超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第百十九話 再封印の日

特別会議室で犯罪神が再封印可能状態となった事を聞いたわたし達は、勿論再封印にしに行く事を決定。でも実行は今日じゃなくて、明日になった。

 

「むー、いそいでやらなくていいのかなぁ。はいユニ、次これ」

「今の状態だと一日位前後しても結果は変わらないのよ。…駄目ね、このサイズじゃ他の部位に引っかかるわ」

「ふういん、むずかしそう…。…ネプギアちゃん、これ位でどう…?」

「大丈夫だよ、だってお姉ちゃん達だもん。…うーん、もう少しないとフル充電出来ないかも…」

 

ユニちゃんロムちゃんラムちゃんの三人とわたしは、今日も充電器を開発中。もう大体の設計は出来上がっていて、後は機械側の規格に合う魔導具(電撃魔法を充電用に調整する物)の作製だけ。でも一番難しいのがそれで、わたしも魔導具の条件を少しでも緩められないか試行錯誤中。

 

(一番楽なのは充電器そのものの大型化だけど…出来る限り実用性も考えたいもんね。折角四人で作ってるのに、妥協しちゃったら完成した時の満足度も減っちゃうし)

 

充電器の開発は趣味…っていうかプライベートでやっている事だから、良い充電器にならなかったり最悪断念したりしても、誰にも怒られないし迷惑もかからない。…けど、これはやらなくちゃいけない事じゃなくて……やりたい事だもん。やれる限りはやってみなくちゃ。

 

「…お姉ちゃん達だから大丈夫、か……」

「……?ユニちゃん、どうしたの?」

「犯罪神の封印を担うのはお姉ちゃん達で、今日の話の中心にいたのもお姉ちゃん達。後者はケイ達もだし、女神候補生であるアタシ達と守護女神のお姉ちゃん達で出来る範囲に差があるのは当たり前ではあるけど……代わりになれないのは、歯痒いわよね…」

 

作業の最中、ふと手を止めてわたしの言った事を口にした後、遠い目をするユニちゃん。

ユニちゃんの言う通り、犯罪神の封印を行うのはお姉ちゃん達四人。それはお姉ちゃん達四人じゃなきゃ出来ないんじゃなくて、お姉ちゃん達四人でやるのが一番確実だって理由なんだけど…わたし達じゃ駄目って意味じゃ、今日あった事と同じ。今日会議後にあった話に関して、わたしは理解する事は出来たけど…話を追いかけるので精一杯で、とても発言なんて出来なかった。…代わりになんて、とてもなれそうになかった。…でも、それって……

 

「…ユニちゃん、もしかしてまた……」

「また?…あぁ、心配しなくていいわよ。そりゃもやもやする気持ちもあるけど…どっちかって言うと今は、そんなお姉ちゃん達に何かしてあげたいって思いの方が上だから」

「何かしてあげたい…?」

「今のアタシ達はお姉ちゃん達の代わりになんてなれそうにないけど、その負担を減らしたり、それか癒してあげたりする位は出来る筈だもの。だから、そういう方面で力になってあげたいの」

 

不安を感じたわたしが掘り下げるような事を言うと、ユニちゃんは肩を竦めてそれを否定。わたし達の中でもユニちゃんは特にお姉ちゃん達との差を意識してるみたいで、それが喧嘩の原因にもなったりしたからわたしは心がざわっとしたけど……よかった、わたしの思い違いみたいで。

 

「…そっか…そうだよね…重要な事ってなると、わたし達はお姉ちゃん達に任せっきりの事が少なくないし…」

「…ユニちゃん、わたしもおねえちゃんたちに…何かしてあげたい…(こくこく)」

「わたしたちだってせいちょーしてるんだもん。ちょっと位は、力になってあげたいわ」

「でも、どうしたらいいのかな…?大きい仕事を代わりにやる…ってのはそれはそれで不安にさせちゃいそうだし、『わたし達に気遣いさせちゃうなんて…』とか思わせちゃうのも嫌だし…」

「うん…それにわたしたちは、おしごともあんまりできない…」

「わたしたち、むずかしい字がいっぱいあると読めないもんね…」

 

