超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第百六話 戦線に潜む不安と負荷

まるで守護女神奪還作戦の時の意趣返しをするかのように、四ヶ国へ同時に行われた犯罪組織残党の攻撃。恐らく…いや、間違いなく総戦力はあの時の軍と有志の連合部隊に劣っているし、統率にも雲泥の差があるけど…あの時と今とじゃ、攻撃側のスタンスが違い過ぎる。投降するなら戦いはしないと呼びかけて、犠牲を出来る限り少なくしようとしていた私達と、戦いしか目的になくて、敵はおろか味方の犠牲すら厭わない残党とでは……同列に語れる訳がない。

 

「……っ…なんて人数…!」

 

教会から飛び立ち、幾つかの場所で残党制圧を行った後、連絡を受けて急行した大通り。そこでは、残党が大挙して通りを駆け抜けていた。

 

(こんな人数、普通に仕掛けていたら制圧が間に合わない…となれば、少し危ないけど…!)

「イリゼ様!援護を……」

「いえ、私が合図するまで攻撃は一旦中止して下さい!」

 

基本的に残党は個々で動いているようだけど、通りが広いとなればそこを進む人数も自然と多くなる。そして殺さずの無力化なんて、一人一人を狙って相手にしなければとてもじゃないけど出来やしないから、無策でやろうものなら結構な人数に逃げられてしまう。だからまずは…狙いを私に変えさせる…ッ!

 

「貴君等が身体の自由を奪われたと言うのなら…私は、その目を心を奪おうではないかッ!」

 

突撃しながら翼を三次元機動重視に可変。先頭の一人の眼前まで直進したところで右に逸れつつターンをかけて、その一人へ背を向けるように背後へ回る。けれど攻撃は、しない。

 

「ふ……っ!」

 

残党と残党の間を縫うように、私は通りを駆け巡る。走って、飛んで、回って、舞う。一切攻撃はせずに、でも息使いが聞こえる程に近付いて、言葉通りに目と心を奪う。私の存在を誇示し続ける。そうする事で初めは認識すらされていなかった私が次第に意識されるようになり……気付けば、私は四方八方から狙われていた。

 

(作戦成功!ここからは…!)

 

視線を巡らせ、360度逃げ場がない事を知った私は真上へ跳躍。驚く事に一人追随してきた人がいた(元から並外れた身体能力だったんだと思われる)けど…それはむしろ好都合。空中という他の残党に邪魔されない空間の中、私はその一人を捕まえ一気に無力化を施した。

落下していく残党。その姿を尻目に、私は叫ぶ。

 

「私が残党を押し留めます!皆さんは注意を引き過ぎないよう、集団から外れた敵への攻撃を!」

 

地声とインカムの両方で伝える位の気持ちで叫び、再び残党の輪へと突入する。当然輪の中に入れば再び包囲される事になるけど……圧倒的な人数差は、時に少数側への利点になる。だって単純な話として、私へ攻撃を当てられる位置にいるのは全体の内の極一部なんだから。

可能な相手は制圧して、間に合わない相手は転ばすなり別の残党にぶつけるなりして対応し、数十秒毎に移動する。制圧を進めながらも、変わらず注意は引き付ける。

 

(流石に一人で相手をするのは少し大変だけど…弱音なんて吐いていられない。これは、私がやらなきゃいけない事だから…!)

 

他の国では得手不得手の関係もあってか、守護女神の皆が残党の制圧を行って、女神候補生の皆はギョウカイ墓場からの部隊迎撃に当たっている。でも、リーンボックスの守護女神であるベールは丁度出先から戻ってくる最中で、国内防衛より迎撃に回る方が早いと判断した為に国内の方は私が担当する事になった。

私は今リーンボックスにいるとは言っても、リーンボックスの女神じゃない。リーンボックスの人達は私に敬意を払ってくれているけど、ここにいる人達の多くが信仰しているのはあくまでベール。…だからこそ、私は他の女神の皆より動かなきゃ、私を見ている人達に『安心』を与えられない。それに……

 

「イリゼ!申し訳ないのですけど、恐らくもう暫くはそちらへ行けませんわ!」

「だろうね、そっちの情報もある程度は分かってるから!焦らずベールはそっちの戦線に集中してあげて!」

「ならば、そちらは頼みますわよ!」

 

と、そこで聞こえてきたベールの声で、私の思考が遮られる。インカム越しに聞こえてくるのは、こちら以上に激しい戦闘音。…やっぱり、ここは私が踏ん張らなきゃいけない。

 

(私の努力次第で、私の集中次第で、助けられる人が増える。今操られている人はきっと、残党から抜ける事すら敵わなかった人達。…だから、救わなきゃ……!)

