと教祖さん達だけで話す事もあるんだよ」
「わたしたち、女神なのに…おしえてもらえないの…?」
「ま、そこは女神と教祖は同じ立場でもなければ単純な上下関係でもないって事よ。それにアタシ達は女神『候補生』だし」
そう話すネプギア達を私は見回す。私が担当していたリーンボックスでは特に何もなかったものの、ラステイションとルウィーで四天王と一悶着あった事とネプギアがその時向かった事はもう聞いている。特にラステイション…ユニに関しては色々ショッキングだったらしいから内心不安だったけど……この様子なら、少なくとも戦線離脱しちゃう事は無さそうだね。ノワールと同じで自分に厳しいユニだから、過剰に気負ったりしないよう気配りはしておいた方が良さそうだけど。
そうしてそこから待つ事数分。イリゼは何か変わった事あった?という皆からの質問に答えていたところで会議室の扉が再び開く。
「皆さん、揃っていますか?(´・Д・)」」
「揃ってますよ、イストワールさん」
「では早速始めましょう、いいですよね?(´・ω・)」
「構わないわ、アタクシ達は雑談する為に集まったんじゃないんだもの」
イストワールさんと共に入ってきたのは、勿論教祖さん達。ケイさんチカさんミナさんが席について、イストワールさんは座ってる本ごと椅子へとランディング…したりはせず、部屋のモニター前へと移動する(因みに私達は上座下座割と関係無しに座ってたり…わ、私が来たのは後の方だし私の責任じゃないよ?)。
「そうですね。それでは…皆さん、これまでよく頑張ってくれました。次の目的は……守護女神四人の、救出です」
『……──っ!』
それまでは談笑の延長線上の、ちょっと緩い雰囲気だった会議室内。それが、イストワールさんの言葉で一変した。
守護女神四人の救出。私とコンパ、アイエフにとっては仲間であり友達の、ネプギア達にとっては姉の奪還を遂に実行へと移せるとなれば、気分が引き締まらない訳がない。そして新たなメンバーの四人もそれがどれだけ重要な事なのか分かってくれているからか、私達と同じ様な表情を浮かべる。
「あ、あの!それっていつですか!?」
「一週間後です(´・ω・`)」
「一週間後…!……え、い、一週間後…?」
「…び、微妙な日数ですね……」
がばっ、と勢いよく立ち上がりながら実行日を訊いたネプギアは、返答を受けて一瞬真剣そのものの顔付きになって…その後、その表情がちょっと間の抜けたものになってしまった。でもそうなる心境は私達にも分かるもので…ユニの発言に私達はうんうんと頷いた。…早いとも遅いとも言えない一週間は微妙過ぎる……。
「こ、これには理由があるんですよ。必要な準備をこなし、尚且つ救出時にコンディションが悪くならない様余裕も持たせた結果が一週間後なんです(;´д`)」
「は、はぁ…でも一週間後か…うぅ、ちょっと緊張してきた…」
「いやネプギア、今から緊張してたら身体が持たないんじゃないかな…」
「…リラックス出来る曲、ボクで良ければ歌うよ?」
「し、心配かけてすいません…」
微妙ながらも決してずっと先の事ではない一週間に緊張したネプギアへと声をかける、ファルコムと5pb.。それにネプギアが軽く頭を下げつつ返したところで話は続く。
「それで、具体的にはどうやってねぷねぷ達を助けるです?」
「それはですね、まずこちらをご覧下さい(・ω・)ノ」
顔文字通り手を挙げてモニターを指し示すイストワールさん。それに合わせてケイさんがPCを操作し、モニター画面にサイバーな感じのデータが色々と映し出される。その中心にあるのは……
「……なにこれ、フィンファンネルバリア?」
「いやそれだと犯罪組織にロンド・ベルが一枚噛んでる事になるから…厄介過ぎるでしょそれは…」
きょとーんとした顔で図を見たREDが言う。REDの言う通りそれは三角柱で、でもそれが何か特定出来る程の情報が映し出されていないから「なにこれ?」と言いたくなる気持ちは分かる…いややっぱり分かんないかも。少なくともこの状況でフィンファンネルバリアが出てくると思う思考回路は分からないよ…。……まぁとにかくそれはやはり間違いらしくて、イストワールさんは首を横に振る。
