超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第四十七話 それぞれの国で

わたし達女神候補生がお姉ちゃん達とギョウカイ墓場へ行った時、大量のモンスターを従えていたのは四天王と名乗る四人(三人程助数詞が人、で合ってるのか怪しいけど…)の犯罪神の配下。四人共お姉ちゃん達守護女神とまともに戦えるだけの実力があって、あの時も、二度目の突入の時も歯が立たなかった。だからわたし達にとっては、やっぱり四天王の存在は大きくて、そんな四天王の目撃情報が出てきたとなれば……わたし達は、緊張しない訳がない。

 

「そ、それは…どこにですか!?うちですか!?」

「直近の情報では、リーンボックスとルウィーで目撃されています。…が、プラネテューヌとラステイションでもそれ以前に目撃情報があるので、直近の情報があった国にいるとは限らないでしょう」

 

いーすんさんの発言を聞いた瞬間、身を乗り出す様にして問い詰めたユニちゃん。ユニちゃんの勢いにわたしはびっくりしたけど…いーすんさんの方はそういう質問をされるだろうって予想していたみたいで、勢いにも動じていなかった。

 

「そう、ですか…二人って事は、もう二人の目撃情報はないんですか?」

「はい。目撃情報…というか外見の情報を照らし合わせた結果浮かび上がってきたのは、ノワールさんとブランさんが相手取っていたらしい二人です」

「…って事は、あいつは出てきてないんだ…」

 

ノワールさんとブランさん。二人の名前が出てきた瞬間、ユニちゃんロムちゃんラムちゃんの三人がぴくりと肩を震わせて…その後、イリゼさんがぽつりと呟いた。ユニちゃん達が反応するのは分かるけど、どうしてイリゼさんまで?…と思ってわたしがイリゼさんの方を向いたら、皆も同じ事考えていたみたいでイリゼさんは注目の的状態だった。

 

「…イリゼさん、何か思うところがあるんですか?(´・ω・)」

「あ、いや……無い事は無いですけど…今は多分関係ないのでお気になさらず…」

「気にしてほしくないなら、そもそも口に出さない様にしなさいよ…」

「だ、だよね…気を付けます…」

 

アイエフさんに窘められて、しゅんとしちゃうイリゼさん。…お姉ちゃんと同じで、イリゼさんも格好良い時と残念な時の落差が凄いなぁ…お姉ちゃんとイリゼさん、両方に失礼な事考えちゃってるけど……。

 

「それで、わたしたちはどーすればいいの?おねえちゃんたちを助ける前に、そいつらをちゃっちゃとたおしておくの?」

「ラムちゃん、流石にちゃっちゃと倒せる相手ではないんじゃないかな…」

「む、たたかう前からそんなんでどーするのよネプギア。ほんっとネプギアは弱気よね」

「え……?…ら、ラムちゃん…ネプギアちゃんで弱気なら…わたしは、どうなるの…?」

「えぇっ!?…え、えーっとそれは……ね、ネプギア!あんたにちがいをせつめーさせてあげるわ!」

「わ、わたし!?…うーん…じゃあ、ロムちゃんのは弱気じゃなくて慎重…って事で、どう?」

「あ、いいこと言うわねネプギア!そういうことだからだいじょーぶよロムちゃん!」

「う、うん……」

「…平常運転ね、アンタ達は……」

 

ラムちゃんがきっかけを作って、ロムちゃんがショックを受けて、わたしが慌ててフォローして、ユニちゃんが突っ込む。そんなTHE・女神候補生トークは今日も好調だった。……真面目な話の最中にするべきネタではないけど…。

 

「まぁ、今のやり取りはともかく…実際どうするのですか?流石に対応しない訳にはいかないでしょう?」

「軌道修正ありがとうございますケイブさん…勿論対応はしますよ。その対応というのが、先程わたしの言った事なんです

( ̄^ ̄)」

「先程……ギアちゃん以外の候補生に、数日間自分の国に戻ってほしい…ってやつですか?」

「そういえばそう言ってたね。…倒しに行くんじゃないの?」

 

対犯罪組織を進める上で四天王との戦いは多分避けられなくて、REDさんの質問はわたしも思い浮かべていた。けれど、いーすんさんは首を横に振る。

 

「今回の目的は、あくまで女神候補生が自国に戻ったと情報を流す事です。その情報が流れ、実際に一定の目撃者が現れてくれれば四天王を始めとする犯罪組織に牽制を出来ますし、万が一の事があっても国民は安心出来る筈ですからd( ̄  ̄)」

