超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第百二十九話 開戦と誘導

四天王が進軍する。プラネテューヌに、ラステイションに、リーンボックスに、ルウィーに。モンスターを従え、強者の風格を漂わせるその様は、正に将と兵隊のよう。一騎当千、女神と正面から激突出来るだけの力を持つ四天王に加え、モンスターも犯罪神の放つ負のシェアの影響を受けてか全ての個体が荒々しい雰囲気を露わにし、汚染状態の個体も散見される。もし常人がその前に立てば、十人だろうと百人だろうと何も出来ずに蹂躙されるだろう。

だが、破滅の神の使者へ、戦いを挑む者がいる。紫の大地に、黒の大地に、緑の大地に、白の大地に。リーンボックスの軍人と巨大な影だけではない。各国で女神からの信頼を受け、或いは自らの意思で世界に仇なす敵の前に立ち、一見無謀とも思える戦いを挑む者がいる。

 

「……む…ッ!?」

 

ラステイションではブレイブ・ザ・ハードが噴射炎を揺らめかせ、モンスターと共に進む。だがそのブレイブとモンスターに、正面から光実織り混ざった射撃の雨が降り注いだ。

反射的にブレイブはその射撃を避け、続けて剣に纏わせた炎を扇状に展開する事で壁を形成。射撃から味方であるモンスターを守るが、一部の個体は間に合わずに撃ち抜かれてしまう。

 

「よぉ、また会ったな」

 

炎を隔てた向かいにいるのは、火器を携えた鉄騎。選りすぐりのMG乗りによって構成された三部隊の中核に立つのは、三人の隊長。特務隊を率いるメイジン、アーテル隊を率いるクラフティ、そしてシュバルツ隊を率いるシュゼット。真正面からの戦いを仕掛けた彼等の中に、恐れおののく者は誰もいない。

 

「…ふん、どこかで見たような光景だな」

 

プラネテューヌではマジック・ザ・ハードが空を進み、陸空混成のモンスター部隊を追従させる。だがある集団を発見したマジックは、鼻を鳴らしてゆっくりと降下。

彼女が見たのは、対照的な二つの集団。一つは陣形を組んだ、MGを含む軍の部隊。もう一つは陣形などというものではなく、思い思いの位置に立った十三人の女性。一見すれば脅威に見えるのは前者だが……マジックはそちらを一瞥しただけで、それからすぐに後者へと視線を戻す。

 

「確かに似たような事があったな。あの時は賢明な判断が出来た貴様だが…さて、今回はどうする」

「そうだな…ではここに死体の山を築き、女神の下した愚かな判断を後悔させるとでもしよう」

「ほぅ…ならばやれるものならやってみろ、とは言わんさ。…出来やしないのだからな」

 

マジックの周囲のモンスターが威嚇をし、軍の部隊が引き金に指をかける。その中でマジックがゆっくりと大鎌を、十三人…新旧パーティーの先頭に立つマジェコンヌが、落ち着いた手付きで杖をそれぞれ相手へと向ける。四天王の代表とでも言うべき存在の前に立ちはだかる彼女達は、全員が仲間を、勝利を信じていた。

そして……

 

「アクククク…悪いが、貴様達の相手をする程暇ではないのだ」

 

ルウィー国防軍の精鋭、魔術機動部隊の全隊による迎撃をモンスターに対応させつつ躱すのはトリック・ザ・ハード。その中に数人いる隊長の一人がトリックへと追い縋り、足止めしようと蹴りを放つがそれをトリックは魔法障壁で防御。浮遊魔法と風魔法の合わせ技で移動するトリックは防御をしようと速度が落ちず、彼は突破を許してしまう。

 

「はてさて、確かこの辺りにも…おおっと」

 

迎撃を巻いたトリックへと撃ち込まれる、高威力の魔弾。しかしそれを予想していたトリックは冷静に回避し、ちらりと魔弾の発射地点を見やる。

そこにあったのは、独特の外観を持つ人工物。それは防衛の為ルウィーの各所に作られた迎撃設備。転移魔法の技術が組み込まれたその設備は謂わば発射台であり、教会や軍の基地など対応した場所から発動した魔法が、この設備へと転移し放たれるという代物。安全圏から余裕を持って攻撃が出来る、というのがこの設備の強みだが…トリックが相手では流石に役者不足というもの。