「あはは…これは結界です。と言っても、これを実際に見た事あるのはイリゼさんにネプギアさん、コンパさんアイエフさんの四人だけだと思いますが…( ̄^ ̄)」
「私達四人…って事はまさかねぷ子達の……」
「…はい。これこそ守護女神の四人をギョウカイ墓場へ幽閉している最大の力、アンチシェアクリスタルによる結界です」
『…アンチ…シェアクリスタル…?』
真っ先に気付いたアイエフに続いて私も気付く。あの時ネプテューヌ達を覆っていたのは、確かに三角柱の結界の様な物だったと。そしてイストワールさんの言葉と共に、モニター上の三角柱…もとい結界の隣に頂点部の拡大図が表示される。そこには結晶の様な物が出ていて、それが恐らくアンチシェアクリスタル何だろうけど……アンチシェアクリスタルって何なんだろう?名前的にシェアクリスタルと対をなしてそうだけど…。
「こほん。えー…細かい説明は物凄く時間がかかるので省くとして、簡単に言うとアンチシェアクリスタルは効果範囲内のシェアエナジーを吸収してしまう物質です(´-ω-`)」
「あぁ…アンチ・シェアクリスタルではなくアンチシェア・クリスタルなのですね…」
「まぁそうですね。設置した機材からのデータを解析した結果、このアンチシェアクリスタルによってネプテューヌさん達は教会のシェアクリスタルから送られてくるシェアエナジーを奪われ動けなくなっているのだと分かったんです。もしネプテューヌさん達が万全の状態であったならまだしも、今はとても万全とは呼べない状態ですから…(><)」
「…万全とは呼べない状態……」
『おねえちゃん……』
「あ……い、イストワールさん結界の方の説明もお願い出来ますか?ネプギアが触れて力が抜けた件といいシェアで作った武器が消えた件といい、結界の方もただの壁って訳じゃないんですよね?」
「え、えぇはい。アンチシェアクリスタルはそのままでもシェアエナジーを吸収する力があるのですが、それはあくまで待機状態の様なもの。そして活動状態になるとこの結界が現れるんです(;´д`)」
万全とは呼べない状態、という言葉を聞いて表情を曇らせたユニ達を見て、私は慌てて質問。イストワールさんも私の意図に気付いてくれて、結界に関する解説をしてくれる。
「外側にこそなにも起こしませんが結界の壁そのものはクリスタル同様吸収能力を持ちますし、結界内での吸収力は増大します。そして結界はシェアを得れば得る程強度を増すので…この結界は、時間を追う毎にシェアエナジーを力とする存在への拘束力が増すと言っていいでしょう(-_-)」
「そうなんですか……という事は、今あの結界は相当な強度に…?」
「…なっているでしょうね。恐らく通常兵器による破壊は最早困難だと思われます(¬_¬)」
……落ち込みそうになってたユニ達の気を紛らわせようと思って質問したのに、その結果ユニ達どころか私達全員の気が滅入りそうな説明をされてしまった。…か、完全に当てが外れた……。
…と、思っていたら今度はネプギアが口を開く。
「と、突破方法はあるんですよね?あるから助ける日を決定したんですよね?」
「勿論です。突破方法はありますし、その要になるのは…ネプギアさん達女神の皆さんです」
「わたし達、ですか…?」
ネプギアの言葉ににこり、と笑みを浮かべるイストワールさん。それと同時に(というかケイさんが合わせて)モニターの画面も、何かビームっぽいものが当たって結界が消滅するグラフィックへと変わる。
「先程言った様に結界にも吸収能力がある以上、無策でシェアエナジーを利用した攻撃をしたところで無意味どころか結界を強化してしまうだけです。しかし、アンチシェアクリスタルは常時シェアを吸収し続けるものの瞬間的な吸収可能量には限界があり、その限界値以上のシェアが指向性を持って注ぎ込まれた場合は一時的に機能不全を起こすんです。…と、今の説明で分かりましたか?(・ω・)」
「あ、はい。取り敢えず私は…」
「…ネプギアちゃん…ネプギアちゃんは、分かった…?」
「わたし?うん分かったよ。電子機器に処理能力以上の情報が送られるとフリーズしちゃったりする様なものだよね」
