超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第六話 協力、そして旅立ちへ

バーチャフォレスト深部での戦闘から数十分後。私はネプギア達三人と別れ、ギルドに向かう為一人で歩いていた。

 

「居るといいんだけどなぁ…」

 

ギルドに向かう理由の一つとして、今回のクエストの報告がある。でも、それはわざわざギルドに出向かなきゃいけない理由ではない。だって、そもそもの話クエストをギルドで直接受けた訳じゃないんだから、報告だけ行かなきゃいけないというのも変な話。だから、それが主な目的ではない。…まぁ、詳細報告したい場合は当然ちゃんと出向く方が楽ではあるけどね。

 

「…ま、いなきゃ予定組んでもらえばいっか」

 

プラネテューヌのギルドに到着した私は、真っ直ぐに受付へと向かう。向かってまず行うのは、勿論クエストの報告。

 

「こちらのクエストの完了確認お願いします」

「はい、こちらのクエストは…あら?これは……こほん、本日はお疲れ様ですイリゼ様」

「いえいえ、これも教会と女神の役目ですから」

 

クエストの書面からこれが一般のクエストではない事に、そして私が誰なのかに気付いて佇まいを正す受付員さん。友好条約が締結したばかりの頃は、誰も彼もが私を敬う態度で接してくる事に少し居心地の悪さを感じていた私だったけど…人間大概の事は慣れてしまうもので、今となっては敬語で話されようとも特に戸惑う様な事はなくなった。

そこから十数秒後。受付員さんが完了のデータ入力を終えた辺りを見計らい、私はここに来た本題を口にする。

 

「……あの、今こちらに支部長さんはいらっしゃいますか?」

「支部長ですか?えぇ、とですね…はい、おりますよ」

「それは良かった…お呼びして頂けますか?」

「あ……畏まりました、少々お待ち下さい」

 

一瞬言葉に詰まった受付員さん。それは恐らく、普通ならこんな形での面会要求を受ける訳にはいかないから。私のやっている事はどこかの会社に行って、受付で社長を出してくれと言っているのと大差ないんだから、マニュアル通りにいけば私の要求は断られる。…けど、私は女神。更に言えば特務監査官でもあり、さっきの例で言えば国の大臣や内閣府の人間が来た様なもの。……そう考えると、一回の受付員(と思われる)から直接、じゃなくて一回受付のリーダーさんに仲介してもらった方が良かったかな…。

受付員さんは一度裏に引っ込み、数分後にまた出てくる。行きは当然一人だった受付員さんだったけど、戻ってきた時には隣に別の職員さんもいた。

 

「お待たせしました。こちらで案内しますので、着いてきてもらって宜しいですか?」

「構いませんよ、お願いします」

「では、こちらです」

 

隣にいた職員さんはぺこりと一礼し、私を連れて裏へと向かう。

支部長さんのいる場所、支部長室へと向かいながら私はプラネテューヌのギルド支部長の事を考える。立場柄時折会う人だけど…正直、彼女は支部長という役らしからぬ性格だと思う。…彼女といいネプテューヌといい、プラネテューヌはトップにトップっぽくない人を選ぶ風習でもあるのかなぁ…。

 

「…着きました、こちらです」

「はい、案内ありがとうございました」

「いえいえ。では支部長は好きに入って…との事ですので、ええと……」

「自由に入ればいい、という事ですよね。分かってますよ」

 

前にもこんな事ありましたから、と付け加えて伝え方に困ってる様子の受付員さんを安心させ、私は扉をノックする。

数秒後、受付員さんが下がるのと同時に部屋の中から聞こえてくる返事。それを受けた私は扉を開く。さてと、まずは現状報告って所かな────

 

「ふっふっふ…よく来たね原初の女神の複製体!君が来たって事は今回のクエストで何かしらあったって事だろう!わたしには分かっているよ!」

 

……部屋の中にいたのは、目元だけを隠すシンプルな仮面を着けた少女だった…。

 

 

 

 

「……あー、ご苦労様ですプレスト仮面さん」

「反応薄っ!?」

 

テンションの高い突っ込みに定評のある(らしい)私。実際私はボケを冷静に対処するのではなく、真正面から返しちゃう傾向があるけど……そんな私でも、今回は塩対応スルーだった。

