このぞんぞんな世界に救済を!   作:ちょむすけ

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自己紹介で丸々一話使ってしまった…


学園に集いし者たちに紹介を!

めくねええええええ!と泣き叫びながらピンク髪の人に抱きつく制服の女子二人とやたらニコニコしてる、話聞いてたらどうやらさっき助けためぐねえが死んだと思ったショックで頭がおかしくなってしまったらしい、ロリ体型の高校生を横目で見つつ俺はこの後どうしようか考える。

 

「どうかしたのか、カズマ?珍しく考え込んでるな」

 

「いや、どうしたもんかって思ってなー」

 

「…?学校に着いたし、命を失いかけてた人も救えた。これ以上何を心配することがあるんだ?」

 

「俺たちのことどう説明すんだよ」

 

「どういうことだ?」

 

今、あの大泣きしながら再会を喜んでいる連中が正気に戻ったとしよう。

そして、俺たちの姿を見れば怪しいしか思えないはずだ。

それに、

 

「正直に説明したとしても、おまえ異世界から来たなんて言ってる初対面の連中を信じられるか?」

 

「ああ…」

 

ダクネスは察したらしい。基本的に変態なのを除けばそれなりに優秀だったなコイツ。

 

「きっとあれだ初めて紅魔族にあった奴とおんなじ目してくるぞあいつら」

 

「ああ。けど私は素直に話した方がいいと思うぞ」

 

「なんでだよ」

 

「私たちはいつもこういうので無駄な回り道をしてロクな目にあったことがないだろう」

 

馬鹿正直に向かってってもロクな目に合わなかった気がするが、まあいいか。

 

「じゃあ素直に言ってく方針で」

 

クリスあたりの『スティール』でなんとか信じてくれるはずだ。

俺がやったら多分またパンツを剥いてしまう。

アクセルの街なら俺がパンツ剥いても良かったんだが、流石に女ばっかりのこの状況でそれをやるほど俺は面の皮が厚くない。

 

その後冷静になった三人は俺たちの前で大泣きしたからか、顔を赤くしながら俺たちから事情を聞き出そうとしてきた。

ちなみにあの現実が認識できてないロリ体型の帽子被った娘はアクアの宴会芸に夢中である。

 

「先ほどは助けていただいてありがとうございました。私は巡ヶ丘高校の教師、佐倉慈と言います」

 

「あ、ご丁寧にどうも俺は佐藤カズマって言います」

 

「え……?」

 

あれ、思ってた反応と違う。もっとこう警戒心が強くなるんじゃないかと思ってたんだが。

腰に刀ぶら下げたやつ見たら普通警戒するんじゃ…。

 

「え……!?…っもそっくりだし…本人だとしたら余計おかしい…」

 

なんかこの人俺のこと知ってるっぽいわ。ついでに俺が死んだことも知ってるらしい。

 

「えっと…佐藤くんだったわよね…?あなたこの学校に通ったりしてなかった?」

 

俺はこんなまともな美人の知り合い居ただろうか。

周りがおかしい分知ってたら絶対忘れそうにないんだけど。

 

「はい。つってもほとんど家に引きこもってたんで、通ったのなんて数えるくらいですけど」

 

「……………えええええええええええ!!!!!????」

 

「ど、どうしたんだよめぐねえ。もしかしてコイツのこと知ってんのか?」

 

「ええ。でも彼は二年前に亡くなってるはず…」

 

「おいおいマジか…?」

 

「だって私当事のあの子の担任だったんだもの」

 

ああ、なるほど。だから俺は知らなかったのか。俺教師が家に来た時とか居留守使ってたし。

 

「カズマ、どうやらあの人カズマのこと知ってるみたいなのですが」

 

めぐみんやダクネスそれにアイリスにも一応俺が死んで転生したあたりの話は話してある。

だから俺が死んだ云々は飛ばしてくれたのだろう。

向こうで俺が割としょうもない理由で死んだりするからってのもあるかもしれないが。

 

「らしいな」

 

「なんでカズマは覚えてないんですか」

 

「学校サボりまくってたからな」

 

「そういえば前にカズマは引きこもって学校にも行かずにゲームばっかりしてたと言ってましたね…ほんとになんでこんなのを好きになってしまったんだか」

 

こいつはなんでちょいちょい心臓に悪いことを捻じ込んでくるのだろうか。

 

「ってことはおまえは幽霊なのか!?」

 

ツインテの女子が怯えたようにこっちを見て来た。失礼な俺は正真正銘人間だっての。

 

「いやちげえよ。結論を急ぐなって、ていうかクリスなんでおまえまで俺をアンデッドを見るような目で見てんの?」

 

少し、真後ろの女神から殺気を感じた。

 

「いや、助手くん夜になると凄く強くなるからさ…ほんとに悪魔とかアンデッドじゃないんだよね?」

 