「……ら、ラムちゃん…」
「わ、わたし!?え、えっと…ゆ、ユニ!あんたは分かってないでしょ?そうでしょ?」
「残念、アタシは分かってるわよ。本来はエネルギーになる筈のものも過剰に投入すると機能しなくなるって意味じゃ、銃の火薬に似てるかも」
「うぐ……」
説明を理解しそれぞれの趣味の領域で例えるネプギアとユニ。ロムちゃんは素直に、ラムちゃんは多分分かってない仲間を作りたくて二人に声をかけたんだろうけど…完成に目論見が外れてしまっていた。…と、思っていたらそこでミナさんが動いた。
「ロム様、ラム様。これはタイヤを想像すると分かり易いかもしれませんよ」
『タイヤ…?』
「タイヤは空気を入れると硬くなってパンクし辛くなるでしょう?しかしだからといって空気を入れ過ぎると、今度はそれが原因で破裂してしまう。それと同じ様な事なんですよ」
「あ、あー!そういうことね!さっすがミナちゃん!」
「ミナちゃん、あたまいい…!(いんてり)」
「ふふ、こういう事で宜しいんですよね?」
「大まかには合っているので大丈夫ですよ。助かりました、ミナさん( ̄^ ̄)ゞ」
ミナさんの例え話により納得のいったロムちゃんラムちゃん。この僅かな間に分かり易く且つ二人に伝わる例えを思い付く辺り、ミナさんの保護者力(?)はかなりのレベルらしい。…ほんとに見た目といい先生みたいな人だよ、ミナさん……。
「それでは話を戻しまして…相当な強度になっている事が予測される以上、最善策は物理的な破壊ではなく先に言った様に機能不全に陥らせる事です。ですからネプギアさん達四人での一斉攻撃で機能を落とし、その間にイリゼさんがクリスタル本体を破壊する……それが対アンチシェアクリスタルの策ですo(`ω´ )o」
「け、結構シンプルな策ですね…あれ?でもそれでしたら、破壊は私でなくともよいのでは?」
「まあ、それは否定しませんが…クリスタル自体の強度や結界再生までの時間は正確に計算出来ていないので、確実に一度で成功するよう破壊担当は最高戦力に任せたいんです(・ω・`)」
「あぁ、そういう……」
「あはは、最高戦力って事は否定しないんだね」
「う…こ、この場で否定したらむしろ感じ悪いと思っただけだよ…」
むぅぅ…と恨めしそうに睨むと、ファルコムはごめんごめんと肩を竦める。とはいえこの位の弄りは慣れたもので、それはさておきと私は話を進めてもらう。
ギョウカイ墓場までの移動方法、ギョウカイ墓場へ入ってからの各々の役割分担、四人を助けてからの離脱手順…私達は説明を一つ一つ聞いて、それ等を頭に叩き込んでいく。そこまで複雑な事を聞いている訳じゃないし、多分出発前にも確認するだろうけど……やっぱり重要な作戦だから、ちゃんと聞かなきゃって気持ちについなってしまう。…いや別に普段は人の話ちゃんと聞いてない訳じゃないよ?
「……ですので、基本的に救出までは女神の皆さんを極力温存する為コンパさん達に尽力してもらう事になります。…勝手に決めてしまって申し訳ありませんが…皆さん、宜しくお願いしますm(_ _)m」
「お願いされたです。ギアちゃん達は重要な役目があるですから、それまではわたし達で頑張りますです!」
「えぇ、梅雨払いは任せて下さい。数を相手にするのは得意ですから」
「よーし!女神の皆は、アタシ達で守るよ!」
「…頼もしいですね、皆さん」
「だね。私達も皆の気持ちに応える働きをしなきゃだよ?」
ネプギアの言葉に相槌を打ち、そちらを向くと女神候補生の四人はその瞳にやる気の炎を灯している。…ほんとに四人は成長したなぁ…私も先輩として、女神の名に恥じない結果を出さなきゃ。
「説明としては以上ですね。それでは皆さん、一週間後に向けて入念な準備しておいて下さい(`_´)ゞ」
「準備…アタシ達は何か当日までの役目ってあるんですか?」
「君達にはシェアクリスタルの精製をしてもらうよ。とある道具の為に、シェアクリスタルが必要だからね」
「…サイズは?」
「細かい事は後で伝えるけど…まぁ取り敢えず小さくて構わない」
「ふぅん…まぁ分かったわ」