「じゃあ、わたし達はその数日間で人目を浴びた方がいいって事ですね。…あれ?でもそれだとリーンボックスは…」

「リーンボックスにはイリゼさんに行ってもらおうと思っています。勿論イリゼさんはリーンボックスの女神ではないので、他国程上手くはいかないでしょうが…それでも行かないよりマシですから(。-∀-)」

「まぁ、国民の安心はともかく犯罪組織への牽制にはなるでしょうね。私は了解です」

 

ふむふむといーすんさんの言葉に頷いて、首肯を示したイリゼさん。ユニちゃんもそれに続いて、その後わたし達に視線を送ってきた。…アンタ達はどうするのよ、って。

 

「うーん…わたしもそれでいいかな。国民の人達を安心させられるならその方がいいし」

「わたしもよ。かえったらミナちゃんとフィナンシェちゃんにリーンボックスでのかつやく教えてあげよーっと」

「…もし何かあったら、すうじつじゃなくなる…?」

「それは…そうですね。数日というのは、皆さんが出張らなきゃいけない様な事が起こらなかった場合の想定ですから

(・ω・`)」

「…そう、なんだ……」

 

少し宙を見た後、イストワールさんは回答。わたしはそれを「それはそうだよね」と思って聞いていたけど、ロムちゃんは違う事を思ったみたいで表情が曇っていった。

 

「あ、あれ…ええと、もしかしてわたし何か不味い事言いました…?

Σ(・□・;)」

「い、いや多分そんな事はないと思いますけど…ロムちゃん、どうかしたの?」

「…もうちょっと、ネプギアちゃんといっしょにいたかった…」

「ろ、ロムちゃん……」

 

両手を胸の前で握って、寂しそうな顔でそう呟いたロムちゃんに…ロムちゃんにわたしは胸がキュンとするのを感じた。ろ、ロムちゃんがわたしと別れるのを寂しがってたなんて…はぅ、何この可愛い子。何ってわたしの友達で女神候補生仲間なんだけど。…ってそんな事はどうでもよくて、このキュン具合はロムちゃんに「おねえちゃん」って言われたあの時に匹敵しているよ!ロムちゃんみたいに小さくて大人しい子にそんな事言われたら、キュンとしない訳がないよ!この破壊力は、最早一種の精神攻撃……って、

 

「…何考えてるんだろわたし……」

『……?』

「……あの、ケイブさんとファルコムさん…ちょっとわたしの名前を呼んでもらえますか…?」

「……?ネプギア…?」

「ネプギア。……これでいいのかしら?」

「あ、はい。ありがとうございます。…うん、効果あった…」

『…………?』

 

思考が明らかにヤバい方向に向かっていた事に気付いたわたしは、取り敢えず自分の頭を本気で心配した。そして、煩悩を振り払う為にケイブさんとファルコムさんに名前を呼んでもらった。

この二人は、ロムちゃん(というかわたし達候補生)とは真逆で、格好良い大人の雰囲気を持つお姉さん達。当然二人がわたしの名前を呼ぶ時は声音に『年下の女の子と接している』って思いが乗るから、二人に話しかけられた時の印象はロムちゃんの時とは全く逆になる。そんな二人の言葉を聞く事で、わたしのヤバい煩悩は相殺されて……ふぅ、やっと落ち着けたよ…。

 

「…ネプギアちゃん、だいじょうぶ…?」

「う、うん。…ロムちゃん、少しの間お別れだけど…そんなに寂しがらなくても大丈夫だよ。ずーっと会えなくなる訳じゃないし、電話だって出来るし…もし何かあって、ロムちゃんがルウィーから離れられなくなったら、その時はわたしがルウィーに行くから。いいですよね?いーすんさん」

「はい。何かあった時、候補生皆で対応出来る様旅で協力体制を築いたのですから、むしろ行ってくれないと困ってしまいます(・ω・)」

「ほら、いーすんさんのお墨付きも貰ったし、何かあったらわたしが一番先に行くって約束するよ。だから…ちょっとだけ我慢しよ、ね?」

「…ネプギアちゃんが、そうやってやくそくしてくれるなら……がまん、する…」

「よかった。クエストしたり外回りのお仕事したりで、国民の人達を安心させようね」

「うん。ネプギアちゃんも、がんばって」

 

