超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress 作:シモツキ
空中を疾駆する、犯罪神の羽根。数的不利を補うどころか、一時的には押し返して攻守逆転にまで至った、犯罪神の強力な攻勢。……けれど、私達は怯まない。この程度で私達は、負けたりしない。
「落ちよ……ッ!」
頭頂から爪先まで神経を張り巡らせ、ミリ単位で身体を動かし光芒を避ける。翼の可変機構をフル活用し、羽根の追撃を振り切って逆に背後へ強襲。距離を開けようとする羽根を逃がさず、長剣の一閃で斬り伏せる。
マジェコンヌさんや、新旧パーティーの皆が作ってくれた、一瞬の隙。その瞬間に私と守護女神の四人は一気にトップギアまで力を上げて、遠隔操作端末である羽根の撃墜を開始した。
(動きの精度も反応速度も、あの時のマジェコンヌさんより数段上手……けど、もう頭も身体も対応方法を覚えてる…ッ!)
きちんと使いこなせるのであれば、遠隔操作端末による全方位攻撃は驚異そのもの。けど同様の攻撃をかつてマジェコンヌさんから散々味わった私達にとっては二度目、私個人に至ってはルウィーでの施設戦やこの次元からはずっと離れた場所での決戦(その時使ったのは味方だけど)等で計四度も遠隔操作攻撃を見ている訳だから、知識としても経験としても『対遠隔操作端末』というのを理解している。即ち……対応する事が、出来る。
「全機叩き斬ってやろうじゃないッ!」
「制空権は返してもらいますわッ!」
「本当にわたし達を撃ち抜くつもりなら、この倍は持ってきやがれッ!」
ノワールは自分の土俵である高機動戦で逆に翻弄し、ベールは最高速度で引き離した後反転して回避を許さず突進を仕掛け、ブランは迎撃を堅牢なプロセッサの手甲で弾いて叩き潰す。全員自分の得意な戦い方で飛び回る羽根を追い詰めて、一つ、また一つと落としていく。
私達が撃墜出来ているのは、実力と経験の賜物。撃墜を始められたのは、皆が切っ掛けを作ってくれたから。そして、撃墜を続けられているのは……女神候補生の四人が犯罪神の相手をしてくれているから。
「さっさと全部落として、ネプギア達に合流するわよ…ッ!」
羽根には真似出来ない滑らかな軌道で着実に距離を詰め、攻撃範囲に捉えた羽根を両断しながらネプテューヌは檄を飛ばす。
眼下では、ネプギア達が四人で犯罪神と戦っている。撃破ではなく消耗させる事を目的にしていたとはいえ、九人でも対応され切っていた犯罪神に対して四人で持ち堪えている。……候補生の四人がそんな大役を何も言わずに引き受けてくれたんだから、私達が緩い事なんて出来る訳がない。
「(この数なら……ッ!)ベール!道を切り開いてッ!ブラン、私に協力してッ!ネプテューヌ、ノワール!最後は二人がお願いッ!』
『……っ!(えぇ・おう)ッ!』
残りの数を把握すると同時に思い付いた一網打尽の策を、とても説明とは言えない言葉で叫ぶ私。説明不足に加えて同意を取ってすらいない、普通に考えれば「はぁ?」と返されるのが関の山な言い方だったけど……四人はそれだけで察してくれた。察して、私へ同意を示してくれた。…私は皆が私に寄せてくれている信頼を、噛み締めながら実行へ。
「あの時の発展型…という訳ですのねッ!」
作戦どころか発想元まで察したベールが、空に向けてシレッドスピアーを射出。進路上から羽根を追い立て、光の線を突き穿つ巨槍が天空へと伸びていって、最も高高度にいる羽根よりも穂先が高くなった瞬間槍は消滅。槍が消えた事で空白となったその空間へ、私とブランが即座に飛び込む。
「やるよブランッ!」
「あぁ、そっちは任せたッ!」