説明終了という事で皆は三々五々の行動に。…と言っても実行はまだ先だから特に急ぐ様子もなく、思い思いに会議室を出ていく。
「さてと、イリゼさん。ネプギアさん達の事を頼みますね(^人^)」
「はい。あ…それと少しお願いしたい事があるので、夜にお時間頂けますか?」
「夜ですね、大丈夫ですよd( ̄  ̄)」
「……?わたし達の事を…って、なんの事ですか?」
私とイストワールさんの会話を聞き付けてやってくるネプギア達候補生。それに気付いた私は四人の方へ振り向き……彼女達を連れ出した。
*
会議終了後、イリゼさんに連れ出されてわたし達がやってきたのはプラネテューヌの郊外。普段は訊けばすぐ説明してくれるイリゼさんだけど…今回は何故か理由を教えてくれなくて、わたし達は何なんだろうと不思議に思いながら着いていった。
「…この辺りでいいかな…」
舗装された道から離れ、イリゼさんが足を止めたのは周りに何もない原っぱ。そこでイリゼさんが周りを見回す中、わたし達は小声で話し始める。
「…ねぇ、ここで何するんだと思う?」
「まぁ、屋内でやるべき事じゃないのは確かね」
「ピクニック、とか…?」
「それかモンスターたいじかも。だってわたしたち女神じゃない」
「うーん…ピクニックならシートとかお弁当とか持ってくるだろうし、モンスター退治なら先に言ってくれると思うよ?」
「じゃ、わかんなーい」
「……あ…」
「どうしたのユニちゃん、何か思い付いた?」
「…もしかしてアタシ達、イリゼさんがいない時に色々勝手な行動してたからそれを怒られるんじゃ…」
『え……?』
ユニちゃんの言葉で固まるわたし達三人。や、やだなぁユニちゃん、わたし達は別に怒られる事なんて…………うん、してたね…教祖さん困らせたり四天王と戦ったり勢いだけで他国に行っちゃったりしたね……。
「わ、わたしたち…おこられるの…?(ぶるぶる)」
「あ、アタシは完全に弁明のしようがないし、日が暮れるまでランニングとかやらされるのかも…」
「ひ、日がくれるまで!?…ちょ、ちょっとネプギア…うまくごまかすアイデアとかない?」
「え、えと……イリゼさんってわたし達候補生にも真面目に付き合ってくれる人だから、下手に誤魔化そうとしたらそれこそ本気で怒るんじゃ…?」
『…………』
怒る目的なのかどうかという部分を忘れ、怒られる前提での会話を進めるわたし達。ロムちゃんラムちゃんは顔を青くしてしまい、ユニちゃんも頬に冷や汗を垂らしている。そしてわたしは…前に一度イリゼさんに怒られた時の事を思い出して、割と本当に怯えてしまっていた。
「……皆、やるべき事は一つだよ…」
怒られる気満々のわたし達は目を合わせ、互いに頷き合う。そう、何だかんだ怒られる時は小細工なんかしない方がいいに決まってる。だって、小細工しまくりのお姉ちゃんはいーすんさんやアイエフさんにその後みっちり怒られてるんだから。
「……うん、よさそうだね。それじゃあお待たせ皆、これから…」
何だかよく分からない覚悟を決めたわたし達は、ぴしっと四人整列する。そして、イリゼさんがこちらを振り向いた瞬間に……息を合わせる。
「──特訓するよ!」
『ごめんなさいっ!もう二度としませんっ!』
「……え?」
『……え?』
『…………え?』
────約一分間。わたし達が勘違いに気付くまでのその間、ここにいる五人の間で交わされたのは「え?」という言葉だけだった。……勘違いって、怖い…。
今回のパロディ解説
・どこぞのアミエーラさん、ドン引きです
GOD EATERシリーズの登場キャラ、アリサ・イリーニチナ・アミエーラ及び彼女の代名詞的台詞の事。狩り全く関係無しの代名詞的台詞、というのも凄いですよね。
・フィンファンネルバリア
機動戦士ガンダム 逆襲のシャアに登場するMS、νガンダムの武装の一つの機能の事。犯罪組織にはシャアパロのキャラもいますし、謎のコラボ状態になってしまいますね。
・ロンド・ベル
上記と同じく機動戦士ガンダム 逆襲のシャア及びガンダムシリーズに登場する特殊部隊の事。犯罪組織にロンド・ベルが…ってなったら連邦は腐敗し過ぎですね。