超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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2018年9月17日に、前話(第九十七話)に追記修正を行いました(具体的にはイストワールとパーティーメンバーの会話のラスト部分)。展開上は全く変わりませんが、若干の変化はあるのでそれ以前に読んだ方は今一度読む事をお勧めします。二度手間にしてしまい、申し訳ありません。


第九十八話 思う事、望む事

一難去ってまた一難。リーンボックスへと侵攻してきた犯罪組織残党の一団を何とか押し留められたその時に、四天王トリックからの声明が……いーすんを預かったという事実が、わたし達へと突き付けられた。

 

「…ごめん、皆…私達がいたのに…プラネテューヌはお願い、って言われてたのに……」

「あいちゃん……」

 

作戦後の後始末をベールが全て引き受けてくれた事で、あの後すぐにプラネテューヌへと戻れたわたし達。慌てて戻ったわたし達を迎えてくれたのは、合わせる顔がない…って表情のあいちゃん達だった。

あいちゃんも、こんぱも、二人のファルコムも沈んだ様子に、わたし達もなんて声をかけたらいいか分からず閉口。…そんな状況を崩したのは、あの時真っ先に飛び立ったイリゼ。

 

「…皆を責めるつもりはないよ、四天王の強さは私達よく分かってるから。…でも、私達は落ち込んでる場合じゃない。だから教えて、プラネテューヌで何が起こったのかを」

 

落ち着いた、でもどこかいつもより柔らかさの欠けたイリゼの言葉。それに四人は少し驚いた顔をして…でもすぐイリゼの質問に、わたし達が気になっていた事に答えてくれる。

 

「…奴等は、正面から堂々と仕掛けてきたわ。…ううん、仕掛けたというより現れたと言うべきね」

「仕掛けたというより現れた?…攻撃はしてこなかったって事?」

「うん。トリックは数十人の残党を引き連れていたけど、トリックも残党も誰一人として攻撃はしてこなかった。…でも……」

「でも…?」

「……残党は武器を突き付けていたのさ。…自分達の首にね」

 

アイエフから言葉を引き継いだ二人のファルコム。まずちっちゃい方のファルコムが言って、更にその後大きい方のファルコムが言って……そこでわたし達は、途端に意味が分からなくなった。じ、自分達の首にって……

 

「…なんで、そんな事……」

「それは、わたし達も思ったです。わたし達も、軍の人達もそれが分からなくて…」

「こっちが困惑する中で、奴が言ったのよ。…彼等は人質だ。もし教祖を差し出せば全員解放しよう。だがもし差し出さないのであれば……彼等は全員、ここで死ぬ事になる…って」

『……っ…!』

 

……それを聞いた瞬間、わたし達の誰もが言葉を失った。

自陣の人間を操って、無理矢理戦わせるなんてどう考えても卑劣な行為。それをわたし達は許せないし、これ以上に卑劣な策なんて存在しないと思っていた。……でも、それは違った。トリックにとって…四天王にとっては、それすらもまだ加減していたのだと、わたし達は痛感する。

 

「…じゃあ、それでいーすんさんは人質の為に……」

「はいです。自分なら大丈夫だって、ここで人質を見捨てたら女神支持の世論に悪影響が出るって言って……」

「そっ、か……話してくれてありがとね、皆。そういう事なら、皆は何も悪くないよ」

「そうね。数十人規模の人質を取られていたら、私達だって迂闊に手は出せないもの」

「それに、奴の言葉へイストワール自身が乗ったのなら、それはイストワールの責任。…勿論悪いのはあの変態野郎だがな…」

 

どんな経緯でも皆を責めるつもりはなかったわたし達だけど、人質が理由だったならそもそも皆に非なんてない。ブランの言う通り、悪いのは人質を取ったトリックなんだから。

 

「…さ、何が起こったかは分かったし次は奪還の策を考えるわよ。ブラン、奴の言ってた城ってルウィーにあったわよね?」

「えぇ、ギャザリング城はルウィーにあるわ」

 

