転生姫の世界の関わり方【休載】   作:ホワイダニット

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181Aの電流さん誤字報告ありがとうございます。


自然とはなんと美しいのだろう

~夕方~

 

一度自分の意思で寝て起きたら夕方だった。だが一度寝たのは良かったようで随分頭がスッキリしている。

さて相変わらず空腹感はないとすると恐らくこの体はエネルギーを必要としないか、もしくはかなり燃費がいいのかもしれない。これに関してはもう少し様子を見るとしてちゃんと今の自分の体を確認した方がいいだろう。新しい体の見た目が良ければ多少体を気にする意識も生まれるし。前の体と言うか恐らく前世に当たる肉体は中の下だったから怪我をしても放置していたから傷跡もけっこうあったし、まぁ体が女の時点で今更だ。

しかし確認しようにも鏡がない、海は水面が揺れて代わりにならないし。そこでふと沈みゆく太陽に意識を向ければ丁度海の地平線に太陽が半分ほど沈み絶妙なオレンジと藍色のコントラストが私の目にうつる。沈みゆく太陽を眺め次第に藍色が紺色と変化しやがて夜の帳降りる。空が闇に包まれれば無数の星と優しい光で自身を主張する月、涼しい風と寄せては返すさざ波の音、否応無しに心に。魂に響く何か。つまりは今私が今一番したい事は・・・全力でこの星空を写した海で泳ぐことだっ!イヤッホーッ。とッとと危ない危ない、海に入るのに服のまま入ったら替えがなくなる。先ずはブーツを脱いでって重っ!これまさか鉄?あっいやこの光沢と触り慣れた感じは鋼?ブーツが鋼っていやいやまてこのサイズの鋼が片手で持てる訳、でもどお見ても鋼だし。あぁでも昼間これを履いて普通に歩いてたな私、なら問題ないのか。次に服を脱いで、あれ?これ下着じゃなくて水着だ、・・・まあいいやこれから海に入るのに水着で悪いことはないし。服は畳んで帽子を置いていざ海へ。

 

海に入ると何ともしがたい衝動に駆られる。こう潜れ!潜水しろと訴えるような感覚、水深は見た感じ五メートルから六メートル位か・・・まて、なんで夜の海の中が分かるんだろう?そういえばやたら夜目が利いてる気がする。

星と月の灯りだけじゃこんなにクリアに見えないはずだし、などと考えつつ海に身を任せ満天の星空を眺めて行動に移さない私は体が変わっても面倒くさがりの気分屋な所は変わらないらしい。未だに名前と元の性別、前の体の自分がどうなってこの体になったか思い出せないけど気分は悪くないし少し此れからの人生が楽しみになってきたかも。明日は何をしようかな、いつまでもここにいる訳にもいかないだろうし。あと新しく名前を考えないと。

 

 

 

 

 

 

 

 


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