 

(魔法自体は威力も範囲も中々のもの…モンスターを奴等の相手に差し向けたのは正解であったなぁ)

 

もしもモンスターを率いたままここを通っていれば、何割かは撃破されていた可能性が十分にある。であれば結果的に無駄な損害を避ける事が出来たとトリックはほくそ笑み、続く迎撃も難なく回避。そうして設備からも離れ、恐らくこれが自身に届く最後の攻撃だろうと横へと飛んだ……その時だった。

 

「ぬおッ!?」

 

回避を行ったトリックの着地先(浮遊している為、これは正しい表現ではないが)へ、絶妙なタイミングで放たれた粒子の光芒。咄嗟にトリックは飛び上がりその光芒を避けるも、その先にあったのは噴射炎を吐き出す弾頭。

空中に捲き起こる、一つの爆発。爆煙が広がり、黒煙が登り……その中から、障壁に包まれたトリックが姿を現す。

 

(…今の攻撃は、どちらも魔法によるものではない…となれば科学兵器であろうが、この精度は……)

 

魔法の普及率と信頼、加えて一時はキラーマシンを中心とする強引な軍拡が行われた事で科学兵器の採用が遅れているルウィーだが、全くないという訳ではない。しかし兵器そのものの普及が遅れているのであればそれを扱う技術もまた洗練されている筈がなく……つまるところ、誰がこんな攻撃を…とトリックは驚いていた。そして、そこから彼は更に驚く事となる。

 

「……な、何…?」

 

障壁を解いたトリックの前へと降り立つ、一つの人影。だがそれは、人ではない。

右にはライフルを、左にはロケットランチャーを携えたその姿は、正しくMG…それも装甲の隙間から見えるフレームからして、ラステイション製のもの。

それもトリックにとっては、驚きの事実。しかしそれを超えるのは……そのMGが纏う装甲が、全て黄金の輝きを放っていた事。

 

「…ここまで御足労頂いたところ悪いが、ホワイトハート様達が来るまで待ってもらおうか」

「……その声、まさか…」

 

降り立った機体から聞こえた声に、トリックは視線を鋭くさせる。その理由は二つ。その内一つは何故その人物がこうしてここにいるのかという事で、もう一つは……もし目の前の機体のパイロットが思った通りの人物ならば、移動の片手間感覚で戦える相手ではないという事。

 

「──アズナ=ルブ、十式、作戦行動を続行する」

 

ワンレンズタイプのサングラスを彷彿とさせるゴーグルアイを光らせ、スラスターを吹かすパイロット。

彼は己の理想の為、一度は国に…女神に銃口を向けた男。その果てに自身の命すら犠牲にしようとしたものの、その女神と素質を認めた一人の人間によって止められた彼は今、新たに見つけた……いや、取り戻した『信じるもの』の為に、その力を振るう。

 

 

如何に強力な装備があろうと、如何に常人の域を超えていようと、世界の理にすら干渉し、果ては理すら覆してしまう程の奇跡の力によって蘇った四天王を、人が倒す事など困難の極み。だがそれは無謀でも、蛮勇でもない。何故なら犯罪神が絶望を振り撒くように……希望を生み出す女神が、その者達にはいるのだから。

 

 

 

 

「…了解よ、マジックが現れたのね」

 

 

身体を起こしてブレーキングをかけ、わたしとネプギアは空中で反転。イリゼ達が三組に分かれて各国へと向かう中、わたし達はプラネテューヌではなく、ギョウカイ墓場へと向かっていた。

 

「スピード上げていくわよ!着いて来られるかしら?」

「勿論!」

 