 

余計な思考を排して、目の前の戦いに全力を尽くす。何回も何回もこうして人を傷付けてきたから、もう適切な力加減もコツも分かっている。後はただ、この集中力を切らさないだけ。私がこの意思を、貫くだけ。

 

 

…………だったら、よかったのに。

 

「すぐに終わるから…少しの間、耐えて…ッ!」

 

普段の加速や射出に使うよりも弱めに圧縮したシェアエナジーを、残党の前で解放。その衝撃で仰け反った残党達を、立て続けに無力化する。……その瞬間だった。

 

「……っ!女神様!路地より新たな残党が!数は四人…いえ、三人です!戦闘の一人は襲われていますッ!」

「襲われてるの!?でも、三人程度なら……──んな……ッ!?」

 

まだ今この場にいる残党も制圧し切れていない中で現れた、別の残党。…けど、数人なら注意を引くまでの間軍人さんに任せる事も出来る筈だった。……襲われている人が、いなければ。

軍人さんの言葉が聞こえた瞬間、襲われ必死に逃げる人の姿が目に浮かんだ。それが浮かんだ私は反射的に飛び上ろうとして……覆い被さるような動きの残党に、空への道を塞がれた。

 

(これは、妨害……じゃない!?)

 

妨害にしては動きが雑過ぎるし、私の思考を読まなきゃ不可能な程に対応が早過ぎる。それを思考の端で疑問に持ち、塞いできた数人の残党を見て……気付いた。その残党達は、つい数秒前に私が無力化した人達だって。その数人は妨害をしたんじゃなくて、後ろから押された結果妨害に近い形になっただけだって。

最悪のタイミングで重なった、二つの偶然。片方だけなら手間が多少増えるだけの偶然も…重なると、その脅威は一気に増す。

 

「……ッ!こ、の…ッ!」

 

邪魔になる残党を力尽くで押し退けて、舞い上がる。可能であれば新たな残党を制圧して、それが無理なら襲われている人を救出して……そんな事を考えながら、現れた四人へと目を向けた私。でも、私の希望は……現実に打ち砕かれる。

私が見たのは、躓き転んだ一人と、その一人へ飛びかかる三人という光景だった。……もう、救出は間に合わない。

 

(そんな……っ!)

 

幾ら女神の身体能力が高くたって、無理な事はある。もしかしたらもう一人の私だったら間に合うのかもしれないけど、私には今この状態から襲われている人の所まで行って助け出す事なんて出来やしない。…助けたいという思いがあっても、助ける為には能力も時間も足りな過ぎる。けれど、そう思った時──助けを求めるその人の瞳が、私の視線と交わった。

 

「……──ッ!私は…私が……ッ!」

 

一気に思考がクリアになった。それと同時に、何としても守らなくてはという思いが私の中で駆け抜けた。だから私は右手に二本、左手に一本のナイフを作り出し…交差させた両手を、残党に向けて振り抜いた。

音を上げて虚空を駆ける三本の刃。それ等は狙い違わず残党の脚に突き刺さり、体勢を崩した残党は相手を飛び越え落下する。傷付ける事なく、その先の道路へと。

 

(…やっ、た……!)