ロムちゃんはしゅんとしていたけど、わたしの言葉をちゃんと聞いてくれて、最後はわたしの約束に頷いてくれた。その後言った言葉の時には寂しそうだった表情も消えて、わたしからの呼びかけに応えてもくれた。…自分自身で触れてた通り、ロムちゃんはちょっと気が弱いのかもしれないけど…その分こんなに素直なんだから、恥じる必要なんてないよね。さて、ロムちゃんも納得してくれたし話の続きを……

 

「うー……」

「へ……ら、ラムちゃん…?」

「はぁ…アンタって、そういうところ気が回らないわよね」

「ネプテューヌの妹だからね、ネプギアは…」

「へ?……へ?」

 

気付いたら、ラムちゃんに凄く不満そうな目で見られていた。しかもユニちゃんとイリゼさんに軽く呆れられていた。…どういう事?と思ってロムちゃんを見てみたけど…ロムちゃんもわたしと同じ様にきょとんとしている。……ほんとにどういう事なの…?

 

「むむ…もしかしたらネプギアはアタシのライバルなのかも…」

「いやあんたとネプギアじゃ方向性が違うでしょ…」

「そもそもギアちゃんはそういうつもりじゃないと思うです…それで、わたし達はどうするです?ねぷねぷ達の偽者が現れた時みたいに、数人ずつで別の場所行くですか?」

「いえ、今回は行きも帰りも時間をかけずに行ってほしいので、コンパさん達はプラネテューヌに残って頂けるとありがたいです。…それに、昔ならともかく今のネプギアさんの場合、本来ならプラネテューヌを不在してはいけない状態でもルウィーやラステイションに飛んでいってしまいそうですから…(⌒-⌒; )」

「そ、そんな事しませんよ…自分で言うのもあれですけど、わたしはちゃんと考えて行動出来ますから。ですよね?皆さん」

『え……?』

「がーん!ぜ、全員に訊き返された!?」

 

ロムちゃんにもラムちゃんにも、コンパさんにもいーすんさんにも、まだそこまで付き合いが長い訳でもない筈の5pb.さんやファルコムさんですら「え……?」だった。……どうしようお姉ちゃん、わたし今ちょっと泣きそうだよ…。

 

「…ま、まぁネプギアさんはご覧の通りなので「ご、ご覧の通りってどういう事ですかいーすんさん!」……皆さん、プラネテューヌで待機してもらえますか?(>人<)」

「私は構わないわ。…リーンボックス特命課の私がプラネテューヌで、 というのは中々奇妙なものだけど…」

「今のボク達は、このパーティーの一員だからね。……な、なので…ぼ、ボクもそれでいいです…」

「な、何故わたしの方を見た途端挙動不審に……(゚д゚lll)」

 

ケイブさんと5pb.さん、それにREDさんファルコムさんも了承してくれて(コンパさんとアイエフさんは元々平時はプラネテューヌにいるから待機の捉え方が別)今後のわたし達の行動は決定した。……それはともかく、わたしって皆から『考える前に動いちゃう子』だと思われてたんだ…。

 

「はぁ…わたしは考えて動いてるつもりだったのに…」

「今度はネプギアが落ち込んでるし…まぁ、流石にいつも考えなしに動いてるとまでは思ってないわよ。偶に暴走っていうか気持ち最優先になるってだけで。実際ロムラムの時は行き当たりばったりだったでしょ?」

「うっ……言われてみると、確かに…」

「ある意味それも成長だと思うよ、ネプギア。良い事か悪い事か、って部分を抜きにしたら感情が先行しがちなネプテューヌに近付けてるとも言えるからね」

「お姉ちゃんに近付けてる…そ、それならむしろ嬉しいかも…」

「いやイリゼ、それはあんまり喜ばしい事じゃ…ってもうちょっとネプギアの心に響いちゃってるじゃない…」

「あ、あはは…ごめんアイエフ、私褒めるのはそこそこ得意だからつい……」

 

わたしの憧れの存在は、勿論お姉ちゃん。イリゼさんやコンパさん、アイエフさんも見習いたいところが沢山あるけど、やっぱり一番はって言われたらわたしはお姉ちゃんを挙げる。そんなお姉ちゃんに、どんな形であれ近付けてるなら…そんなの、嬉しいに決まってるよね。ふふっ、わたしは顔立ち以外お姉ちゃんとあんまり似てないって言われるけど、この調子なら犯罪組織を倒した頃にはユニちゃんとノワールさんみたいな似た者姉妹になれるかな?