仕事や役目を手伝えても、お姉ちゃん達に『させてしまった』という思いを残してしまったら、それはわたし達の望む結果にならない。大事なのは、気遣いや別の心労をさせない事で……うーん、中々思い付かないや…。

 

「…ユニちゃん。ユニちゃんは何か思い付いてる?」

「アタシ?…まぁ、一つ二つは思い付いてるけど…正直、ちょっとした事感が拭えないっていうか…」

「…お姉ちゃん達なら、ちょっとした事でも喜んでくれるんじゃないかな?」

「かもね。でも、これと同じで低い所を目的にはしたくないでしょ?」

「それは、確かに…何かしてあげる、って簡単じゃないね…」

 

ひょい、とユニちゃんは試作充電器の一つを持ち上げる。それは本当にその通りで、お姉ちゃん達の為とは言っても、やる以上はわたし達も満足のいくものにしたい。けれどそうなると更に難しくなる訳で、ついわたしも手を止めてしまう。

わたしとユニちゃんで顔を付き合わせ、腕も組んで考え込む。してあげる事、わたし達に出来る事、喜んでもらえる事……

 

「……あの、ネプギアちゃん…ユニちゃん…」

「ロムちゃん?何か思い付いたの?」

「いや、思い付いたとかじゃなくて…ちゃんと手をうごかしてよ……」

『あ……』

 

半眼のラムちゃんに指摘され、自分達が作業そっちのけで考えていた事に気付くわたし達。ロムちゃんの困り顔とラムちゃんの呆れ顔に顔が赤くなるのを感じながら、わたし達は作業を再開する。…同じ女神候補生でも、わたしとユニちゃんはロムちゃんラムちゃんより精神年齢が上だって自負してるし、実際そうだと思うんだけど……生まれてからの期間自体は同じだからか、偶にこういう事があるんだよね…あはは…。

 

 

 

 

犯罪神との決戦から待ち続けていた、再封印の日。一連の騒動と戦いの原因に決着を付ける、重要な日。前日…報告を聞いたその日に準備を整えた私達は、朝早くにプラネタワーを出発し、各国待機をしていたパーティーメンバーの皆ともギョウカイ墓場の前で合流。そこからはモンスターを刺激しないよう、慎重に最奥へと向かっていた。

 

「…なんていうか…普通は馬車とかメダルとウォッチとかを使う人数だよね、これ…」

「ネプテューヌ、この人数は最早酒場に待機してもらうレベルですし、割とその様なシステムを採用してないゲームも多いですわよ?」

「お、落ち着いてるですね、お二人は…」

「これは落ち着いているじゃなくて、緊張感がないと言うべきじゃないかしら…」

 

慎重に進んでいると言っても、無言で気を張り詰めてる訳じゃない。それどころか墓場に来るのはもう慣れたもので、時折こんな冗談も交えたりしてる私達。…最も、守護女神の四人の場合は気を紛らわせる為に言ってる可能性もあるけど。

 

「…これが終われば、旅も終わり…なんだよね」

「そうなるな。…と言っても私達は、殆ど旅に参加していないのだが」

「…感傷的な言い方ね、5pb.」

「あはは…少し、そんな気分になっちゃって…」

 

人数が多ければ、同じ集団でも色んな会話が出てくるもの。冗談主体の会話もあれば、落ち着いたトーンの会話もある。

 

「あぁ…それはあたしも分かるかも。こうして大所帯で旅をしてると、一人旅に戻った時物足りなさを感じるし」

「だよね。その気持ちはわたしも分かる」

「うんうん。でも旅が終わったら会っちゃいけない訳じゃないんだし、また会えばいいんだよっ!もふもふ〜!」

「わっ、ちょ、ちょっと…!」

「…REDの能天気さはねぷ子に匹敵してるにゅ」

 

流石(?)は新パーティー組のネプテューヌ枠とでも言うべきか、皆が旅の終わりに思いを馳せかけたところでREDがボケる…というか、サイバーコネクトツーの尻尾を触る。……でも、

 

「能天気はともかくとして、また会えばいいってのはその通りだよね。目的が済んだら会っちゃいけない、なんて事はないんだから」

 