 

「うぅぅ…わざわざこの仮面着けたのにそんな素っ気ない反応するなんて…」

「いや、だって…誰かは知ってるしどういう人かも知ってるから…」

「…ま、まぁ構わない!それより君はわたしに用があったんじゃないのかい?」

「えーと…私はプレスト仮面じゃなくてビーシャ支部長に用があったんだけど…その格好のままで大丈夫?」

「あ……こほん、すまないがわたしはここで失礼するよ!とうっ!」

「とうってどこに…ってえぇぇっ!?」

 

 

ビー…プレスト仮面は私に背を向け、窓際まで走って…なんとそこから飛び降りてしまった!(律儀に扉は開けていた)

飛べる女神ならともかく、人間がやったら投身自殺にもなりかねないトンデモ行動に目を剥く私。慌てて窓の下を見に行くと……

 

「ふぅ…あ、ごめんねーちょっと不在にしてたんだー!」

 

下でプレ…ビーシャが手を振っていた。よく見ると膝にちょっと砂利が付いてるけど…ぱっと見怪我はしていない。…や、まぁよく考えれば支部長に選ばれる人が常人な訳はないけど、それにしても…あーびっくりした……。

 

「……ビーシャのぶっ飛び具合はネプテューヌにも引けを取らないと思うよ、うん」

「ねぷねぷと?…それって褒めてる?」

「褒めてる褒めてる、それより真面目な話したいから戻ってきてよ」

「あ、そうだね。ちょっと待ってて」

 

と、いう事で支部長でもないのに支部長室で人を待つ私。数分後ビーシャがやってきて、やっと話が進み始める。

 

「こほん。えっとまず、今日私とネプギア、コンパとアイエフの四人で委託されたクエストをやってきました」

「それの確認はしたよ、ご苦労様」

「で…やっぱりあれば犯罪組織が絡んでたよ。ビーシャはエネミーディスク知ってるんだっけ?」

「モンスターが出てくるディスクだよね?……か、回収してここにありますとかはないよね…?」

「それはないけど……ビーシャ?」

 

何やらビクビクしているビーシャに私は戸惑う。…何だろう、カラスと同じでディスクが苦手なのかな…ブレスト仮面名乗ってモンスター討伐してる以上、モンスターが苦手って事はないだろうし…。

 

「な、何でもない何でも…こほん、それで結局どうなったの?」

「…ごめん、犯罪組織の構成員には逃げられちゃった。意外と足が速い奴だったもので…」

「…女神ならすぐ追いつけるんじゃ?」

「……それはちょっと、色々あってね…」

 

流石に何があったかは話せない。…恥ずかし過ぎて、絶対話せない。もし問い詰められたら『単純故に対策のしようがない罠に嵌められた』とそれっぽい事を言っちゃうだろうと思う位話せない。話せないったら話せないのである。

 

「んー…まぁでも君達が取り逃がしたって事はそれなりの理由があったって事だよね、了解だよ」

「あ…う、うん……」

 

女神とその仲間なんだもんね、みたいな顔で納得してくれたビーシャ。それはありがたい、ありがたいけど…な、何か騙してしまったかの様な罪悪感が……。

 

「そっか…うん、過ぎた事は仕方ないよ。それよりも…本題はそこから先でしょ?ここまではまだ結果報告だし」

「まあ、ね。…教会から私達の旅の件について話は来てる?」

「来てるよ、女神がいなくなると委託がし辛くなるからギルドとしては少し大変だけど…必要な事だもんね」

「そこはほら、女神程のフットワークはないけど軍もあるし…ギルドにはプレスト仮面もいるでしょ?」

「それは勿論!…と言いたいけど、やっぱり女神が国にいて守ってる…っていうのは実益以上のものがあると思うよ?」

 

それはその通りだ、と私は思う。誰かが人に害を及ぼすモンスターを倒した、となるとそれはそれ以上でもそれ以下でもないただの事実だけど、女神が倒したとなればそれは『国の守護者がその責務を全うしている』『女神は人を見ていてくれている』という思いを国民は抱いてくれる。だからこそ人々の信仰を力としている女神にとってクエストをこなす事はデスクワークと同じ様に重要な事。……でも、

 