場の雰囲気を切り替えるように手を叩いたノワール。ノワールの言葉で、わたしはトリックからの通信を思い出す。

いーすんを返してほしいなら、わたしとブラン、ロムちゃんラムちゃんだけでギャザリング城へ来い。…トリックはそう言っていた。

 

「でも、なんでわたしたちだけ…?」

「わたしとロムちゃん、おねえちゃんだけならルウィーの女神ってことになるけど、ネプテューヌ…さんもだもんね」

「それは……まぁ、そういう事よ…」

「うん、そういう事だろうね…」

『……?』

 

わたしと同じように通信を思い出したらしい二人が、小首を傾げながら疑問を口に。その理由は…まぁ、わたしとブランは勿論、他の皆も薄々予想は付いてたけど…言えないよね…。二人の教育上的にも、わたしとブランの精神衛生上的にも……。

 

「…あの、ネプテューヌさん、ブランさん」

「……?どしたの、ユニちゃん」

「…トリックの要求に応じる気ですか?四人だけでなんて…いや、わざわざあんな通信をかけてきた時点で、これは……」

「罠だ、って事でしょ?わたし達もそれは分かってるよ」

「だからこその、作戦会議。応じるにしても、応じないにしても、無策で行ったところで助けられる保証はないもの」

 

最初あの通信を聞いた時、わたしはとにかく助けに行きたい気持ちになった。名指しされた事もあって、場所が分かればすぐにでも行きたいと思っていた。でも、皆を心配してプラネテューヌに戻るまでの時間で、わたしの頭も少し冷静になった。…わたしは一度、心配しなきゃいけない人達の事も忘れて怒りのままに突っ走った結果、何も出来ずに負けた事があるから、今回は冷静になる事が出来た。……そう、わたしは冷静になれた。

 

「…でも、作戦を立ててる間イストワールさんが無事だって保証もない」

「…イリゼちゃん…?」

「相手は味方を人質に取るような、私達が一人でも傷付く人を減らそうとしている事を逆手に取るような奴だよ?……悠長に考えてる場合じゃないと思うよ、私は」

 

急がば回れの精神でわたし達が頭を捻ろうとしていた中、どこか不満気な声音で異を唱えたのはまたもイリゼ。結構イリゼは反対されそうでも自分の意見をはっきり言うタイプだから、異を唱えた事自体はそんなに不自然でもないけど…その様子は、普段のイリゼらしくない。

 

「…えぇ、それも一理あるわね。けど、それならどうする気?人質を取られてる中全員で突っ込むの?」

「そう、そのつもり」

「は……?」

「向こうがこんな手に出てくるんなら、こっちだって逆手に取ってやろうって話だよ。全員で強襲して、同時にギャザリング城へ長距離砲撃と絨毯爆撃の飽和攻撃をかけて、一気にトリックを追い詰める。…イストワールさんは向こうにとって価値のある人質だろうから、城が壊滅する規模の攻撃を受けても守ろうとする筈でしょ?」

「……貴女、それは本気で言ってるの?」

「私が、思い付きで言ってるように見える?」

 

いつものように、ちょっと強い言い方で訊き返したノワール。イリゼの事だから流石にそうではないだろうと思っていたけど…イリゼは、目の据わった瞳でノワールの言葉に首肯した。それにノワールが驚く中、イリゼは淡々と作戦の……ううん、作戦なんてものじゃない。イリゼが言ったのは…作戦もへったくれもない、力任せの蹂躙行為だった。その言葉に、今度はブランが口を開く。

 

「…確かに、下手には出ずこちらから仕掛けるというのは、相手にペースを持たせない策として有りだと思うわ。…けれど、それは博打よ。しかも内容を加味すれば、貴女の言っている事は大博打もいいところ。それが分からない貴女じゃないでしょう?」

「分かっているよ?今が凡策じゃ突破出来ない状況だって事も、ね。…今までだって、博打はしてきた。危険でも、賭けだったとしても、それでも私達は可能性を諦めないで進んできたじゃん。……皆は、違うの?」

「……あ、あの…イリゼさん、わたし…」

 