反転の後翼に力を込め直して、これまでとは真逆…即ちプラネテューヌに向けて再加速を始めるわたし達。今からだとワープでもしない限りマジックの侵攻に間に合わないけど、迎撃には軍に加えてこんぱ達も協力してくれている。だから寄り道さえしなければ…きっと大丈夫。

 

(目論見通り、マジックはプラネテューヌに来てくれた。自国に敵が来るのを喜ぶのは変だけど…よかったわ)

 

出来る限りの準備はしてきたけど、この作戦には幾つもの懸念事項があった。その内の一つが、マジックの動向。

要求を破棄したわたし達への報復として、四天王が各国に来るというのは(実体があるのなら)ほぼ間違いない事。だから皆急いで飛んでる訳だけど…わたしとネプギアは元々自国にいるんだから、動く必要はない。でもそれは四天王側も分かっている訳で、ならばとマジックがプラネテューヌ以外の国へ行く可能性があるんじゃないかと、わたし達は危惧をした。そして、それを防ぐ為の策が……わたしとネプギアによる、ギョウカイ墓場への侵攻。

敢えてプラネテューヌから女神がいなくなる事で、マジックにとって至上の存在である犯罪神の下へわたし達が迫る事で、マジックをプラネテューヌへと誘い込む。自分の守護すべき国に敵を招き入れるというのは、指導者としてあまり…いや、かなり宜しくない事ではあるけど、プラネテューヌさえ守れればそれで良いなんてわたしは思っていない。だってわたしはプラネテューヌの守護女神であり、ゲイムギョウ界の守護者なんだから。

 

「…ネプギア、一応言っておくけど体力配分には気を付けて頂戴。わたしに着いてくるのに必死で到着した時にはスタミナ切れ…なんてなったら困るもの」

「大丈夫だよ、お姉ちゃん。楽ではないけど…まだ余裕は十分あるから」

「…いい返事ね」

 

今は時間との勝負だけど、その後は本当の勝負になる。間に合わなければ元も子もないけど、だからってバテバテの状態で敵の前に出るのは愚の骨頂。少しでも早く戻りたいという気持ちを如何に押さえて、その先の戦いを見据えたペース配分が出来るか。…それが、勝敗の分かれ目。目の前の勝負だけじゃなく、この戦い全体の勝ちを掴む為の…戦術。

 

 

 

 

各国で迎撃部隊と四天王、モンスターによる戦いが始まった。だが生活圏への被害を考えた女神側は戦場を生活圏から離しており、同時に勧告によって殆どの国民が自宅、或いは避難所へと向かった事で街は静けさに包まれている。

しかし有事であろうと無かろうと、賑やかさのない地域もある。例えばそれは、元々人口の少ない地域。もっと言えば…あまり人が寄り付かない地域。

 

「……なーんか、変だっちゅねぇ…」

 

丸い耳を立て、鉄格子の嵌められた窓から外を覗く一匹の鼠…ではなく、鼠は鼠でも実際は動物なのかモンスターなのか不明な元犯罪組織構成員、ワレチュー。彼がいるのは……勿論、刑務所。

 

「何かよく分からないっちゅけど、ネズミの勘が何か変だと伝えてるっちゅ……」

 

手を離して窓枠から降りた(彼の身長では窓に届かない為、跳躍して両腕を窓枠に引っ掛けていた)ワレチューは、腕を組んで考え込む。

それは本当にネズミの勘とやらによるものか、聴覚や肌に感じる空気で異変を感じ取ったのか、或いは全く根拠のない発言か…とにかく彼は何か変だと思っており、何が起こっているのかを考えていた。

 

「……ぢゅー…」

 

…が、ただ何か変だというだけでは考えるにも情報が足りず、監禁されている中では調べられる筈もない。その為早々に諦めたワレチューは……

 

「おい看守!さてはプラネテューヌで何かデカい事をしようとしてるっちゅな!」

 

部屋の奥から出入り口側へと移動し、扉に向かって大声を出した。質問ではなく断定の言葉を発したのは、馬鹿正直に訊いて望んだ回答が返ってくる訳がないと考えた為。

 