 

無理だと思った救出が、成功した。残党の三人には『必要最低限』ではない傷を負わせてしまったけど、四人共殺さずに済んだ。あぁ、良かった。諦めなくて、出来る事を全力で尽くそうとして、助けようと思って、本当に良かった…………

 

 

 

 

 

 

──そう思った瞬間、三人の内の二人が頭から硬い道路へと激突した。

 

「あ…………」

 

何かが割れる音がして、首が普通じゃ起こり得ない程に折れ曲がる。身体のリミッターが完全に効果を失った状態で走り込み、跳んでいた残党はそれだけでは勢いを殺し切れず、そのまま道路を転がっていく。

幸い一人は身体が受け身に近い形で落下した為、すぐに立ち上がろうとしている。でも、頭から落ちた二人は、身体を痙攣させているだけで……

 

「────ッ!!」

 

がくん、と脚を掴まれ身体を引きずり降ろされる。私の脚を掴んでいたのは、跳び上がった複数人の残党。その衝撃で、私の心も戦場に引き戻された。

ここで私の命を奪おうとしているのは、誰も彼もが操られた人。誰一人として、望んで戦ってなんかいない。力ある者に、世界の情勢に戦いを強いられた人達。……だから、何があろうと私はこの人達を、救わなきゃいけない。この人達の命を、背負わなきゃいけない。例えその中で、どれだけこの手が血に染まろうと……この、私が。

 

「…大丈夫…私が助けるから…責任を、果たすから……!」

 

路面に叩き付けられる寸前に手を付き、そこからカポエイラの要領で文字通り脚を掴む残党を一蹴。その勢いのままに立ち上がり、残党の制圧を再開する。

迷いなんて、端から無い。今は少し揺らいだだけで、私の心は折れてない。だって……全て受け入れ担うって、あの時決めたから。

 

 

 

 

(…妙、ですわね……)

 

防衛ラインを空から抜けようとするモンスターを、大槍の柄で叩き落とす。落下したモンスターは地表すれすれで立て直し、再び空へと戻ろうとするも、拳とギターの殴打に挟まれ地に落ちる。

 

「やったね、5pb.ちゃん!」

「はい!でも、敵はまだまだ相当な数…」

「だからこそ、何としても押し留めなきゃいけない。そうでしょう?」

 

わたくしが倒せていないモンスターに追撃をしなかったのは、偏に下にある三人が倒してくれると分かっていたから。自分一人で全てやろうとせず、状況に応じて仲間を頼る事が出来れば、戦闘効率はずっと上がる。…これを有り体に言うと、『連携』になりますわね。

 

(…味方の士気は良好。街の方も最初こそ混乱していたものの、イリゼや軍、警察機構のおかげで立て直しに成功している。このままの戦況でいけば、息切れを先に起こすのは間違いなく残党側…やはり、妙ですわ……)

 

士気が良いのも、立て直せているのも、勝利が見えるのも、それ自体はありがたい事。更にそれがリーンボックスだけでなく、四ヶ国の全てでそうとなれば喜ばしい事この上ない。……けれど…いや、だからこそわたくしは…この戦いに、裏があると思えてならなかった。

 

(こちらの戦力は、これまでの戦闘である程度の推測が出来ていた筈。そして戦力を四分した状態で各国を落とせる訳がないという事も、自陣の残存戦力をきちんと認識していれば分かる筈。…にも関わらず、何故残党は戦力の一極集中ではなく分散を…?)

 

最も気掛かりなのは、残党の戦力配分。けれど全く統率のない街中の残党に、現状ただ突っ込んできているとしか思えないモンスター及び大型兵器に、更に言えば短期間での四天王撃破によって調子の上がっている時期での実行と、この攻撃には不可解な点が多過ぎる。……はっきり言ってしまえば、ヤケを起こして作戦も無しに突撃してきたとしか思えない。けれど……

 

(あのマジックが自暴自棄になるとは思えませんし、無策にしては各国でのタイミングが合い過ぎている…こういう場合、一番あり得るのは各国の戦力を自国に釘付けにする事ですけれど…まさか、まだ残党には別働隊を編成出来る程の余力があると…?)