まずは苦笑いを、それから微笑みを浮かべて私は同意。このパーティーは元々共通の目的を持って結成されたものだけど、私達はもう利害の一致以上の関係を築いている。ただの協力関係じゃなく、仲間で友達なんだから、また会えばいい。そこにおかしな事なんて、何にもないんだから。

そして、そんな私の笑みを見た皆は肩を竦めて…言った。

 

「そうね。でも、仕事があるしそれも楽じゃないかも…」

「修行で山奥とか行くから、わたしは連絡手段の問題が…」

「あたしもまだまだ冒険先があって、どこかに居を構える予定は……」

「え……っ?…み、皆…無理、なの…?」

「わぁぁ!?嘘嘘!…いや仕事があるのは事実だけど、そんな極端に会えないレベルではないから!だから泣きそうな顔するんじゃないわよ!」

「そ、そっか…もう、そういう冗談は止めてよ…」

 

ノワール、鉄拳ちゃん、新パーティー組のファルコムと発言が続き、他の皆もうんうんと頷く。皆揃って、「そんなに暇じゃないよねー」みたいな雰囲気を醸し出して。……ちょっと泣きそうだった。ノワールの発言で冗談だって気付かなかったら、一粒位は落ちてたかもしれない。…こういう冗談、私好きじゃないもん…。

 

「はは…そういえばイリゼちゃん、そのリボンはどうしたの?」

「あ、マベちゃん気付いた?ふふん、これはね…「いーすんがイリゼにあげたんだよね」なんでネプテューヌが言うの!?」

「ちょ、イリゼ声が大きい…」

「う…ごめんブラン…でも、ネプテューヌが言うから…」

「じ、自分で言いたかったんだ…それはごめんね…」

 

……何故かネプテューヌに言われたのはともかくとして、今日も私はイストワールさんに貰ったリボンを着用中。…そうだ、間違って汚したり落としたりしないようにしないと…。

 

「…けど、どうしてそこに結んだんですか?イリゼさん髪長いですし、これを機に髪型弄ってみてもよかったんじゃ…」

「うん。でも私がこのリボンを結んでるのは髪を結びたいからじゃなくて、リボンを身に付ける事自体が目的……」

「──皆よ、そろそろ到着するぞ」

 

結んであるリボンに興味を示すユニに対し、私は返答を…途中までしたところで、マジェコンヌさんが口を開いた。その声が合図となって、私達は緩んだ雰囲気を霧散させる。

 

「…なにか、出てくるのかな…?(おろおろ)」

「こういう時は、じゃが出るかへびが出るか…って言うのよね?」

「ラム、それを言うなら鬼が出るか蛇が出るか、よ。『じゃ』と『へび』じゃ両方同じじゃない…」

「…………」

「…ほぇ?イリゼさんどーかした?」

「あ、ううん(今のはあっちでも言いそうだなぁ…間違えるかどうかは微妙だけど)」

 

これまでにも何度か使ってきた、最奥からは片面しか見えない大岩の裏で私達は一度止まり、周囲に敵影や異変がないかを確認。そして負のシェアエナジー以外で特に感じるものはない事を見極めて……奥へと足を踏み入れる。

 

「こ、これは……」

『…………』

「……前来た時と、何にも変わってないねー…」

 

目を見開き……それからちょっと気の抜けた感想を口にしたネプテューヌに私達は首肯。ネプテューヌの言う通り、墓場の奥は前回と目に見える違いはない。…目に見える、違いは。

 

「…なんだろう、これ…心がざわっとするのはいつも通りだけど、何となく何か違うような……」

「えぇ、ひょっとすると再び形を得ようとしている犯罪神の力が、そう感じさせているのかもしれませんわね。皆さん、体調は…?」

「大丈夫です、ベール様」

「ボクも、まだ問題ないですよ」

 

五感では分からなくても、女神としての感覚が違いを感じ取る。…多分これは、放っておいちゃ不味いもの。

 

「…なら、予定通り……」

「…封印、ね」

 

ある程度進んだところで私達が足を止める中、守護女神の四人だけは立ち止まる事なくそのまま進む。ノワールとブランの言葉にネプテューヌとベールが頷き、歩きながら女神化したところで…四人はこちらへ振り返った。