イリゼの言葉は、訴えは、何も間違ってない。わたし達は、どんな困難でも希望を捨てずに戦ってきたんだから。諦められないって、皆が思っていたから。……でも、わたしは断言出来る。今のイリゼは、間違ってるって。

何か言いかけたネプギアを手で制するわたし。目を丸くするネプギアへ首を横に振って、わたしはイリゼの前に立つ。

 

「…その通りだよ、イリゼ。わたし達は辛くても危なくても、大切なものの為に、何かを守る為に戦ってきた」

「でしょ?だったら……」

「……でもそれは、わたし達がわたし達の意思で、わたし達の命を賭けて戦ってきたんだよ。自分以外の人の命を、その人の意思なしに賭けるのは勇気でもなんでもない。イリゼは自分が命を軽視してるって分かってるの?」

「…それは、危険な突入に皆を巻き込むなって事?そういう事なら勿論、責任持って一番危険な場所には私が……」

「そうじゃないよ…そうじゃないよイリゼッ!分からないの!?あの城には絶対まだ残党がいるんだよ!?その人達も操られてる可能性が高いんだよ!?その場所に私達が強襲して、砲撃と爆撃もする?…その人達の命を奪う事が勇気だと思ってるなら、いい加減ぶん殴るよッ!」

「……っ…!」

 

……キレてしまった。ほんとは諭すつもりだったのに、イリゼがあんまりにも自分やわたし達の事しか考えてなかったから…そんな考えに、一瞬ネプギアが感化されそうになっていたから……大事な友達のイリゼにはそんな考え方をしてほしくなかったから、わたしはつい声を荒げてしまった。

突然声を荒げたわたしに、皆が驚いていた。イリゼも驚いていて…そのすぐ後に、イリゼは愕然としていた。…そんなイリゼに、わたしはもう一歩近付く。

 

「…ごめんね、イリゼ。こんな事言っちゃって」

「…ぁ…う、その…私は…私はそんな、つもりで……」

「……大丈夫だよ、分かってるから。…いーすんは、イリゼにとって家族だもんね」

「……──っ!」

 

──分かっていた。イリゼの様子が変なのは、人質になったのがいーすんだからだって。もう一人のイリゼに生み出されたイリゼにとって、自分より先に生み出されたいーすんは姉みたいな存在なんだって。…あの時あれだけ過去がない事に絶望してたイリゼだもん、家族って呼べるいーすんを大事にするのは当然だよね。

 

「わたしにとってもいーすんは大事な相手だよ。けど、だからって他の人達の命を無視する事なんて出来ないし、いーすんもきっとそんな手段で助けられても喜ばないよ。……いーすんは、操られてる人達の為に人質になった。…だったら、助ける上で一番大切なのは…いーすんの思いを汲んであげる事じゃないかな」

「…………」

「…勿論、これが正しい考えだなんて言わないよ。これはわたしが一人で考えた事だから、もしイリゼが間違ってるって思うなら正直に言ってくれても……」

「……ううん、ネプテューヌの言う通りだよ。…私、多分気が動転してた…ごめんね、皆」

 

ゆっくりと首を振って、それからイリゼは腰の高さまで深く深く頭を下げた。そして、頭を上げた時……イリゼの顔には、いつもの柔らかさが戻っていた。

 

「謝る必要はないわ。貴女の言葉に面食らいこそしたけど、イリゼの気持ちは分かるもの」

「そうですよ、イリゼさん。わたし達も別に怒ってませんから」

「ネプテューヌさんはおこってたけどねー」

「ら、ラムちゃん…それは言わないでよ……」

 

わたしも皆もイリゼには驚いていたけど、イリゼの事を不愉快になんて思ってない。わたしは怒っちゃったけど、イリゼを嫌いになんてなってない。……だって、何を言ったってイリゼは仲間で、友達なんだから。

 