 

「では、所々話が逸れてしまいましたが……皆さん、どうか宜しくお願いしますm(_ _)m」

「はい!ユニちゃん、ロムちゃん、ラムちゃん。それぞれ別行動になるけど…頑張ろうね!」

「言われなくてもそのつもりよ。っていうか、ロムちゃんにはわたしがいるんだからね!『わたし』がいるんだからね!」

「あ…う、うん…(なんでそんなに強調したんだろう…)」

「…とはいえ、昨日来て今日すぐ行け、ではプラネテューヌの教祖として非礼というもの。今日一日はゆっくりしていって下さいね。それとイリゼさん、後でちょっと来てもらえますか?(´・ω・`)」

「私ですか?はい、分かりました」

 

四天王に対応する形で、別行動を取る事になったわたし達。…正直に言うと、これまではずっとメンバーが増える一方だった(ロムちゃんラムちゃんとは一旦別れたけど、あれは出発するタイミングが違っただけだから例外)から、人数が減っちゃうのはちょっと残念だけど…わたし達は女神だもんね。それに…友達は一緒にいなくても友達だよね、皆。

 

 

 

 

「トドメは任せるよ!」

「はい!やぁぁぁぁッ!」

 

バズーカによる砲撃に追い立てられて、わたしの方へと後退してくるロボットみたいなモンスター。そこそこ強いモンスターだけど…もう状態は機械でいう中破か場合によっては大破のレベルで、戦闘能力もあんまり残っているとは思えない。だから、わたしはしっかりと地面を蹴って…腰椎部をM.P.B.Lの刀身で両断した。

内部機構が割れ、千切れる音と共に真っ二つになるモンスター。わたしが女神化状態の高揚感でつい見得を切ってしまう中、モンスターは消滅していく。

 

「…ふぅ…これで依頼達成ですね」

「ふっ、更に出来る様になったね、ネプギア」

 

女神化を解除しながら言ったわたしの言葉へ返答してくれたのは、今回わたしと共に戦ってくれたビーシ……プレスト仮面さん。そんなに背が高くないブレスト仮面さんがバズーカを軽々使いこなしてる姿は中々シュールだったけど…それを言い出したらわたし達のパーティーはシュールな人だらけになっちゃうかな…。

 

「プレスト仮面さん、ご協力ありがとうございました」

「正義の味方、子供の味方として当然の事をしたまでだよ。それよりも、あの人達に声をかけなくていいのかな?」

「あ…そうですね。あのっ、モンスターは無事倒せましたよー!」

 

突き立てた親指でちょいちょい、と自分の後ろの方を指し示すプレスト仮面さんの言葉を受けて、わたしはこの場にいるのがわたし達だけじゃない事を思い出し、その人達へ声をかけに行く。

今回のクエストは、生活圏外の道路整備の邪魔になるモンスターを退治してほしいというもの。だからここには工事業者の人達がいて、いーすんさんの言っていた『女神候補生が自国に戻っている』というのを知ってもらう為には絶好の機会だった。……こう表現すると、クエストは目的の為の手段みたいに聞こえちゃうなぁ…。

 

「はい!パープルシスター様の勇姿はこの目で見させてもらいました!」

「これで安心して仕事を進められます、お二人共ありがとうございました!」

「また危険なモンスターが現れたら対処しますから、困った時は教会やギルドを頼って下さいね。場所としては教会じゃなくてタワーですけど」

 

わざわざ作業着を正したり帽子を取ってお辞儀したりしてくれる業者さんにわたしも頭を下げて、プレスト仮面さんと一緒に帰るわたし。女神は少しの間各国で活動する、という事になってから数日。わたしはこうして仕事と人助けを行っていた。

 

「…それにしても、あのモンスターは結局どこまでが機械だったんだろう…消えちゃったし100%機械、って事はないと思うけど…」

「君が機械だと思えば機械、モンスターだと思えばモンスターなのさ」

「いや、あの…なんか深そうですけど、それはちょっと意味が分からないです…それとプレスト仮面さん、今日はどうして手伝ってくれたんですか?」

「あぁ…それは単に、クエストをしようと思ったところで君を発見したからだよ。もし発見しなかったら、一人で別のクエストをやってただろうね」

「あ、ぷれすとかめんとねぷぎあはーとさまだー!」

「かめんかっけー!」

「ながいかみ、きれい…」

「おー子供達!元気にしてるかな?」

「こんにちは、皆。えーっと、誰が言ったか分からないけどわたしはネプギアハートじゃなくて、ネプギアかパープルシスターって呼んでね」

 