私達が背中合わせの体勢となった次の瞬間には、瞬時に精製出来るありったけのシェア武装と魔力弾を周囲に展開。そこから私はシェア爆発で、ブランは戦斧を叩き付けて刃と魔力の弾幕を作り上げる。
精密性に欠ける私達の遠距離攻撃は、まあまず当たらない。羽根に対して運良く『当たる』事はあっても、狙い通りに『当てる』事は困難な行為。…だけどそれでいい。攻撃ではなく、本命に繋げる為の陽動としては……そっちの方がいい。
「これが、わたし達の……」
「連携よッ!」
敵も攻撃も無い空間からの、背後を一切心配しなくていい状態で放った私達の範囲制圧は、羽根同士の連携を完全に断ち切り孤立させる。そしてそこへフルスピードで斬り込んだネプテューヌとノワールが次々と斬り裂いていって……上空から飛来するようなネプテューヌの斬撃が、最後の羽根を撃ち落とした。
「これで全機撃退ね。なら次は……!」
「犯罪し……うぐぅッ!?」
『イリゼ!?』
真っ二つとなって消える羽根を一瞥した後、空にいる私達へと視線を向けるネプテューヌ。その声に頷き、私は四人が押さえている犯罪神へと向き直……ろうとした瞬間、何かが物凄い勢いで私の身体へ激突した。そして、私に直撃したそれは……
「……え、ロムちゃん!?」
「あぅぅ……い、イリゼさんだいじょうぶ…?」
飛んできたのは犯罪神の攻撃でも、岩や岩盤の一部でもなく水色の髪の女の子…即ちロムちゃんだった。衝撃はそれなりにあったものの、幸い(?)と言うべきか私の胸が某防御ばりにクッションになった事で私もロムちゃんも怪我はなく、ロムちゃんにもぶつかった私をすぐに心配するだけの余裕がある。…そっか、飛んできたのがロムちゃんだったから、敵意を感じて避ける事が出来なかったんだ……。
「…って、ロムちゃんが吹っ飛んできたって事は……!」
犯罪神とやり合っていて、尚且つ後衛という前衛より攻撃を受け辛い筈のロムちゃんが、私の下まで吹っ飛んできた。……そんなの、ゆっくりと原因を推測している場合じゃない。原因なんて……犯罪神に決まっている…ッ!
「……ッ!ユニ…ッ!」
そう私が気付くのとほぼ同時に、爆ぜるような音を立ててノワールが急駛。そのノワールの先にいるのは、上昇しながらフルオートで引き撃ちをするユニと、射撃を物ともせずに距離を詰めていく犯罪神。更に、地上には……膝を突き得物を落としたネプギアとラムの姿。
「皆……ッ!」
「イリゼさん、ユニちゃんを…お願い…ッ!」
真っ先に動いたノワールを追うように、ネプテューヌ達もユニの援護へ。ロムちゃんも私から離れるとすぐに動き出して、見上げる二人の治癒に向かう。……驚く事があったって、それに気を取られていられる時間は…ない。
「させるか……ッ!」
刃の届く距離まで詰められる寸前に間に合ったノワールが、気合いと共に犯罪神へ一閃。犯罪神はそれを回避し蹴りでノワールを弾くも、続く三人の連撃に手を取られてユニは退避する事に成功する。
自在に動き仕掛けてくる厄介な羽根を、私達は全て破壊した。けれどそれは所詮犯罪神の武器の一つに過ぎなくて、幾つ落としたところで犯罪神本体の戦闘能力には影響しない。だからまだ何も油断なんて出来ないのだと自分に言い聞かせながら、私も犯罪神へ向かっていった。
*
「二人とも、もうけがない…?」
「うん…ありがと、ロムちゃん…」
「わたしもないよ。…うん、これだけ回復すれば大丈夫…!」
障壁で斬撃を防ごうとしたロムちゃんが吹き飛ばされて、返しの刃に対してM.P.B.Lと杖をそれぞれ咄嗟に掲げたわたし達は衝撃で後方にあった岩に打ち付けられて、犯罪神はユニちゃんへと狙いを変えた。不味いと思ったけど、そこで羽根の撃破に当たっていたお姉ちゃん達がこっちの戦闘に戻ってきてくれて…わたしとラムちゃんも、降りてきたロムちゃんからの治癒を受ける事が出来た。わたし達も治癒魔法は使えるけど…やっぱり一番得意なロムちゃんに頼んだ方が、ずっと素早く復帰出来る。