「今は、それだけじゃ足りないよ。ただ自国でクエストをこなすだけじゃ、国の守護をしてるだけじゃこの状況を打破する事は出来ない。…それに、候補生を悪く言うつもりはないけど…やっぱり求心力に関しては現状守護女神の四人より大きく劣ってるからね…」

「…分かった。あくまでギルドはクエストの斡旋所だけど…やれる範囲の事はするよ」

 

こくり、と頷いてくれたビーシャに私は一安心。ビーシャ自身はあくまで斡旋所…と言っていたけど、ギルドは立場柄民間に大きな影響力を持つ国際組織なのだから、実際の力はただのクエスト斡旋所に過ぎない訳がない。今のは支部長故の謙遜だろうけど…私の認識は、間違っていない筈。だから…私は、言葉を続ける。

 

「……その上で、さ…少し邪なお願い、してもいいかな?」

「…そのお願いを聞くかどうかは、内容次第だね」

「そっか…じゃあ、これから私達が守護女神四人の奪還に乗り出すまで、私達に…女神候補生に国民受けのいいクエストを回してほしいの。これは、支部長へ…というよりギルド本部の最高意思決定機関とその役員へのお願い。…勿論、これは他の支部長にも頼むつもり」

 

ほんの少し声のトーンを落とし、ビーシャの目を見据えて言う。……頭は、まだ下げない。

 

「……女神がクエストを行うのはあくまで国と人を守り、国民の要望を受ける為、でしょ?でも、今言った事はつまり、本来二次的に発生するものである信仰心をメインの目標に据えてクエストをしたいって事だよね?……それで、いいの?」

 

帰ってきた言葉は、ギルド支部長としてのもの。間違いなく正しい、正論。

信仰は女神の行いに付いてくるものであって、それを目的に活動するのは本来の女神の在り方ではない。勿論信仰…というかシェア獲得の為に動く事はあるし、ノワール辺りはそれが顕著だけど…それはあくまで向上心から来るものであって、女神の本分を二の次にしてまで追い求めていたりはしない。……それは、私も分かってる。十分に理解している。だとしても…いや、だからこそ──

 

「今、本当に必要なのは信仰を集める事…人々がまた、女神の統治を…女神に夢を見る事だから。それが、私達の力になるし、果ては犯罪組織から人を、国を、世界を守る事になる。…犯罪組織の最終目標を聞いた訳じゃないよ?でも、犯罪神の目的がこれまで通りなら人々の願いとは絶対相反してる。そうでなくとも……個人個人はともかく、犯罪組織全体としての負のシェアは人々を少しずつだけど悪い方へと蝕んでいくって私の女神の部分が言ってる。……だから、お願い。私に…私達に、協力して」

 

私は頭を下げる。私の思いは、私の言える事は全て言った。私もビーシャも責任ある立場だから、これで断られるのならそれはもうきっぱりと諦めるしかない。

そうして待つ事数秒。頭を下げた私に返ってきたのは……

 

「…そこまで言われたら、断る訳にはいかないねっ」

 

────顔を見なくても分かる、笑顔での首肯だった。

 

「……ありがとね、ビーシャ」

「いーのいーの、流石にプラネテューヌ外の事はわたしの一存じゃ決められないから一度話し合う必要はあるけど…犯罪組織がこのまま勢力拡大していくのは支部長としても一個人としても嬉しくないし、人を襲う兵としてモンスターを使役する様な人達を、わたしは見過ごせないからね。…もし、ここにプレスト仮面がいたならきっとこう言ってる筈だよ。『君は正しい女神だ』って」

 

ぐっ、と親指を立てて頼もしげに言ってくれるビーシャ。そんな彼女を見て、私はこういうところが支部長に選ばれた理由なんだろうなぁと思った。

けど、そこでビーシャはまた支部長の顔になる。

 

「…だけど、わたし達ギルドがするのは手助けだけなんだからね?ギルドはギルドの意思で動くもの。時には教会に力を貸すし、逆に教会を頼りにする事もあるけど、ギルドは教会の下部組織でも権力影響下でもない。協力はすれど隷属はせず。それがギルドであり……わたし達

黄金の第三勢力(ゴールドサァド)』だから」

「……じゃあ、協力者として今後も頼むね、支部長さん」

「こっちこそ宜しくね、原初の女神の複製体さん」

 