 

…と、わたくしは一瞬別働隊の存在を考えるも、すぐにそれはないと思い直す。現実的に考えて、そんな余裕が残党にある筈がないのだから。

まともな攻撃とは思えず、陽動の可能性も低い。だとすれば、残党の目的は一体……。

 

「……っ!これは…!」

 

空中のモンスターと空戦型キラーマシンを撃墜しながら、更に思考を深めようとしたわたくし。…そんなわたくしへ、上空から光芒が放たれた。

魔法やそれに準じるものとは違う、明らかに兵器によって撃ち出された光の弾丸。それを察知し反射的に避けたわたくしの前を駆け抜けたのは、巨大な翼を有する機甲の敵。

 

「空戦仕様……の新型!?」

 

人を模した上半身に、スラスターと主翼がその殆どを占める下半身。それは間違いなく空戦用に作られたキラーマシンの一機であり…同時に、これまで見てきた空戦仕様よりも重装備且つ高速だった。

 

「残存戦力は有象無象ばかり…という訳ではないんですのね…!」

 

駆け抜けたキラーマシンはその速度を殆ど落とさないまま、旋回をしつつ上昇開始。それと同時に頭部を回し、口腔部のビーム砲で先程と同様の砲撃を仕掛けてきた。

対するわたくしはビームを斬り払い、キラーマシンより鋭いターンで正面へと突進。その勢いのまま大槍を突き出し、防御の為に掲げられた戦斧と激突する。

 

「全員に通達!どうやら敵部隊の中には強い個体もいるようですわ!今現在優勢だからといって油断したりはせず、気を引き締めて戦いなさい!」

『はッ!』

「それと、三人は可能な限り広い視野を持つ事を心がけて下さいな!この戦闘、どこかで残党の隠し球が現れる可能性がありますわ!」

「広い視野…分かりました、ベール様!」

「動きを見極める事なら、私の専売特許…!」

「わたしも頑張るよ〜!とりゃ〜っ!」

 

新型と空中戦を繰り広げながら、指示を飛ばす。幾ら残党側の動きが不可解だとは言っても、それはあくまで憶測の域。かもしれない、の為に今起きている戦闘をおざなりにしてしまうのは本末転倒で、ましてや女神のわたくしが指揮を放棄しては話にならない。わたくしは国の長として、戦いにおいては先導者として、申し分ない動きを見せなくては…!

 

(今はチカやイヴォワール達に教会を任せていますけれど…場合によっては、探りを入れる為に動いてもらう事も視野に入れた方が良さそうですわね…)

 

大槍の投擲で左腕部の機関砲を潰し、再度の接近をかけるわたくし。考えつつも、思慮を巡らせつつも、女神としての務めを十全に果たす。……それが、今のわたくしがすべき事ですわ。

 

 

 

 

おねえちゃんにわたしとロムちゃんがまかされたのは、外から来るモンスターとマシンのげーげき。ちょっと前にもネプギアとユニといっしょにたくさんのマシンをげーげきするたたかいがあったけど…今日は、あの時とはちがう。

 

「おにいさんたち、だいじょうぶ…?」

「あ、ああ!…じゃなくてはい!」

「ロム様に心配してもらえた…よっしゃ、やる気出てきたぞオイ!」

「ふふーん、それじゃあみんな!わたしについてきなさい!」

『了解ッ!』

 

マシンのビームを、ロムちゃんがガード。わたしが魔法をうちながらかけ声をかけると、みんながそれに合わせてこーげきをしてくれる。今わたしたちの近くにいる人のは、みんなおねえちゃんやネプギアたちより…少しはなれたところでたたかってるMAGES.さん、マベちゃんさん、ブロッコリーちゃ…さんよりよわい人たちだけど……

 

「ロムちゃん!こくみんの人たちもがんばってくれてるんだから、わたしたちはもーっとがんばらなきゃよね!」

「うん…!わたしたち、女神さま…だもんね…!」

 

…わたしとロムちゃんは今、すっごくやる気いっぱいだった。ロムちゃんの言うとおり、こういう時がんばるのが女神さまよねっ!