(よかった、何とかお姉ちゃん達が戻ってくるまで持ち堪えられて……)
じわりと広がる感情は安堵。わたし達四人は全力で犯罪神に向かっていったけど……まるで勝てる気がしなかった。もし狙いをユニちゃんに変えていなかったら、わたしかロムちゃんは確実に重傷を負わされていたと思う。勿論、ユニちゃんの存在がそれを許さなかったんだとも言えるんだけど、犯罪神はわたし達四人程度なら賭けや捨て身の策なんか取らなくても勝ちが見えている……その事実を突き付けられるのは、精神的にくるものがあった。…九人だけどこっちも安全策を取っていたさっきより、四人でも全力で戦ってた今の方が……力の差を、強く感じる。
「…よし、行こう二人共!」
「うん……!」
「さっきのお返し、しっかりしてやるんだから!」
…だけど、わたし達は何も出来なかった訳じゃない。ずっと圧倒されてたけど、お姉ちゃん達が来るまで持ち堪える事は出来た。何も出来ないのと、劣勢でも喰らい付く事が出来たのは……全然違う。
「ユニちゃん、無事!?」
「えぇ、そっちも大丈夫そうね…ッ!」
空へ舞い上がりながら犯罪神へ向かうわたしは、長距離射撃の間合いに下がるユニちゃんとすれ違う。視線の先で繰り広げられているのは、お姉ちゃん達と犯罪神の、熾烈な戦い。
「…流石は守護女神。本気ともなれば、この程度はしてくるか」
「って事は、さっきまでの狙いは勘付いていたっつー訳か…ッ!」
「ふんッ、そっちはまだまだ余裕がありそうね…ッ!」
女神じゃなきゃ視認するのも困難な程の速度で斬り込み、互いの武器が交錯し、次の瞬間には別の方向から別の攻撃が入る。犯罪神はお姉ちゃん達の斬撃や刺突へ一つ残らず反応し、武器は勿論時には手首を掴んだり腕に蹴りをぶつけたりして攻撃を潰し、隙を突くどころか自ら隙となる瞬間を作り上げて巧みに反撃。…ノワールさんの言う通り、本気のわたし達四人どころか、本気のお姉ちゃん達五人がかりでも…まだ犯罪神から焦りは感じられない。
(……多分、ただわたしが入っても足を引っ張るだけ…なら、わたしに出来る事は何…?)
ゆっくり考える時間なんかないけど、闇雲に突っ込めば返り討ちになるどころかお姉ちゃん達の連携を崩す事になってしまう。でもユニちゃん程の技量がないわたしにはここで的確な援護射撃が出来るとは思えないし、ロムちゃんラムちゃん程の多彩さもないから支援だってこの状況じゃ上手くいかない。…つまりわたしには、お姉ちゃん達の戦いをそのままに参戦する手立てがない。だから……
「耐えて、M.P.B.L……ッ!」
M.P.B.Lのリミッターを解除し、シェアエナジーを安全性無視で一気に注入。本来なら多少なりとも時間をかけなきゃいけないチャージを無理矢理一瞬で終わらせて、空に向かって光芒を放つ。そして、その瞬間……ほんの僅かに、お姉ちゃん達と犯罪神の集中へとノイズが入る。
「考えたわね、ネプギア……ッ!」
誤差レベルの、それでも確かに生まれた『隙』へ差し込まれる、一発の弾丸。何のサインも出してないのに、わたしの策を理解してくれた、ユニちゃんの一撃。それは犯罪神に難なく処理されてしまったけど……揺らぎから即座に回復したお姉ちゃん達と、回復の途中で射撃の対応を余儀なくされた犯罪神とじゃ、その差は歴然。
「今よ皆ッ!」
「攻めるならここですわッ!」
お姉ちゃんとベールさんが、二人同時に斜め上方から刺突。犯罪神が左右の刃でそれを受けると、そこへ向けてイリゼさんとノワールさんも続けて刺突を刃にかける。…お姉ちゃん達四人の力が一方向へ合わさったらどうなるか。そんなの……犯罪神が落ちていくに決まってる。
(そういう事なら…ッ!)