「…一言余計な妹に変わって謝罪するわ、ネプテューヌ」

「あはは…わたしこそ話に割り込んじゃってごめんね。…じゃ、改めて皆さん会議の続きをどうぞ!」

「どうぞって貴女…頭使う部分はぶん投げる気満々ね…」

「この面子なら皆に任せた方が良い作戦になるって判断だもーん。さぁ続きだよ続き!」

「…じゃあ、少しだけ私は席を外させてもらってもいいかな…?」

『え?』

 

ちょっと意外な形で逸れちゃったけど、何とか話は元の路線へ帰還。けれど「指導者は決断する事が役目なんだから、皆に任せるのも女神として立派な仕事なんだよー」…と、某弁天丸の船長ばりの決断力に酔いしれようとしたところで、イリゼはまたも予想外の言葉を口に。

 

「言うだけ言って退席するのは無責任だと思うけど…ちょっと、頭を冷やしたいの。今の私はまだ、馬鹿な事考えるかもしれないから…」

「…イリゼさん、それって……」

「心配しないで、ユニ。一人で行ってやろうとか企んでる訳じゃなくて、ほんとにただ頭冷やしたいだけだから」

「……そういう事なら、わたしはそれでいいと思うよ。皆もでしょ?」

 

イリゼは偶にとんでもない事をしでかす(それはわたしもだろって?あはは、照れるなぁ……え、褒めてない?…なんだ、残念……)子だけど、今のイリゼからそんな気配は感じない。だからわたしがこくんと頷いて皆に訊くと…やっぱり皆も頷いてくれた。ふふっ、イリゼも中々人徳があるよねぇ。

 

「…ありがと、皆」

 

そうしてイリゼが部屋を出ていって、その後すぐに会議は再開した。その途中でベールもプラネテューヌに到着して、会議に参加。皆で意見を出し合って、こっちの出方に対して向こうはどう動くかも考えて……その上で一つの形を作り上げた。

いーすんを大事だって思うのは、皆も同じ。だから…待っててね、いーすん。わたし達が、絶対にいーすんを助けるから。

 

 

 

 

ルウィーのとある湖、その中の島にあるギャザリング城。普段は城内どころか島内にすら人が訪れる事が少なく、だからこそ犯罪組織に活用されてしまっていたその城の周囲は今、かつてない程の緊張感が漂っていた。

 

「こちらユニ。現状城内に動きはありません」

「同じくこちらからも動きは見えませんわ。…と言っても、そもそも大部隊規模でなければ今いる高度で視認する事は難しいのですけどね」

 

インカムから聞こえてくる報告では、今のところ想定通り…というか何事もなく進んでいるらしい。それに一安心した私は、周囲に目を走らせつつも作戦の概要を思い出す。

誰がどのようにしてイストワールさんを助けに行くか。その問題に対しては、結果的にトリックの名指ししたメンバーのみで…つまりはネプテューヌ、ブラン、ロムちゃん、ラムちゃんの四人で行う事になった。これには相手の罠に正面からかかりにいくようなもの、って意見もあったようだけど、相手の言う通りにするからこそ油断を誘えるという事で決定に至った。

でも勿論、四人に任せて他の面子は自国待機……なんてなる訳がない。城の正面にはノワール、背面には私、上空にはベールとネプギア、遠く離れた崖には狙撃体制のユニ、そして施設制圧の時と同様城の周囲には国防軍が展開し、四人の突入中城内で何かあっても、或いは外部から増援が来ても万全の対処が出来る陣形を突入前に敷いていた。トリックと残党側に察知されないよう、かなりの距離を取っているから瞬時に対応するのは少し厳しいかもしれないけど…だからこそ私達は、周辺警戒を厳重にしている。

 

(…でもまさか、普通に私も作戦に参加させてもらえるなんて……)

 

冷静になれば自分自身でも怒ってしまいたくなる程、イストワールさんが人質になったと聞いた以降の私は軽率で利己的だった。だからこの作戦に私は参加させてもらえないかもと思ってたし、参加が許されても後方待機辺りが妥当だと予想してたのに……私の持ち場は皆と何ら変わらない。一応女神の人数的に私を抜くと他が手薄になってしまうから(上空は全面を見られるからこそ二人配置したいらしい)、って理由が大きいんだと思うけど……

 