 

「……四人共、封印の方法に不安はないな?」

「心配すんな。手順はきっちり頭に入ってる」

「歴代の守護女神がしてきた事だもの。私達にやれない道理はないわ。…まぁ、どこか抜けてる誰かさんがミスしなければだけど」

「…そうね、いつの間にか企業に国を乗っ取られるレベルのヘマはしないよう、気を付けるとするわ」

「……こほん。二人共平常運転ですし、懸念する事はないと思いますわ」

 

返答の最中でネプテューヌとノワールが煽り合うも、確かにそれは普段から時々やっている事。むしろこれは煽り合えるだけの心の余裕があるって訳で、四人をよく知っている身としてはこれ位の方が安心出来る。

 

「…じゃあ、頼むよ四人共」

「えぇ、頼まれたわ。…イリゼ達も、何かがあればその時は任せるわね」

「それだとねぷ子達が自分を犠牲にしようとしてるみたいに聞こえるにゅ。…けど、任せろにゅ」

「ふふーん!REDちゃんに任せとけっ、なのだ!」

 

私の言葉に四人が頷いて、ネプテューヌの言葉に私達が頷いて、再び四人は前へ進む。焦る事なく一歩一歩進み、最奥の中央付近まで行って……四人で向き合う。

 

「…なんか、天界での事を思い出すわね」

「そうですね。あの時は、わたしとあいちゃんの二人でしたけど…」

「…今は我々もいる。何があろうと、封印の邪魔などさせんさ」

 

四人が目を閉じ意識を集中させる中、コンパとアイエフがしみじみとした声を漏らす。その時私は気を失っていたから直接見てはいないけど、今みたいにネプテューヌ以外の守護女神三人が負のシェアの柱を抑えて(消滅を遅らせて)、寄ってくるモンスターは二人が迎撃していたらしい。…そのおかげで私とネプテューヌ、それにマジェコンヌさんは帰ってくる事が出来た。だから今度は、私が頑張る番。

 

(…って、その時の皆はここにいるんだから、私『が』じゃなくて私『も』だった……)

 

そんな事を思いながら、待つ事数十秒。私達が見つめる中、四人はゆっくりと手を前に出し、目を開ける。そして……四人が手を向けた中心の空間が、輝き始める。

 

「……っ…負のシェアエナジーが、集まってきてる…?」

「う、うん…でも、何だか……」

「…きれい……」

 

周囲に漂っていた負のシェアが収束していくかのような光景に、ユニが狼狽混じりの声を、ネプギアとロムちゃんは感嘆混じりの声を上げる。…でも、別にユニが臆病風に吹かれた訳でも、二人が負のシェアに魅入られた訳でもない。集まっていく闇色の光を淡い四色の光が包み込む様は、誰が見ても思う程に幻想的だった。

 

「…あんまりあれに気を取られないでね、皆。幾らこれだけの人数がいるって言ったって、いつの間にかモンスターに囲まれてた…なんて洒落にならないから」

 

半分は皆へ、もう半分は皆と同じく目を奪われていた私自身に向けて注意を促す。…私の見立てでは、まだ封印は半分も終わっていない。まだまだ気を抜けるような状況じゃない。

 

「…けど、来ない…ね…」

「負のシェアの影響をネプちゃん達のシェアが相殺してる、とか…?」

 

皆へ私が注意を促してから、また数十秒程したところで鉄拳ちゃんが呟く。一体もモンスターが近付いて来ないのは勿論ありがたい事だけど、こういう時何も起こらないのは、それはそれで不気味なもの。不運が発散されずに溜まってしまっているとでも言うべきか、嵐の前の静けさとでも言うべきか……。

……そう、悪い想像をしてしまった時だった。

 

「……なん、だ…?この、感覚は…」

「マジェコンヌさん……?」

 

不意に額を押さえ、狼狽えた顔を見せるマジェコンヌさん。…ざわり、と心の中に嫌な予感が広がる。

 