「いやですねお頭。あんた俺の事情だいたいアクアの次くらいに知ってるじゃないですか」

 

「ま、そうなんだけどさぁ」

 

「で、そこんとこどうなんだよ」

 

「説明はするけど、かなり突拍子もない話だぞ」

 

「それを言ったら今この世界も相当突拍子もない世界よ」

 

そこから俺はあそこで宴会芸をしてる駄女神によって異世界に転生したこととかを今までの苦労に対する愚痴や、クリスや俺のスキルの実演を含めながら説明した。

 

いくらコイツが言い出したことといはいえ、なんで俺は実演の相手にコイツを選んだんだろうか。

一応クリスがアイリスの目と耳を塞いでるが…最近コイツ、アイリスの前でもドMを発揮するようになってきてるな。

 

「か、カズマ。おまえ…バインドで縛り上げた上に放置とはなかなか高度なプレイを…くぅっ」

 

「おまえはほんとにちょっと黙ってろこのド変態!いい加減にしないとおまえが泣いて謝るようなことをしないといけなくなるぞ」

 

「くっこんな初対面の者たちの前で『スティール』で裸にされた私はきっとおまえに襲われ…くうぅぅそれもまた…いいだろうどんと来い!」

 

顔を赤らめたダクネスはバインドで縛られたまま悶えている。

いいだろう。そういうことならこっちにも考えがある。

 

「なあ、そこの三人…ちょっと引くなって、何もしないから。この床で転がってるドMのことはこれからララティーナと呼んでやってくれ」

 

「え、ええ?」

 

「そ、それはやめろ!?こんな辱めは私の望むところではないと前から……っ!」

 

「あ、あの〜そろそろ話を戻さない….?」

 

「そ、そうだな」

 

そう言って、悶えながら床に転がってるダクネス以外は話に戻る。

 

「で、異世界云々はわかったし一応信じるけど…その人そのままでいいのか?」

 

「お、お構いなく!」

 

因みにダクネスの痴態はクリスがアイリスの目と耳を塞いでいるので見えていない。

だからか、存分にその性壁を発揮していた。

 

「そろそろ自己紹介しないかしら、私たちは今日あったばっかりなわけだし」

 

「それもそうだな」

 

そう言いながら俺はちゅんちゅん丸でダクネスのバインドを切る。

こいつに使ったのはただのロープなのですぐに切れた。

 

「あぁ…」

 

「おい。なに惜そうな顔してんだおまえは。アイリスの前であんな痴態を見せるつもりかよ」

 

自己紹介する以上、クリスにはアイリスを離して貰わなくちゃならないってのにこの変態は。

まあ、色々手遅れなきがするけど。

 

「むぅ。そうだな済まない。下手をしたら手遅れになるところだった」

 

「安心しろ。もう色々と手遅れだから」

 

「どこにも安心できる要素がないんだが!まさかアイリス様は知っておられるのか!?私のコレを!」

 

こいつは昨日ゾンビから逃げる時散々やらかしておいてなにを言ってるのだろうか。

 

「はぁカズマ、もうすでに脱線しかけてますよ。ダクネスが変態なのは今更でしょうに。ダクネスもさっさと起き上がってください」

 

ダクネスが起き上がり、クリスもアイリスの目と耳を離した。

 

「あ、あの何が一体どうなったんですかお兄様?」

 

「今から自己紹介するんだよ。それじゃあ先ずは俺から。俺はさっきも言ったけど佐藤カズマだ。アクセルって街で大富豪になったり、魔王倒したりした冒険者だ」

 

「ちなみにカズマは私たちの街では、鬼畜のカズマ、クズマ、カスマ、あと運だけのカズマさんなどと呼ばれている、金があると部屋から出ずにダラダラと日がな一日過ごしてるダメ人間だ」

 

おい。余計なことを言うんじゃない。

皆が引いてるだろうが

 

「とはいえ、こいつは小心者の癖して魔王の幹部を相手取り、私を悪徳貴族から救ってくれたりと存外にお人好しでいい奴だから偏見など持たずに接してやってくれ」

 

こいつ、さっき名前のことで揶揄った意趣返しをここぞとばかりにしてきやがった。

しかも、ほとんど事実だから言い返せねえ。

 

悔しいっ!