 

「ロムちゃん、ラムちゃん、調子はどう?わたし達が行かなくても大丈夫?」

「もっちろん!三人もたいへんならえんごするわ!」

「ふふ、頼もしいな。だが、私達とてそう柔ではないさ」

「それに、二人が来たらここが魔法過多になるにゅ。だから二人はこのまま戦った方がいいにゅ」

 

耳のインカム(だっけ?)からきこえたマベちゃんの声に、わたしはへんとー。そのあとロムちゃんと目を合わせて、二人いっしょの魔法でモンスターをふっとばす。

さいしょはみんなあわててたけど、わたしたちが来て、二人でいつもどおりにたたかっていたら、だんだんみんな元気になって、今みたいにみんなでたたかえるようになった。だから今はこーげきもぼうぎょもたくさんの人がしてくれていて、わたしはぜんぜんまける気がしない。

 

「えと…あんまり、前には出ないで…!あぶない…!」

「ほぇ?あ……そうそうロムちゃんの言うとーり!いい?だれかの前に立つ時は気を付けるのよ!」

 

ロムちゃんはわたしのとなりにいるのに、前に出ないでって言った。わたしはさいしょ「?」ってなったけど…すぐにそれがみんなへの『しじ』だってわかって、わたしもおしえる。前に出る時はうしろに気を付けないと、うしろからの魔法に当たっちゃう…なんて魔法つかいにとってはじょーしきだもの。

それからもわたしたちは、女神さまとしてみんなを引っぱった。そのうちにだんだんわたしたちがゆうりになって…でもそこで、キラーマシンとはぜんぜんちがうマシンがあらわれる。

 

「あ……ラムちゃん、見て…!」

「……!あれって…!」

 

キラーマシンのうしろからジャンプであらわれたのは、まっかな色のロボット。…前にネプギアとユニ、イリゼさんが会って、ついこの前もおねえちゃんが会って、でもにげられちゃったってはなしのマシン。そのロボットはもってるじゅうで、わたしたちにこーげきをしかけてくる。

 

「わわっ!はやい…!」

「おねえちゃん、言ってた…あれは手ごわいって…!」

 

とんでくるだんがんをよけながら、わたしは魔法ではんげき。でもロボットはびゅんびゅんとびまわって、中々わたしの魔法が当たらない。

 

「むむ…!ロムちゃん、あれってエースってやつ!?」

「…たい魔法コーティング……?」

「ろ、ロムちゃんそれちがう…あと魔法はきっとだいじょーぶよ!だってどっかで魔法ゆーぐーとか言われてたもん!」

「そ、そっか…じゃあラムちゃん、まずはあのロボット…とおくにつれて行こう…!」

 

かんたんにはたおせそうにないロボットと今のばしょでたたかったら、周りの人たちがけがをしちゃう。ロムちゃんが言ったのはきっとそういうことで、だからわたしもすぐにうなずいてロボットにちかづく。……そんな時だった。

 

「…ロムちゃんラムちゃん、君達もしかして今…赤い機体と戦っているのかい?」

「……?シーシャさん…?」

 

きこえてきたのは、シーシャの声。いつもわたしたちとはなす時とはなんかちょっとふんいきがちがう、おちついた声。

 

「そう、あたし。…あたしはそいつに用事があるの、出来ればあたしがそっちに行くまで逃さないでくれるかしら?」

「ようじ?…よくわかんないけど、だったら早く来なさいよね!じゃなきゃわたしたちがたおしちゃうわよ?」

「あはは、二人は絶好調みたいだね。…OK、急ぐ。だから……頼んだよ、二人共」

『……?』

 

…やっぱり、今のシーシャはちょっとへん。どうしてへんなのかはわからないけど、いつものシーシャじゃないみたい。でも、わたしもロムちゃんもせんとうちゅう。気になるけど……こっちに来るって言ってたし、それは来てからきけばいいわよね。…そう思って、わたしもロムちゃんもロボットに向けて魔法をはなった。

 

「わたしとロムちゃんの二人で、たおしてあげるんだから!」

「うん…!あく、そく、どかーん…!(きりっ)」




今回のパロディ解説

・たい魔法コーティング
遊戯王の登場キャラ、バンデット・キースの使う機械モンスターの能力(?)の事。キースじゃなくてエース。どうも双子は勘違いネタばかりになってしまいます。

・どっかで魔法ゆーぐー
原作であるネプテューヌシリーズにおいては物理より魔法が強い(効果的である)事が多い、というパロディ。えぇ、偶にあるパロディか微妙なシリーズですよ。

・「あく、そく、どかーん〜〜」
るろうに剣心の登場キャラ、斎藤一の代名詞的台詞の一つのパロディ。斬ではなくどかーん。…一応言っておきますが、これは別にロムの新たな技ではありませんからね?

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