「…イリゼ、四人のシェアに変調は感じられるか…?」

「い、いえ…特には……」

「ならばやはり、犯罪神の…?…いや、だが……」

「犯罪神の?…あたし達には、順調に進んでいるように見えるけど…違うのかい?」

「墓場の負のシェアが悪影響を及ぼしている、という訳ではないのか?」

「それはない…シェアに関して今の私は、かなり女神寄りの身体に……ぅぐ…!」

 

マジェコンヌさんの動揺はすぐに皆も気付き、何事かと声をかけていく。それをマジェコンヌさんが否定し、言い切ろうとしたところで再び顔をしかめて……次の瞬間、心の中のざわりとした感覚が一気に跳ね上がった。…でもこれは、嫌な予感が増したとかじゃない…これは…私が感じてるのは……!

 

『……──ッ!?』

 

負のシェアが波動となったかのような強風が、最奥の中央から全方位へ向かって巻き起こる。咄嗟に地面を踏み締める中、目を凝らした私が見たのは……ここまでとは別格の勢いで収束していく、負のシェアエナジー。

 

「お、お姉ちゃん!これって……!」

「わたし達にも分からないわ!マジェコンヌ、封印は途中でこうなるものなの!?」

「そんな筈はない!倒された犯罪神の残留シェアが、ここまでの力を持つ筈など…!」

「じゃあどういう事だよ!?くそっ、とにかく鎮めるぞ…ッ!」

 

何が起こっているのかは分からない。けれど、これを放置するのは明らかに不味い。そう判断した四人は翼を展開し、私達以上に地を踏み締めて封印を続行。それによって四色の光は輝きを増し、一度は闇色の光を押さえ込んでいくも……安心する暇もなく、逆に闇色の光が押し返していく。

 

「い、イリゼさん!そちらで何が起こっているんですか!?」

「イストワールさん…!?…わ、分かりません!ただでも何というか、収束する負のシェアからは異常な程の力が感じられて……」

「異常な力?……まさか…」

「……っ!…まさか、これは…!」

 

インカムからも聞こえてくる、切羽詰まった声。それに私が感じたままの言葉を返すと、訊き返してきたイストワールさんはその数瞬後何か脳裏に浮かんだような声を上げて……それとほぼ同時に、マジェコンヌさんも同じ言葉を口にする。

まさか。それは、信じ難い事に対して使う言葉。もしかして、でもあり得ない…そんな思いを抱いた時に口にする言葉。イストワールさんとマジェコンヌさん。その二人が、まさかなんて言葉を口にしたというのなら……それはもう、杞憂なんかじゃ絶対にない。

 

「……ッ!一度退こう皆ッ!何が起きているのか分からないけど、このままここにいるのは──」

 

弾かれたように叫ぶ私。すぐ近くにいる皆にも、封印を行っている四人にも聞こえる声で強く叫ぶ。

封印は、途中で止めるのはあまり良くないと言っていた。でもそれどころじゃない。間違いなく良くない事が起きているんだから、私は皆の安全を第一にしたい。そう思って、そう叫んだ……その瞬間だった。収束した負のシェアエナジーが一点に集まり、形となったのは。

 

『……そん、な…』

 

私と守護女神の四人、コンパとアイエフ、それにマジェコンヌさんが目を見開き声を漏らす。実体となった存在に向けて、信じられないという感情を向ける。だって、それは……実体を得た負のシェアエナジーは……

 

 

 

 

 

 

────負のシェアの女神と化したマジェコンヌさんを彷彿とさせる姿をしていたのだから。




今回のパロディ解説

・馬車、酒場
ドラゴンクエストシリーズに登場するシステム(アイテム)の事。ベールも言っていますが、『毎回そんな大所帯で移動してるの?』と思う作品は結構多いですよね。

・メダルとウォッチ
妖怪ウォッチシリーズに登場するアイテムの事。これだとパーティーメンバーがこの二つで呼び出せる妖怪になってしまいますね。…使うのは誰になるのでしょうか。

・「〜〜REDちゃんに任せとけっ、なのだ!」
ネプリーグにおける第二ステージで、お笑い芸人の原田泰造さんが口にする台詞のパロディ。REDならかなり違和感なく言いそうな気がしますね。

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