お互いちょっと格好付けて、肩書き呼びで握手する私とビーシャ。…肩書きとしては複製体じゃなくて特務監査官の方が適切だけど…お願いをしたのは、複製体としての私だもんね。

こうして、私達とギルドとの協力体制は作られたのだった。

 

「……あ、それはそれとして犯罪組織構成員を取り逃がしちゃった分は報酬金引かせてもらうからね?」

「うっ…相変わらずお金が関わると厳しい…」

「ギルドは民間組織だからね、そこら辺シビアなのも仕方ないのだよ」

「肝に命じておきます……」

 

 

 

 

私とネプテューヌの記憶を探す(為に鍵の欠片を集める)事とマジェコンヌの野望を阻止する事という、大きな目標しかなかった前回の旅。対して今回の旅は大きな目標は勿論、その為に必要な事や道中で行っておく事が細かく決まっており、各国で支援が受けられる(分、逆に行き当たりばったりの事はし辛い)事もあって出発準備は前回より多めの一週間となった。そして今日が、その出発日。

 

「ネプギアさん、忘れ物はありませんか?やっておかなきゃいけない事は全部済ませましたか?( ´△`)」

「えっと…はい、今準備は完了してるって頭の中で確認出来ました」

「本当ですか?世の中うっかりはあるもの、今取りに行っても別にそれを責めたりはしませんよ?ヽ(・∀・)」

「だから大丈夫ですって…うぅ、いーすんさんそんなにわたしがうっかり屋に見えますか…?」

「それは…その、ネプギアさんは確かにしっかりしてますが、おっちょこちょいな面もありますし…何より姉がネプテューヌさんなのでつい…(ーー;)」

 

女神候補生と教祖…というより初めてキャンプに行く子供と子を心配する親みたいな会話を繰り広げるネプギアとイストワールさん。ネプギアからしたら心配し過ぎ、って心境なんだろうけど…まだまだ幼さと経験不足が否めないネプギアを心配するイストワールさんの気持ちも分かる。…どちらかと言えば、私もイストワールさん側だし。

 

「まぁまぁいーすんさん、わたし達もついてるですから大丈夫ですよ」

「えぇ、それに別段別世界に行くとかじゃないもの。最悪何とかなるわ」

「…そうですね。でもネプギアさん、いつでも確認を怠ったりする事はいけませんからね?(´・ω・)」

「はい、気を付けますね」

「むしろ心配すべきは……」

 

コンパとアイエフの援護で納得してもらえた様子のネプギア。うんうん、イストワールさん側と言った私だけど…心配するのと同じ位信じるのも大切だよね。

…なんて思っていたら、いつの間にか四人がこっちを向いていた。

 

「……?どうかしたの?」

「えーと…別にどうかした訳じゃないですけど…」

「そう?ならいいけど…」

 

私の方を見ていたけど、どうやら私の事ではない様子。うーん、見てたのは私じゃなくて私のいる方向だっただけかな?ま、いいや。それよりも……

 

「ぬらぁ……」

「うんうんごめんねライヌちゃん。ほんと私も連れてきたいの、でも連れていけないの…」

「ぬら……」

「ライヌちゃん……」

『…こっち(です)ね……』

 

プラネタワーの正面出入り口まで着いてきてしまったライヌちゃんを撫でる私。何やら四人が呆れた声で何か言ってたけど…今はそれどころじゃない。

スライヌ種全体がそうなのか、それともライヌちゃんが特別なのかは分からないけれど、ライヌちゃんはある程度私の言葉を理解している。だからこそ私は説得しようと思ったんだけど…考えてみれば、そもそも説得しようなんてしなければ旅の事を気取られずに済んだかもしれないんだよね…。

 

「ぬら、ぬら〜…」

「お土産いっぱい買ってきてあげるから、ね?」

「ぬ、ら……」

「ら、ライヌちゃん…」

 

最初はまだ不安げなだけだったけど、話す内にライヌちゃんはどんどん寂しげになっていって……遂には目元にじんわりと涙を浮かべてしまった。それを見た私は、ついライヌちゃんを抱き上げてしまう。

 

「ね、ねぇ…やっぱりライヌちゃんを連れていっちゃ駄目…?」

「それは前も言ったでしょ、駄目だって」

「…ライヌちゃんは悪さしないよ?ほら」

「ぬらぬら、ぬら〜」

「ね?『ぼく、悪いスライヌじゃないよ』って言ってるでしょ?」

「ね、って…イリゼさんはその子の言葉が分かるんですか?(ー ー;)」

「ううん、でもそんな事言ってる気がする」

『えー……』

 

何故かまた皆は呆れ声を出していた。……?