 

めぐみんやクリスまでこっちをニヤニヤしながら見てやがる。

 

「あと私の名前はダスティネス・フォード・ララティーナという。私のことはダクネスと呼んでくれ」

 

「あ、私はクリスだよ。冒険者で職業は盗賊。よろしくね!」

 

「私はアイリスと言います。向こうの世界では王女をやっています。よろしくおねがいしますね皆さん」

 

アイリスはこっちの世界に自分の国がないって知ってるからか正体を隠そうともしないな。

 

「ああ、よろしく…って王女!?」

 

「なになに?みんなで自己紹介してんの?ちょっとこのヒキニート!なんで私を真っ先に呼ばないのよ!」

 

あそこで宴会芸に興じていた駄女神が戻ってきやがった。

 

「ねえねえくるみちゃんあの人すっごいんだよ!紙でこんなの作っちゃったんだよ!」

 

「なんだこれ!?すごいな、どうやって作ったんだ…?」

 

そう言って帽子の女子が見せたのはいつしか城でも作ってたバニル仮面だった。

あいつはこういう役に立たないことはほんとに器用だな。

 

「私はアクアよ。アクシズ教のアークプリーストというのは世を偲ぶ仮の姿でその正体は私こそがアクシズ教の神体である女神アクアなの!わかったらこれからできるだけ甘やかしてちょうだい!」

 

「こいつは甘やかすと調子に乗るから適度に厳しくしてやってくれ」

 

「なんでよ!!」

 

「おい。今この状況こそおまえが調子に乗った結果だって忘れてないだろうな」

 

「なっ、そもそもあの神器を使ってみようとか言い出したのはカズマさんじゃない!何罪をなすりつけようとしてるのかしらこのニートは。謝って!罪をなすりつけようとしてごめんなさいって謝って!」

 

こいつ。

 

「おい、俺はおまえが魔力込め始めた時に止めたよな。それをこういうのはたくさん魔力を込めた方がいいのが出るのよ!とかいって調子に乗ったおまえのほうが悪いに決まってんだろこの駄女神!」

 

そう言いながら俺はアクアの頬を引っ張ってやった。

 

「あ、やめなさいよこのクソニート!あ、いたい、いたい!ちょっと引っ張るのは卑怯よー!」

 

「次は私の番ですね」

 

そういいながらめぐみんは、俺たちの中心に位置する場所にわざわざ移動して名乗りを上げ始めた。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一のアークウィザードにして、爆裂魔法を操る者!!」

 

あ、あの三人が固まった。

まあ、そうなるよな。

 

「あの…めぐみんってそれ本名か?」

 

「おい、私の名前について言いたいことがあるなら聞こうじゃないか」

 

「え、だって…さすがにあだ名だろそれは」

 

「紅魔族ってのはみんなこういう名前してるんだよ。決してふざけてるわけじゃないぞ」

 

俺はアクアの頬を引っ張りながら助け舟を出してやる。

アクアが泣きながらなんか言ってるが俺には聞こえない。

 

「なっ、カズマまで何をいうのですか!私からしたら外の人たちの方が変な名前してると思うのです」

 

「いや、俺の刀にちゅんちゅん丸なんていうわけのわからない名前をつけるおまえのセンスの方がおかしいからな。この刀の名前をかっこいいって思うのは紅魔族だけだ」

 

ほら見ろ、ツインテのやつもめぐみんのことを微妙そうな目で見てる。

 

「そ、それじゃあ気をとりなおして…私は巡ヶ丘高校三年の若狭悠里です。えっと…私もなにかやった方がいいのかしら?」

 

なんもやらなくていいです。これ以上は捌けないから。

 

「えっと、私も自己紹介したいんだけどさ…佐藤だっけか?」

 

「おう」

 

「その人そろそろ離してやれよ。めっちゃ泣いてるぞ」

 

「おっと忘れてた」

 

言われて気づいた。

そういえば俺アクアの頬を引っ張ったままだった。

 

「わあああああ!!カズマにいじめられたー!!」

 

解放されたアクアはダクネスに泣きついた。

よし、あいつのことはダクネスにぶん投げてしまおう。

 

「よし。邪魔者は消えたし、自己紹介の続きしよう」

 

「容赦ないな…」

 

「お兄様、あんまりアクア様を虐めてはダメですよ?」

 

「アイリス、あれはアクアが余計なことをしたから折檻してたわけで俺は悪くない」

 

「お兄様……」

 

「おい王女様が引いてるぞ………まあ、いいか。恵飛須沢胡桃だ、よろしくな!」

 

「私は丈槍由紀だよ!よろしくね!」

 

おお!!

 

「どうしたんだ?なんでそんな目を輝かせてるんだ?」

 

「いや、普通っていいなって」

 

そういいながら、俺は駄女神と頭のおかしい爆裂娘、ドMクルセイダーを順にみる。

 

「おい。そこでどうして私を見たのか聞こうじゃないか!」

 

「いや、自己紹介に関してはおまえが一番おかしいからな」

 

おっと、めぐみんの目が紅く輝き出した。

 

「なんていうか…苦労してんだな」

 

「ほんとだよ」

 

「えっと、改めて佐倉慈です。よろしくね、みんな」

 

改めて自己紹介をした佐倉さんだったが、そもそも俺たちの中でちゃんと聞いてたやつはアイリスとクリスくらいしかいなかった。




因みにゼル帝とちょむすけですが、この二匹はウィズとバニルに預けられてます。


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