ヒトフタヨンマル。出撃ドッグに集まった六人➕α。
私服だった者は艦娘の制服に着替えていた。
ヲ級とタ級も私服から戦闘時の端から見たら恥ずかしい格好になっている。
「昔は気にならなかったけど、今改めて思えばとんでもない格好をしてたわよねワタシ達」
深海棲艦として活動していた頃の服装に着替えたタ級は感覚がもう以前とは違う事に感慨深そうにしていた。
上半身をセーラー服、下半身をヒモパン紛いの下着・・・水着?の状態に羞恥心が芽生えたのは女性としての自覚が芽生えたからなのか人の中に入って生きるのになれたからなのか。
「なんか、二人とも痴女よね」
「痴女!?、いいわよねル級は!元々スーツみたいなものだし!」
「そうだそうだ〜」
「ヲ級だってそれ着てた事殆んどないじゃない!」
タ級の馬尻に乗っていたヲ級がサッと顔を背ける。
「まぁいいわ。それで、ヲ級。ちゃんと通信は通しておきなさい。着いたら港湾夏姫が移動していて居ませんでしたなんてない様にしなさい」
「は〜い」
ヲ級はル級に言われた通り通信状態をONにしてインカムを耳につける。
「ねぇねぇ、ヲ級。それな~に~?」
夕立がヲ級の着けたインカムに興味津々に聞いてくる。
「これ?これはね、てを塞がすに会話をするための器械なんだけど、見たこと無い?」
夕立の質問に答えるヲ級。
「見たこと無いっぽい~」
どうやら夕立はインカムを見るのは始めてらしい。
「時間ですね。それでは、第一混成部隊、これより港湾夏姫との接触任務の為、出撃します」
翔鶴の言葉に夕立とヲ級もじゃれあいをやめ、案内の為先頭にタ級、続いてヲ級、ウォースパイト、翔鶴、古鷹、夕立の順に単縦陣で出撃する。
「行ったわね、何事もなければいいけど。それで?なんで貴女は海を睨んでいるのかしら?」
ル級は隣でタ級達六人が出撃した海を睨んでいる金剛に話しかけた。
「ベツニ、ただ少ーし、イエ。ちょっとかなり羨ましいと思ったダケデス」
どうやら金剛は港湾夏姫への接触任務に参加したかったようで、出撃したメンバーには隠して居なくなってから羨ましいと口にしてしまう程度には羨ましがっていた。
「なら個人で行けばいいじゃない。出きるでしょ?」
「駄目デス、アイニクトこのあと集積地棲姫ヲ部屋から出さなければイケマセン」
「そう、貴女も大変ね」
「デスが今でも不思議デス、なんで集積地棲姫がヲ級のお姉さんなんでショウ」
「さあ?でもあまり気にしない方がいいわよ。貴女達も大概なんだから」
そう言うとル級と金剛は踵を返すとその場から去っていった。