 

「…イリゼ、貴女の気持ちも分かるわよ?でも何かあった時、危険なのはそのライヌだって分かってる?」

「それは…でも、ライヌちゃん位守れるよ」

「私やコンパとライヌじゃ自衛力に差があり過ぎだって言ってるの。…もしその子に何かあった時、イリゼはどうする気?」

「え?まぁ…犯罪組織は全て殲滅する!…って言うかな」

「フリット司令みたいな思考になってるじゃない…」

 

三度目の呆れ声をかけられ、流石の私も冷静になる。このままライヌちゃんを残していくのは結構心にクるけど…正しいのは皆の方だ。本当にライヌちゃんを心配するなら、連れていくよりも旅をきちんと遂行して……

 

「…出来る限り早く戻ってきてあげる事、だよね…。……ライヌちゃん」

「ぬ、ら……?」

「…待っててね」

「……!…ぬ、ぬら…!」

 

やっぱり、ライヌちゃんは私の言葉を理解していた。だって、私の言葉を…思いを受けたライヌちゃんはぷるぷると顔を振って涙を飛ばし、元気のいい返事を返してくれたのだから。

私は最後にもう一度頭を撫で、ライヌちゃんを降ろす。

 

「…余計な時間取らせてごめんね。もう私は大丈夫」

「全くよ、候補生を引っ張ってくつもりならもう少ししっかりしなさい」

「これがイリゼちゃんを『しっかりしてる様でしっかりしてない』と言わせる所以ですね」

「あはは、ですね…」

「うぐ…実際その通りだから言い返せない…」

 

正直『しっかりしてる様でしっかりしてない』は割とよく言われる上普通に不名誉な称号なのでかなり不服だけど…ほんとにその通りだからどうしようもない。…お、汚名返上したいよほんと……。

 

「では、イリゼさんの事も済んだ様ですし…皆さん、宜しくお願いしますねm(_ _)m」

「はい、です!」

「精一杯頑張りますっ!」

「世界の、ベール様やねぷ子達の為だもの。やってやるわ」

「頼もしい限りです。わたしや教会も出来る限りの支援をしますので、困った時は頼って下さいね。…それでは皆さん、お気を付けて」

 

イストワールさんの言葉は、勿論教祖としてのもの。だけど…最後の一言は、お気を付けてという言葉だけは教祖ではなく、家族や仲間としての言葉の様に思えた。

 

「分かってますよ、イストワールさん。ちゃんと無事に帰ってきます。……行ってきますね」

 

頷き、手を振るイストワールさん。その下ではライヌちゃんが手の代わりという感じで耳をぱたぱたさせている。

そんな一人と一体に見送られながら、私達は行く。これからの旅は、初めての旅とは別の大変さがあると思う。何度も戦いになるだろうし、色々と頭を使ったり手を回したりする必要も出てくるかもしれない。…けど、物怖じはしない。世界の、捕まってるネプテューヌ達の為に物怖じなんてしたいられないし、同行の有無に関わらず、私には助けてくれる、協力してくれる皆がいるから。それに…今はまだ未熟かもしれないけど、ネプギア達女神候補生もいる。だから────私は、私達の未来を信じてる。




今回のパロディ解説

・君は正しい女神だ
コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜に登場するキャラ、怪剣クロードこと長川神の名台詞の一つのパロディ。仮面繋がり、という事で一つどうでしょう。

・ぼくは悪いスライヌじゃないよ
ドラゴンクエストシリーズにおける、敵ではないスライムが時折言う台詞のパロディ。本家はこの前にぴきぴきーっ!と言いますがスライヌはぬらぬらーっ!でしょう。

・フリット司令
機動戦士ガンダムAGEの主人公の一人、フリット・アセムの事。ライヌちゃんを倒されたイリゼは怒りのあまりMGで犯罪組織を…なーんて展開にはなりませんよ?

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