「…………」

「無視っちゅか!?看守ともあろう人間が、堂々と無視っちゅか!?それはどうかと思うっちゅよ!」

「…………」

「それとも聞こえてないんだっちゅか?だったらもっと大きな声を出すっちゅ!おいッ!看守……」

「あー五月蝿い!聞こえてるわ!んで看守に囚人といちいち会話しなきゃいけない職務はねぇ!」

 

ガンガンと扉を叩きながら叫んでいると、看守からの言葉が返ってくる……が、当然と言うべきか、その返答はワレチューが望んだものではない。

 

「でもこんな場所じゃお前も暇だろうっちゅ!だからオイラが話し相手になってやると言ってるんだっちゅよ!」

「余計なお世話だ!ってかしょっちゅう声かけてきやがって…お前こそ暇なんだろ!」

「そりゃこんな場所じゃ暇になるに決まってるっちゅ!なら黙ってるからネットに繋がる機材を渡せっちゅ!」

「渡す訳ねぇだろ!五月蝿いとネズミ捕り入れるぞ!」

「うぐぐ、それは…って、オイラがアレに引っ掛かるとでも思ってるんだっちゅか!?オイラを普通のネズミだと思うなっちゅ!」

 

言い争いの形となるワレチューと看守。ワレチューが大声でコンタクトを取ってくるのはこれが初めてではなく、無視をしても相手をしても五月蝿い彼の事を看守はかなり厄介に思っており、こうして適当に話を終わらせるのがほぼ毎回の事となっていた。

そうしてあしらわれたワレチューはその後も何度か声を上げるも、まともな反応が返ってこなくなった為断念。不満そうな顔をしながら、彼は再び腕を組む。

 

(看守からが駄目だとなると、一気に手詰まりだっちゅ……というかそもそも、仮に分かったとして…知ってオイラはどうするんだっちゅ…?)

 

違和感が何か気になったのは、興味本位。だが、同時に彼は囚われの身。知ったところで何も出来ず、誰かに伝える事すらままならない。そして釈放もまだまだ先であり……今自分が知る事に、一体どれだけの意味があるのかとワレチューは後ろ向きな思いに駆られる。

 

(…コンパちゃん……)

 

落ち込む度彼が思い出すのは、恋い焦がれる女性の存在。彼女を思い出す事自体で元気を得るのに加えて、彼女と出会えたのは犯罪組織にいたからだと考える事で自身の選択を肯定し、気持ちを良い方向に向けようと自分を差し向けていた。

…と、その時……。

 

「お疲れ様っす、交代しますよ」

「おう、って…んん?なんかいつもより早くね?てか…新人さん?」

「あ…えーと…はい。今色々起こってるじゃないですか。だから別のところからこっちに呼ばれて…で、時間も…その関係、で…?」

「何故疑問形…?…まぁいいか、それじゃ頼むぜ」

 

物思いに耽るワレチューの耳に聞こえてきたのは、会話の声と足音。しかしそれは別段おかしなものではなく、せいぜい「やっぱり何か起こってるのは間違いないんだっちゅね」と思う位で、彼は興味を示さない。という訳でワレチューはそれを聞き流し……その数十秒後、事態は動き出した。

 

「……よォ、暮らしはどうだよ鼠先輩」

「ね、鼠先輩!?鼠先輩って…その人はネズミじゃないっちゅよ!?…って、あれ…?この声、どこかで……」

 

突然外から話しかけてきた、交代の看守と思しき存在にワレチューは突っ込みを入れる。だがその直後に看守の声に聞き覚えを感じ、再び彼は扉の前へ。すると相手もワレチューの言葉に反応し、高らかに…されど声は抑え気味で言い放つ。

 

「へっ、そりゃそうだろうな!何せアタイはこの逆境の中でも生き延び、トリック様達から勅命も受けた、マジパネェ構成員……」

「あっ、下っ端っちゅね」

「だから下っ端じゃねェよッ!」

 

口上の途中で水を差され、しかも最も呼ばれたくないあだ名で呼ばれて即キレる看守……に扮したリンダ。続けて彼女は言い返そうという衝動に一瞬駆られるも、潜入中である事、思わず大きめの声を出してしまった事ですぐに冷静となり、咳払いの後言葉を続ける。