「…ほんっとに、私は友達に恵まれてるよね…」

 

私がここにいて、作戦に参加出来ているのは皆が私を信じてくれたから。私が勝手な行動に出るかもしれないって不安よりも、私が冷静に行動する可能性に賭けてくれたから。

今の私がいるのは、皆のおかげ。信頼してくれる友達がいて、手を貸してくれる仲間がいて、頼ってくれる後輩がいて、私を信仰してくれる色んな人達がいて……そのおかげで、ずっとずっと一人で眠り続けていた私は、ここにいる。…なら、報いなきゃ。皆の為に出来る事をしなきゃ、そんなの私じゃない。

 

(……って、なんかこれだと最終決戦みたいだね。今回はもしかすると何もせず終わる事だってあり得るのに…)

 

ここまで意気込んでおきながらとんとん拍子で事が済んだら、幾ら何でも恥ずかし過ぎる。…いや、とんとん拍子で済む事自体は喜ばしいんだけど……。

 

「……報告よ、城門前に辿り着いたわ」

『……!』

 

……なんて思っていたところで突入メンバーの一人、ブランからの通信が入った。その瞬間、私達の中にあった緊張感が更に高まる。

 

「わー、おっきい…」

「これがマジック・ザ・ギャザリング城…」

「ほぇ…?そうだったの…?(きょとん)」

「あ…う、ううん違うよロムちゃん。今のはギャザリングって言葉から連想したパロディで、しかもマジック・ザっていう四天王の名前とも掛けた…って、なんでわたしはボケの説明しているの!?自分のボケの説明なんて物凄く恥ずかしいんだよ!?」

「…ロム、貴女は思わぬボケ殺し能力の持ち主だったのね…」

 

…のも束の間、緊張感はあっという間にどっかに飛んでいってしまった。……おふざけの申し子ネプテューヌと純真無垢(…だよね?)の塊ロムちゃんを合わせると、こんな化学反応が起こるんだ…。

 

「…こ、こほん。とにかくわたし達はこれから突入するよ!」

「えぇ。けれどその前に、城門前に伏兵はいないか確認しまして?」

「確認済みよ、不気味な位静かだって事実と一緒にね」

「なら、行動は慎重にね。場合によっては撤退を視野に入れておいてもいいと思うわ」

「ロムちゃんラムちゃんも何かあったらすぐに呼んでね、わたし達が行くから!」

 

例え緊張する場だったとしても、私達は変わらない。緊張する場なんて、もう何度も経験してきたから。だからいつも通りに声かけをして、それに応答して、私達は作戦に入る。

勝利条件は、イストワールさんを無事に取り戻す事。そしてその上で叶うのなら、トリックの撃破と操られている人達の無力化。……でも、そこまでは望まない。残党には逃げられたとしても、イストワールさんが無事なら…四人が無事に帰ってきてくれれば、それで私は満足──

 

「よーし!それじゃあイリゼ、わたし達がばばーんと助けてくるから待っててね!」

「外で起きる事は任せるわ。だから、助ける事は任せて頂戴」

「イリゼさん、だいじょうぶ…!」

「そうそう、しっかりたすけてきてあげるわ!」

「皆……」

 

……嬉しかった。こんなにも思ってもらえる事が、凄く凄く嬉しかった。…だから私も、思いを返す。

 

「うん…うんっ!任せたよ、皆!」

 

そうして、四人は城門から城の中へと入っていった。ここまで何もないのはある意味当然で、危険があるとすればそれはこれから。…でも、私は大丈夫だって、成功するって信じてる。だって……皆が、そう言ってくれたんだから。




今回のパロディ解説

・某弁天丸の船長
ミニスカ(モーレツ)宇宙海賊の主人公、加藤茉莉香の事。ネプテューヌの決断力は本物ですよね。その決断が適切かどうかはちょっと微妙なところですが。

・マジック・ザ・ギャザリング
TCGの一つの事。マジックとトリックの両方を連想する名前なんですよね。勿論マジック・ザ・ギャザリング側はそんなの知った事ではないのでしょうけど。

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