わたしはプラネタワー、プレスト仮面さんはギルドに戻るまでの道の最中、同じ服を着た小さい子達(近くに大人のお姉さんがいるし、幼稚園児か保育園児かな?)に遭遇。この子達はプレスト仮面さんの事もわたしの事も(一人名前混じらせちゃってたけど…)知っていたみたいで、きゃっきゃとわたし達のところに集まってきた。

保育士さんが「いきますよー」と声かけするまでお話を聞いたり質問に答えたりして戯れていたわたし達二人。…こういう小さい子達と話してると、ちょっと元気をもらえるよね。ちっちゃい子特有の有り余ってる元気が流れ込んでくるのかな?…なんてね。

 

「可愛かったですね、皆」

「うんうん、子供の元気はわたしの勇気さふぁいっ!って感じだよね。……こほん、あの子達の未来を明るくする為にも、犯罪組織に屈する訳にはいかないな…」

「ですね。わたしこれからも頑張りますから、今後も協力宜しくお願いします!」

「勿論!ネプギアは女神として、わたしは黄金の第三勢力(ゴールドサァド)として、共に尽力しようじゃないか!」

 

そんなこんなでギルドが見えてきて、わたし達は別れる。そしてわたしは寄り道せずにプラネタワーへ。…皆も今は頑張ってるのかな……じゃなくて、きっと皆も頑張ってるんだよね。再集結した時後ろめたくならない様、再集結の日まで頑張らなきゃ。

 

「ただ今戻りました〜」

「あ、ネプギア様。イストワール様が帰ってきたら自分の所に来てほしい、と言っておりましたよ」

「そうなんですか?じゃあ行きますね。…何か用事かな…?」

 

プラネタワーに到着したわたしを呼び止めたのは、受付担当の職員さん。わざわざ言伝したって事はどうでもいい話題ではないんだろうなぁ…と思いつつ、わたしはいーすんさんの執務室へ。

 

「いーすんさん、戻りましたよ」

「お帰りなさい、ネプギアさん。クエストはどうでしたか?(・・?)

「あ、はい。ビーシャさんが手伝ってくれましたから、問題なく達成出来ましたよ。…それで、どうかしたんですか?」

「それはよかったです。…あのですね、唐突ですが少しルウィーに行ってもらえますか?(・∀・)」

「ルウィーに……?」

 

他国の名前が出てきた事で、わたしは反射的に訊き返す。…ルウィーに行ってほしいって事は、ルウィーで何かあったって事だよね……ま、まさか…。

 

「…ロムちゃんとラムちゃんに何かあったんですか…?」

「何かあったか…と言われればそうですね。…あ、でも怪我したとか捕まったとかではありません( ̄▽ ̄)」

「そ、それならよかったです…でもだったら、どうしてわたしが…?」

「それは恐らく、ネプギアさんがお二人と同じ女神候補生であり、それなりに信頼を得ているからだと思いますよ( ´ ▽ ` )」

 

二人が危ない状態にある…って訳じゃないと分かって一安心のわたし。でもそうなると今度は呼ばれた理由が気になってくる。後……わたし、ラムちゃんに信頼してもらえてるのかな?もしそうなら嬉しいけど、まだ友達認定してもらえてるか怪しいし…。

 

「ま、まぁ分かりました。それで、わたしはルウィーで何をすればいいんですか?」

「それはですね……ミナさん曰く、ロムさんとラムさんを窘めてほしい、らしいです(´-ω-`)」

「あ、窘めればいいんですね。分かりました」

「はい。お願いしますね(*^▽^*)」

「…………」

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………え、窘めるですか?」

「ら、らしいです……(ーー;)」

 

──という事で、わたしは二人を窘める為にルウィーへ行く事となった。……い、一体どういう事なんだろうこれ…。




今回のパロディ解説

・「〜〜更に出来る様になったね、ネプギア」
機動戦士ガンダムのメインキャラの一人、シャア・アズナブルの名台詞の一つのパロディ。元は敵対してる状態での台詞ですが、味方の時に使っても変じゃありませんね。

・「〜〜子供の元気はわたしの勇気さふぁいっ!〜〜」
株式会社ニプロのCMにおけるワンフレーズのパロディ。あのメロディで言おうとすると文字数的にどうしてもちょっとリズムが崩れてしまいますね、これ。

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