 

「ったく…相変わらず生意気なネズミだな。ネズミ捕り入れるぞ?」

「なんでお前も看守と同じ事言うんだっちゅ…まさか、看守に就職したんだっちゅか…?」

「んな訳ねェだろ、勅命だっての。あーあ、なんでアタイはこんな奴助けなきゃいけないんですかねトリック様…」

「こんな奴とは失礼な…って、今助けるって言ったっちゅか…!?」

 

特に上下関係はなく、お互い相手を気遣うつもりもない為遠慮のないやり取りを交わす両者。…が、ワレチューがリンダのある言葉に気付いた事で態度が一変。彼は目を見開いて訊き返す。

 

「うん?…さーて、どうだったかなァ……」

「は、はぐらかさないでほしいっちゅ!というか勅命なら、はぐらかしてる場合じゃないだろっちゅ!」

「あーはいはい、そうだよ言ったよ。…今なら警備が手薄になってる筈だからって言われて、アタイはここに来たんだよ。で、取り敢えず変装してここを回ってたら、お前を見つけたって訳だ」

「そういう事だったんだっちゅか…捨てる神あれば拾う神ありとは、正にこの事だったっちゅ…!」

 

自分の耳にした言葉が聞き違いでなかったとワレチューは目を輝かせ、歓喜の声を口にする。因みにこの時彼が想像した「拾う神」とは犯罪神でも女神でもなく、彼が天使と呼ぶコンパだったのだが…それはまた別の話。

 

「感謝ならアタイにするんだな。何せ今から開けてやるのはこのアタイ……」

「はいはい感謝してるっちゅー」

「絶対感謝してねェな…まぁいいか、お前が普通に感謝してくれるとは思ってなかったし……けどその前に、出来る限りここの内装とか監視の厳しい所とか教えてくれるか?勿論知らねェなら仕方ねェけどよ…」

「それは出てからじゃ…って、出てから話してるのを見られたらアウトは確実っちゅし、出る前の方が賢明っちゅね……ふっ、オイラを見くびるなっちゅ。日々の会話や聞き耳で、ある程度は分かっているっちゅ!」

 

基本的に看守にはあしらわれるとはいえ、下手な鉄砲も数撃てば当たるというもの。更に彼の耳は人間より鋭く、人並みの会話力や思考を持つが為に看守は鼠とは呼びつつも人間扱いしていたのもあって、ワレチューはそれなりに刑務所の内情を知っていた。その事でワレチューは胸を張っていたが…リンダの方はワレチューより誰か来ないかを気にしており、またそもそも扉で隔てられている事もあってそれは全く伝わっていない。

そういう訳で情報を得たリンダは、内心で成果が出せそうだと喜びつつ、ワレチューの閉じ込められている部屋の扉に手を掛ける。──女神側と犯罪神側による戦闘の火蓋が切って落とされる中、プラネテューヌのある刑務所でも騒動は始まっていたのだった。

 

 

 

 

「…ところで、一つ訊きたいんだがよ……」

「なんだっちゅ?」

「……なんでお前、物置きに閉じ込められてるんだ…?」

「あー…それは、オイラの場合小さいから普通の牢だと大人しくしているか確認し辛いし、そもそも人間用の牢だと逃げられるかもしれない…って理由らしいっちゅ」

「へぇ……なんか磯野家の長男みたいだな、物置きなんて」

「ほ、ほっとけっちゅ!…あ、ほっとけって出さなくていいって意味じゃないっちゅよ!?」




今回のパロディ解説

・鼠先輩
ムード歌謡歌手、鼠先輩こと杉村佳広さんの事。少し考えてみると、鼠ネタって結構一杯あるんですよね。ネタに困らないというのはいいものです。

・磯野家の長男
サザエさんの登場キャラの一人、磯野カツオの事。彼が叱られて罰を受ける場合、外の物置きの他に押し入れという場合もありますね。

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