一瞬で押し切り地表に犯罪神を叩き付けたお姉ちゃん達は、四方へ散開。意図を理解したわたし達候補生もすぐに動き、犯罪神の動きに先んじてわたしとユニちゃんは射撃で追撃。犯罪神をその場に押し留めて…巨大な二つの氷塊を落とす二人に繋げる。
「どーん……ッ!」
「もいっこどーんッ!」
「ついでにこいつも…喰らいやがれッ!」
一つ目の氷塊が粉砕され、二つ目の氷塊も四つに斬られ、けれど第三の攻撃としてブランさんが急降下からの重い斬撃を叩き込む。……それでも犯罪神は防ぐ。ブランさんの全力を防ぎ切る。でも……
「ぐ……ッ!」
『……っ!』
……その時わたしは見た。わたし達には見えた。ずっと何も変わらなかった犯罪神の表情に…僅かながら、歪みが生じる瞬間を。
「まだだッ!まだ私達の攻勢は終わっていないッ!」
わたし達を鼓舞するように叫んだイリゼさんが、作り出した巨大な片刃剣を地上へと振るう。それはブランさんが飛び退くと同時にお姉ちゃんが背の側を蹴り込む事によって加速し、唸りを上げて犯罪神へと襲いかかる。
回避行動を取れず、防御せざるを得ない犯罪神へ畳み掛ける、怒涛の連打。体力もシェアも惜しみなく攻撃に注いで、真正面から防御を崩していく。
「どうよ犯罪神!アタシ達女神の、力はッ!」
「戯言を……この程度で倒れるようならば、我は犯罪神となど呼ばれはしない……!」
攻めて、攻めて、攻め続けた末に犯罪神の防御が破れかける。けれどその瞬間犯罪神は闘気の様に身体から負のシェアを発し、防御を突破しようとした遠隔攻撃が逸らされ弾かれる。
後一歩のところで届かなかった。弾かれる自分の射撃を見て、わたしはそう思った。ユニちゃん達も、同じように感じてたと思う。…けど、お姉ちゃん達は違った。お姉ちゃん達はわたし達の……そして犯罪神の想像すらも、超える。
「待っていましたわ…貴方が再び攻勢に転じようとする、その瞬間を…ッ!」
気付けば地上に降りていたベールさんの、超低空飛行からの鋭い突き上げ。元々突進力の高いベールさんが地を蹴って加速した事でその勢いは更に増し、犯罪神の振り出した双刃刀と激突した瞬間衝撃が周囲に走る。
「…何だ、狙っていたのはこんなものか」
「あら、誰が単発攻撃だなんて言ったかしらッ!」
軌道を逸らす事で突進を凌いだ犯罪神は拍子抜けしたような声を上げる。…けど、そこへ空からノワールさんが飛来。ベールさんにも劣らない勢いで犯罪神を強襲し、大剣がその頭を斬り裂く寸前のところにまで迫った。
先の一撃を凌ぐ為獲物を振り切った犯罪神にとってそれは本当にギリギリの防御だったらしく、刃で防ぐもよろめきを見せる。だけどそこでノワールさんは退いた。押し切れるかもしれない状態で、敢えて退いて……押し返す動きに入っていた犯罪神を、前のめりにさせる。
『貰った…ッ!』
「これが本命か…ッ!だが……ッ!」
単発ではなく連撃。一人ではなく皆での攻撃。そう示すようにバランスを崩した犯罪神へと肉薄をかけるお姉ちゃんとブランさん。紫と水色の刃が煌めき、連携の締めだと言わんばかりの迫力を放つ。
刃の届く距離に入る直前、二つの得物が後ろに引かれ、それとほぼ同時に驚異的な力で崩れていた姿勢を起こして双刃刀を掲げる犯罪神。そして、次の瞬間大太刀と戦斧が横に振り抜かれた。──犯罪神に、ほんの僅かに届かない間合いで。
「な、に……ッ!?」
「残念だけど、連携は……」
「次が大トリなんだよッ!」
一瞬失敗したのかと思った。間合いを読み間違えたのかと思った。…でも違った。お姉ちゃん達がそんな凡ミスをする訳がなかった。お姉ちゃん達の狙いは……その次の行動にあった。
得物を振るった遠心力を乗せて、それぞれ犯罪神から見て内側から外へと放たれるお姉ちゃん達の蹴り。それは武器による攻撃を防ぐつもりだった犯罪神の両腕を捉え、勢いそのままに構えを解かせる。
ベールさんが強力な一撃を入れて、凌いだ瞬間にノワールさんが本命らしさもある追撃を仕掛けて、そこへより本命に見えるお姉ちゃん達の詰めが入って……そうして最後に繋がったのは、本当の本命。シェアの爆発でブーストをかけた、イリゼさんの本気の一撃。
「受けるがいい犯罪神……原初の女神が放つ一太刀をッ!」
寸分の隙もない、完璧なまでのタイミングで斬り込み一閃を放ったイリゼさん。両腕を後ろに弾かれた犯罪神は下がる事で避けようとするけど……もう遅い。水晶の様なイリゼさんの長剣は、犯罪神の身体へと届き……その胴に、確かな斬撃の痕を作り上げた。
「やった……!」
「よーし!わたしたちもイリゼさんに……ってわわっ!?」
遂に届いた、わたし達女神の攻撃。それはわたし達候補生組にとっても嬉しくて、それと同時に後に続こうという思いにもなって、斬られながらも後退を続ける犯罪神を追おうとする。……けど、その瞬間開戦の時と同じような、でも開戦の時よりも強い烈風が犯罪神を中心に吹き荒れた。
やっと一撃入ったからって、深追いは禁物…お姉ちゃん達からのアイコンタクトを受けて、烈風の中わたし達は構え直す。対する犯罪神も構え直し、距離の開いた中烈風も次第に和らいでいく。
「……原初の女神の一太刀、か…」
「あぁ。貴様の身体に刻まれたその傷、原初の女神の意向と思うがいい」
「ふっ…複製体でこの域ならば、確かにその名は伊達ではないと言えよう」
「……っ…!?その含みのある言い方…犯罪神、貴様何を……」
相手が相手だからか、口調が本気モード(…で、いいのかな…?)のまま続いているイリゼさんへ、犯罪神が目を向ける。そしてその言葉から感じる、言葉の裏に何かありそうな雰囲気にイリゼさんが強い反応を見せた瞬間……それは起こった。竜巻きの様に、収束する様に、わたし達と犯罪神の間に生じる、闇色の渦が。
「こ、これは……!?」
「犯罪神、アンタ何を……ッ!」
「…軽んじていた訳ではない。だが、確信した。貴様達は、余力を残して戦うべき相手ではないと。真っ先に滅ぼすべきは、やはり最大の障害だと」
驚き言葉を発したわたしとユニちゃんに答えるように、犯罪神が言葉を紡ぐ。その間も渦の勢いは増して、中で何かが形作られていく。
膨大な負のシェアの収束に、息を飲むわたし達。そして……
「──ここからは我も出し惜しみなしだ。全力をもって……貴様達を、滅びの淵に沈めよう」
──闇色の渦が解き放たれた時、そこにいたのは……異形そのものの身体を持つ、不完全な姿の犯罪神だった。
今回のパロディ解説
・「全機叩き斬ってやろうじゃないッ!」
機動戦士ガンダムSEED destinyの主人公の一人、シン・アスカの台詞の一つのパロディ。これだとノワールは対艦刀の二刀流をやってそうですね。
・某防御
境界線上のホライゾンに登場する防御技(?)、巨乳防御の事。一応OAの人物紹介で知ってる方もいると思いますが、女神の姿のイリゼは結構胸があるんです。
・「〜〜この程度で〜〜呼ばれはしない……!」
Fateシリーズの登場キャラの一人、クー・フーリンの名台詞の一つのパロディ。犯罪神は戦闘続行のスキル…はありませんが、物凄くしぶとい事は事実です。